11
Oct

今、何故、自然派なのか

フランスワインの現状 フランスワインは華やかな部分と地味な部分と2極分化している。 華やかなグランクリュを中心にした部分は、フランスワイン全体から見ればほんの一部分でしかない。 フランスの葡萄栽培農家の70%は農協に属している。 フランスワイン業界全体を語る時、この農協の影響力と現況を無視して、華やかなグランクリュだけを語っても全体が見えてこない。 農協系農家 70% 醸造設備を持っていない農家。 収穫した葡萄を農協に持ち込んで、葡萄重量に対しての対価(価格/kg)を受け取る。 独立系農家 30% 自分で醸造設備を持っている小中規模の葡萄栽培農家、醸造元。 グランクリュもこの中に属していて、この中でもほんの数%を占めるに過ぎない存在である。 このフランスワインの全体像を認識した上で、これからの話を進めていきたい。 全体のほんの数%にしか属さないグランクリュ、超有名ワインは常に顧客がついている。 ロシア、中国のニューリッチ、マフィア的お金持ちなど、世界中のリッチを顧客にした華やかな特級、一級グラン・クリュ・クラッセの世界は常に顧客がいる。 農協が倒産する時代 それに反して、フランスワイン業界の70%を占める農協が今、経営上、瀕死状態である。 農協ワインが売れなくて困っているのである。既に倒産した農協が多くある。 倒産しなくても、決して良好な経営状態ではない。 栽培農家が収穫した葡萄を農協に持ち込んでも、農家に対価を払える経営状況ではないのである。 つまり70%の葡萄栽培農家が、大変苦しい生活状況にあるのが現状である。 若き後継者が面白い・・農協から独立・・ 本来のフランスワインの風味復活の必要性 栽培農家の若き後継者の悩みは、農協にこのまま属していても、将来に希望を見出せないことである。 多くの若き醸造元が農協から独立して単独醸造元として活躍することを夢見ている。 勿論、既に多くの農家が独立している。 ここで問題なのは、独立しても、農協が造っているワインと同じようなワインを造っても売れないと云うことである。 何の特徴もないワインは売れない。 ただ美味しいだけでも売れない。 価格が安いだけでも売れない。 この現実が彼らを待っている。 美味しいワインは世界中に沢山あり、しかも人件費の高いフランス産でなくてもよい。 フランスでなくては造れない味わいが必要である。と云うよりもそれぞれの土壌に根ざした特徴ある風味のワイン。 しかも文句なく美味しく、価格もリーズナブルなワイン。こんなワインが必要なのである。(これが自然派ワインの条件の根幹部分) この一見当たり前のような条件を備えたワインが、いつの間にかフランスから消えてしまっていた事実が問題なのである。 1935年に誕生したAOCの理念の原点に戻ればよいのである。 今のワイン造りが如何にこの原産地呼称の理念にそぐわない栽培方法や醸造方法をやってしまっているかが重要な問題なのである。 フランスワインの原点に戻って、再構築する必要がある。 ワインのスタンダ-ド化は、どのように発生して、現在に至ったのか? 何故? いつ頃から?どんな風に?AOC(その地方、地区、村)や土壌の特徴がないワインが増えていってしまったのか? 除草剤の使用 それは1960年代に使用されはじめた除草剤に起因する。 農業国フランスの農業近代化には必要不可欠な存在でもあった除草剤なのである。 農作業で最も人件費が掛かるのは草とりの為の耕す作業である。 人的手作業でやると1ヶ月掛かる仕事が、この除草剤を撒くと3日で終わってしまう便利なものなのである。 瞬く間にフランス中に広まったのは云うまでもない。 除草剤の多用を数年続けた畑に起きた現象は、耕すことがない為に土が固まってしまって、まるでコンクリートのように硬い表面の畑になってしまった。 酸素が地中内に入ることもなく、その上、除草剤の毒性の為に微生物やミミズが畑から姿を消してしまった。 畑に有機物がなくなり、土壌としての機能がなくなってしまった。 葡萄木が育たない,葡萄果実が熟さないという状況になってしまった。 化学肥料の使用 そこで登場したのが、化学肥料である。 化学肥料を多用すると、土壌の表面に栄養素がある為に根っ子が地中深く伸びていかない。 根が地表近くに滞留してしまう。 ワインにその土壌独特のミネラル風味を与えてくれるのは、地中深く伸びた根っこの役割が大なのである。地中10メ-トルともなれば、ロッシュメ-ルと呼ばれる昔海底だった時代の地層である。 地殻変動で古いところでは数億年前の地層が存在している土壌もある。 その貴重なミネラルつまり鉱物のエネルギ-や風味をワインに与えてくれるはずの根っこが、地中に伸びなくなってしまったのである。 当然、その土地独特の風味がないワインができあがる原因の一になっている。 しかし、化学肥料は時代の要請に応える必要不可欠のものでもあったのである。 60年代の後半から70年代にかけて、フランスでも大型ス-パ-が乱立した。 当然、ワインもス-パ-商材として重要な存在となり、大量生産、大量販売の時代の要請には、この化学肥料は重要な存在だった。 質よりも価格と量が重要だった時代である。農協の全盛期時代でもある。特徴が無くても、安くて、飲める程度の品質なら売れた時代である。 フランスのワイン消費量も今の1.5倍はあった時代である。昼食でもワインを飲むのは普通の時代だったのである。 オノロ-グ事務所の増加 80年代にはいって、ワイン造りに大きく影響を与えたのが、オノロ-グ事務所の増加である。 醸造学部を卒業するとオノロ-グという醸造学士の称号が与えられる。 彼らは農協に就職したり、大手醸造元に就職したりするが、優秀なオノロ-グは自分で事務所を開設する。最も有名なのがミッシェル・ロ-ラン氏である。 彼らの仕事は複数の醸造元と契約をして、葡萄栽培から醸造までの最新技術の導入指導をすることである。 それまでは、親から子へ代々の伝統を伝える方法でワイン造りを経験的に継承してきた。 その為、無知からくる失敗も多くあった。醸造中にワインがヴィネガ-“お酢”になってしまった経験はどの醸造元でもあったことである。 そのような、初歩的な醸造上の失敗は、このオノロ-グ事務所と契約すれば全く無くなる。 なぜなら、オノロ-グが定期的に醸造元を訪問して、ワインを分析して必要な措置を指示してくれるのである。非常に便利なシステムだったのでフランス中にオノロ-グ事務所が急増した。(今では、フランス中の醸造元はオノロ-グ事務所と契約している。) オノロ-グによる指導がワインのスダンダ-ド化に拍車 葡萄園の状況は、除草剤や殺虫剤、化学肥料の多用で畑も葡萄木も弱体化してきており、健全な力のある葡萄を収穫するのは難しかったのである。ここにオノロ-グが重要な役割を演じたのである。 どんな葡萄を収穫しても、そこそこの味わいに整えてくれる最新醸造技術をオノロ-グが指導してくれたのである。良い年も悪い年も大きな遜色ないワインを造ることを可能にしてくれたのである。 便利な裏には必ず欠点もある。オノロ-グの指導で失敗は少なくなったがワインのスタンダ-ド化に拍車がかっかったでのある。 例えば、ボルド-大学出身のオノロ-グはボルド-大学の最新技術を至るところで指導する。すべてが似たタイプのワインが出来上がってしまう。ミッシェル・ロ-ランが指導すると、どこの地方で造っても、違う国で造っても同じタイプのワインが出来上がる。 これは批判してる訳ではありません。 ただ、ワインのタイプの違いがその土壌に由来していないのが、残念なのである。 弱体化した土壌や葡萄木をカバ-する為の“技術”となってしまっていることが問題なのである。 風味付け人工酵母の登場 そして、90年代にはいって、更に醸造技術は進歩した。 相変わらず、除草剤、殺虫剤、化学肥料は使い続けている。 20年、30年も使い続けた畑には微生物は皆無であり、畑に生息すべき土着の自然酵母も存在しない。 だから、収穫した葡萄を醗酵槽に入れても醗酵が始まらない。 そこでバイオテクノロジ-の出番である。化学的に造られた酵母菌を混入すれば問題なく醗酵が進む。 しかも、この人工酵母菌はお好みの香りをワインに与えることが可能なのである。 ルヴュ-アロマティックと呼ばれる香付酵母菌、高度バイオテクノロジ-のおかげである。 例えば、バナナの香りを付けたければB65を使用すればよい。この酵母菌は約300種類 も存在している。カシスの香り、ミュ-ルの香りと何でも可能なのである。 しかし、ここでも、問題なのは土壌に根ざした香りではないことである。 自然派のフィリップ・パカレ氏は『ワインにその土壌独特の風味を与えてくれるのは、その土壌に住む土着自然酵母だ』と言い切る。 SO2の多用が土壌の風味を抹殺 ここでもう一つ大事なことは、SO2の大量混入だ。 人工酵母を使用する場合、他の雑菌や僅かでも残っている自然酵母を抹殺してニュ-トラルな状態にする必要がある。その為に収穫直後に多量のSO2の添加をしてしまう。 弱体化した畑から収穫される葡萄果汁はエネルギ-がなく雑菌に犯され安いので、SO2を大量に入れてニュ-トラルな状態にすればトラブルが無くなるからである。 数億年のミネラルのエネルギ-の影響を受けた自然酵母を抹殺してしまうのは本当に残念なことである。 土壌独特の複雑味を与えてくれる要因をすべてクリアにして消し去ってしまうことなのだ。 極端な多量のSO2の使用は、自然な葡萄風味を一旦、ニュ-トラルにして、そこから自分が目指す風味を人工酵母によって造り上げてしまうようなものである。まさに人工的ワインになってしまう危険性があるのだ。 ここでも問題なのは、土壌に根ざしたワインの風味からますます遠ざかってしまっていることなのである。 今回述べたことは、分かり易くする為に極論的に書きました。醸造技術の進歩やオノローグがフランスワイン業界に与えている絶大なる功績を批判することではない事をここに付け加えておく。 オノローグの中でも、多くのオノローグ達が土壌再生の為に奮闘努力している姿を筆者は見ている。 この事実も付け加えておく必要がある。 ワインのスタンダ-ド化に至った事実経過を認識しておく事は、今後のフランスワイン業界の流れを推理する上でも、自然派と今呼ばれている潮流を根幹的に理解する上でも大切なことである。 ここでちょっとまとめてみることにする。 土壌重視のワイン造りへの回帰 こうして、土壌に由来する特徴をもたないワインがフランス中に至るところに氾濫してきた。 このような、テクニックワインを横目で見ながら、心ある、勇気ある醸造元が『やっぱり、テクニックに頼り過ぎるのは良くないだろう、原点である土壌をもう一度耕して、微生物やミミズが生息する畑に生き返らして、根っこをまっすぐ下に伸ばし、ミネラルをたっぷり含んだ果汁の葡萄を育て、畑に生息する自然酵母のみで醗酵をしよう。つまり自分達のお爺さん達が造っていたワインに戻ろう』と云う土壌重視のワイン造りへの回帰が自然派の起源だったのである。 これらの動きは、テクニックワインが氾濫してきた1980年代後半から始まった。 […]

11
Oct

PASSIONの人、中川マリさん。

先日、日本より大阪の業務用卸酒店・小松屋の中川マリさんがパリにやって来た。 マリーさんは本当にいつも元気で、笑顔で気持ちの良い女性だ。お母さんがスリランカ人の美人さん。 数年前、一年間休職して世界一周の旅を実現した恐ろしく行動力のある女性。 小松屋・社員としてフランス・ワインの旅に何回も来仏したことのあるパッションの女性だ。 今日は、宇都宮の山仁酒店の樋口さん、そして、これから南アフリカでワイン造りを目指している佐藤圭史さんを同行してやって来た。 ヨーロッパに着いてほぼ一週間、ギリシャ、南仏、シャンパーニュを周ってパリ到着。日本食も食べられて自然派ワインも飲めるバーTENに行った。 9月11日はMarcel Lapierre*マルセル・ラピエールの命日、今年は七回忌である。 マルセル自身が醸造した最後の年の2009のCuvee Marcel Lapierreを開けた。有難う、マルセル。 大阪人のマリさんとタコ焼きを食べながらPhillippe PACALET*フィリップ・パカレを開けた。その後、店の人も一緒にこんなワインを開けました。 Philippe Jambon*フィリップ・ジャンボンのLes GANIVETS, Domaine du Possible*メーヌ・デュ・ポッシブルのCharivariのマフナムも開けました。どれも最高に美味しかった。 シメに、カレー専門家のマリーさんがカレーを食べました。 ヤー、結構飲みました。 店を出るといオペラ座が輝いていた。 酔った勢いでカクテルのハリス・バーOPERA店でカクテルをひっかけた。 ヤアー、結構、酔っ払ってしまいました。

10
Oct

Vinuls Ueno バニュルス 上野駅店

スペインの本場仕込みの本格的なバルで、20種類以上のタパスが楽しめる。 特に人気なのは、バル定番の「スペイン風オムレツ」や、スペイン製の土鍋で作るアツアツの 「マッシュルームのガーリックオイル煮」や「濃いトリップの煮込み」、あと本場のバルには欠かせない プランチャ(鉄板)でつくる、「タコの鉄板焼きガリシア風」や「甘エビの鉄板焼き」などなど。 ワインは、ジューシーな“太陽系”スペインワインから、その土地ならではの繊細な味わいとバランスの良さが魅力の“自然派”フランスワインが揃っている。 自然派ワインから太陽系ワイン、エレガントなワインからマッチョなワインなど色んなワインを飲み比べながらバルを思う存分楽しめそう!

10
Oct

Ginza Oono 銀座 大野

オザミ唯一の和食店。 なんと、いきなりミシュランで一つ星を獲得! 大野料理長の造る繊細な素材を活かした懐石料理に多種類のワイン! 和食といえど、ここはオザミ、ワインのメニューも他店同様充実!

10
Oct

自然派元祖マルセル・ラピエール家の直系Christophe Pacalet*クリストフ・パカレ

クリストフ・パカレの血液がもう自然派と云ってよい。 幼少時代はマルセル・ラピエール家と共に過ごしたクリストフ・パカレ。 クリストフのお母さんはマルセルの妹、マルセルと一緒にドメーヌで働いていた。 ブルゴーニュの天才醸造家フィリップ・パカレのお母さんもマルセルの妹。つまりフィリップとは従兄同士。 子供の時はモルゴン村でフィリップ・パカレと共に過ごしていた。 白黒写真の右端の男性が若きマルセル・ラピエール。 右の赤ちゃんを抱いている少年がフィリップ・パカレ。 そして、フィリップに抱かれてぐっすり眠っている赤ちゃんがクリストフ・パカレです。 生まれた時から自然派。 クリストフの体には自然派の血液が流れている。 断食道場にて15キロの減量を実行 16年の収穫に合わせて、精神と体を一新したクリストフ。 最近、やや太り過ぎだった。醸造家としても10年を超えて、新たなスタートを切りたかった。 クリストフはいつも思った事は、まず“可能だ”と思ってから断固実行する。 今年は、ボジョレを諸々の天候災害が襲った。5月の冷害、そして6,7月の曇り空、湿気からくるベト病の繁殖、8月の35度を超す猛暑、その間、3回にも及ぶ雹が降った。シルーブル、シェナの標高が高いところの畑がほぼ全滅した。 今までにない変化に対して、心身を新たにしてゼロの気持ちで臨みたかった。 16年のクリストフは、気合の入れ方が違う。 減量前と現在の写真 スリムになって10歳は若返った CHRISTOPHE PACALET*クリストフ・パカレ2016年産収穫 9月21日、まだ薄暗い朝7時に収穫人が次々と集まっている。冷気から朝靄がかかる葡萄園を走る。8度と涼しい気温だ。 自然派ワイン醸造には好適な気温である。収穫した葡萄を冷やす作業を省ける。 葡萄園に到着、クリストフから収穫における注意事項、今日の予定のメッセージを伝える。 特に、選果作業、腐ったり、傷んだ葡萄を絶対に入れないように注意を繰り返した。 現場は大切!! クリストフは現場に残って、厳しくチェック。 中にはあまり収穫現場に行かない醸造家がいる。何事も現場は最も大切な場所。ワイン造りの原点・素材である葡萄が穫れる場である。原点は超大切!! 収穫人の選果する意識が定着するまで時間がかかる、繰り返して指導しないと徹底されないことをクリストフは知っている。 (中堅、古参になると現場にあまり行かない醸造家が多い) 困難を乗り越えて収穫2016!!   今年の7月にはこんな素晴らしい葡萄が穫れるとは想像もできなかった。 3回にも及ぶ雹で全滅した区画があり、全体で30%程は収穫量が減った。 しかし、こんな健全な葡萄を結果的には収穫できた。 心から喜ぶクリストフ・パカレ。 強力な助っ人! Denis PESNOT*ドゥニ・ペノ(マーク・ペノの兄弟) フランス・ソムリエコンクールで2位になって、三ツ星ロブションがロンドンに進出した時、立ち上げからチーフ・ソムリエとして大活躍したドゥニさん。 マルセル・ラピーエルに親しんでボジョレに来てしまった。 芸術肌の感性を持ち合わせているドゥニは、画家として第2人生を送っている。 ワインの知識とテースティング能力は凄いものを持っている。 クリストフ・パカレは、もう一度、ドゥニをワインの世界に戻したかった。 ドゥニに、ワイン造りの協力を依頼。3年前よりクリストフ・パカレ醸造に強力な助っ人が参加している。 この急斜面での収穫は体力的に厳しい。 9:30頃キリの良いところで休息がはいる。 クリストフは近隣の若者を集めて収穫する。 何人かはブルガリアの若者もいた。 クリストフ・パカレ・ヌーヴォは!? こんなに素晴らしい葡萄が収穫された。 幾つもの困難を乗り越えて、何とか収穫までたどり着いた。 あまりにも、完璧な葡萄なので、収穫人も気持ちが良い。 『これで、最高のヌーヴォーを造るぞ!今年の秋も日本の皆さんに喜んでもらえること、ができる!! 12度前後の軽めのグイグイいけるスタイルの理想的なボジョレ・ヌーヴォーになるでしょう!!』クリストフ 昨年のヌーヴォーの時、クリストフ・パカレは日本に行き、多くの人に巡り会い、お世話になりました。 皆さんに心より感謝しております。2年に一度行くことを決めています。有難うございました。 9月にBMOの山田さん率いるSTCグループのメンバーがクリストフを訪問。 Groupe de Monsieur YAMADA “STC”est venu visiter Chez Christophe PACALET. Ils sont venus pour mieux connaitre ce que Christophe fait dans ses vignes et dans sa cave. Ils vendent les vins de Christophe dans leur magasin. C’est très important de faire la connaissance entre les vendeurs et le vigneron. 普段、自分の店で販売しているクリストフ・パカレのワイン、どんな人が、どんな風に、どんな気持ちで造っているのかを知ることは、実に大切なことです。 本や学校では、絶対に習う事ができない大切なものがそこにはある。 売る人が、造る現場に来ることは、奇跡を生む。 ワインは偶然には、売れるようにはならない !! 現場に来ましょう!! お待ちしています。 […]

9
Oct

Pur Nouveau 2016

ボジョレ美味しいですか? 勿論、美味しいですよ !! 2016年、難しい年だったけど、フロリアン、シリルの二人も満足のいくヌーヴォーができました。 軽めで酸もあって繊細なスタイルはシリルの得意とするところ。 CHATEAU BEL AVENIR*シャトー・ベル・アヴニール 今まではネゴシアンとして活動してきたFlorian Looze*フロリアン・ルーズとCyril Alonso*シリル・アロンゾだったけど、念願の醸造所を昨年購入。 2016年は剪定から一年間の畑仕事、醸造、ビン詰まですべて自前の醸造所でやった。 難しい年にも関わらず素晴らしい葡萄を収穫。 長年の二人の夢が実現した年だ。 醸造所はシリルが尊敬する故ジュル・ショーヴェ先生 が持っていた畑の近所に位置している。 土壌が素晴らしい。単なる花崗岩だけではない。 石灰質土壌、シスト、川から流れてきた丸石など非常に色んな石が交じりあった土壌を備えている。 名前の如く、ベル・アヴェニール将来が楽しみな蔵だ。

8
Oct

心・技・体 充実の収穫 Jean-Claude LAPALU*ジャン・クロード・ラパリュ2016

何事にも“旬”というものがある。 食べ物も、旬のものは本当に美味しい。 人にも、あらゆる角度から見て“今だ!”という時期がある。 今のジャン・クロード・ラパリュをみていると、その“今だ”と思う。 経験、精神、体力、どれをとっても今が充実。 この三つが和した“技”は エッ!と思うような奇跡的なことを成してしまう。 一般的に難しい年だった2016年に、ジャン・クロードは言い切る。 『私の過去で、最高の品質の葡萄を、豊作と云ってもよい量も確保できた。』 フランス中で2016年にこんな言葉を云えるのは、このジャンクロード・ラパリュだけ。 完璧な葡萄と量を収穫 確かに、ここまで完璧な葡萄房を実らせた葡萄木を、私はこの16 年にフランス中で見ていない。 天がジャン・クロードに与えた天候は皆同じである。 ジャン・クロードがそれに、合わせて、キッチリ対応できた。というしかない。 本当に、必要な時に必要なとことを、一寸の隙もなく,精確に実行できたという結果でしかない。自分でも感心するほど完璧な葡萄ばかり。 勿論、ツキもある。でもツキも実力と云える。 16年のジャン・クロード・ラパリュのワインは面白い!! ジャンクロード・ラパリュ 少数精鋭の気合の収穫 !! ジャン・クロードの人なりは、“質実剛健”“謙虚”“無言実行” 自分や自分のやっている事をアピールすることは、殆どしない。 他人のやっていること、他人のワインを批判することがない。 自分のやるべきこと、やりたいことをコツコツと確実にこなしていく人だ。 勿論、完璧な人はいない。 でも、尊敬に値する人柄である。 ワインもボジョレでは、先頭を走る一人であることは間違いない。 強靭な精神力と体力で独自なジャンクロード・スタイルを確立した。 体力は強靭。若い頃、パリ消防士の特殊隊に入っていた程の強靭さ。 (特殊部隊は過酷で危険な状況下で活動できる強靭な体力、精神力が要求される。) 己を律する精神力も持っている。   お祖父さんの畑を継承、最初は農協に葡萄を販売していた。20年前より自分で造りだした。当初は、自然派グループとはあまり接触がなく、独自で失敗しながら自然なワイン造りを模索した時代がある。 後に、マルセル・ラピーエルや自然派グループを知り、自然な造りを学んだ。 しかし、最初の独自で暗中模索した時代に彼の独自性が造られた 子供のような遊び心も備えている。一緒にいて心地よい。 だから、多く若者達が、ラパリュの門を叩いて、手伝いながらワイン造りを 勉強にやってくる。 この収穫人の中にも将来の若き醸造家の卵が何人かいる。 On peut dire que Jean Claude est un rechercheur du GAMAY. Jean Claude nous a montré tous les visages et les capacités du GAMAY. ジャン・クロードはガメ品種の研究家と云ってもよい。 ガメ品種を、誰も挑戦しなかった造りを、あらゆる角度から試作を繰り返してガメ品種の色んな顔・可能性を我々に示してくれた。 限りなく水に近いスタイル、軽めでスート体にはいるもの、ガメの果実味が爆発するほど詰まったもの、上品で芳醇なタイプ、超完熟ガメのバニュルの酒精強化ワイン風味のようなタイプなど、エット!驚くようなガメ品種の可能性を示してくれた。 特に、可能な限りピュアーな造り、透明感のあるワイン Eau Forte オーフォルトは“水より水らしい”透き通ったワインだ。 また、アランフォ(カメ)内の発酵のガメ、ALMA MATER アルマ・マテールなどは、今までのガメ品種の概念を覆してくれるワインである。     2016年収穫 VENDANGE 実に心地よい雰囲気の中での収穫。 ストレスがゼロ! 皆、自分が飲むワインの為に、自分の葡萄を収穫しているという感覚だ。 ゆったりとした中にも、規律がしっかりと保たれている 理想的なチームワークが成り立っている。 ラパリュの性格そのものだ。     収穫 収穫した葡萄は速やかに醸造所に運びこまれる。 今年は、収穫時の温度が低いので、そのままダイレクトに発酵槽へ。 勿論、ポンプは使わない。持ち上げて上から重力で発酵槽に落とし込む。     さあ、ジャン・クロード・ラパリュの恒例の圧搾が始まった。 これから、ほぼ一か月間は、少しづつ、この古式の垂直式プレス機でのるイベントが始まる。 この絞り半ジュース,半ワイン、“パラディ”を飲みに(試飲)多く人達がやって来る。 このプレス機の前が、宴会場と化することも度々。 液体が止まると交代で、舞台に上がって絞る。 このプレス機の下部の石灰岩が凄い。 一枚岩になっている。 ジャン・クロードがこのプレス機に変えてから、液体のフィネス度が一段と上がったのを覚えている。 醸造所が“Paradis”楽園に変身する。 順調に液体が流れ出すのを確認してジャンクロードが立ち上がった。 ジャン・クロードがこの為に熟成していた特性ジャンボンを切り始めた。 長い夜中の、宴の始まりだ。 圧搾機からチョロチョロと流れでる液体“パラディ”の快音をききながら、延々と続く晩餐だ。     パラディを飲みながらジャン・クロードと話したくて、近所の人、若手醸造家、色んな人達が寄っては、美味しい食べ物を持参して、宴が延々と続く。 私もここで何回、記憶を失ったことか。 私はこの空間が大好きだ。本当に心地よいエネルギーが流れている時空だ。 ジャン・クロードとそこには集まる人達の心がホワッ融合する暖かい空気が流れている。過去、この宴に居合わせた多くの若者達が自然派醸造家として旅だった。 2013年に、この時期にオザミグループの丸山弘人氏がシェフ、ソムリエを連れて、LAPALUを訪問。 この時期に来ないと飲めない“パラディ”を飲むためにやって来た。 勿論、この圧搾機の前にテーブルを設置して、宴を開いた。 オザミ・グループでは、このLAPALUのワインを長年に渡って全レストランで使って提供している。 造り手と販売者の深い繋がりは大切!! お金だけじゃない。心の繋がりを大切にしたい。 絞りたてのマールの中にソーセージ、豚肉を入れて蒸した名物料理をジャン・クロードが造ってくれた。最高のもてなしだった。 有難う!ジャン・クロード。

7
Oct

A Boire et A Manger in Loire

ロワール、アンジェに行ったら絶対に行かないと損するワインバー!! 駅の前にあるので、電車を待っている間にいっぱい行けます!でも楽しすぎて乗り過ごすことも・・・(笑) ここはGarde Robe 時代に共に汗を流し笑いあったエネルギッシュなAnne Hélène *アンヌ・エレーヌがワインセレクト及びサービスをしています! オーナーのアレックスはローヌ地方のあるドメーヌで元醸造を務めていたワイン・ラヴァー! 楽しいワインが勢ぞろいです!!

7
Oct

ボジョレ・ライダーの若大将・ダミアン・コクレ*Damien COQUELET

モルゴン村の最良畑、コート・ド・ピィの丘に約4ヘクタールの畑をもつダミアン。 醸造所も独立して、完全に独り立ちしたダミアン。 根っからの明るく飛んだ性格のダミアンは小さい頃からお父さんのGeorges Descombes*ジョルジュ・デコンブにについてモトクロスをやっていた。 ボジョレのオートバイ・グループの先頭を走るライダーでもある。 収穫はライダー仲間が手伝いにくる。 ダミアンの造りは、デコンブの教えを継承、つまり、マルセル・ラピール -デコンブ -ダミアンと続くボジョレ自然派の正統を受け継いでいる。マルセルの孫弟子にあたる。 自然派ど真ん中の醸造方法を継承。 グラップ・アンティエールのセミ・マセラッション・カルボニック醸造、勿論,醸造中のSO2(酸化防止剤)の添加はなし、自生酵母のみで発酵するリスクある醸造を継承。 だからこそ、収穫時の選果はかなり厳しくチェックしている。 本当に健全な葡萄しか発酵槽に入れない。云うは安し。 葡萄園の収穫時に、収穫された葡萄をチェックして品質に問題のある葡萄は、この段階で捨て去る。この段階でかなりに量の葡萄を捨てる。 簡単に、SO2無添加の醸造というけど、もし悪い葡萄が発酵槽に入ってしまうと、雑菌が繁殖してお酢になってしまう。大変なリスクを負いながら、自然派ワインを造っているのです。 色んなことがあった2016年 モルゴン村を襲った3回にもおよぶ雹の襲撃。 5,6,7月の雨と湿気によるベト病の大繁殖。 8月の35度を超す極端な猛暑。それによる水不足。葡萄の乾燥。 最終的に9月初旬の雨ですべてが解決。どんでん返しの結果、こんなに素晴らしい葡萄が収穫することができた。 勿論、ここまでくるには、特に7月のベト病対策の畑仕事は 大変な神経と労力を費やしたダミアン。 歓喜の収穫。でもベト病の形跡、雹の影響を多く受けた葡萄を取り除く、選果作業が 大切な年でもある。 収穫はお父さんより更に1日遅く、ボジョレでは最も遅い収穫を開始。 何と9月26日に収穫開始。 葡萄の熟成を最終段階まで待ったダミアン。 8月の水不足による光合成のゆっくり化の影響で、ダミアンの納得する葡萄の熟度が得られなかったからだ。 妥協を許さないダミアンのチャレンジ精神は凄い。 実際に、周りの仲間が、10日前に収穫を始めている中、ジット待っているのは かなりの忍耐力がいることである。 2016年のダミアン・ヌーヴォは? 今年は、クリュのレニエの葡萄とビラージ区域の葡萄を使って醸す贅沢なヌーヴォーとなる。 格下げして、単なるボジョレ・ヌーヴォー呼称となる。 果実味が主体でアルコール度は控えめな12度前後、 酸がハッキリして凹凸があるメリハリを感じるスカット したヌーヴォーになりそう。まだ、醸造中なのでハッキリはいえない。でもダミアン・スタイルのクッキリしたヌーヴォーになりそう。ダミアン・コクレ・ヌーヴォーは買いですよ! ボジョレのビストロでの人気者 ダミアン・コクレ Bistrot Atelier * ビストロ・アトリエ 収穫の後は皆でビストロへ。ライダー仲間が集まってくる。 モルゴンには醸造家が集まるビストロが何軒かある。 チョット前までは、マルセル・ラピエール、ジャン・フォワラール、プティ・マックスなど一世代前の自然派の大御所がよく顔を出していたビストロATELIER アトリエがある。 今や、醸造家も世代交代しつつある。ダミアン・コクレの年代が主流顧客となりつつある。 このビストロに行くと、時には、実に危険なことがある。 客が殆ど知り合い同志なので、一杯づつ奢り合う習慣がある。10人いれば、最低でも10杯はあ飲まなければならない。 今夜も10人程はいた。奢り合いが2周廻って20杯となった。 中にはベロベロに酔っぱらっている人もいる。 人気者のダミアンは早口でジョークを飛ばし続けて皆を笑わせる。 しまいにはカウンターの中に入って、まるでダミアンが店主のような雰囲気になってしまう。 今夜はダミアンの美人フィアンセがいた。そして弟のケビンもいた。 何とか、隙をみつけて、店を出ることに成功。ヤアーよく飲みました。 ダミアン・パワーは凄い!! ダミアン・コクレのワインには このパワーが詰まっている。 16産、お楽しみに!!

6
Oct

CASSINI LOVE STORY * カッシーニ・ラブ・ストーリー 

運命の糸で引き寄せられた二人 アルノーとイザベルは北フランスのリール出身。 イザベル20歳、アルノー25歳の時、恋しあっていた二人。初恋同志の二人は若すぎた。 運命の糸が見えていなかった。 アルノーは真剣だった。 プロポーズした。 しかし、イザベルは20歳、まだ結婚など考えらなかった。 結局、二人は別々の人生を歩みだした。 その後、二人とも別の相手とお互いに結婚して子供ももうけた。 それから30年もそれぞれの家庭で幸せな日々を送っていた。 しかし人生には色々なことがある。 定められた運命には逆らえない。 30年後に運命の糸が動きだしていた。 結局、アルノーもイザベルも離婚するこという結果になっていた。 そんな二人がある時、偶然にもイザベルが所要でボルドーのリブルヌという小さな町の駅にいた。 イザベルは共通の知り合いから、アルノーも今日同じ街、リブルヌに居るとのことを聞いた。 イザベルは自分の胸の奥で、ずっと眠っていた何かが動き出したのを感じた。 イザベルは電車を待っていた。 17分後に電車がくる。 アルノーに電話した。 『今、リボルヌにいる。逢いに来ない? 17分だけ待つわ』 アルノーはその時、前奥さんと離婚して、葡萄園も失って失意のどん底だった。 まだ、離婚の後始末も終わっておらず、てんわやんわの時期だった。 その時すでに、赤い糸が動きだしていた。 アルノは偶然にもリブルヌ駅のすぐ横にいたのある。 アルノーは軽い気持ちで、昔の友人に挨拶するつもりでリブルヌの駅にむかった。 しかし、逢った瞬間に、熱いものがこみあげているのが分かった。 でも、離婚したばかりで現実的には、それどころではなかった。 10分間ほど、お互いの現況などを話してその時はそのまま分かれた。 しかし、二人とも時間がたてばたつ程、深いところで眠っていた何かが熱くなっているのを感じていた。 アルノはイザベルのことが頭から離れなかった。 それはイザベルも同じだった。 そして、一年後、イザベルから連絡した。 『逢わない?』 『直ぐに逢おう!』 一瞬にして二人は、30年前の20歳と25歳の時に戻っていた。 今度はイザベルがプロポーズした。 『結婚しよう。』 お互いに別々の人生を30年間すごして、人生の裏表を知る大人同志の恋。 人生半世紀を生きて、新たな青春の風が二人を包み込んだ。 二人で何かを造りあげたかった。 アルノーの友人フランソワがボルドー・シューペリュールの畑を売りに出した。 イザベルとアルノーは二人でその畑を見に行った。 二人とも、その畑にたった瞬間、足もの土壌から熱いものが体中に湧き上がってくるのを感じた。 新たなCASSINIの誕生の瞬間だった。 今は、二人が再会したリブルヌ駅の近所に居を構え、アルノーの子供3人、イザベルの子供1人、計家族6人の大家族。 温かい幸せな日々を送る二人。 毎朝、アルノとイザベルはボルドースペリュールの畑へ2人で行き一緒に農作業をしている。 イザベル『私は北フランスの田舎の出身、自然の中でする仕事が大好きなの』 CASSINIのこの一杯のワインの中には愛の酵母が詰まっている。 LOVEが必要な方、暖かさ、温もりが必要な方CASSINIの一杯をどうぞ。 愛の酵母が動きだします。

4
Oct

BISSOH

私はパリに住んでいますが、パリに居るのは月に10日間ほどしかありません。あとはフランス中の葡萄園を走り廻っています。困るのはいつも食事です。パリを離れて3日が過ぎるとご飯というか和食が食べたくなります。 各地方になるべく魚系のあまり油っぽくないのもが食べられるレストランを見つけてあります でも、どうしても和食が食べたい時、いや和食でないとダメな時があります。 そんな時は200キロ程度の距離なら、高速道路を飛ばして和食店に行きます。 先日は、どうしても和食が食べたくて150キロ程飛ばしてボーヌBEAUNEに行きました。 そう、BISSOHさんにお世話になりました。 生きかえりました。連日のフレンチとワイン飲みで疲れた細胞が、ミルミルうちに蘇るのを感じました。 やっぱり日本人だ。とつくづく思う時です。 疲れた時は、優しいワイン。Marcel LAPIERRE*マルセル・ラピエールのモルゴンをやりました。 丁寧に醸されたガメは花崗岩のミネラル効果が加わってお神酒になります。偉大なワイン。細胞が完璧に再生しました。 和食+お神酒。有難う。BISSOHさん。私の命綱です。

3
Oct

ボジョレの番長 REMI DUFAITRE * レミー・デュフェートル

DOMAINE DE BOTHELAND (Laurence et Rémi Dufaitre) ドメーヌ・ド・ボスラン (ローランス・エ・レミ・デュフェートル)  ボジョレに彗星の如くに現れて、途轍もない透明感のあるスカッとしたスタイルを実現してしまった天才肌の番長レミー。 普通、ワインは風貌に似てくる。しかし、レミーに関しては全く正反対といってよい。 こんな短時間にここまでのレベルまでたどり着くとは驚きだ。 ただ者ではない事は事実だ。 本人がこれだ!っと思った事、人、目的は徹底して張り付いて馴染んで吸収して、同化してしまう超能力を備えている。 14歳で両親が亡くなり、16歳から独りで生きてきた。 ガムシャラに働いて2000年に醸造家として独立した。 『お前にできる訳がないだろう』と周りからと馬鹿にされた。 事実、10年目にして行き詰っていた。 そんな時に、ジャン・フォワラールに巡り合った。ジャンのワインを飲んで驚いた。 『こんなワインが世に存在するのか?』 自然派ワインとの出逢いだった。 レミーに目標ができた。以後、毎日ジャンと会っている。ジャンに貼りついた。 自分が会いに行けない時には、ジャンの方からやって来てくれる。 ジャンに同化して、すべてを吸収しようとしている。 レミーの集中力は、もう天才といっていいだろう。 こんな風に、風貌とは、違う繊細で真っ直ぐなスタイルが出来上がった。 外観と違って、中身はどこまでも繊細で、ナイーヴで真っ直ぐな性格なのだ。 やっぱり、ワインは人だ!! 2016年 レミー・デュフェートル 気合一発!! 過去最良の葡萄を収穫!! 強面のレミーの気合が若手の収穫人に乗り移った。 天候でいじめられた2016年のボジョレの村名区画で、レミーほど完璧な葡萄と量を確保できたところは少ないだろう。 働き者のレミーは必要な時に必要な処置を精確に実行できたのだろう。 若干のベト病と乾燥の形跡はあったけどほぼ完璧な葡萄を収穫した。 レミーの満足そうな笑顔が印象的だった。 何回も何回も葡萄を食べて、試していた。 そう、果実味と酸、糖度のバランスが、レミーが狙っているポイントどうりの割合になっている。 収穫人も若い人ばかりで明るくて活気があってよい。 レミーも畑を廻って収穫人を笑わせて、元気付けている。 葡萄の選別作業のチェックはかなり厳しい。 収穫の重要な判断に関しては、絶対に許さない。 傷んだ葡萄を見かけ時は、厳しく指摘していた。緩急をつけての指導が上手い。 レミーのリーダーとしての素質もなかなかのものだった。 皆を惹きつける何かを持っている。一緒にいて楽しい。 醸造は外気の温度差の影響を受けにくいコンクリート漕を使用。蔵の中は整然としている。ブルイの古木はトロンコニック型の木樽を使用。 ジャン・フォワラールに学んだことはすべて実行している。 葡萄は除梗なしのグラップ・アンティエールで葡萄房丸ごと発酵槽に入れる。セミ・カルボ醸造。 勿論、醸造中のSO2添加はゼロ、自然酵母のみでのアルコール発酵。 本当に綺麗な葡萄ばかりが発酵槽に入っている。葡萄以外のものは一切混入しない。 ルモンタージは、できるだけ優しく必要な時にやる。マセラッションはお茶出しの如くに自然に。 2016年のボジョレ・ヌーヴォーを絞った。 パラディをテースティング。 な・なんと爽やかで真っ直ぐなスタイルなのだろう! 2015年のあの濃縮した葡萄でも、レミーは爽やかなヌーヴォーを醸すことに成功した。ボジョレであんなに爽やかな15年ヌーヴォーは無かった。 この16年は、凄い!!水のように体に沁み渡っていくだろう!! 奥さんのローランスが15年のヌーヴォーを開けてくれた。ウーン、美味しい、なんと云う透明感。 2010年にジャン・フォワラールに巡り会って、5年間 もう後がない窮地を乗り越えて造りあげた渾身の初ヌーヴォーだった。 その後、次々とワインを開けた。 でも、最後は尊敬するジャン・フォワラールのコート・ド・ピィ13を開けた。旨い!!何という液体だ! レミーの人生を変えた液体だ。 2016年産は更に進化したレミーを楽しんで欲しい。 夕食の前に食前酒でもう一本。レミーがお兄さんのように親しんでいるチェリー・プゼラのソーヴィニョン・ブランを開けてくれた。旨い!! 2013年にこの場所で、ジャン、チェリー、レミー、ローランス、それと私、一緒に飲んだのを思い出した。7月14日の暑い夏だった。私がレミーと初めて逢った日だった。あれから、もう3年が過ぎた。 この3年のレミーの進化は凄い!!有難う!レミー、ロランス。Merci Remi et Laurence!

2
Oct

ピノ・ノワールの名人が故郷ボジョレのテロワールとガメ品種に向き合う!!

Philippe Pacalet * フィリップ・パカレは50歳を迎えた。 マルセル・ラピエール・ファミリーと幼少時代を過ごしたフィリップは自分の源泉と向き合おうとしている。 数年前より、ムーラン・ナ・ヴァンのテロワールを醸してきた。 自分が予想してた以上のテロワール・ワインができた。 ボジョレ・テロワールの可能性を追究してみたくなった。 ボジョレの村名クリュの土壌のバリエーションを知れば知るほど面白くなって来た。 花崗岩だけではない。色んなテロワールが混在している。 それぞれのテロワールで育つガメ品種の特徴も全く違う。 ブルゴーニュ・テロワールを20年間も追求していたフィリップ・パカレ。 自分の故郷、ボジョレのテロワールを再発見した。 フィリップ・パカレの今後のボジョレ・ワインの展開が面白い。 勿論、ボジョレ・ヌーヴォーも含めて。 一歩、歩くごとに土壌が少しづつ変化していく。 砂状からややリモン、そして若干の粘土質、川から流れてきた丸石、石英石、そして勿論、花崗岩。多くのバリエーションがあって面白い。 できる葡萄も違ってくる。 フィリップ・パカレの研究心に火がついた。 ドンドン、ボジョレにのめり込んでいくフィリップ。 今日はボジョレ・ヌーボーの収穫だ。 2016年は、モルゴン、フルーリ、シルーブルなどの標高の高い山の斜面の区画畑が雹でやられた。 平らな区画では全く問題なかった。 ベト病が例年よりチョットだけ多かっただけだ。 葡萄の品質も熟度と酸のバランスが凄く良い。 6,7月の曇りがちの天候、8月中旬よりの35度を超す猛暑と両極端の天候の中 無事に乗り切った葡萄を9月20日に収穫。 2016年はフィリップが得意とする軽めのアルコール度数の葡萄となった。 昨年はアルコールが強いスタイルだった。ミネラル感が果実にオブラートされてしまう感じだった。今年のようなアルコールが軽めのスタイルの方が、ミネラル感を表現できて透明感のあるスカットしたヌーボーができる。 フィリップは云う 『ブルゴーニュ・グランクリュと同じ手間暇をかけたボジョレ・ヌーボーを造る』 今、仕込みが始まったヌーヴォー、今年はフィリップ・パカレ得意のスタイルとなるだろう。スカットした透明感のあるミネラル感に爽やかな果実味がのったスタイルになりそうだ。好ご期待!! Philippe PACALET コート・ド・ニュ地区の高品質のピノ・ノワール収穫 今年は北フランス、特にロワールとブルゴーニュは難しい年だった。 ブルゴーニュは一概には悪いとは言えない。 チャンスよく、必要な時にドンピシャリとやるべきことができた栽培家は被害を最小に抑えることができている。 栽培家がいつ何時でも畑に出れる状況でない限り不可能なこと。ほぼ運と云っても良い。 それほど、今年の天候は千変万化の急変化を呈していた。 冷害と雹には人には、どうにもならない出来事だった。 ベト病の被害の被害も大きかったけど、並外れた努力で運よく逃れた栽培家もある。 ヴォーヌ・ロマネなどコート・ド・ニュイのクリュは葡萄量が少ないけどかなりレベルの高い品質の葡萄が収穫できた。 9月初旬に必要だった雨が降って、天候が続いたのでポリフェノールの熟成を最大限に待って、9月26日に収穫を開始。 ギリギリまで待ったお蔭で茎の根本が 茶色に変色するまでギリギリ待った。 糖度は低めで、ポリフェノールがキッチリ熟したフィリップが狙っている 熟度の葡萄収穫に成功。 2016年産のパカレのピノ・ノワールのニュイのクリュは凄いことになるだろう。ただ、量が少ないのがやや残念。でも、天には文句は言えない。 ブルゴーニュ銘醸クリュが次々と発酵槽に入る!気合が入るフィリップ・パカレ。 ヴォーヌ・ロマネ、ルショト・シャンベルタン、次々と運び込まれてくるピノ・ノワールをチェックする。 一見静かに見えるこの蔵の中には何億もの酵母菌が躍動している。 360億年の天のエネルギーと46億年の地のエネルギーを内蔵にした葡萄を、何億もの自然酵母が動いている。 天と地のエネルギーを液体に転写していく。 我々を楽しませてくれる液体、ワインを造りあげてくれている。 まるで酵母菌達と会話をしているかの様に見えるフィリップ・パカレ。 若き頃、自然派ワインの造りを構築した生物学者のジュル・ショーヴェ先生のところに書生として住み込んでいたフイリップ。 自然酵母の研究をショーヴェ先生と数年に渡って共同研究した。その時の研究発表によると、 『約20種類の自然酵母が存在している。 その葡萄園で一年間起きた出来事、太陽の日照、雨、湿気、温度、他の微生物の影響を受けて葡萄が育つ。 その葡萄に内蔵された記憶をワインの中に映しだしてくれる役割を演じてくれるのが、その土地で育った酵母達、いわゆる自生酵母達である。他の地で造られた人工酵母ではホンの一部の記憶しか移しだされない。 だからその土地で育った自生酵母でなければ、その土地独特の風味は表現されない。』 Philippe PACALET 2016年POMMARD ポマールの収穫 今年は息子のカンタンが収穫に参加。勿論、フィリップ最愛の女性モ二カも参加。 朝、まだうす暗い7時半から収穫開始、10時ごろに休憩がはいる。 カスクルットと云われる軽食とワインをやる。 パン、チーズ、ハム、パテ、簡単な甘いデザートなどをつまんで元気をつける。 今年は天候もよく、朝の気温も涼しく、収穫には理想的な気候が続いている。 色んなことが起きた2016年だったが、最後の収穫の天気は最高だった。 収穫量は少ないけど、かなりハイレベルなブルゴーニュ、テロワール を移し出されたワインができそうだ。好ご期待!!

1
Oct

自然派ワイン発祥のMORGON モルゴン村の番人デコンブ、収穫開始

ボジョレ自然派醸造家の中で、いつも最も遅く収穫を始めるデコンブがほぼ他の自然派醸造家より10日遅れで収穫開始。 理由は三つある。 第1にデコンブは常に最大限に葡萄が熟すことでガメの旨味を引き出すことを狙っている。 第2に、デコンブ自身が確りしたワイン質が好きなこと。 第3に、デコンブの畑は殆ど300m~450mと標高が高いので 葡萄が熟すのが遅い。 2016年はデコンブにとって困難な年だった。6月、7月、8月と3回に渡って雹が降った。 ボジョレの中でも標高の高いところが集中してやられた。デコンブの畑は標高が高い。つまり3回とも雹の道筋に畑が出会ってしまった。しかし、残った畑の葡萄をウドンコ病から守るために、息子のケビンと夏休みも返上して戦った。 8月中旬からの好天候がすべてを救ってくれた。 8月の晴天続きが葡萄を乾燥させてくれた。ウドンコ病がミルミルうちに消えていった。 今度は30度から35度まで達する程の晴天が続き過ぎて8月の後半は光合成がストップするほど乾燥してきた。 極度の乾燥の為に葡萄自身が、自身が生存する為に水分を使うようになって、果実を熟成させる為に水分を回さなくなってしまった。 ところが、デコンブの葡萄木は60歳から100歳までの古木が多いので、根っ子が深く伸びていて水分を地中深くから吸収できる。ただ時間がかかる。 ゆっくりとゆっくりと葡萄が熟成していった。9月初旬に最高のタイミングで雨が降った。葡萄の乾燥ストレスは解消できた。でも、デコンブは収穫を開始しなかった。 周りの醸造家がドンドン収穫を初めても、ジッと動かず待った。 9月18日にやっと収穫を開始した。 デコンブにとって心から納得のいく理想の熟度に達して収穫をすることができた。 収穫した葡萄を検品しながら、あまり感情を表現に出さないデコンブの顔に、満足の笑顔が出ていた。 待った甲斐があった。自分が狙った通りの熟度と酸を備えたデコンブ・スタイルのワインができそうだ。 今年はスペインのフラメンコの世界、セルビアの グループを迎えての収穫となった。 リーダーの髭のガブリエルがフラメンコ歌手、 そして、フラメンコのダンサーも何人か来ていた。 きっと最後の収穫祭はフラメンコの一色のお祭りとなるだろう。 今年のデコンブ・ヌーヴォーのスタイルは? 収穫を遅らせた分だけ、果実味が濃縮していながらも、酸がキッチリ乗っていて、透明感のある、酒質+酸でメリハリのある、まさにデコンブ・スタイルのヌーヴォとなるだろう。 SOUVENIR DE Marcl et Nounoun 私とマルセルとヌヌーンと思い出 ジョルジュ・デコンブは、ボジョレでは“ヌヌーン”の愛称で愛されている。モルゴンの熊のような存在。 体も精神もドッシリしていて迫力がある。まさに、モルゴンの番人という感じ。 故マルセル・ラピエールがこよなく愛した人物でもある。 マルセル生存中、私は高速道路で南下する時は、Bellevilleベルビル出口で下りてモルゴンに寄った。 2008年の夏、マルセルと昼食を済ませて、デコンブに会いに行った。 デコンブ醸造所には、隠れ小屋のようなプライベートBARがある。 14時にBARに入ってデコンブを出たのが夜の11時。 ずっと3人で飲み続けた時があった。 マルセルは酔っぱらってくると、歌を歌い始める。デコンブは本当にマルセルの事が好きで、帰らせないように 次々ボトルを開ける。マルセルも私もベロベロ状態だった。 でも本当に楽しかった思い出。 デコンブにとってマルセルは師でもあってお父さんのような家族だった。 マルセルも同様に接していた。

19
Sep

ボジョレーの自然派レジャンド、フィリップ・ジャンボンへ訪問!!

ボジョレーの自然派レジャンド、フィリップ・ジャンボンへ訪問!! 情熱の塊フィリップだとやはり超ロング試飲になりました。 熱つい話がずっと続き、最後には畑で夜中の23時まで星空と流れ星を眺めながら最高のワインを飲み干しました! キュヴェBlanchard2009年やGanivet2006年は得に格別でした。。 11時間以上の訪問になりましたが、カーヴの樽試飲をする時間もなく終わってしまった結果に。。 樽試飲してたら何時まで続いていたんでしょう。恐ろしいです。 やはりジャンボン訪問は2日がかりじゃないと! そして今回は彼にとって大切なネゴス、ウヌ・トランシュ・シリーズに関しても深く語り合いました! このネゴスはフォリップが応援している美味しいワインを造っている生産者、彼のお陰で自然派になりつつある生産者などを厳しく選択して紹介しているネゴスです。 フィリップの自然派ワインを広げたい熱い想い、ポテンシャルの高い生産者をちょっとづつ100%ゼロ・スフルにする情熱、若い生産者達の背中を押して応援する心想いがとても通じました! またこのネゴスのお陰で収入も入りジャンボン特徴的な超ロング樽熟成が可能になる一石三鳥ぐらいの大切さなのです! フィリップ、最高なワインとても濃厚な一日ありがとうございます!! Groooooosse dégustation de 12heures chez Philippe Jambon! Mais comme le temps passe vite chez lui, entouré de ses magnifiques cuvées! Surtout Ganivet 2006 et la cuvée Blanchard 2009.. Après avoir mangé la superbe cuisine de Catherine nous terminons les dernières bouteilles à 23h dans les vignes, sous un ciel lactée et parcourue d’étoiles filantes.. Merci à Catherine et à Philippe pour cette magnifique journée. Énorme souvenir!!

18
Sep

La Félicité

先日、キショウと『ラ・フェリシテ』というワインバーに行ってきました!! ガード・ローブで働いていたころ、共に汗と涙を流した同僚二人が、2015年の秋に自分たちで開いたワインバーです!! フレッシュで優しくて行動的なアクセルと、モデルのような体系で透明感のあるドミティーユのデュエット。懐かしい!! 取りあえず再会に感動!!二人のキラキラな笑顔に感動!!美味しい食べ物とワインに感動!! 何か刺激されます。癒されます。テンション上がります!!!!! ついつい嬉しくて飲みすぎてしまった夜・・・ オシャレで落ち着く雰囲気にもよってしまいました! Axelle, Domi, 有難う!!そしてこれからも頑張ってね! Enfin j’ai réussi à mettre les pieds chez « La Félicité » ! Un bar à vins ouvert par mes anciennes collègues du Garde Robe, la belle Axelle pétillante et fraiche, en duo avec Domitille notre belle antilope pure et canon. Quel plaisir de les revoir !! Quels sourires étincelants ! Quelle jolie carte des vins et de petits plats ! Que du bonheur dans ce bar joliment entretenu et décoré, Merci les filles pour cette soirée bien sympathique, pour sûr je reviendrai !!