16
Août

オフィスでの試飲と昼食でトビッキリのワイン達

今日は、ミッシュラン三ツ星レストランで働いているソムリエールのクララさんも参加。 久々に逢った本当にワインを深く愛している人、クララさん。ここまでPassionを持っている人は少ない。 そして、もう一人のワイン好き。あの自然派ワインが充実しているClown Barクラウンバーで料理を担当している韓国人のジュノさん。今日はそのジュノさんが料理を担当してくれている。 今日のはじまりは、若き天才肌の醸造家セバスティアン・シャティオンの2020年産の試飲だった。 でもこんな熱く素敵なメンバーが集まったら飲み会になってしまうのは当たり前。 セバスチャンはParisの人気自然ワイン・ビストロ・Chateaubriandシャブリアンのシェフ・ソムリエだった。 その卓越した試飲能力で、最高に美味しい自然派ワインを選別してワイン品揃えをしていた。 セバスチャンが勧めるワインにお客さんは皆が感動していた。 だから店はいつも満員だった。 数年前に、そんなセバスチャンがワイン造りを目指した。 セバスチャンはソムリエになる前はミュージシャンだった。 特別な音楽的感性と卓越した試飲能力をもってワイン造りをしている。 彼はまるで作曲するようにワインを造っている。 つまり、その年に収穫した葡萄を観て、即座に目指すワインのスタイルを想像して、今までに存在しなかった赤葡萄と白葡萄を混醸したり、一部をプレスしてジュースのみを発酵槽に入れたり、また一部を除梗して、一部を除梗なしにしたり、通常の常識的ワイン造りとはかけ離れたアーティスティックなワイン造りをしている。 つまり毎年、一曲一曲違ように同じワインは存在しない。 まるで作曲家のようなワイン造りをしている。 2020年、一段とレベルアップしたワイン達が完成した。 ☆RIOT リオ  ゲヴェルツトラミネール品種を4日間のみのマセラッション。一部は直プレスのジュースのみ。           絶妙の心地よい上品なアメルチューム。 ☆Petit Agite プティ・アジテ  白葡萄のマルサン品種、と今、人気品種のサンソー品種を混醸して短いマセラッションで                アルコール度数 たったの11度のグイグイ体に入っていく優れもの。 ☆Les Amants Maudits レ・ザマン・モーディ  グルナッシュ・ノワール品種の除梗なし、白葡萄のユニ・ブランを直プレスして、5日間」のマセラッション(カモシ)、ゲヴェルツトラミネールのオリを入れた特別な風味。 すべてが特別な造り、こんな自由奔放な組み合わせのワイン造りをやるのはセバスチャン・シャティオンだけだ。 どれもオリジナルでバランスが良い。世界中で取り合いになるだろう!アッと云う間にストックがなくなるに違いない。 さて試飲会のあとは、ジュノさんの料理と美味しいワインの共演だ。 いやー、自然でバランスが佳い美味しいワインはドンドン体に入ってしまう。よく飲みました。

5
Oct

ブルゴーニュの未開拓テロワールの発掘チャレンジャー“ヤン・ドリュー”

偉大なるブルゴーニュに超自然派若手が誕生!その名はヤン・ドリュ。HAUTES COTES DE NUITS オート・コート・ド・ニュイ地区に属している。ブルゴーニュで待ちに待った若きチャレンジャーだ。プリューレ・ロックで栽培を担当、自分の畑を持ち10年が初リリースだ。 ヤン・ドリューはブルゴーニュのまだ発見されていない名土壌発掘への挑戦に燃えている。他の地域では彼のような若きチャレンジャーを時々見かける。ヤン『ブルゴーニュの土壌は今評価されている区画以外にもまだ誰も挑戦してない土壌が埋まっている。その開発実践が私の人生だ。』と語る。 ロックで栽培を担当しているだけあって、自然栽培理論にはうるさい。古き先達の話を聞き、実践の中で自分が確認したこと融合させて独自の理論を持っている。9月中旬、皆が収穫を終えた時期にまだ収穫を始めていないヤンの畑。丁度この時期に熟成するように栽培している。 ヤンにとっては9月後半に収穫するように最初から自然調整が利いている。なんと剪定を開始したのが4月という遅さ。上に伸びるつるの先端を切る作業(rognierロニエ)を最後までやらない、など先輩達が知ってるけどリスクが伴うのでやってない事をヤンは実践しているだけ。 ヤンの葡萄を食べてみると決して超完熟していない。酸も残っている。マチュリテー・フェノリックと呼ばれるポリフェノールの熟度は高い。まさに真っ黒に色づいているピノノワールだ。酸が残っているということは糖度も強すぎることなくミネラル感もあるのだろう。 ヤン・ドリューのお爺さんは葡萄栽培、ワイン醸造をやっていた。お爺さんの影響を多く受けて育った。お爺さんがやっていたことは正に自然派ワイン造りだった。ヤンのワインに賭ける情熱を評価して村の年輩者から『俺の葡萄園でワインを造ってくれ』と頼まれている。村一番の樹齢古く、ミクロクリマと土壌条件がよい畑だ。ヤンの情熱が村の年輩者に通じたのだろう。 ヤンの初リリース10年が樽の中でまだ熟成している。シャルドネ、アリゴテ・ムスカッテという2種類の白ワイン、ミネラリーで真っ直ぐなワインだ。、最初の赤はまだやや硬かったが、ヴィリエール・ラ・ファイエ村の畑のピノ・ノワールは抜群に潮っぽくミネラルと昆布だしのような旨味。 ヤンのヴィリエール・ラ・ファイエ村のピノ・ノワールは驚くべき美味しさだ。ミネラル中心の果実味、エレガントでグイグイいける心地よい軽めのワイン。そして古木VVは2樽しかないけどニュイ・サンジョルジュを思わせる構成のしっかりしたザ・ブルゴーニュタイプのテロワールワインがある。 ブルゴーニュの大型新人ヤンは多くの自然派の作り手に愛されている。ロックでパカレのあと醸造を担当していたニコラ・テスタやブルイのジャンクロード・ラパリュ、マコンのジュリアン・ギヨなどと深く付き合っている。久々に出現したバガンデーの大型新人を応援したい。