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ボルドー右岸の“Cassini”カッシーニにて 日曜の昼を共に

[TEST] 飛び切り美味しいナチュール・ワイン。CASSINIカッシーニを造るアルノー・イザベル・カッシニー夫妻。 この二人には、まるで映画のシナリオのような特別な愛の歴史がある。 この二人は、幼馴染でもありお互いに初恋の相手だった。とくに青春時代に熱い熱い恋愛の仲だった。 でも、若い時によくあるちょっとしたすれ違いにより、それぞれの人生を歩むことになった。 そして、数十年後、二人は田舎街の小さなリブルヌ駅で奇跡的な再会をした。 イザベルは、全く違う街に住んでいて、この日だけ所要があってリボルヌの街にきて帰る為にリボルヌ駅にいた。 アルノーも所要があって偶然にもリブルヌ駅に寄っただけだった。 その時、二人とも、それぞれの伴侶と別れてフリーだった。 こんな再会が、二人の心の中に、若き頃の熱い感情がよみがえるのは当然だった。 赤い糸が動き出して、二人とも運命のようなものを心の奥で感じたのに違いない。 それ以来、二人はもう離れることができない仲になっていた。 そして、その二人が若い頃に住んでいたリボルヌの街、そして再会したこの駅の近所に居を構えて、二人でワインを造ることを決意した。 そんな愛情あふれる二人が造ったがナチュール・ワインが “Cassini”! さて、私達は日曜市場から買い物をして奥さんのイザベルが待つアルノー宅に戻る。 買ってきた食材を、キッチンで皆で飲みながら皆で調理した。結局、それがテースティングも兼ねていた。 私は、カキを開けるのが得意なので担当した。 カキには、CHARBONNAYシャルボネを合わせた。アルノーが数年前より北フランスのリールの街の近郊にある元炭鉱の山に植えたシャルドネ、ソーヴィニョンで造ったワインだ。温暖化の中、数人の友人達と始めた北フランス・プロジェクトのワインだった。 大西洋のカキとの相性はまあまあだった。北フランスなので酸もあってフレッシュ感もあり、飲みやすかった。 折角なので、アルノーの近況の葡萄園状況やボルドーワインの全般のことなど、レクチャーをした。 あとは楽しい食事会になった。 あまりにも楽しくて、食べ物のプレーの写真を撮るのを忘れてしまいました。 市場で仕入れたアスパラと、イザベルが湯がいてくれた半熟卵と赤ワインのマリアージがとても美味しかった。 これには、LA BELLE HISTOIREラ・ベル・イストワールをあけた。 メルローを、自生酵母でSO2を使わずに、やさしいカモシ方法で、果実味が全面にあって柔らかく飲みやすいスタイルのワインだった。 アルノーは自転車で葡萄園まで行って、庭の世話をするように丹念に畑仕事をして葡萄を育てている。 小さな小さな葡萄園を、ホントにまるで庭士のような仕事をしている。そして、育った葡萄を、自生酵母で、SO2を使用せずに愛情たっぷりで醸したワインがカッシニーだ。 右岸ですのでメルローが主体となっています。 あまり濃縮させることなく、果実味を中心にして、ビュバビリテー(飲みやすさ)を重要視した造りをしている。 BORDEAUX ボルドー とST-EMILLIONサンテミリオンの二種類のキューヴェがある。 どちらも、アルノーの人柄がそのままワインになったように、やさしいスタイルである。 今日は、若手スタッフのVICTORヴィクトールと二人でお世話になりました。 あまりにも、ホワッと暖かい空気が流れていて、居心地よくてあっという間に時間が過ぎてしまった。 楽しかった日曜日、ありがとう Merci Isabelle et Arnauld ! このやさしいボルドー・ナチュールは、日本ではESPOAグループが輸入している。 (日本での問い合わせはESPOAエスポア社へ) 美味しいよ!!

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Cassiniのアルノーとボルドー右岸のLibourneリブルヌの街の日曜市場へ

ボルドー右岸には、サンテミリオン、ポムロルの銘醸産地がある。歴史的にそれらのワインを世界に流す切っ掛けとなった役割を演じたドルドーニュ河の港があった街だ。 今でも、右岸ボルドーの有数のワインネゴアン(ワイン商)の本社がある街でもある。 この街には、宇宙学者のCassiniカッシニー家の子孫であるアルノー・カッシニーが、居を構えてとびっきり美味しいワインを自然な手法で造っている。 日曜日にも関わらず、訪問を受け入れてくれたアルノーと、日曜市場へ出かけた。フランスでは、いたるところで日曜市場が開かれている。日曜市場は、フランスの深い日常文化の一つ。 日曜は、市場に家族や友と出かけて、素材を仕入れて家に持ちかえってゆっくりと昼食を皆で楽しむ。市場に行けば知り合いや、行きつけの店でアペリティフをやりながら、あることないこと話して時を楽しむ。これって、フランス日常文化の深いところ。 当然、陽気なアルノーには、毎日曜日に逢う知り合いが多く、至るところでとめられてアペロになる。買い物がなかなか進まない。 市場に隣接しているワイン屋・ビストロはアルノーの知り合いが居て危険なところ。もうワインを何本もあけてアルノーを待っていた。 市場から新鮮なカキをあけて、ツマミにしていた。 アルノーは醸造所をもっていないので、友人の蔵の一部を借りてワイン造りをしている。その友人と一緒にアペロをしながら、今後のワイン造りの話をしていて、面白い話になった。彼も、今年から自然な造りに挑戦するとのことになった。楽しみだ。 もう一人、若手のフレドにあった。今は地ビールを造って、この市場で試飲販売していた人だ。フレドもアルノーのワインのファンでもあり、近年中に自然派ワインを造ると豪語していた。ボルドーもホントに変化の時期に来ているな、と感じる。 アルノーと歩いていると実に楽しい。Libourne リブルヌの街の日曜市場を満喫した。