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美食の街PARIS・舌の肥えた大物著名人を包丁一本で和の味覚で魅了していた大野シェフ

美食の街PARIS・舌の肥えた大物著名人を包丁一本で和の味覚で魅了していた大野シェフ 今夜は大阪から東京へ新幹線で移動、旅行鞄を持ったまま“大野”に直行。 フランスに住んでいる私にとって、いつも和食に飢えている。日本でも美味しい和食に美味しい自然派ワインが飲めるレストランが少ない。 本当に残念でならない。とびっきり美味しい和食を造るシェフは沢山いるけど、腕のいいシェフほどワインには無関心な人が多い。ミネラルのきいたイオデな潮っぽい自然派ワインは、和食の美味しさを何倍にもひきたたせてくれるのに。繊細な技の和食ほど最高のマリアージなのに。残念でならない。 でも、東京・銀座に、この大野さんがいる。 大野さんとは、彼がフランス・PARISの幻の和食店“伊勢”の和食部シェフをやっていた時代からの知り合いだ。 あの高田KENZOさんが自分の食堂のように通っていた店。その他にも、フランスの銀幕の大スター・カトリーヌ・Dさんなど映画俳優や仏国トップ政治家など多くの著名人が出入りしていた名店“伊勢”で腕を振るっていたのが、この大野さん。思い通りの食材が手に入らない状況の中で、フランス現地で手に入るもので試行錯誤を繰り返して、和の味を追究し、美味しいものを知り尽くした人達を魅了していた大野さんの技は和を超えた何かを感じる。 私は日本に来た時は、時間の許される限り寄ることにしている。 東京都中央区銀座7−2−20 電話:03-3571-4120 日本滞在記―TOKYO- 和食・大野 今夜のソワレは楽しいメンバーが集まりました。来日中の自然派ワインの世界でレジェンド的存在のDARD ET RIBOのルネ・ジャン・ダール夫妻、フランソワ・リボ夫妻。今、東京でビストロでは予約が取れない新進気鋭のビストロBISTRO SHINBAの菊池さん、同じく、長蛇の列で有名なお好み焼“きじ”のトップ戸田さん、最近、銀座にAUXAMIビルを建てた丸山さん、自然派ワイン・インポーター・ラヴニール大園さん、CLUB PASSION DU VINの竹下とまどか、以上の飛びっきり楽しいメンバーで和食、大野を楽しもうというソワレだ。 気配りの大野さん、今夜の特別メニュを達筆な筆で作成してくれた。 日本滞在記―TOKYO- 和食・大野 美食の街PARISの舌の肥えた大物著名人を、包丁一本で和の世界にひき込んで魅了していた大野シェフの技。 海のもの、山のものがちりばめられた逸品にはダール・エ・リボのSAINT JOSEPH 白12年を合わせた。 花崗岩土壌のルーサンヌ品種が主体の白。12年は穏やかな太陽だった。酸が心地よく残り、よく熟した葡萄しか仕込まないダール・エ・リボの白には残糖ゼロでも味覚上には常に、メモワール・ド・シュークルと云われるほのかな甘さが感じられる。 これが“和”の味覚にピッタリ調和する。そして、大切なのは花崗岩からくるキリッと締まった、やや塩っぽさを感じるミネラル感も海の幸にも山の幸にも調和をとることができる逸品だ。 世界の築地に近い銀座、魚の鮮度は抜群。 刺身にもSAINT JOSEPH 白であわせた。 ウーン、メモワール・ド・シュークルのほのかな甘味が 白身の爽やかな旨味に合わさると素晴らしい相乗効果となって舌をとろけさせてくれる。 和食・割烹で自然派ワインが普通に出てくる銀座・大野 ソロソロ白から赤へ、ソムリエの丸山さんがフランソワ・サン・ロのOn l’aime nature!オンレイム・ナチュールを注いでくれた。 マグナムを片手で軽々とサービス指定くれた。 白から赤への中間にはもってこいのワインだ。 ヴィーフな酸、軽めなアルコール、スカットした透明感、魚介類の多い。和食にピッタリの赤である。 ルネ・ジャンもフランソワも本格的な和の世界に大喜びだ。 桜の花が入ってた山菜鍋 C’est le printemps 14 フタを開けると桜の香りがホワリと立ち昇ってきた。山菜鍋にはル・プランタン14をやった。カモシ期間の短い爽やか造りのシラーはキノコと煮野菜に合う。軽めの造りでも花崗岩のミネラル透明感が口中をニュートラルにしてくれる。 旨味のかたまりの日本のカニは私の大好物。 丹念に身を掘り出してくれていて、あとは食べるだけ。 このスタイルのカニはフランスにはない。 旨いもの好きの皆のほほが緩み笑顔が自然に出てくる。 日本滞在記―TOKYO- 和食・大野 さあ、本日のメーンイベント!! 特性 すき焼き !! 今日の会は、ルネ・ジャンがすき焼きを食べたい!と言い出したのが切っ掛けとなった。初来日のフランソワ夫妻はまだ薄切りの和牛も、すき焼きも食べたことがない。そこに大野さんの技が加わって飛びっきり美味しい好き焼きが実現。 大野さんが鍋と霜降り和牛をもってやって来た。 今夜は鍋奉行が沢山いる。奥のテーブルはビストロ・SHINBAの菊池さんがいる。 フランソワ・リボも薄切りの霜降り和牛を見てびっくり。フランス人にとっては和牛を食べるのが一つの夢。もう目が肉に集中。生でも食べそうな雰囲気。 フランソワはこのすき焼きの事を一生忘れないだろう。 同じ鍋を、仲間達と一緒に分け合いながら食べる日本の鍋文化は、まさに“和”の世界そのものではないだろうか。鍋奉行、食べるスピード、分け合い、鍋を囲むだけで メンバーの気持ち、性格が分かってくる。 それぞれの分野で走っている人達が,一部屋に集まって、飲んで、食べて、話し合うこの時間が素晴らしい。飲むもの、食べるものもエモーション・感情が伝わってくる。 体も精神もレストレ・再生されていくのを感じる。BON VIVANT !! 日本滞在記―TOKYO- 和食・大野 DARD ET RIBが日本で飲まれで20周年記念。 全国を周っている最中のひと時の晩餐会。 良く笑い、よく食べ、よく飲んだ一夜でした。 大野さん、演出有難う。忘れられないソワレでした。 佳き食べ物、佳きワイン、佳き友、佳き瞬間、 全部揃って人生の一コマ。 元気100倍。 明日への英気を蓄えました。

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SOIREE AVEC MR FUJITA (KOMATSUYA) 小松屋 藤田社長と共に

フランスでは絶対に食べられない湯葉、超新鮮な刺身、特にホタルイカは甘味・旨味そしてフレッシュでたまりませんでした。 筍 ~ イカ巻ウニ ~ 私の大好物の厚揚げ ~ 海苔天ぷら ~ 最後にツルットうどん    涙がでるほど美味しかった。 久々の日本の味を楽しませてもらいました。やっぱり日本は良いな! もう最高でした。 有難う藤田さん。 6月はお待ちしています。 東京・オザミグループと大阪小松屋だけの限定ワイン、CUVE BOU. SPECIAL CUVEE POUR KOMATSUYA ET AUX AMI A TOKYO. DARD ET RIBO 日本登場20周年記念・大阪試飲会 大阪自然派パワー全開 !! PASSION !! DARD ET RIBO FETE DE 20 ANS D’APPARITION SUR JAPON フランス自然派の初期から存在するダール・エ・リボ、1984年にダール・エ・リボを設立。初期の頃の自然派の蔵元は皆、孤立しながら試行錯誤で自然なワイン造りを開始した。現在のように醸造家同士の横の繋がりは殆ど無かった時代だ。 あのマルセル・ラピエールとほぼ同時に開始している自然派最古の蔵の一つである。 フランスでもダール・エ・リボはミティークな存在である。何故なら、今でも、自然派の試飲会にも一切参加しない。フランスではダール・エ・リボに面会、話しができる機会が全くないのが現実。日本ならでは出来事。(唯一、年に一度パリの自然派レストランLE PAIRE DE CARTOUCHEでDARD ET RIBO単独試飲会が開催されているのみ) この二人、レネ・ジャン・ダールとフランソワ・リボが同時に移動することは、フランス国内でも殆どない。ダール・エ・リボ醸造始まって以来の出来事と云ってよい。しかも今回は奥さんも同行しての旅である。この4人が一緒の写真に収まっているのはこの写真が初めてだろう。日本ならではの出来事である。特にフランソワの写真嫌いは有名である。フランスでは一切写真を撮らせない事で有名な蔵である。しかもジャーナリストの出入りが禁止。だからフランスのワイン雑誌にダール・エ・リボの記事が載ることは一切ない。写真撮りも取材も唯一、日本人だけが許されている。だからこの一枚の写真は貴重な存在。 L’ECHANGE Autour de vin , meme type gens rassamble. C’est le vin. Ca, c’est loi de nature comme gravitation. ワイン交流の法則 ワインは同じタイプの人達を集める。 引力、重力に似た法則だ。 多くのレストランの皆さん、ワイン屋の皆さんがダール・エ・リボの二人に逢いに来てくれました。 フランスでもめったに会えないフランソワ・リボー 大阪で最も食べたいレストランと云えばLA TORTOUGA ラ・トルトゥーガだ! 料理を食べてエモーションが伝わってくる技を持ってる萬谷シェフ。素材の鮮度が半端でない。 人生の荒波の中、料理にブレがない。 矢のような真っ直ぐな味覚、それでいて優しさを感じさせてくれる料理だ。 ワインの選択も料理と一緒だ。真っ直ぐなものが多い。いきなり出てきたワインがLA BUNOTTEラ・ビュットのロゼだ。 ロワールのトゥーレーヌの砂状・石英石混じりの土壌からはスカッとした真っ直ぐな透明感と砂土壌からの優しさが、萬谷シェフの料理にピッタリだ。 鮮度の高いカツオ・サラダに合わせた。微発泡の爽やかさと石英の真っ直ぐさカツオサラダにピッタリだ。 素焼きの焼き魚に筍・貝類入りの旨味がありながもサッパリしたソースをかけて 頂いた。筍は萬谷シェフ自ら山にとりにいったもの、コシがあって歯ごたえがあって美味しかった。これにはマーク・ペノのMISS TERREを合わせた。山椒の風味があるソースと貝類の旨味にシスト土壌、石灰質土壌の潮っぽい風味が素晴らしいマリアージだった。 そして、スぺインのタラゴナのPARTIDA CREUのBSを合わせた。 スペインワインとは思えない酸、そしてマキシモの優しさが備わったワインにマニフイックとしか云いようのないマリアージである。 LA TORTOUGA ラ・トルトゥーガ 久々の萬谷さんのエモーションナルな料理に感動でした。 人間的にも料理にも深みがました萬谷さんに逢えて嬉しかったです。

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FUXUE 虎穴

FUXUE 虎穴 東京・馬喰横山に美味しい中華料理に自然派ワインが飲めるレストランがある。 確かに料理が格別に美味しい。そこに自然派ワインを合わせることができる。

11
Avr

自然派ワインの春の祭典 LA REMISE ラ・ルミーズ

畑仕事が本格的に始まる前に、大きな自然派ワイン見本市がARLESアルルの街で行われた。アルルと云えば日本の皆さんは“アルルの女”でご存じかと思う。ローヌとラングドックの境界に位置している南仏の街である。 70社程の自然派蔵が全フランス、イタリア、スペインから集まってきた。しかし、自然派の活況は本当に凄い! 1月から4月まで毎週の如くにどこかで、自然派ワイン見本市が行われている。普通のフランスワイン業界では、全くこのような見本市は存在しない。自然なワイン、ビオ・ワインの境界線も薄まっていきた。ビオ栽培家も自然な醸造を始めてきた。 つまり、自生酵母でSO2の添加も少ない醸造をやり始めた。これが当たり前になってきた。 グランクリュ・クラッセの醸造元まで、宣伝文句に“自然”というイメージを使い始めている。つまり一昔前のように新樽使用率100%というような宣伝文句が通用しなくなっている。“自然”というイメージの方が宣伝効果があるのだろう。世の中も変わってきたものだ。何はともあれ、除草剤や化学物質の使用が少なくなれば、地球の汚染が減少するのは良いことだ。ワインの本来のあるべき姿に戻りつつあるのはよいことだ。 ともかくルミーズ会場の熱気は凄い!!自然派の発展は違うスタードに入ってきた。これからが面白い。 フランスで頑張る日本人シェフも集まっていた。 左はリヨンの石田さん、右端はヴァランスのカシェットのMASAさん。中央はバニュルスの人気醸造家ブルノ・ド・シェーヌ。ブルノは自分のブースがあるのにも関わらず一日中会場内を闊歩して遊んでいた。今年は船乗りの様相で参加。食の街リヨンで日本人フレンチレストランシェフとして名を轟かせている石田さんは相変わらず重要な自然派見本市には家族全員で参加。カシェットのMASAさんは、近々に全面改装をしてカシェットの横に気軽に自然派ワインを飲めるワインバーを併設する予定。 ガンちゃんこと岩田さん、フランスではKOKIと呼ばれて愛されている。BEDARIEUX試飲会からルミーズに直行しての参加。 ガンチャンは今、サン・シニアンのBIO栽培・醸造家DOMAINE DES SOULIE ドメーヌ・デ・スリエ醸造で働いている。 毎日、畑仕事と醸造の仕事で体が更にガッチリして貫禄がついてきた。石田さんとの久々の対面で大喜び。 ガンチャンの夢はいつの日か自分でワインを造ること。 フランスにて自然派ワイン初期の時代から取り組んでいる面々が勢ぞろい。 今や、変化の速い自然派ワインの世界、重要な変化を見逃さないように 世界中のバイヤーも集まっていた。 勿論、パリの老舗・自然派ワイン・ビストロ“VERRE VOLEE”のシリルもやってきた。 同じくパリの自然派ワイン屋の老舗かーヴ・デ・パピーユの面々もやって来ていた。 元TABLE DE CHANTRE時代にボジョレの自然派の元祖マルセル・ラピーエルなどと共に自然派をレストラン経営者として支えてきた重要人物、 現在はRESTAURANT ALONSOのジェラールもやってきた。まるで自然派ワインの初期から取り組んでいる面々の同窓会のようだった。 スペインのバルセロナで自然派ワインBISTO,ワイン屋L’Amima del Viをやっているフランス人のBeoitブノワとユリアもやって来た。 3年前始めた頃は自然派ワインの販売に大変に苦労していた。今やスペインも自然派ワインが浸透してきた。一カ月前にはバルセロナで自然派ワイン見本市が開かれた。ブノワのこの笑顔で景気を図れる。 つい最近まで、パリのモンマルトルの丘の上で超人気ワイン・ビストロ GRAND 8を経営していたカメルも来ていた。今はやや休養中のカメル。深夜遅くまで客を相手に連夜飲み続けた疲れが溜まっていた。ゆっくり休養してあとは、あのカメルのことだから、また素晴らしいことをやってくれるだろう。 NICOLAS CARMARANS ニコラ・カルマラン 日本からも、ビストロ、レストランで働く若手の人達が来ていた。フランス中央部の山中の寒冷な土地で、素晴らしく軽快でエモーションを感じるワインを造るNICOLAS CARMARANSのワインを飲んで感激。透明感があってスーット体に入っていくスタイル。元パリでヌーベル・メリーと云うワインビストロをやっていたニコラ。自分の地元に戻ってフィロキセラ以前に栽培されていた畑の復活に人生をかけているニコラ。ガメ品種の葡萄苗木は尊敬するマルセル・ラピエールの畑から貰ってきた。 自然派ワインの進化!! バランスのとり方が多様化してきた。 自然派ワインも明らかに進化している。 これだけ多くの醸造家が集まると、大きく動きつつある傾向が分かる。自然派ワインは“果実味系”と“薄旨系”タイプのスタイルが主流だった。 今、その主流から脱皮しつつある醸造家が増えている。。 REMISEルミーズの象徴でもある綱渡りのバランスのとる位置が多様化してきている。 造りの変化、多様化がある。今まで、ルミーズに来る醸造家の殆どは、除梗をしないグラップ・アンティエールのセミ・マセラッション・カルボ醸造が主流だった。その造りが本当に多様化してきた。その変化の理由は、まず第一に自然派ワインのファンが急増したことにある。色んなタイプを好む愛好家が増えている。 薄旨スタイルに、やや飽きている、こともある。 みんな同じ顔のワインではつまらないと思う自然派ワイン・ファンが増えつつある。第二の理由として、造っている本人達がやや飽きつつある。もう一つ違うものを追究してみたいという醸造家が増えている。この辺の事情はFACE BOOKでは書ききれないので、また別の機会か違う媒体でご説明したい。これからも自然派ワインを楽しみたい人達にとっては重要なポイントになるでしょう。 DOMAINE DE L’ESCARPOLETTE レスカーポレット イヴォさんも元気に参加。2009年に始めて、今年で7年目になるイヴォさん。ラングドックの北、アルザック大地にある真っ白な石灰岩岩盤の土壌。7年を過ぎてテロワールを熟知してきた。イヴォさんはボルドーのCH-DU PUYシャトー・デュプイとJEAN-MARC BRIGNOTジャンマールク・ブリニョから自然なワイン造りを学んだ。イヴォさんは云う『自分はこの二人のような造りしかできない。』この二人の造りを南仏のミクロ・クリマに調和させたイヴォは凄い。イヴォのワインには、南仏とは思えない酸が常にある。 ESCAROLETTE BLANC エスカーポレット白 酸と石灰岩盤からくる潮っぽい旨味が素晴らしい。ムスカ、テレブレ、テレ、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・ノワールで醸す絶品白だ。  JEU DE MAINSジュー・ド・マンはサンソー100%で造る果実の爆発のようなワイン。 まるで葡萄ジュース。旨味ののっていてスーっと入ってしまうワイン。 LES VIELLES レ・ヴィエーユはカリニャンの古木100%のワイン。造りは最近の自然派醸造家が頻繁に取り入れているグレーン・アンティエール醸造である。 除梗はするがフラージ(破砕)は一切しない。葡萄の粒が潰れていない丸ごと粒がそのまま発酵槽に入る。つまり粒内で酵素が働きマセラッション・カルボのような現象が起こる造りである。 最近、この造りをする醸造家が増えている。 LA ROCHE BUISSIERE ロッシュ・ブッシエール 南ローヌ河の左岸山の上FAUCONフォコン村に18Hの畑。畑も標高が高く、もうアトワーヌ・ジョリーのお父さんの代から続くビオ栽培で葡萄の根っ子が石灰岩盤土壌を打ち破って地中深く伸びている。だから南ローヌ強い太陽を浴びても常に酸が残るようになった。今日、アントワーヌは畑仕事、いつも元気な奥さんのローランスが担当。皆がローランスのところに集まってくる。 PETIE JO プティ・ジョ グルナッシュ70%、シラー30%。粘土石灰土壌、除梗して、破砕しない葡萄粒丸ごとのグレン・アンティエール醸造。もう爽やかで透明感もあってスーと入ってしまう心地よいワイン。 SYLVAIN BOCK シルヴァン・ボック 今、フランスで最も自然派醸造元同志のチームワークが良いアルデッシュ地方。マゼルで働きながら、2010年にマゼルから畑を借りて独立。ここ2,3年前よりグングン腕を上げてきた。もともと白は透明感もあって美味しかった。最近、除梗なしのセミ・マセラッション・カルボ醸造で醸す赤が大変美味しくなった。 透明感ができた。土壌に慣れてきたのだろう。酸も残ってグイグイいける心地よいワインになった。 ここ近年、アルデッシュでは最も品質が素晴らしくなった醸造家の一つ。お見逃しなく。 MYLENE BRU ミレーヌ・ブリュ 今、ミレーヌはオーストラリアに行っている。南半球は今収穫と醸造が行われている季節。ミレーヌは知り合いの蔵でワイン造りをやっている。 今日は、お母さんに代わって娘、レアちゃんが来ていた。彼女は今、ソルボンヌ大学の学生。お母さんとそっくりな風貌、まるでコピーしたようだ。 ミレーヌは子供の時からの夢であったワイン造りを、PASSIONで実現した女性だ。南フランスのラングドック地方、コルビエールの醸造家の娘だった。 醸造家になる夢を家族に反対されて、パリでワイン学校の先生をやっていたが、数年前に我慢できなくなり、自分の夢を実現する為に子供達を連れてラングドックに戻ってきた。ペゼナスとモンペリエの中間に故郷のコルビエールにそっくりの畑を見つけて、あらゆるオブジェクション壁を乗り越えて、醸造元を立ち上げたPASSIONの女性だ。 LADY CHASERA レディー・シャスラ シャスラ品種から ミレレーヌが醸すシャスラは優しく、酸の代わりにミネラル感でバランスをとっている。白。石灰土壌のミネラル感が強く、畑の隣村のブジーグ村の牡蠣に合わせると完璧だ。

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Avr

BEZIERS

久々のBEZIERSの街、ベジエといえば、PHILIPPE CATUSEAUさんがワイン屋として頑張っている。ビストロもやっている。LE CHAMEAU IVRE酔っぱらたラクダと云う名のビスロ。ベジエに来たら必ず寄るみせだ。アペリティフをやっていたら、偶然にも岩ちゃんが店の前を歩いていた。呼び止めて一杯。 私はMontcalmes * モンカルメスのシャルドネ。岩ちゃんはChristope Peyrus * クリストフ・ペイリュスの赤。何てクリストフ・ペイリュルスの赤は旨いいんだろう。ピック・サンルーとは思えない酸。赤なのにアペロとしていける。 その後はBEZIERS 唯一の星付きレスト、OCTOPUSへ。 BEZIERSの夜の3軒目はBISTROT VIN NATUREのPAS COMME LES AUTRESでしめた。 岩ちゃんが研修したOLIVIER COUSINの息子BAPTISTEが造る微発泡ペットナットをやった。心地よい泡が爽快だ。

10
Mar

夏の終わり パリ ガード・ローブ

まだ、バカンスが終わりきっていない8月末のパリ。パリジャンはまだバカンス地で過ごしている。この時期のパリは空いていて過ごしやすい。パリにいるのは忙しい分野のビジネスマンと世界中の観光客だけ。そんな中、人気の自然派ビストロ・ガード・ローブにやってきた。 流石のガード・ローブもこの時期は客が少ない。でも夏期中無休で頑張っている。今このガード・ローブを切り盛りしているのはこの人、エディットだ。そうあのシャンソン歌手のピアフと同じ名前の美人。このガード・ローブは代々美人店長が継承している。 二番手にソレーヌが控えている。二人で切り盛りしている。元気溌剌のエディットとやや控えめな感じのソレーヌは名コンビだ。忙しく店内を走り周って客の接客をするエディットとその注文・準備をコツコツとこなすソレール。バカンス開けの9月から大人気になるだろう。 今日はガード・ローブ元店長のASAMIとやって来た。数カ月前までは連日満員のガード・ローブをきりもりしていた人気店長だった。今、子供が生まれて育児中、気分転換に長いこと外出をしていないASAMIを誘ってやってきた。 エディットとも久々の再会。 店内に入ると、常連客のエティアンがいた。オープン以来ほぼ毎日一杯引っかけにやってくる。『仕事場から家までの通り道なんだ。』エティアン。ASAMIがいた時期もほぼ毎日の如くにやって来た。勿論、自然派ワインの大ファンでもあり、自然派の新旧を飲みつくしている。 そのエティアンに質問した。 10年間ここで自然派ワインを飲んで、特に印象に残ったり、驚いたワインは、何ですか? 『僕は軽めでグイグイ入るワインが好きなんだ。だからロワ-ルやボジョレのワインが好きだね。』 例えば? 『Lapalu, Picatier, Saurigny, Griottes, Laurent Lebled, Grange aux Belles, Maisons Bruléesなどが好きだね』 我々はこのワインから始めた。そうJulien Guillot*ジュリアン・ギヨの飛びっきり美味しいワイン、赤ラベルで目立つULTIMATUM CLIMATウルティマ・クリマを開けた。私も個人的に大好きワインの一つだ。ウーン、美味い!!何て美味しいんだろう!体に沁み渡っていく液体だ。量が少なくて中々手に入らないワインだ。 マコン地区では飛びっきり美味しいワインを次々と造りあげている JULIEN GUILLOTのワインだ。マコンの白も、発泡ワインもミネラル感タップリの昆布ダシ系の旨味ろ潮っぽさが素晴らしい。マコンきっての醸造家だ。 最後はこの一本でしめた。そうPatrick Desplats*パトリック・デプラのワインだ。先日のアルデッシュ自然派試飲会で会ったばかりのパトリックのワイン。本当に美味しく、深味のあるワインだ。 今日はASAMIとパリ一番に美味しいヴォンゴレ・スパゲッティをこれから食べに行く予定。 やあー、美味しかった!!新店長のエディットのワイン選択は素晴らしい。手に入りにくいワインもキッチリ仕入れている。この秋も超満員のガードロープになるだろう。Merci a la prochaine!

3
Mar

DEGUSTATION JEU DE QUILLES – OFF DE Grands Jours de Bourgogne

DEGUSTATION JEU DE QUILLES – OFF DE Grands Jours de Bourgogne                          フィリップ・パカレが小試飲会JOU DE QUILLEを開催 毎年、この時期にブルゴーニュ・ワインのイベント、GRANDS JOURS DE BOURGOGNE,グラン・ジュール・ド・ブルゴーニュが開催されている。今年はPhilippe PACALETさんが個別にOFFの小さな試飲会“JEU DE QUILLE/・ジュー・ド・キーユ”を開催しました。 13社の蔵しかいない小さな試飲会。 場所はボーヌ駅の近所にあるパカレ醸造の蔵で行われた。 会場の蔵の中は,超満員状態。フィリップ・パカレの人気は凄いのもがある。世界中からバイヤーが集まっていた。パカレが醸すピノ・ノワールは独特のパカレ・ピノ風味がある。世界中のピノ・ノワールファンを魅了している。 DOMAINE LA COTE ドメーヌ・ラ・コート パカレさんと親しくしている蔵元ばかりが集まった。遠くはアメリカのカリフォルニアから美味しいPINOT NOIR を醸すLA COTEが特別参加していた。 ピノの木苺風味が心地よく、太陽を思わせる膨らみもある。石英石の岩盤土壌からくるヴィーフなミネラル感が酸と一緒になってしめてくれている。素晴らしいピノ・ノワールだ。 CHANTEREVES シャントレーヴェ 日本人女性、ボーヌでワインを醸すKURIYAMA TOMOKOさんも参加していました。昨年からグラップ・アンティエール除梗なしの造りに変えたとのこと。やさしいピノ風味が素晴らく上品なスタイル。女性的なエレガントさ、私の大好きな典型的なピノノワール。 短時間でこの品質にたどり着いたTOMOKOさんに拍手を送りたい。 CHRISTOPH PACALET クリストフ・パカレ フィリップ・パカレとクリストフ・パカレは従兄同士、それもかなり濃い従兄、お互いのお父さん同士、お母さん同士が兄弟である。彼らのお母さんはマルセル・ラピエールの妹である。幼少時代はモルゴンで一緒に暮らしていた時期もあり兄弟のような関係だ。今年から新登場のSAINT AMOUR サン・タムールが素晴らしかった。15年産の共通の特徴は、太陽が強かった年で良く葡萄が熟している。ブラインドではグルナッシュと間違えるほどの濃縮した果実味がある。 17:00から始まったこの試飲会、時間が経つ程に人が集まってきた。他の試飲会を周り終えた各国のバイヤーがやって来た。今や世界中のブルゴーニュファンの間で注目されているPhilippe PACALETである。また、パカレが選択した醸造元にも興味があるのだろう。 私も良く知っているデンマークのインポーターも来ていた。北ヨーロッパも自然派ワインが大人気でグングン伸びているとの事。嬉し限りである。自然派を取り組んでいる人達は皆、仲間である。 レストラン・ノマとも仕事をしているとのこと。ノマが閉まってしまう前に、6月に一緒に食べに行こうとクリストフ・パカレと約束をした。勿論、彼らが予約・同行してくれるとのこと。 リヨンのEN METS FAIS CE QU’IL TE PLAIT,日本人シェフの石田さんも参加 レストランやビストロ業者も集まってきた。リヨンの日本人シェフの石田さんも奥さんのキムさんと参加していた。 今日は特別に臨時休業してきたとのこと。 石田さんの店、EN METS FAIS CE QU’IL TE PLAIT,は自然派ワインの品揃えでは定評がある。そして石田KATSUMIさんの料理は 本当に美味しい。力強さと繊細さの両方を備えた料理だ。 私はリヨンに行くと必ずよる店だ。 もうファミリーの様な存在。 ブルゴーニュを代表する醸造家の一人Philippe PACALET PHILIPPE PACALETは ピノ・ノワールをブルゴーニュのテロワールごとに忠実に表現する数少ない醸造家。パカレのブースはいつも人だかりでなかなか近づけない。彼のピノ・ノワールとブルゴーニュのテロワールの研究はプリューレ・ロック醸造時代から27年間続いている。 その間に地球の温暖化からくるクリマの変化は、彼にとっても醸造段階において多くの変化をもたらした。 常にパカレ独特のピノ風味、パカレ・ピノ香と云ってもいい独自の果実味がある。優しいタッチの尖った部分とか角張った部分が全くない穏やかなパカレ・ピノ風味がある。 パカレのワインは、若くしても美味しい。でも時間を経って熟成した時に出てくるミネラル感がホントに繊細で素晴らしい。本当にブルゴーニュのテロワールの違いが全面に表現されてくる。 世界中のブルゴーニュファンがその事に“気づき”だした。フィリップ・パカレの真価が判り出した。 段々、日本に回って来なくなる時が来るのではないか、とチョット心配になる。 フィリップ・パカレは自分が育った自分の原点でもあるボジョレに畑を買った。MOULIN A VINである。 ブルゴーニュのグランクリュ畑と同じ手間暇をかけて醸したPACALETのムーラン・ナ・ヴァンは 一飲の価値あり。マニフィックMagnifique としか言いようがないガメがある。 『ピノ・ノワールとガメは従兄同士のような存在なんだ。』とパカレは云う。彼のムーラン・ナ・ヴァンにはピノを感じさせるものがある。 DEGUSTATION JEU DE QUILLES 2次会 2em parti- OFF DE Grands Jours de Bourgogne テースティングの後は、勿論、一緒に食べて飲んで歌っての懇親パーティー !! フィリップの奥さん、モニカさんが大活躍。試飲会場の進行、二次会の懇親パーティー、料理の進行、一人5役をやりこなす頑張り屋さん。 シャイで無口なフィリップに代わって場を盛り上げて、ブルゴーニュ独特のラーラーラララララーラ、ラララの唄を歌うモニカさん。 フィリップ・パカレの思い。 参加醸造元にとって、この情報交換の時間帯は大きな意味がある。 普段、孤立して栽培、醸造に集中している醸造家にとって貴重な情報を得る絶好の機会なのである。先輩醸造家やクリマの違う醸造家との会話が、大きなアドバイスや問題解決ヒントになることが多い。人と交わることで新らたなものが生まれていく。皆が良くなっていく。もっともっとワインが美味しくなっていく。いい流れを造っているPHILIPPE PACALET. ブラヴォー 。 太っ腹のフィリップさん、Marcel LAPIERRE本人醸造の最後のミレジム2009年のマグナムを開けてくれた。もう世間では見つからないワインだ。皆、大喜びだ。 一番喜んだのはChristophPACALETだった。 So2添加ゼロのワインでも、全く問題なく熟成する。健全な葡萄だけを仕込んだワインは果汁のエネルギーが違う。So2を必要としていない ガメが熟成するとピノッテしてくる。09もほんの微かにピノ風味が出ていた。 でももまだ若々しかった。私も久々に飲む09だった。 […]

1
Mar

PHILIPPE JAMBON

PHILIPPE JAMBON 人柄              J’aime vin de Philippe JAMBON. On retouve son intention tres fort. Meme sur Une tranche. C’est lui qui selectione. C’est normal. 私はPhilippe JAMBONのワインが好きだ。強い意思を感じる。 例え彼がネゴスで選んだワインのUNE TRANCHEにも同じものを感じる。 当然のことだ。彼の意思で選んだワインだから。 Philippe JAMBONはシャイで、心優しく、芯が強く、決めたことは、たとえ不可能に思えても決して諦めない強い心の持ち主。心動じることなく頑固に最善を尽くす努力派、3児のパパでもあり、家族を大変大切にしている。『僕にとって家族とワイン造りは一体となっているんだ。』 Il ne jamais abanndone ce qu’il aime faire . 『le vin , c’est la famille pour moi』Philippe J’ai ramene une trache de beuf de KOBE chez Philippe. Philippe a debouche Les GANIVETS 、il etais longtemps en fut. Hu… waho…UMAI ! フィリップがレ・ガニヴェを開けてくれた。 長い間、何年も樽で寝ていたワインだ。こんな危険なことを普通の如くにやってしまうのがPhilippeだ。 ウーン旨い!!

15
Fév

カベルネ・フランを名人芸で醸す、YANNICK AMIRAULT ヤニック・アミロ – PART 1

今日は、日本の酒販店グループESPOAが輸入しているロワールのYANNICK AMIRAULT ヤニック・アミロを紹介しよう。 ついでにESPOAグループの活動も同時にご紹介したい。 ESPOAグループでは、毎月13日の日に日本全国のESPOA店, 関連レストランで同じ蔵元のワインを一斉に乾杯しながら飲む、というワイン飲んべ祭りを全国で開催している。 2月はロワールのカベルネ・フランの名手 ヤニック・アミロでした。 カベルネ・フランの名手と云えばロワールに3人存在している。 ソミュール・シャンピニのクロ・ルジャールのナディ・フコ シノンのフィリップ・アリエ そして、このヤニック・アミロである。 90年台からこの3人はミスター・カベルネとして名を覇している。 お互い同士よく付き合っている仲である。 当時は、3人で共同でシャトー・マルゴーの使用樽を購入していた時代があった。 ある時、クロ・ルジャールの蔵に私が訪問した時、この3人がトラックから樽を下ろしていた。 その樽、どうしたの?と聞くと、 『3人でシャトー・マルゴーに引き取りに行ってきたところだ。』と云っていた。 この3人、お互いに良きライバルとして付き合っていたのである。 マルゴーの良質の樽はロワールのカベルネに相性が良いから共同で購入していたのである。 この3人の中で、最も控えめな性格なのが、このヤニック・アミロである。 フィリップ・アリエも控えめだけど、シノンというアペラッションが手助けとなり、今は世界中に有名となっている。 クロ・ルジャールは、あの髭とマリオのような、ミティークな人柄とワイン質で世界のクロ・ルジャールとなっている。 このヤニック・アミロは、畑仕事以外は殆ど興味ない人だ。ジャーナリストが来ても、とっとと畑にいってしまう人。 有名度からすると、2人に距離を置かれた形になっている。 しかし、知る人ぞ知る存在となっている。 カベルネ・フランのファンなら誰でも知っている存在だ。 特に、有名無名にこだわらない本当に美味しい料理を出すレストランには、必ずこのヤニック・アミロが置いてある。 食事とテーブルで合わせるには、どのカベルネ・フランよりも合わせやすいスタイルなのである。 ヤニックのワインは、ワインだけ飲んで判断するジャーナリストには理解しにくいスタイルである。 テーブルの上で飲まれるところにヤニックのスタイルは真骨頂がある。 ヤニックに、趣味は何ですか? と聞いたことがある。 『畑仕事!』 間髪をいれず答えたのが印象的だった。 畑仕事の鬼といえば、エスポアには南ローヌ地方 EAN DAVIDジャン・ダヴィッド がいる。 土壌の人だ!その ジャン・ダヴィッド と比較的しても甲乙をつけがたいレベルの土壌の人である。 葡萄を観察をする時のヤニックの目は違う。 僅かな変化を絶対に見逃さない。 小さな状態の変化から、すべてを悟ってしまう能力を持っている。 いや、その道に、深く深くのめり込んだ人しか分からない感覚的な技である。 これを、理解するのとしないのと、最終的に出来上がる葡萄の品質は天と地ほど違ってくる。 俺の葡萄を見てくれ。自信タップリのヤニック 収穫の時期に、醸造所に行ったことがある。 こんなにも完璧な葡萄ばかりの収穫を私はあまり見たことがない 何をおいても、ワインは原料葡萄の状態が最も重要なのは間違いない。 そこにすべてを賭けているのが、ヤニックだ。 余りにも地味でジャーナリストの目には止まりにくい。 ミスター、カベルネ・フランと呼ばれるにふさわしい人柄である。 数年まえより気候変化・病気に繊細なバラを葡萄園の端に育てている。(ボルドー人もやっている。) 葡萄木より繊細なバラを観察することで、葡萄への対応を素早く対応できる。 勿論、半分は遊び心からのバラ栽培。 良い葡萄さえ収穫すれば美味しいワインができる、とよく云われている。 残念ながらそんなに単純なものではない。 収穫した葡萄を発酵槽にいれて、自生酵母がちゃんと順序よく発酵してくれないと美味しいワインはできない。 自生酵母とは、その土壌独特の気候風土(ミクロクリマ)に合った組み合わせの自然酵母が約30種類ほどある酵母群のことをいう。。 特に大切なのは、アルコール発酵の初期に活動する酵母菌がワインの風味に重要な役割を演じている。 初期から発酵槽内の温度が高いと、初期の酵母菌が働く前に本来後半に働くべき酵母が先に動いて深味、風味のないワインになってしまう。 特にワインの重要な要素であるパファンと呼ばれる香りに特徴・複雑味のないものになってしまう。 土壌の人、ヤニックの畑には元気でイキイキした自生酵母が育っている。 ヤニックと自生酵母達はもう長い付き合いの友人だ。 ヤニックは自生酵母達とまるで会話をしながら醸造しているようだ。 ここでも繊細な感性が必要になる。 アミロ家ではここ近年、トロンコニック型の大型木樽発酵槽を増やしている。 発酵温度が急激に上がることを自然に抑えてくれる性質を持っているからだ。 発酵中にも木樽の木目をとうしてわずかながら息をしている。 そして、アミロ家の醸造所は発酵室全体に冷房が入っている。 発酵槽に外気の影響を受けることを避けている。大変重要なことなのである。 自生酵母達が理想的に働ける環境を整えている。 後は、収穫した葡萄皮に含まれている旨味、色、タンニンの成分をどのように抽出するかの“技”にかかってくる。 これは、一年中、畑で一緒にそばにいて葡萄達を見てきたヤニックしかわからない部分が多い。 感性、フィーリングが大変重要なポイントになる。 ルモンタージをやり過ぎてもワインが粗くなってしまう。 ピジャージを多くやっても繊細なタンニンを出せる年の葡萄もある。 カモシ期間が短くても濃縮感がタップリのワインになる事もある。カモシが長くても繊細で軽やかなワインになることもある。 よく醸造元の中で 『私は一切ピジャージをやらない』 『ルモンタージをやらない。』とかいう人がいる。 本当のところは、葡萄の状態如何ですべてがかわってくる。 『除梗する、しない』の問題も葡萄の状態でかわってくる。 この辺が、一年の畑仕事で育てた葡萄の状態をよく理解していないとできない事なのである。 畑仕事が趣味というヤニックでしかわからないことが沢山ある。 毎年、穫れた葡萄の状態によって造りも臨機応変に変化してくる。 収穫する前から、今年の醸造すべき方法のシュミレーションができている。 カモシの期間、ピジャージ、ルモンタージのタイミングなど、なぜなら、一年間の畑仕事で葡萄のもっているカパシティー、要素をすべて把握しているからである。 ヤニックならではの“技”である。 ヤニックのワインのタンニンは、一口の試飲ではやや硬さを感じることが多い。 でもそのタンニンの粒子の細かさは凄い。 その繊細な粒子のタンニンが食事の時に生きてくるのである。 食べ物の脂身、雑味、違和感をこの細かなタンニンがすべて調和をとってくれる。 これがアミロのスタイルだ。 これは2008年にヤニックが来日した時、 東京・銀座のオザミ・デ・ヴァンでの会食の時だった。 和牛の旨味とプティ・カーヴのこまやかなタンニンの絶妙なマリアージに感動した瞬間だった。 肉からの旨味と石灰岩盤土壌からくる潮っぽい旨味が相乗効果となり、もう舌がトロケそうだった。 それを洗い流してくれる繊細なタンニン、また食べよう、という意欲が倍増してくる。 ヤニックは、この瞬間の喜びを提供する為にすべてを畑仕事にかけている。 そして、このスタイルを貫きとうしている。

19
Jan

ラズ・カマンのカールとラファエルが無事日本に到着

お茶目なカールは大阪の地下鉄内で駅員を見つけると近寄って記念撮影。 テンションが高い。 突然のカールの行動に浪花のおっちゃん駅員さん、固まっていた。 即、ラファエルも近寄って記念撮影。子供のような二人。おっちゃん駅員さんイヤともいえず固まりっぱなし。 絶妙の瞬劇も大阪のオッチャン。有難う、心の中で爆笑させていただきました。流石、大阪は違う。 最初のイベントのたけやさんところから開始。 今年の秋はお客さんツアーもやって、順調にお客さんの心を惹きつけているたけやさん。 2016年は新春から飛ばしています。 会場に行く前に店に寄ってボトルにサイン、勿論、今夜の会で販売するボトル。 会場は豊中のフレンチレストラン、ノア・ド・ココにて。 5年前にもマンスノーブルが来日した時に私も来たレストラン。 大変腕も良い、絶品のシェフのいるところ。 ラズカマン・ブランから乾杯! 最初にご挨拶。 生まれて初めて、これだけの人前で話す二人は、ややドキドキ気味。 いつも普通の如くにやっている事を説明がなかなか出てこない。 その初めてっぽさが新鮮で良かった。 ドライトマトとホタテ貝のテリーヌ オマール海老の冷製ソース 爽やかなでフルーティーなソーヴィニョン100%、あえて樽には入れず 爽やかさを狙った造り。 ワインだけ飲んでもアペリティフとしてもok. 今日の料理、 ドライトマトとホタテ貝のテリーヌ オマール海老の冷製ソース 石灰質土壌の旨味ものってソースにぴったりの相性。 カールも大喜び。 そして、シャトーカマンに バームクーヘン豚のロースト かぶらのグラタン添え ホーレンソ草とトランペット茸のソース 実に凝った料理に二人とも驚き。 お客さんも驚きの料理。 メルロー主体のカマンとホーレンソウのマリアージが素晴らしい。 豚お油味を爽やかに流してくれたカマンが光っていた。 この美味しさに一挙にお客さんも笑顔が溢れてきた。 ワイン、美味しい料理、で人の心も和んで即友達に。 カールの隣のオジサンは現役中にオランダに転勤して住んだことがあり、欧州人には慣れている。 たけやさんもニコニコ。 これまで静かだったお客さんもザワザワと会話が弾んだ。 多くを語らないたけやさん、 でもこの笑顔で皆が惹きつけられている。 後はラズカマン2010、シャトー・メリニャン 2010と2003を続けた。 料理は菊芋風味のポトフと黒毛和牛の赤ワイン煮 あまりにも美味しそうで、写真をとるのを忘れて食べてしまいました。 濃厚な料理に濃厚で力強いワインでピッタリの相性でした。 その後のデザートのガトー・ショコラも濃いメリニャンでバッチリでした。 みんな大喜び。 冬の寒くなった時期は、こってり料理にこってり濃厚なワインが必要だ。 軽いグイグイ飲みワインが流行りの昨今ですが、やはりボルドーのこの濃縮感も捨てがたい。 やっぱりボルドーはボルドーだ。濃いワインが好きなお客さん多くいることをわすれてはいけない。 フランス、パリでも60%の普通の人がワインはボルドー、と思っている。ボルドーワインがは不滅の人気が現実。 美人女性ばかりに囲まれてご機嫌の二人。 最後に全員で ダーとやりました。 造り手と飲む人の素晴らしいふれあいの一期一会でした。 素晴らしい空気と波動で充満していました。 有難う、たけやさん。 良い仕事してますね。

13
Jan

2016年の世界動向と自然派ワイン

世界は大きく動いている。大略的に見れば世がより佳くなるために、人類が乗り越えなければならない課題が浮彫になって来たといえる。愚連隊のような連中が国まで造って平然と世界中の国を相手に戦争を仕掛け、人殺しを当たり前の如くにやっているイスラム国が存在している。 地球温暖化現象がいよいよ表面化して異常気象や環境変化による災害が具体的、日常的になってきた。この年末年始の暖かい気温はフランスではフランス気象台始まって以来の暖かい気温が  記録された。春に咲くべき花が12月に既に開花となった。南仏の春に咲くミモザが12月に満開だった。北極ではこの時期は-50度が普通の気温、しかし今年は+2度という異常な気温となっている。 この2点、1イスラム国の蛮行、2地球温暖化現象の深刻化が、人類のあらゆる方面の活動に、具体的に大きな影響を与えている。単に新聞上のニュースとしてではなく、人々の日常の生活にも、大きく影響を及ぼしている。 15年11月のフランスでの銃撃・爆弾テロは世界中を震撼させた。実行犯はフランス人である。もともとはイスラム教とは無縁だった若者達がある日突然にイスラム国に行って変身しての行動だった。 フランス中にイスラム国の戦闘員が数千人も生活している。彼らの殆どはフランス国内の落ちこぼれた若者達である。彼らは仕事もなく将来の希望が全く見えない状態から脱出をかけて過激イスラム国に入信していった。 自分の価値を認めてくれる集団いや国がある。今、お先真っ暗な状態とは全く違う。自分の存在価値を活かせる場がある。 でたらめな偽イスラム教論理を造って、世界中の人達をできるだけ多く殺戮 することが神に報いること、という出鱈目な理論だ。自分の命を捨てて、可能な限りの殺戮をすることが、人間として立派で価値のあること、という理論を組み立てて入信した若者を徹底的に洗脳している。こんな信じられない狂った集団が国まで造ってしまった。 こんな集団をここまで世界が何も行動せずに放置しておいた、という事実自体が、今までの世界倫理からも考えられない事実現象である。 イスラム国のテロ実行犯の殆どは、イスラムとは関係のない外国人集団なのである。世界中の若者、特にヨーロッパには社会からはみ出された若者が多い。貧富の差の拡大も広がっている。若者達にとって夢を抱けない社会は問題である。特にフランスはいい意味でも悪い意味でも大人の世界の国だ。若者が前面に出れる場が少ない。社会システムにやや問題がある。彼らの溢れんばかりのエネルギーを良い方向に善用できる道があるはずだ。 社会システムが造り出したエントロピー 資本主義社会で勝ち組、負け組の発生、その格差の拡大。自分の会社のみが儲かるシステムで勝ち続けなければならない宿命を持った資本主義社会システム。その限界が生む出した社会の歪が、偏った宗教と結びついてとんでもない国を造ってしまったのである。国、会社、個人の行き過ぎたエゴが生み出したエントロピーと云ってよい。これらの事件は多くの世界中の人達に、色んな事を考えさせる大きな切っ掛けとなっている。この事件は単にテロによる殺戮行為ばかりを非難することより、社会システムの在り方をかんがえさせられた。人々に生き方の変化を迫る事件として捉えることもできる。 第2の地球温暖化現象 昨年末に、テロで緊迫した状態のパリで、世界から195か国が集まり環境対策会議COP21が開催された。 厳戒態勢にあった危険なパリに、なんと147か国の首相、大統領など各国のトップ政治家が集結した。 アメリカのオバマ大統領、ロシアのプーチン、中国の李首相、ドイツのメルケル首相、日本の阿部首相など世界を動かしているトップ政治家がほぼ全員が集まったのは凄いことである。 この事実だけでも、今までにない環境問題の重要性を世界中が認知していることを示している。 この国際会議中、アフリカ、アジアの小国で環境破戒されている現状が次々と発表された。大国の利益追求の企業活動が地球の裏側の小国の国民が多大の環境破壊の被害を受けている現状が明らかになった。  この問題も今までの社会システムが造りだしたエントロピーと云ってよい。 つまり自分の国、自分の会社だけの利益を確保するために行ってきた企業活動が環境 破壊、公害、温暖化、地球破壊に繋がってきたのである。 つまり行き過ぎたエゴの結果と云ってよい。この年末年始に北極の気温がプラス2度という異常な高温となった。普通ならばマイナス50度のところである。 どんな理由、説明の如何を問わず、我々の生き方を変えなければならない現実 が目の前に突き付けられている。                                       この2つの問題は、どんな職種の人、どんな国の人にとっても共通の課題を浮き彫りにしてくれたのである。我々全人類に投げかけられた課題を越えなければ、明日の地球がないということを明確に示してくれた。 人間の生き方の変化が不可欠な時代の到来 我々地球に住む人間一人一人が生き方を変えなければ明日がないという危機感は誰でも認識できるところまできた。貧乏人だろうが、お金持ちだろうが、どんな宗教を信仰していようが、どんなイデオロギーを持とうが、すべての人にとって地球は一つしかないのである。 この意識は、日常生活のあらゆる場面、行動に影響を与えている。 当然の如く、近年の消費者心理の中に“自然”というイメージが大きく影響を与えている。人々がものを買ったり、消費する時には、商品のトレサビリテーを吟味する層が急増している。これは世界的な傾向である。 若手自然派醸造家の急増と自然派ワインの品質向上 我々はワインの世界で生きている。このワインの世界も大きく変化している。まるで氷河が解けるようにビオに転換する醸造家が増えている。 特に世代交代をする若い世代は、ごく自然な形でビオ栽培を導入している。 若い世代ほど自然に関しては敏感である。 今、フランスでは農薬によって病気になった農家の話題がマスコミでも報道されている。 また、除草剤や農薬による水質や農地公害の話題を頻繁にマスコミが取り上げるようになった。 醸造元一旦栽培をビオ、自然な栽培にすると、次は醸造も自然な造りに転換する醸造家が急増している。 あえて、一昔前のように自然派と名乗らない醸造家が増えている。 これは素晴らしいことだと思う。 自然派ワインが浸透して一般化しつつあるのを感じる。消費者の方も何の抵抗もなく自然派ワインを楽しむようになってきた。 自然派ワイン専門のワインバーでも、今は敢えて自然派ワインとは謳わないバーやビストロが増えて いる。その裏には、自然派ワインの品質が格段に安定してきたことが大きな 理由とメリットとなっている。 一昔前の自然派ワインのように、還元した異常に臭いワインや酸化したワインが減少している現状がある。普通の美味しいワインとして気軽に安心して提供できる状況になってきている。 昨今の自然派ワインの品質向上が著しい。そして、高品質の自然派ワインを造る若手醸造家が次々と誕生している。最近の若手は初リリースから本当に美味しい。 初期の自然派醸造家達が多くの失敗を重ねながら試行錯誤で20年の歳月を費やして築きあげた手法があり、それを惜しみなく自然派2世代に伝授した。2世代目の天才的な稀有の才能を持った少数の醸造家達が更に磨きをかけた“技”を確立。そして、最近はその磨きのかかった“技”を最初から熟知して、それを普通の如くに使いこなす3世代目と云ってよい若手が出現してきた。 ここ最近の若手醸造家のセンスが光っている。古参自然派が達しえなかったレヴェルに若手が飛び越えて驚くような高品質のワイン造りあげている。 3世代目の時代が到来しているのを感じる。 初代自然派 マルセル・ラピエール、ピエール・オヴェルノワ、 ダール・エ・リボ、オリヴィエ・クザンなど、 2世代目として  ブルノ・シュレール、フラール・ルージュ、ラングロール、 フィリップ・パカレ、ラパリュなど傑出した才能の持ち主 3世代目として  マチュ・ラピエール、レミー・デュフェート 、 デビュベルタン、バティスト・クザンなど多くの若手誕生中 自然派ワインの愛好家が世界中に拡大 急増する自然派ワインを支える消費者、レストラン、小売店が世界中に増えている。  世界中の消費者の指向が“自然”に向いているからである。 世界の不安材料が一杯の様相、イスラム国、環境破壊からの温暖化などが、人々の指向をますます“自然”な方向に向かわせているのだろう。 北欧、ロンドン、ニューヨークと物凄い勢いで拡大している。 この傾向は2016年も更に拍車がかかるだろう。 品質向上と安定感が備わり、本来のワインに戻ったからである。  6000年のワイン歴史の中で、現在のような人工的な化学物質を加えてワインを造りだしたのはたったの60年前からである。 ボルドーグランクリュが制定された1885年の時代はすべて自然なワインだったのである。除草剤も殺虫剤も人工酵母も存在しなかった時代である。みんな自然酵母でワイン造りをしていたのである。 つまり、当時のワインは今のボルドー・グランクリュより現在の自然派ワインのスタイルに近かったのである。誰もが自然栽培、自然酵母でワイン造りをやっていた。自然派ワインの本質は本来のあるべき姿、つまり普通のワインに戻っただけなのである。 自然派ワインには地球の奥からのメッセージが   フランスの葡萄畑には、まだ世界中の大陸がくっ付いていた時代、3億年前の土壌、ミネラルが多く存在している。古いものは4億年前のミネラル、地質史で云うシルル紀やデボン紀の石灰岩やシスト土壌がフランスに多く存在している。葡萄の根っ子はこれらの土壌のメッセージを葡萄に運びワインの中に伝えてくれている。 46億年の地球の歴史の中で人間が出現したのは、たかだか50万年前からなのである。 我々は人間になる前は微生物、その前はミネラルだったのである。数十億年の進化を  重ねて人間になった。今でも人間の体にはミネラルや微生物が入っている。 人間の体の一部といってもよい。ミネラルや微生物なしでは生きられない存在である。 自然派ワインを飲むということは我々の先祖に出逢うことなのである。 除草剤や殺虫剤をまき散らした畑には、微生物も土壌も死に絶えてしまっている。 そんなワインを飲んでも我々の先祖には出逢えないのである。 地球のメッセージもエネルギーも伝わってこない。 人間が生き方を変えなければ地球は姿を変えてしまう 人間の行き過ぎたエゴの結果として、今地球が壊れかけている。というより、人間が住めない状態だったころの地球に戻ってしまいそう。我々は地球の原点を見つめて生き方を変えなければ明日がないところまで来ている。 地球が46億年の年月をかけて人間が住めるような環境を作ってくれた。それにも関わらず、我々人間は地球を汚して自分達が住めない地球に戻そうとしている。地球の深いところにあるメッセージにもっと耳を傾けてもいいだろう。 ワインの中には、豪華な宣伝や見せかけに大量のお金をかけている有名ブランド も存在している。果てしない金儲け競争に打ち勝っている状態の一部の人間が飲むには相応しいワインなのかもしれない。しかし人間のギラギラした邪念と化学物質と自然を凌駕した如くに人工テクニックを使ったワインには地球のメッセージは入っていない。 自然派ワインは我々人間に、生き方の方向性を示してくれているのではないだろうか。 過ぎた強烈なエゴの持ち主には自然派ワインは造れない。すべてを征服しうるような考え方の持ち主の人間にも自然派ワインは造れない。 気候、土壌、微生物、自分、周りの人、飲む人も含めてすべての環境と友達にれるような人間の大きさがないと美味しい自然派ワインは造れない。 チョット有名になって大儲けして大金持ちになってやろう、という人間も不可能だ。 他人を蹴落として自分だけ利益をえたり、人を騙して自分だけ利益をえるような生き方、自分の優れた能力、技術、を多くの人達と調和をとるような使い方が出来ない人達も、もうこれからは必要のない人種になるだろう。 いわゆる昔風に云うならば、まっとうな人間、まっとうな考え方、関わるすべてのモノをまとめて調和を図るような生き方が必要なのである。 “利は義の和なり”という生き方が必要なのである。 エゴが悪いのではない。エゴにはエネルギーがある。過ぎたエゴがダメなのである。節のあるエゴ、調和をとるエゴがある。世に気持ちの良い空気、波動のようなモノを出せる最強の良質エゴが存在する。   これからの人間の生き方“共生”のヒントが自然派ワインにあり 1990年代の半ばからVIN NATURE自然派ワインという言葉が使われるようになり、現在までになった過程で、当初はマルセル・ラピエールの人間的な器の大きさと魅力で多くの醸造家が自然派ワインに参入してきた。 自然派のイメージとマルセルのイメージが重なっていた時代があった。マルセル亡き後も各地方にリーダーが生まれていい意味で自然派が広がっていった。 その広がり方が良かった。 20社の自然派が東京・大阪で販売者・ファンと交流   先輩醸造家が新参の後輩にすべてを惜しみなく伝授していく姿は、今の世の中には存在しないスタイルだった。競争、競合が普通のこの社会システムの中、自分が 数十年をかけて身に着けた“技” を惜しみなく伝えて、新参者が独立する手法まで面倒をみる、時には畑を提供したり、金銭的に、物理的にも援助をするというシステムがこの自然派には多く見られた。 日本業務店のメンバーがラングロールと交流 他の世界では見られない共生の思想が自然派ワインの世界にはある。 自然栽培は自然と共に協調しなければ成り立たない仕事である。時には自然から過酷な仕打ちを受けたり、自然の恵みを享けたり、喜怒哀楽を日々続けながら勝ち得たものがある。その生活の知恵は、本では絶対に学べない実践哲学なのである。 そこには本当の意味で人間と自然の調和を見ることができる。人と天(月、太陽、星、天候、)人とミネラル、人と微生物、人間同士の調和、他の世界では見られない生活文化が育っている。 PASSION DU VINでは、ワインを造る人、飲む人、販売する人、自然派ワインに関わる多くの人間同士が交わる機会をできるだけ多く企画している。 日本の小売店の皆さんがエリアン・ダロス訪問 造る人と飲む人、造る人と販売する人、販売する人と飲む人など、自然派ワインに関わる人達には共通した空気、波動が存在していることをその都度発見してきた。 素晴らしい一会一期の調和の出会と空間を経験してきた。 環境破壊、イスラム国の蛮行が全面に出てきた2016年の冒頭にあたって、これから人間が向かうべき生き方のヒントが自然派ワインの中に多く存在するように思う。 自然派ワインを愛する人、販売する人、造る人、私にとっては皆同志である。世の中の動きが、ますます我々の方向に近づいてきているよう思う。 […]

2
Jan

LA GRANDE MOTTEにて

昨日、日本よりフランス、パリに帰国。今朝のフランス新幹線TGVにて南仏モンペリエに移動。明日から自然派大試飲会が開かれる。神奈川県藤沢にある自然派ワインの名店、ロックスオフの若林夫妻と合流。 若林夫妻は一週間前より南フランスの自然派蔵を訪問 明日、見本市に参加して日本に帰る予定。若林さんは本当に美味しい自然派ワインを飲み頃まで保管して、飲み頃になって販売する貴重なワイン屋さんです。 ラングドック地方の首都、モンペリエから車で30分のヨット港LA GRANDE MOTTEにて合流した。フランス中の小金持ち(大金持ちはニース、カンヌ)のバカンス地。港のど真ん中のレストランにやって来た。 地中海と云えば魚介類。まずは、隣町のブジーグの牡蠣から始めた。季節的にも最高に美味しい時期だ。まずはトーマ・ピコのシャブリ・プルミエクリュをやった。抜群の相性だった。 その後は、地元ラングドックのワインで牡蠣に最も相性が良いマキシム・マニョンのLA BEGOUラ・ベグのマグナムを開けた。コルビエールのグネス、シスト土壌からくるミネラル感が地元の牡蠣にピッタシカンカン! シャブリよりラ・ベグのミネラル感の方が地中海の牡蠣には相性がよい。大西洋の牡蠣より塩っぽさにはピシっと締まる シスト、グネス土壌の方がピッタリ。 その後は、地中海で捕りたてのシタベラミ、鯛など魚を網焼きした料理。ここ地中海料理の文化は魚にソースはつけない。魚の新鮮な味をそのまま食べる。我々日本人には最高。これに醤油があれば日本食になってしまう。 地中海の新鮮な魚焼きに何とブルノ・ドシェンの ラノディン09赤のマグナムを合わせた。ウーン!シスト土壌からくるミネラル感が素晴らしい。まるでシストジュースといってよいミネラル感だ。その酸を思わせるミネラルが魚に驚くほど相性が良い。 今夜はマグナムが必要だった。そうヴァンクールの村木さん、ラヴニールの大園さんなど総勢7人で楽しいひと時を過ごした。やっぱりこの人数にはマグナムが必要だ。マグナムは気分的にも味覚的にも私は大好きだ。ヨットハーバーでの最高の一期一会だった。 さあ、明日から長期の自然派ワイン見本市が始まる。 元気付けにはピッタリのソワレだった。イヤー!楽しかったです。有難う。あ!忘れていました。最後に 敬意を評してマルセル・ラピエールのモルゴンで閉めました。乾杯!マルセル。有難う自然派!!

22
Déc

若手自然派 EN JOUE CONNECTION アンジュ・コネクション試飲会

年末恒例の試飲会。アンジュ・コネクションが12月12,13日の週末に開催された。ANGERSアンジェの街を中心に点在する若手自然派醸造家、約20社で形成されている自然派グループである。年に数回試飲会を開く。 また、若手は金銭的に余裕がなく農機具も思うように購入できないのが現状。そこで、このグループでは農機具を共同で購入して数社で共同使用したり、農繁期にはお互いに農作業を協力し合いながら行うという若手アソシエーションである。 ロワール地方のアンジェ地区は自然派醸造家同志の横の関係が素晴らしく結束してる。こんなに理想的にまとまっている地方は少ない。 若手の次世代型の自然派醸造元が多く育つアンジェ EN JOUE CONNETION、このグループはオリビエ・クザンの息子バティスト・クザンが中心となって形成された。バティストは20歳の時に一年間日本に滞在したことがある。銀座のヴァンピックルに半年、大阪のパッション・エ・ナチュールで半年修業した。自然派の初期段階の時、日本が自然派を支えたこともよく知っている。日本通である。 アンジェ地区の自然派と云えばオリヴィエ・クザン、マーク・アンジェリ、ルネ・モスという古参の醸造家達が今の自然派を築いてきた。 彼らと云えども、当初は自然ワインを造る為の、自然栽培や自生酵母だけで、SO2無添加での醸造を手探り状態でやっていた時期があった。 揮発酸の異常な上昇やお酢になってしまったり、多くの失敗を重ねてきた。 昔はビオ香と云われたり、やたらと臭いワインが多くあった時代だった。 そんな痛い失敗を繰り返してきた。そのお蔭でやっと現在は、クリアでスーット体にしみわたっていく自然派ワインを確信をもってできるようになった。 自然派の造りが安全にできるのが当たり前の世代の出現 最近の新人は、古参のところで研修をしたり、失敗をしないで造る方法を継承して、最初から当たり前の如くに自然派ワインを造ることを知っている世代である。 最初から、自然派ワイン造りで、やってはいけない事、気をつけなければいけない事を熟知している。これは凄いことなのである。 コート・ド・レイヨン近辺、朝の恒例風景の霧 前日の12月11日にアンジェの街に着いていた。この種の自然派試飲会は午前中が勝負だ。特にアンジュは自然派ファンが多い。午後になると会場が人で溢れて、ブースの前までたどり着くだけでも時間がかかる。だから10時の開場前には入ることにしている。ホテルを駅前にとった。昨夜は自然派ワインビストロでチョット飲み過ぎた。まだアルコールが若干体内に残っている。自然派ワインばかり飲んだから二日酔いはない。心身ともに快調である。残留アルコールで勢いがついている。 アンジュの街から南に車で移動した。コート・ド・レイヨン地区に近づくと霧が濃厚になってきた。秋冬、この辺では毎朝の如くに霧が発生する。この霧のお蔭で貴腐菌が発生する。コード・ド・レイヨンと云えばキリっとした酸を備えた貴腐ワインが存在する。レイヨン川の湿気のお蔭だ。SO2添加の少ない甘口の自然派貴腐ワインは最高に美味しい。すべてはこの霧のお蔭である。 今回はパッション・ド・ヴァンの若手キショとやって来た。アンジェ駅でレンタカーを借りてキショの運転でやって来た。アンジェの中心から約20分程で小さな村RABLAY SUR LAYONラブレイ・シュール・レイヨン村に着いた。コート・ド・レイヨン地区のど真ん中の村である。会場は村の公民館だ。 さあ、戦闘開始だ。入場料10ユーロを払って会場に入った。 10時キッチリに着いた。まだ、すべての醸造家が来ていない。時間に真面目な醸造家だけが準備をしていた。これを見ただけで醸造家の性格がよく分かる。 几帳面な醸造家は時間にキッチリと来て、もう試飲準備が完了している。 これだけでも、ある程度のワインのスタイルは理解できる。 気の早い入場者が何人か来ていた。 自然派の宝庫・アンジュに新しい風! STEPHANIE ET VINCENT DEBOUTBERTIN*ステファニー・エ・ヴァンサン・デブベルタン ノルマンディー出身の二人、ヴァンサンとステファニーはパリの大学時代に出会って以来ずっと一緒。ヴァンサンはエネルギー関連の研究をして風力エネルギーの仕事をやっていた。二人とも自然が大好きで自然の中で働く仕事をしたかった。自然派ワインが好きだった。特にスーット入ってしまうスタイルのアンジュのワインが好きだった。マーク・アンジェリーやオリビエ・クザンの元で研修した。そして2012年にワイン造りを決意して醸造元を設立。 3ヘクタールの小さな畑を庭園の如くに丁寧に世話をしている。 最初からビオ栽培。多くの若者のように、自然環境を壊したり、飲む人達の健康を害するようなワイン造りをしたくなかった。自然栽培・醸造が最初から当たり前の世代である。マーク・アンジェリーやオリヴィエ・クザンなどの諸先輩が切り開いた自然派の造りを継承して、普通のワイン造りとして当たり前の如くに自然派ワインを造る世代の自然派が多く誕生している。その優等生がこのデブベルタンである。初リリースか素晴らしい品質のワインを造っている。 1-L’AUNIS ETOILE オーニ・エトワール ★★★ スーット体に入ってしまう果実味と軽やかなワイン。今、ピノ・ドニス品種が自然派ワインファンの中で静かなブームとなっている。マサル方式の55歳の大きめの葡萄房からは果実味タップリの軽やかなジュースが絞れる。盆栽のように世話をして12ヘクリットル/Hに収穫量を抑えるとシスト土壌のミネラル感がスカッとした透明感を演出してくれる。自然酵母でセミ・マセラッション発酵。3~5年の古樽で12か月のシュール・リ状態で熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。 2-ACHILLEE アシレ 25歳のシュナン品種。リオリットと呼ばれる堅い石の土壌。シストのような真っ直ぐなミネラル感を演出してくれる。キリっとした酸の中にソフトな果実味。古式の垂直プレスでゆっくり搾ると優しいタッチに仕上がる。自生酵母発酵。そして、古樽で1年のシュール・リ熟成。オリの旨味がワインに溶け込んでいる。フィルターなし、SO2添加なしの超自然なソフトな優しいタッチの白。 3-LE SALTIMBANQUE 14  ル・サル・タンバンク 14 樹齢60歳のソーヴィニョン品種100%。14年は7,8月と天候が曇りがちで湿気が多かった。しかし、9から10月にかけて晴天が続き一挙に葡萄が熟した。5~8年の古樽の中で自生酵母発酵、そのままシュール・リで樽熟一年間。熟したモモ風味の甘味もあり、シストのスッキリ感が抜群。 自然派ワイン造りに無我夢中の女性CHARLOTTE BATTAIS *シャルロット・バテ ブルターニュ地方出身のシャルロットは、偶然にアンジェの葡萄園にたどり着き自然派ワインに巡り合って、この世界にのめり込んでいった。アンジェの自然派醸造家達の人間的な繋がり、助け合う姿に感動。自分もワイン造りに人生を賭けたかった。 2008年にマーク・アンジェリーの援助で100歳の古木シュナンの畑を借りてスタートした。今はその畑も返し、セレクション・マサルの100歳のグロロ品種0.5ヘクタールにすべてを賭けているシャルロット。0.5ヘクタールだけでは生活が成り立たない。勉強も兼ねてオリビエ・クザンのところで働いている。自分の造るワインに対しては一切妥協はしない。自分の納得しない内は絶対に出荷しない。 1- LE PONTAIL 12 ル・ポンタイ 12 赤 12年は太陽が穏やかだった。11度前後の軽やかなワイン。除梗なしの葡萄房丸ごと発酵のセミ・マセラッションカルボ醸造。勿論、自生酵母のみ、ピジャージを2回ほど実施。SO2は一切いれないナチュール。醸造は自然に任せる、強制的なテクニックは一切しない。12年は残糖が残り、アルコール発酵に3年を要した。15年の10月に瓶詰。500本のみ生産。 2 – LE PONTAIL 14 ル・ポンタイ 14 赤 14年も太陽が少なかった年だ。アルコール度数も11度と軽快で、キレイな酸が心地よい。 自生酵母、セミ・マセラッションカルボ醸造、SO2はゼロ、ゼロ。超ナチュレルな造り。 ロワールで太陽が少なかった年の赤は、果実味を残すか、マセラッション・カルボ醸造のメリットを出してほのかな果実味があればキリっとした酸も生きてくる。500本のみの生産。 アンジュの若手の中心 BAPTISTE COUSIN *バティスト・クザン お父さんのオリヴィエ・クザンも若い時に自家製のヨット船で世界中を周っていた。長男のバティストもそれに負けじと日本にも1年ほど滞在、南米と世界中を周って地元アンジェに帰ってきた。 日本にいた時は単に若いフランスの若者という感じだったけど、最近のバティストはキリっとしまって責任感ある自然派をリードする醸造元当主という威厳のようなものが備わってきた。お父さんのオリヴィエ・クザンは醸造が終わっると半年間はヨット船で世界中を廻る旅に出てしまう。一部のカベルネ・フランの畑だけを残して、すべてバティストが引き継いで独立。LE BATOSSAYル・バトセを設立した。 造りはオリヴィエ・クザンから引継いだ。 その上に、バティストの感性を載せて 独特のスタイルを築いた。会場でも超人気ブースだった。なかなか近づけない。 1- PIED ピエ2014 ・白ワイン シスト土壌の60歳のシュナン品種100%。収穫後グラップ・アンチエールと云われる葡萄房丸ごと発酵で4日間タンクで醸し。その間ピジャージなど一切手を加えない。この醸し期間に皮を柔らかくし、ゆっくり時間をかけてスムーズにプレスができる。上品なジュースが絞れる。 (プレス機は彼の曾祖父から代々受け継げられた垂直型)プレス後、再びタンクに入 れ一カ月間アルコール発酵。・アルコール発酵が終る少し前に樽入り。アルコール発酵の最後とマロラクチック発酵を樽で行う。1年間の樽熟成。主に6-7年の古樽。この年は500Lの2年樽も二つ使用。2015年11月に瓶詰め。・2014年は湿気の多い年で色んな面で苦労した。特に時の選果作業が大切な年。約2000本生産 2- MARIE ROSE マリー・ローズ 2014 ・ロゼワイン 23歳のグロロー・グリ100%。土壌は主に「リモン」質土壌に粘土が混じっている。石灰は少ない。 リモンはシルトのこと。粘土と比べて粒が大きくミネラル感をワインに与える。 ・この畑からは二つのキュヴェが生まれる。第一回目の収穫がパペット・ナットになる。酸を含んでいて微発泡ワインには完璧。もう少し葡萄を熟させて、遅い第二回目の収穫がこのマリー・ローズ。 ・収穫後タンクで7日間、葡萄房丸ごと発酵と醸し、その後、・プレスしてタンク入れ、タンクで6カ月間発酵に熟成。4月に瓶詰め。なんとアルコール度10.5と軽やかで超飲みやすいワイン。 ・2014年は湿気が多く、葡萄がかなり傷んでたり腐っていた。選別作業がすごかった。 ・おばあちゃんのように優しいワイン。感情たっぷりでバラの香りがする軽いワイン。 ・このキュヴェは生産量が少なくまだ日本に行ってない15年からは量が増えたため日本行きも可能? 3 – PUPPET NAT パペット・ナット 2014  白微発泡ワイン ・23歳のグロロー・グリ100% マリー・ローズと同じ畑。つまり土壌も同上。 同じ畑の葡萄を酸がまだ残っていて糖度があまり上がっていない第1回目の収穫を使用。 アルコール度を上げないためと、発泡ワイインに大切なフレッシュさを表現させるには酸味が必要、 適度な酸を残す為に早めに収穫する。10月の頭に収穫。・2014年は湿気が多く、葡萄がかなり傷んでたり腐っていた。選別作業がすごかった。 収穫後ダイレクト・プレスしタンク入れ。 ・発酵が始まって3週間後の糖度リッター20グラム辺りに 瓶詰め。・6カ月間瓶で二次発酵。・3月にデゴルジュマン。 4 – DYNAMITAGE ディナミタージュ 2014 […]

13
Nov

Amis Buvons *アミ・ビュヴォン*友よ、飲もうよ

先日の記事に続き、パリでは最近毎週月曜日に試飲会が行われています。 今回は,毎年Kévin*ケヴィンのレストラン、Autour d’un Verre*オトゥール・ダン・ヴェールで行われている « Amis Buvons *アミ・ビュヴォン*友よ、飲もうよ» の試飲会に顔を出してきました! 久しぶりに飲んだGérard Oustric*ジェラール・ウストリックさん、Le Mazel*ル・マゼルの2013年は、前に比べてより飲みやすくさわやか。 これは醸造法を全てマセラシオン・カルボニック(ブドウを破砕・徐梗せずに房をまるごと醗酵タンクの中に入れること)に変えたからだそうです! Planet*プラネット2013(カベルネ・フラン)や Briand*ブリアン2013(グルナッシュ)はフルーティでグイグイ飲めてしまい、 Raoul*ラウル2013(カリニャン)はとても繊細でエレガント。このキュベは一押しです! ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ 次は、全キュベをマセラシオン・カルボニックで行っているLe Temps des Cerises*ル・タン・デ・スリーズ、Axel Pruffer*アクセル・プリュファーのワイン。 La Peur du Rouge*ラ・プール・ドゥ・ルージュ2014(赤が怖い)はマセラシオンをしたシャルドネを使用。 『今回は収穫を2回に分けたんだ。最初の収穫には、まだ完全に熟されていないブドウを、2回目の収穫は、キレイに熟されたブドウを。そうすることによって、フレッシュ感を得て、しかも香りもしっかりと出ていて、より爽やかでフルーツも感じられるワインになるんだ。』 確かに柑橘類の香りも漂い、口に含むとミネラル感と丸みが広がりさっぱりなワインに仕上がっています! 唯一残っている赤は、グルナッシュ100%でできあがったUn Pas de Côté*アン・パ・ドゥ・コテ2014。赤フルーツや花畑が匂い、香りはまさにナテュール!とにかくブドウジュースみたい!女の子でも一本簡単に飲めてしないそうな、危ない赤ワインです!! ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ となりでニコニコと待っていたのは、Domaine Le Bout du Monde*ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンドの Edouard Laffitte*エドゥワール・ラフィット。久しぶりに合うのでお互いにテンションが上がりまくり!彼のワインも、マセラシオン・カルボニックでフルーツを最大に引き出しています。 Tam Tam*タムタム2013(シラー100%)はとてもジューシーでシラーの華やかさが分かりやすく表現されています! Hop La*ホップ・ラ2013(グルナッシュ40%、シラー40%、カリニャン20%)は黒味のフルーツを齧っているかのように濃厚!でもフレッシュ感が大いに感じられるので、全然疲れない! Avec Le Temps*アベック・ル・タン2013(カリニャン100%)は今回一番上品で丸みがあり、とてもエレガントに感じました。 そして個人的に大好きなLa Luce*ラ・リュース2014(グルナッシュ100%)は相変わらず花の香りが漂い、長く続く繊細な後味が印象的! ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ 初めて出会うOlivier*オリビエ。彼は、Sylvain Respaut*シルヴァン・レスポーとコンビを組み、一緒にワイン造り及びハチミツを造っています!ここでは樽は タブー!しかもブドウ木は標高300mに植えてあるので、とてもフレッシュ! 白のTangerine*タンジュリン2014は粘土石灰質のテロワールから収穫されたシャルドネ80%とソービニョン20%のワイン。飲みやすくて明るい口当たりで、いつの間にか無くなってそうなアペタイザーワイン! Pink is not Red*ピンク・イズ・ノット・レッド2014は若いシラーと100年のカリニャンのブレンド。土壌がシスト質なので、ミネラルが豊富!赤フルーツやガリッグの香り、そしてスパイシーかと思えばイチゴだったり、とても面白くて個性的なワイン。隠し味にグルナッシュがちょっぴり混ざっています! Plein les Ceps*プラン・レ・セップ2013はグルナッシュのマセラシオン・カルボニックなので、果実味が全面に出ていてまさにフルーツ・ワインです。 Gorgorlou*ゴルゴルル2014(カリニャン100%)は酸味がキリっと効いていて、とてもフレッシュで、目が覚めそうなパワフル・ワイン。 Carbo Culte*カルボ・キュルト2014はムルベードルとヤドネール・プリュというカタルーニャのグルナッシュの品種を、マセラシオン・カルボニックをしたワイン。口いっぱいに広がる濃厚なフルーツ、まろやかなタンニン、酸味が綺麗にマッチ! ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ いつ会ってもクールで笑顔のLoic Roure*ロイック・ルール、Domaine du Possible*ドメーヌ・デュ・ポシーブル。ロイックのワインは、コクがあり、ダークなフルーツ感あり、酸味あり、バランスがしっかり取れたワインです。 Cours Toujours*クール・トゥジュール2014に使われたマカブ(70%)とカリニャン・グリ(30%)は樹齢60年!ミネラル感、ほろ酔い苦み、気軽に飲める白です。 C’est pas la mer à boire *セ・パ・ラ・メール・ア・ボワール2014は、グルナッシュとカリニャンとシラーのアセンブラージュ・ワイン。骨格がしっかりとしていてパワフル。チョコの香りもうっすらしてくる、熟成されたフルーツがギッシリ。 Tout bu or not tout bu*トゥ・ビュ・オル・ノッツ・トゥ・ビュ2014はグルナッシュとムルヴェードルとサンソーをマセラシオン・カルボニックしたもの。各品種の特徴、フルーツの甘み、スパイシーさ、フレッシュ感が楽しめます。 Pataquès*パタキェス2014は半分グルナッシュ、そしてもう半分はカリニャン、シラー、ムルヴェードル。とても飲みやすく、うっかり飲んでいました。それくらい素直に入ってくるワインです! 最後はCouma Aco*クマ・アコ2014のマグナム。シラー100%、そしてちょっとした隠し味が・・・!今もうすでにエレガントで繊細なシラーが堪能できますが、1年後は100倍美味くなっていそうな一本! ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ 久しぶりに会ったClos Léonine *クロ・レオニンのStéphane Morin*ステファン・モランさん。仲良かったからうれしい!!彼のワインは全部マセラシオン・カルボニック方式。とてもフルーティー! 例えばプリムールのAmédée*アメデ2015(シラー100%)はイージー・イージー、南とは思えないサッパリ感!これは飲まないと損! Bottle Neck*ボトル・ネック2014(シラーとグルナッシュ)は、グワッと一瞬で入ってくる濃厚な黒味フルーツの香りと対照的に、とても穏やかで滑らかな口当たりにビックリ! Carbon14*カルボン14はグルナッシュのパワーが分かりやすく出ています。チョコレートやイチジクの香り、ガッチリとしたバディー、酸味がしっかりとしていて、まさにキープ・ワイン!Stéphane曰く、3年後がベストらしいです!   Les Petites Mains*レ・プチト・マン 2013はエグラパージュをされたグルナッシュとカリニャンを使用。10ヶ月間タンクで熟成、そしてビン内で1年間熟成。スミレのような、とにかくフローラルな香りとスパイスの香りが綺麗に混ざりあい、口当たりは華やかで繊細でまろやか!!久しぶりにちょっと感動しました。 最後はQue Pasa*ケ・パザ2014、マカブ、グルナッシュ・グリとノワールのブレンド・ワイン。15日間マセラシオンさせた後に圧搾。ハチミツのような香りと丸みと、ミネラル感が大いに感じられるので、バランスが綺麗にとれたサッパリしっかりした白。 ≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈ 最近良く見る、そして良く飲むBruno Duchêne*ブルノ・デュシェンのペティアン・ナチュレル、Suzette*スーゼット2015。 Brunoだけ『もう2014年は全然残っていないよ!!でも2015年をビン詰めしてきたから飲んでみな!もうスイスイいけちゃうヨ!』 今年は去年に比べて酸味が感じやすく、フレッシュ感が増しています。 グルナッシュ・ブラン75%、ヴェルヴェンティーノ25%のこのペティアンはとにかく飲みやすく、気持ちよく、最高にアペタイザーに合います!私もつい昨日の夜のディナーのRacine2*ラシンヌ2で出して貰たばっかり! Vall […]

8
Nov

エノ・コネクションでは試飲ラッシュ!!

2015年の収穫も終わり、ブドウたちはタンク内でやっと落ち着いて来たこの時期。11月は、生産者達が次々とパリへ!!2015年のプリムールも含め、ビン詰めされて寝かされていたワインをわんさか持って試飲ラッシュ!! そんなんで、先週の木曜日は3件テスティングをしてきました!! 朝10時、事務所のベルが鳴り、ドアの前に立っていたのは、モンペルー(南仏)からリュックを背負ってパリまでやってきたLe Petit Domaine*ル・プチ・ドメーヌのAurélien Petit*オレリアン・プチさん。彼も彼女も大きいのに、名前が « プチ =小さい»・・・そこから面白半分で、ドメーヌの名は、ドメーヌ・プチになったんだそうです! 私は初めて試飲する蔵元。 モンペルーといえば、Domaine de l’Aiguelière*ドメーヌ・ド・レグリエール の元気いっぱいのChristine*クリスティーンを思い出します! オレリアンもクリスティーン にはお世話になっているとのこと。彼は2012年にワイン造りを始めたばかりなので、自分のカーブには場所がなく、ワインは全部クリスティーンの倉庫に置いて貰っているのだそう。 オレリアンと彼女のジュリーは、システム・インジェニアの学校で知り合いました。その後、ワインを造りたいという思いが強くなり、二人でワイン学校へ進学。そしてオーストラリアやニュージーランドで醸造法を学び、2012年にモンペルーでブドウ畑を2 Ha借りてドメーヌをスタート。 2013年には、放置されていた畑も借りて、今では4,5 Haの畑をビオ方針で栽培しています。 そんなオレリアンとジュリーのワインの名の由来は、全て≪大きいと小さい≫に関わっている名前ばかり。 La Démesure *ラ・デムジュール2014 ≪ラ・デムジュール≫とは、≪法外な≫という意味。なぜ?と聞いたら、『小さな区画から(25ares)偉大な白ワインが出来上がるから!』 シュナン100% ‐ 樹齢30年 ‐ 粘土石灰質 3日のマセラシオンのあと、10ヶ月間の樽熟成 柑橘類とハチミツの香りがほんわり。口当たりはサッパリとキリっと、しかし丸みもありミネラルで、後味が長く続く不思議な白ワイン。エノ・コネ・メンバー絶賛! Myrmidon *ミルミドン2014 ≪ミルミドン≫といえば、ギリシア神話で登場する神話的民族のこと。その戦士部族のように、このワインは『まだ若いのにもう凄いんだ!僕たちブドウも頑張ったんだ!』と表現しているかのようで、この名前に決定。 シラー100%だけれども、    ‐ マセラシオン・カルボニック(ブドウを房ごと樽に入れて出来たブドウ・ジュース)    ‐ 5日間マセラシオンしたシラー    ‐ 2・3週間マセラシオンしたシラー のブレンドなのです。全てを樽内でアセンブラ―ジュして、3ヶ月間熟して出来上がったものが、このスパイシーでコショウと赤フルーツの香りが漂る、フレッシュな赤。このワインは、今後が楽しみ。今より絶対美味しくなる!私も3本即購入しました!! Cyclope *シクロップ2014 ≪シクロープス≫は、ギリシア神話に登場する≪巨人≫。カリニャンはラングドックの代表的な品種。 その二つをひっかけて、『シクロープスのように偉大なカリニャン』を表現したワイン。 4つの区画に植えてある、樹齢50歳の木から収穫されたカリニャンをエグラパージュ、そして6ヶ月間の樽熟成。 ガリッグや森の中にいるような香りに、濃厚なのにジューシーで爽やかな味わい。赤みのお肉を食べながら飲みたい! Rhapsody *ラプソディー2013 ラプソディーのように、形にとらわれなく、とにかくフリーなワイン。それぞれが好きなようにこのキュベを感じて貰いたい気持ちから、≪ラプソディー≫の名前を選びました。 カリニャン・ヴィエイユ・ヴィーニュ80% + シラー20% マセラシオン・カルボニックの後、1年間の樽熟成。 とてもエレガントでフレッシュなワイン。フランボワーズや明るい赤フルーツの香りと、蕩けたタンニンが滑らかで飲みやすい!私の今回の一目惚れワインです!! なんだかんだで2時間色々と話を聞いた後、先日紹介したClown Barへエノ・コネ・メンバー直行。そこで一緒にご飯を食べたのは、Clos des Grillons*クロ・デ・グリヨンのNicolas Renaud*ニコラ・ルノーさん!相変わらずシャイで優しい瞳をしたニコラ。彼の南のアクセント及び方言がとても魅力的・・・・・!もちろんワインもですよ!! せっかくパリに来たから、ワインも一応持ってきたよ!と二コラ。もちろん頂きます!! アペタイザーにいただいたのは、Domaine Belluard*ドメーヌ・ベリュアールのペティアン、Le Mont Blanc*ル・モン・ブラン2011。キリットしていて、丸みもあり、繊細な泡がおいしく、おつまみの貝のから揚げにピッタリ! 二コラが持ってくてくれたワインは3本。 最初に試飲したのは、火曜日にビン詰めをしたばかりのプリムール、Primo Senso*プリモ・センソ2015。 サンソーのスパイシーさと赤フルーツのジューシさが綺麗にマッチして、飲みやすくて危ない!ミネラル感たっぷりのワイン! 続いては、グルナッシュ100%で出来たSous le Figuier*ス・ル・フィギエ2014。 取りあえず色にビックリ!!とても薄い赤色で、赤というかピンクに近い、綺麗な色!マセラシオン・カルボニックの後9ヶ月間タンクで熟成されたこのワインは、野イチゴや、スパイス、そしてまさにイチジクの香りがほわーん(Figuier=イチジクの木)!熟成されたフルーツと、またもやミネラル感が感じられ、これもスイスイ飲めてしまって美味いです! でも今回『ウワ~、美味しすぎる!!』と思った一本が、Venskab*ヴァンスカブ2014です。 ラングロールのエリック・ピファーリングと共同で作った一本。 エリックのタベルとリラック、ニコラのテール・ブランシュとグリヨン・ロゼをブレンドして出来上がったもの。 «Venskab≫とはデンマーク語で、友情というい意味。 グルナディーンを飲んでいるみたいで、本当にアルコールなの?!と一瞬疑ってしまうほど飲みやすい!!イチゴやグリオットを齧っているようなジューシーさ!フルーティーでフレッシュで、次回のアペタイザーには絶対欠かせないです!  ニコラのパリのエージェント、シルヴィ―・シャムロワさん、 ニコラ、 エノ・コネクションの会計士のキャムヨング、キショ、フランソワ ここでも2時間たっぷりとお話をした後、私は前に働いていたワイン・バー、Le Garde Robe*ル・ガード・ローブに行き、店長のEdith*エディットと、アルデッシュのSylvain Bock*シルヴァン・ボックさんと2014年ヴィンテージの試飲!! 2013年から亜硫酸は使用していないシルヴァン。彼のワインを造る腕は確実に上がっています!13年はとても上品なビンテージ、14年はさらに上まり、より華やかでエレガント!7月にビン詰めされたワイン達をLET’S TRY !!    Neck*ネック2014 石灰質の畑で収穫されたグルナッシュと、玄武岩質のテローワルから収穫されたグルナッシュをブレンド。 二つ目の区画は2013年に買い取ったばかり。フルーツを満遍なく表現するために、マセラシオン・カルボニックで醸造。 まっすぐな味わいと、ちょうどいい具合に混ざり合っているフルーツとタンニン。ぐったりした時に一杯飲みたい! Edithのお気に入り! Les Grelots*レ・グルロ2014 グルナッシュ(80%)はタンク熟成、メルローとシラー(各10%づつ)は樽熟成。 酸味がスッキリとしていて、熟成されたフルーツが口いっぱいに広がります。 常に一本家に保管しておきたい! Suck a Rock*サック・ア・ロック2014 マセラシオン・カルボニック後、9ヶ月間樽で熟成されたメルロー。 『メルローが苦手な人でも、飲みやすく、渋みがなくフルーティなワインを造りたかったんだ。』 ゆっくり丁寧に圧搾されたブドウからは甘みがたっぷり絞り出されていて、樽熟成がより複雑感と滑らかさを与えています。 あともう少し時間が経ったらパワーアップしているはず! Raffut*ラフュ2014 シラー100% :2/3はマセラシオン・カルボニック + 1/3はエグラパージュ プレス機に掛けるときにアセンブラージュ。 一言でいうと、上品!! 北ローヌのシラーを飲んでいるかのような繊細さ!カカオやスパイス、スミレの花など、様々な香りが混ざり合って深い。ピュアで酸味もしっかりとしているので、今飲んでも楽しめますし、2-3年後に飲むのもありかも! 今日試飲したワイン、生産者の皆さんも、日本のお客さんが味わえることを楽しみにしています!! 待っていてくださいね~! Restaurant Clown […]

4
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エノコネクション新人2人の珍道中 収穫後のボジョレー&ブルゴーニュ (後編)

4)マルセル・ラピエール*Marcel Lapierre 故マルセルさんの息子である、Mathieu*マチューさんが私たちを迎えてくれました。 実は前日にも少し寄ったのですが、お昼をご馳走してもらい、この日もまずはお昼から・・。 私たち働いていないのに、申し訳ない~と思いつつも、美味しすぎる昼食に舌鼓をうちながらニコニコして しまいました。 なんでも、マチューさんはもともと料理人のため、収穫中にお願いしているシェフもなんとパリの三つ星☆☆☆レストランでもともと働いていた方にお願いしているそう。テット・ド・ヴォーという、 牛の頭のお肉でかなりビクビクしながら一口・・・・・・・・おっ美味しい!! ラピエール家をマチューさんと共に支える家族 マルセル亡き後のラピエール家は残った家族全員で醸造所を支えています。とくに頼もしいのは、故マルセルの奥さんでもあり、マチュのお母さんでもあるマリーさん。 マルセルと二人で自然派ワイン界を育ててきました。 今も現役でラピエール家の原点を支えています。 2015年は長女のカミュさんが醸造全般を管理。 マチューの良き右腕的存在です。 末っ子のアンヌはラピエール家の太陽。 明るく、周りの雰囲気を盛り上げ、 必要な個所に現れて援助しています。 9月11日に収穫がすべて終わり、今はマセラシオン・カーボニックと圧搾作業。 伝統的な直下型圧搾機を2台持っているため、50個のワイン大桶にたっぷりはいているブドウを交互に圧搾できるそう。 「収穫は終わったけど、まだまだ気は抜けないよ。むしろこれからだ。」とマチューさん。 ブドウ収穫は終わったものの、酵母菌が天候や気圧に影響されることがあるため、酵母と発酵の状態の管理を綿密にし続けなければいけないとのことでした。 なんとマチューさん、醸造所近くに自前の研究室を作っており、自生酵母やブドウジュース内の成分を常時管理されているそう。顕微鏡まで持っているのはすごい! 普通のヴィニュロンと同じく、ワイン成分分析自体は近所の研究所に頼んでいるそうですが、「この機材があればより細かく、すぐに自分の目でワインの状態を確かめられるからいいんだ」とマチューさん。 こだわりがうかがえますね! 2015年産は? 少し時間をいただいて、マチューさんから日本の皆さんへのメッセージビデオをとらせていただきました。 「今年のブドウはとても早熟で、収穫も早く終わったけれど、ブドウの質が目を見張るほど良くて、ここまでレベルの高い年は久しぶりだよ。 ここにある全てのタンクはブドウで一杯になっていて、醸しがはじまっているけれど、例えばこのブドウの房も、食べてみると味わい・アロマもしっかりとしていて、素晴らしい年であることがはっきりとわかる。セミ・マセラシォン・カーボニックも例年に比べて長く、このままいけばとても美味しいワインが出来上がるはずだよ。 モルゴン2015年のパラディ(圧搾直後のブドウジュース)も味わい深くて、とても「(マチューさんの誇らしげな日本語で)おいしい!^^」。 骨格がしっかりしていて力強く、果実味があふれているね。 皆さんには、もし1月に来てもらうことができれば、2015年の美味しいワインをぜひ味わって頂きたいです!」 5)ジャン・クロード・ラパリュ*Jean Claude Lapalu 今回キショウが特に楽しみにしていたのがラパリュ!伊藤さんと一緒に飲んで、その美味しさに感動したそう、当主のジャン・クロードさんに会うのもとっても楽しみにしていました。 通常より5週間早めの8月25日頃に収穫が始まったというラパリュですが、場所がとっても美しい景観のなかで、こんな場所に生まれたというのが羨ましくなってしまいます。 広い醸造所に入ると、コンクリートタンクやステンレスタンク以外に、アンフォラを発見! なんでも友達のヴィニュロン同士でアンフォラのグループを造っているらしく、自分で注文したアンフォラ以外にも他のヴィニュロン から譲り受けたものも多いそう。(アルマ・マターのキュヴェはアンフォラにて醸造。その年のブドウの質によってアッサンブラージュの比率等を調整しているようです。) ちょうど行ったときは、直下型圧搾機で1回目のプレスが終わり、ちょうど2回目のプレスに備えてブドウをかき混ぜるところでした。 マールの切り崩し作業 圧搾した後のブドウをマールと呼ぶのですが、ケーキのようにぺちゃんこに固まったマールを切り取り、崩して、スコップでかき混ぜ、台形状にして2回目の圧搾を行います。 とっても重労働ですが、私も少しやらせてもらいました! お邪魔かと思いつつ、「ちょっとだけやってみたい」と恐る恐る聞いてみたところ、ラパリュの従業員の方々はとても優しく、快くやらせてくれました!コツを教えてもらいながら、少しずつマールを切り進めていきます・・・。 ジャン・クロードさんいわく、当初はプニュマティック圧搾機でやっていたものの、なんと伊藤さんのアドバイスを受けて、直下型の圧搾機に変えたそう。味の繊細さがぐっと増して味わいがとっても良くなったとご本人も大満足。従業員の人も、大変だけど最高の結果がだせればねとニコニコしていました。なんでも、ブドウの茎や皮がフィルターとなり、自然に濾過した状態になるとのこと。出てきたブドウジュースもとってもクリアできれいです。 畑の管理も、1960年代の小さなトラクターを引っ張り出して使っているそう。ボジョレーのガメイはゴブレ型剪定のため、通常は大きな機械を通すことができないのですが、ラパリュでは馬と同じ重さのこのトラクターを使って、ブドウ樹への負担を最小限に抑えながら耕しているそうです。 確かに、除草剤を使っている他の畑と比べると、ブドウ樹のいきいきとしたオーラが違います! ちなみに、ブドウが太陽の光を最大限吸収できるよう、ブドウ樹はゴブレなものの、成長した後はブドウ樹の蔓を上でまとめるそう。 トラクターにも蔓がひっかからないよう、最大限の注意を払っています。 ちなみに土壌はグラニット・ローズ(ピンク色の花崗岩)。 ジャン・クロードさんとお仕事がひと段落した従業員の方々と、わいわい歓談した後は、ジャン・クロードさんのおうちのお庭でテイスティング。 美しいブドウ畑が目の前に広がるテラスは素敵の一言。 こんなお庭のある家にいつか住んでみたい!と夢がふくらむ景色です。 試飲 オー・フォート Eau Forte 2014 お水のようにすいすいと飲めてしまう、バランスがピカ一の一本。ガメイ100%のはずなのに、ピノっている上品な味わいです。 ジャン・クロードさんの繊細な人柄が表れているようです。 ブリュイ Brouilly ボルドー型のボトルに入ったこちらはタンニンがしっかりと主張してくる一本。10ヶ月の樽内熟成を経て、2014年7月に瓶詰したそうです。 自宅でトマトを造っているとのこと、その甘さと美味しさに感動。 なんでも、ジャン・クロードさんの料理人のお友達から、もしもこのトマトをランジス市場(フランス最大の市場)に出せば、一番高い値段で買ってやるぞ!とお墨付きをもらったそうです。 ワインだけでなく、自分の育てている農作物に対する愛情と情熱が、料理のプロからも認められるなんてすごいですね! キショウも「キャンディーみたいに甘い!」とびっくり。 思わず顔がほころんでしまいます。 他にも、収穫が終わるとカタツムリ取りに出るらしく、木曜に、収穫を一緒にした仲間とニンニクをきかして食べるんだといい笑顔。 雑談の間も、「日本には以前一回だけ行って、人の優しさに感動したんだ。あと食べ物も大好き。日本にまたいつか行ってみたい!」と熱っぽく語ってくださいました。 とっても優しいジャン・クロードさん、ファンになってしまいました! 6)ローランス・エ・レミ・デュフェートル*Laurence et Rémi Dufaitre こちらでもすでに収穫終了。ドメーヌに到着して最初に見たものは、圧搾機のなかに人が入ってピジャージュしてる・・・。 もちろん圧搾機は止めているのですが、なんだかナチュラルにすごいことをしていて、はじめてみた光景に衝撃を受けました。 レミさんご本人も、タトゥーがいっぱいで筋肉ムキムキな、ワイルドな方。 一方ワインは軽く微発砲の残る軽快な白、赤もピノ・ノワールのようなタンニンが感じられるブルイィBrouillyなど、果実味・旨みが感じられついつい飲みすぎていそうでした。 彼のワインが大好きというイギリスのワインバーの方々もわざわざロンドンから休日を利用してきており、テラスでワインを囲みながら、カジュアルな話に花が咲いたのでした。 今回ボジョレーは私も初めてだったのですが、まず一番に印象に残ったのが、生産者の方々が本当に手間暇をかけて、畑と醸造所で素晴らしい仕事をされているということでした。私がいうのは差し出がましいのですが、醸造所では、あえて膨大な時間と労働力が必要な直下型圧搾機を使い、畑では薬剤に頼らず人の手による仕事を重視して造っているところ、さらにその仕事の結果がワインの美味しさにあらわれ、果実味のあるピュアで上品な味わいのものが多いと感じました。 ボジョレーのイメージががらりと変わったこの旅を通して、今回行った生産者の方々はもちろん、これからもヴィニュロンの良い仕事っぷりをこれからもレポートしていきたいと思います! 文 Yuri / 写真 Kisho