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Mai

ガメイの最高峰を目指す新人ラファエル・シャンピエ RAPHAEL・CHAMPIER!

リスクを負って独自の蔵を立ち上げた 3世代も続くワイン醸造元に生まれた。それにもかかわらず独自に独立して自分の醸造所を立ち上げた。自分の思うように自由にワイン造りをやりたかったからだ。小さい頃からボジョレーの誰もが尊敬しているブルイイ山の麓に広がるブドウ畑の中で育った。十代後半の頃から近所の醸造家、ジャンクロード・ラパリュのところに顔を出すようになった。自然な栽培・醸造、ガメイ品種の可能性をとことん追及しているジャンクロードのワインに感銘をうけていたからだ。 ガメイなのに骨格もあって、それでいてスーっと体に浸透してしまうワインの美味しさに驚いた。自分もこんな高品質のワインを目指したかった。 ボジョレー最古の葡萄園で造る大チャンス! 11年にLACARELLEラカレルの最高の畑区画が貸しに出された。 このラカレル区画の畑はボジョレー地区でも最も古いとされている貴重な畑だった。ローマ時代から葡萄が栽培されていた畑だ。土壌もシスト、花崗岩、砂状、とボジョレーを代表する地質をこの狭い区画の中に備えている稀有な畑だった。 ボジョレーで最高品質のガメイを造ることに人生を賭けようとしていたラファエルにとってこれ以上の条件を備えた畑はなかった。即、フェルマージ契約(借り契約)を結んだ。本物の最高のワインを狙っているラファエルにとって、こんなに幸運な事はなかった。 静かに燃えるタイプのラファエル、狙ったものは絶対にはずさない!強い意志! 最高のミクロ・クリマ(微気候) 自分の造りたいワインはもう決まっている。 14人兄弟の11番っ子のラファエルは目立たない性格だが芯には強固な意志力がある。 子供の頃から遊び親しんだガメイの葡萄畑、ラファエルはガメイの偉大な可能性を信じている。ガメイはピノ・ノワールにも劣らない繊細さとエレガントさを備えた品種であることを確信している。この信念はジャンクロード・ラパリュより受け継いだ。30歳を超えた今、最良の畑を確保できた。あとは思いっきり挑戦するのみだ。ラカレル区画の畑は特別だ。多分ボジョレー地区で最高のミクロ・クリマを備えているだろう。ブルイイ山の南東に位置して、北からの寒い風をブルイイ山が遮断してくれる。 ボジョレー地区で最も早く葡萄が熟す立地だ。 ラファエルは人生を賭けた。 自然栽培・自生酵母によるワイン醸造 最高のワインを目指すラファエルにとって、ドーピング的な化学物質を用いることなど最初から考えられなかった。 手間暇が3倍はかかる自然な栽培を実施。2年の歳月が過ぎて色んな草花が 畑に生息するようになった。土壌が生きている証だ。フカフカな畑には多くの微生物が元気に生きている。当然、その一部が自生酵母であり多くの種類の自生酵母が元気に生息している。約30種類の自生酵母が醸すワイン独特のホワーとした優しさと複雑味を備えた果実味が表現されている。 手造りならではの繊細な旨み 収穫は勿論、手摘み、醸造用の発酵槽はコンクリート製、除梗なしの葡萄まるごと、スミ・マセラッション・カルボニック発酵。自生酵母のみで発酵させる為に、発酵時の酸化防止剤(SO2)の添加はしない。 熟成は古樽(4年樽)とタンクで9から14カ月熟成するものとがある。 瓶詰時に僅かにSO2を入れる。全く必要のないものは無添加で瓶詰するものもある。 オーダーメイドの手作りでなければできない暖かさ、優しさ、感情が伝わってくるようなワインだ。目指すスタイルはワインとしても骨格を備えながらもスーっと体に自然に入ってしまうエレガントワイン。 L’AMUSE BULL PETILLANT ラミューズ・ビュル’11 品種:ガメイ 葡萄木はすべてセレクション・マサル方式。60歳の古木 (マサル方式の葡萄木は超貴重、ほとんどはクローン方式)収量が40hl 土壌:花崗岩が風化した砂質層が深い区画、 アルコールが軽快で酸を含んでフレッシュなワインができる。 醸造:収穫後、すぐにプレス、自生酵母で低温アルコール発酵、(温度調整する) 残糖が15g位になった時に瓶詰、瓶詰の2日前にオリ引きをする。 そのまま瓶内発酵を続け、ほのかな泡が残る。瓶内熟成で残糖ゼロのセック。 イチゴのような果実味が心地よく、ほのかな微発泡が爽やかさを演出している。 ROSA NATURA ロザ・ナチュラ ’11 品種:ガメイ100% 葡萄木はすべてセレクション・マサル方式。60歳の古木 ラミューズ・ビュルと同じ畑区画。同じ葡萄をロゼに仕込んだワイン。 収量が40hl 土壌:花崗岩が風化した砂質層が深い区画、砂質層が深いと糖度が軽めで酸を含んでいるのでロゼワインを造るには最高の条件を備えた土壌。 醸造::手摘みで収穫後、すぐにプレス、自生酵母のみ、タンクにて低温アルコール発酵、残糖が終わった段階で、一度オリ引きを実行。その後、シュール・リ・フィンヌで、そのままタンクにて熟成。瓶詰は数回に分けて実施、最初は4か月目に瓶詰。 日本に入っているロットは最も長い14ヶ月熟成。瓶詰時にまでSO2の添加なし。 こんなにも優しくエレガントさを備えて、オリの旨みが溶け込んだロゼはない。 口に入れた途端に体内に溶けて吸い込まれていく。グイグイ飲めてしまう危険なロゼ。   DES LURONS デ・リュロン ’11 品種:ガメイ100% セレクション・マサル方式。ここで最も古い80歳の古木がある。 樹齢が古いこともあり収量は35hlと少ない。 土壌:この区画はローマ時代から存在していた畑の一部。 花崗岩が風化した砂質層が最も浅く、すぐロッシュ・メール岩盤(元海底だった)    その下にはシスト土壌も存在している。 醸造::手摘み収穫、除梗なしの葡萄房丸ごと発酵槽にいれるセミ・マセラッション・カ  ルボニック発酵。タンニンが出すぎないようにピジャージュはプレスの前日に一回。 熟成:タンクにてシュール・リ・フィーヌの状態で14ヶ月の熟成。    オリの旨みが溶け込んで瓶詰。瓶詰時に僅かにSO2。 なんという果実味と旨味が心地よく、繊細でエレガント、ミネラル感もフレッシュ。   BROUILLY ブルイイ ‘11 品種:ガメイ100%セレクション・マサル方式。70歳、60歳の葡萄。 土壌:ラファエルの実家の畑区画を借りている。標高380mで東向き、ほぼ1日中太  陽が当る。早熟な土壌。花崗岩質の砂状に粘土質が混ざったややリッチな区画。 それでも、標高の高さが酸、フレッシュさを演出してくれる。 醸造::手摘み収穫、自生酵母のみ、除梗なしの葡萄房丸ごとステンレス発酵槽にいれて セミ・マセラッション・カルボニック発酵。タンニンが出すぎないように醸し期  間は13日ほどと短い。ピジャージはプレスの前日に一回のみ。11年はルモン タージュを一回。 熟成:古ダル50%、タンク50%にて7か月間熟成。 ブルイイの力強さも備えており、尚か柔らかなエレガントもあるラファエルが狙っている スタイルのワイン。1600本しか存在しない貴重なワイン。 ガメイ品種の未来が楽しみな造り手 ラファエル・シャンピエの日本輸入元は? 富士インダストリーズ ワイン事業部が輸入を決定。近日入荷。 数か月前に責任者の中島さんがラファエル・シャンピエを訪問。 品質の高さに感動、即輸入を決定した。 ワインに造形の深い中島さんが選んだワイン。 その他にも、自然な栽培・醸造の本物ワインを多く選出。 この6月より新入荷ワインを販売開始します。 まだ日本に未入荷の新蔵が多数入ってきます。 富士インダストリーズ ワイン事業部から目が離せませんよ。 ★ワインについてのお問い合わせはこちらまでお願いします。  FIC wine 株式会社 富士インダストリーズ ワイン事業部 TEL:03-3539-5415 FAX:03-3539-5412 http://www.ficwine.com

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Fév

自然度200%・自然派の極を走るフィリップ・ジャンボン PHILIPPE JAMBON

今回は自然な造りのトップを走るジャンボン、昨年の収穫レポート中心にジャンボン像の一隅に光りを。 ブルゴーニュ・ボジョレ中で最も遅い収穫をするジャンボン 10月5日、ブルゴーニュ、ボジョレ中の誰もが収穫を終えてアルコール発酵も終わってプレスをかけている時期、流石、極を走るフィリップ・ジャンボン!やっと腰を上げてブルゴ-ニュ中で最も遅い収穫を開始した。ワイン造りのすべての点において、絶対に妥協をしないフィリップ。 畑仕事、収穫、醸造、熟成、それぞれの段階で極限まで理想を追求するフィリップは自然派の世界遺産と云っていいだろう。醸造元仲間の間でも『そこまでやるか?!』と云わせるほどの“極”を走る。極を走らないと分からないことが沢山ある。フィリップは開拓者だ!貴重な存在である。常人には極限までやる勇気はない。『醸造上そこまでやっても大丈夫なんだ!エッ?』という事を実践で証明している。アルコール発酵を5年間も続けたり、揮発酸が発生してもフィリップは動かない。 数年後にはちゃんと飲めるワインになってしまう。 夢追い人・フィリップ・ジャンボン 畑仕事も完璧にやりたいフィリップにとって4ヘクタールは多すぎる。完璧にやる為には、畑を減らさなければ、と考える。減らす為に、葡萄木を抜いてしまっている。当然減らせば収穫量も減る。勿論、収入も減る。でも、フィリップにとってはそんな事は重要なことではない。普通の人の経済的観念は持ち合わせていない。究極にピュアーなヴァン・ナチュールを造りたい!夢追い人のフィリップがいる。 朝日が昇るジャンボン畑、早朝の収穫・近隣の自然派が応援にやって来た 早朝の朝靄がかかった畑に朝日が昇った。なんて幻想的な空間なのだろう。 フィリップ・ジャンボンの畑はボジョレの最北端、プイィ ・フィッセに限りなく近いマコネとの境界線上にある。今日はジャンボンの畑の中では唯一平坦な畑だ。 他のすべての畑は丘の斜面に位置している。そちらの方の畑は、今年は寒波と雹にやられて50%の収穫減だ。2008,09,10と3年連続で雹にやられて30%ほどしか収穫がなかった。昨年、12年はやっと普通の収穫量30hl/hが収穫できた。また、今年は50%の収穫減だ。夢追い人も正念場に差し掛かっている。厳しい生活となりそうだ。やや心配になる。 近隣の自然派醸造元の仲間も心配になって応援に駆けつけてくる。フィリップのお陰で勇気づけられて自然な造りを始めた醸造家が多い。 また、熱狂的なフィリップ・ジャンボンワイン・ファンも応援に駆けつけていた。 何とか持ち堪えてほしい! Guichard Jérômジェローム・ギィシャール、Guy Blanchardギィ・ブランシャールの二人も応援にやってきた。この二人もフィリップ・ジャンボンから絶大な勇気をもらって自然なワインを造り始めたのだった。 日本からは、オザミ東京の田中さんも応援に駆け付けた。 5年前にフィリップが日本にやって来た時、連日連夜のようにオザミ店で飲み明かした。 高き理想・誇り! 武士は食わねど高楊枝! フィリップを支える人々! 佳き友と佳き妻(カトリーヌ)に囲まれて夢を追い続けるフィリップ・ジャンボン。 二人の間には息子2人と娘の3人の子供がいる。 カトリーヌは云う 『家には4人の子供がいるようなものよ!』 にっこり笑い飛ばす明るい カトリーヌ。彼女がいるから フィリップは夢を追い続けることができる。 カトリーヌ・ファンも多い。 朝、7時に始めた収穫、10時に一休みがはいる。 シャクトリー(ソーセージ、生ハム類)チーズ、パン、勿論ジャンボンのワイン、チョコレートなど甘いもの、等が提供される。 皆、友人ばかりなので暖かい空気が葡萄園にたちこめている。 昨夜、飲んだワインがまだ若干残っている。体を動かすことで 体内のアルコールが物凄いスピードで消えていくのを感じる。 2012年産のフィリップ・ジャンボン収穫完了 醸造家仲間や熱狂的なジャンボン・ファン達と愛情あふれる雰囲気の中で 通年の50%の収穫量とは云え、無事に収穫が完了した。 収穫中の葡萄園に流れるこの暖かい空気は、他の醸造元では絶対に存在しない“愛情”で詰まっている。葡萄果汁にも、自然酵母にもこの暖かさが伝わっているのだろ。ジャンボンのワインには他では絶対に味わえないホワッとした心が落ち着く暖かみがある。 オザミ東京の田中さんもこの暖かい空気の中にすっかり溶け込んでいた。 オザミのお客さんの中にも、このフィリップ・ジャンボン・ワインの熱狂的ファンがいるのを田中さんは知っている。この暖かさがワインの中にあって、 お客さんにも通じているのだろ。 この暖かさの原点を、田中さんはこの葡萄園で収穫しながら発見した。 ←収穫された葡萄はポンプを使わず、人力で発酵槽の中に入れられる。 発酵槽の上から落とし込むこの作業も実に大切なことである。 収穫を終わった後は、延々とアペリティフが続き多くのワインが開けられた。 それぞれの醸造家が自分のワインを持ち込んで皆で楽しんだ。 そして、最後はカトリーヌの手料理を皆で分かち合った。 何の世界でも、手作りしか出せない希少な価値が存在する。一点の濁りのないプュアーな ワインの中に、多くの愛情が詰まったワイン、 それがフィリップ・ジャンボンだ。

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Nov

自然派の真髄継承を自認する クリストフ・パカレ

CHRISTOPH PACALETクリストフ・パカレの無事収穫を終えました。マルセル・ラピエールの甥にあたり、フィリップ・パカレの従兄という自然派ファミリーの中心的存在。マルセル亡き後の自然派精神の真髄継承と自認しているクリストフ。人当たりのソフトさが心地よい人物。 料理人よりの転身。若い頃は南半球のフランス領の島でレストランをやっていた。30代にフランスに戻ってマルセル・ラピエールの後押しもあって醸造所を立ち上げた。大きな視野をもったゆったり感がワインに表現されている。 クリストフが焦ったところを私は見たことがない。人生、何か悟ったところがある。若い頃、フランスを脱出して世界を見てきたことが、大きく彼の生き方に影響を与えているのだろう。 9月17日より収穫を開始して、一週間で終了した。12年はクリストフにとっても難しい年だった。クリストフはそれでも普段の態度と変わらず、やるべきこと、できることを最大限に実行した。収穫人も近所の良く知っているメンバーのみでやった。 晴天に恵まれて、ブルイ山の斜面での収穫。2012年の収穫量はここでも少なかった。でも葡萄自体の品質は良質だった。和気あいあいの雰囲気の中で収穫が進んでいた。やはり、健全な葡萄を選ぶ選別を注意深く指導していた。 クリストフの醸造所はモルゴン村からコート・ド・ピの丘の横を走る山道を通って10分ほど南に移動するとある。 醸造所から見る景色がこの写真だ。ボージョレ中にエネルギーを送っているコート・ド・ブルイ山だ。今日はこの中腹で収穫をやっている。 ブルイ山の斜面は結構な急斜面だ。収穫は常に下から登りながら行われる。上までたどり着くと、再び歩いて下がり、登りがら収穫を始める。この方が腰が疲れなく収穫しやすい。かなりの重労働だ。上までたどり着けばひと休憩が入るのでそれを目指して頑張っている。 収穫人は各自バケツをもって収穫する。そのバケツが葡萄で一杯になるとポルトゥールと呼ばれている運び人が一杯になったバケツを中腹に設置してあるカジェット(箱)まで運んでくる。このは運び人の仕事があ実に重労働なのだ。葡萄が一杯になった斜面を往復しなければならないからだ。 葡萄を醸造所まで運ぶこのカジェットは15Kg前後の葡萄が入る。下の葡萄が潰れない重量になっている。除梗しない葡萄房を丸ごと発酵槽に入れる自然派の造りには大切な入れ物だ。葡萄が潰れると雑菌が繁殖してしまう危険性が増えるからだ。 12年は開花時に雨が降った為、ミルランデールと呼ばれる小粒まじりの葡萄房が多い。収量は極端に減るけど濃縮感のある良質のワインができあがる。まさに2012年を象徴するような葡萄房だ。 葡萄園から醸造所まで運びこまれた葡萄。例年なら冷蔵庫に入れて一夜冷やすのが自然派の造り。葡萄自体の温度が高いまま発酵槽に入れると雑菌繁殖や酸化の危険性が増えるからだ。今年は朝の気温自体は8度と低い為、その必要はなかった。 葡萄選果を徹底したお陰で健全な葡萄が運びこまれた。クリストフもホットして喜んでいる。2012年はボジョレ中の醸造家が収穫を諦めなければならないか?と思うほどの状況だった。そんな中、収量は例年の50~60%の量になるだろうが、こんな美しい葡萄が最終的に収穫。 嬉しさのあまり、葡萄をくわえてバッカスの真似をするクリストフ。こんなお茶目なとこを持っているのもクリストフらしい表現だ。クリッストフ『この写真を日本の皆さんに送ってくれ!』よほど嬉しかったに違いない。 クリストフ・バッカス 今日は収穫の後、醸造所に皆、集まって一杯を交わした。厳しい斜面の収穫も終えてホットしたところ。このひと時がたまらなく楽しい。ここは近所の人達が集まった気心を知った人ばかりだ。クリストフらしいホワットした自然な雰囲気だ。 近所の醸造家、ニコラ・テスタが遊びにやって来た。ニコラはプリューレ・ロックでパカレの後、醸造長を3年務めあげた人物だ。近所なのでアペリティフの時間頃になると時々やって来る。ニコラのワインはピノッテして限りなくピノに近いガメを造る名人だ。 クリストフもトロンコニック型の木樽を発酵槽に使っている。自然派の造りには柔らかさが表現される。 プレス機は勿論100年以上も経った垂直式圧搾機。グラップ・アンティエール・MC発酵の圧搾にはも最も上品に絞れる必需品。どちらも独立する時にマルセル・ラピエールより寄付されたものだ。 クリストフが最も信頼している仲間です。結論として50~60%減の低収穫量ながら厳しい選果作業を徹底した醸造家のみが、品質の高いワインできる年。自然派の造りは、厳しい選果をやらざるをえない。ことしこそ自然派の品質の高さが分かる年になるだろう。 最後にクリストフの畑から見た美しいリヨン方面の全貌、リヨネ山が遠くに見える。こんな景色を見ながら育った葡萄が我々に感激を届けてくれる。

2
Nov

才気あふれるシリル・アロンゾCYRIL ALONZOの12年収穫

頭脳の回転が速いシリルは次々と手を打った。 ボジョレを基盤に活動するシリル・アロンゾにも2012年は他の醸造家と同様の厳しい天候状況を与えられた。春の寒波時点で、シリルは『今年は収穫量に問題をあり』を予測した。顔の広いシリルは寒波被害の少なかったランティエール村の栽培家と交渉し手を組んだ。 12年は自分独自の畑を持たないシリルには有利な年となった。シリルは栽培家と契約して葡萄を買って醸造をする、というネゴシアン醸造家であることが、功を奏して対応が早くできた。ランティエール村の花崗岩が風化した砂土壌の畑を確保できた。 特別なミクロ・クリマを備えた最良の畑を確保 ここの畑は元火山だった山が風化してなだらかな丘が連なっている丘陸地帯の斜面の畑だ。丘と丘の谷間には小川が流れ、風通し良く、森もあって昆虫、微生物の天国がある。豪雨が降っても谷間に向かって即流れてしまう水捌けが良い好立地。 ネゴシアン醸造家だから可能だった、素早い対応!こんな完璧な葡萄を確保 ボジョレには昔から葡萄を育てることを専門にしている葡萄栽培家がいる。彼らは醸造をやらないだけに、栽培に専念できる時間がある。12年のような難しい年は、やるべき畑仕事が一日遅れただけで大被害につながる年だった。シリルはそこに着眼して見事な葡萄を確保できた。 2012年にここまで完璧な葡萄を見たのは少なかった。やはり葡萄栽培に専念できた畑仕事のプロの成す技だ。ひょっとすると12年はシリル・アロンゾが最も輝く年になるかもしれない。この完璧な葡萄をどうやって料理するかシリルの才気の見せ所だ。 栽培は土壌を知り尽くした専門家と共に! 栽培専門だからできる畑仕事。北ローヌ、コート・ロティなどでやる仕立て、ゴブレ仕立ての上を縛って葡萄に太陽をあてる作業。一本一本の葡萄木の上部を縛るのは豊富な時間がないとできない。12年のような太陽の少ない年は必要な作業だった。 晴天の中、着々と収穫が行われた。約30名の収穫人がハサミの音をカチカチと鳴らして葡萄が摘み取られていく。シリルは単に収穫された葡萄を買い取るだけではない。栽培の仕方、収穫の時期、収穫のやり方を指定できる契約。葡萄の品質を自分の目で確認できる。 不良粒の摘出作業の徹底 2012年はどんなにきっちり農作業をやっても、傷んだ葡萄がやはり存在した。不良粒の摘出選別をやる必要があった。収穫された葡萄を発酵槽まで運ぶ前に徹底的に摘出選別した。アロンゾもSO2酸化防止剤を使用しないので、健全な葡萄のみを発酵槽に入れる必要があった。 葡萄葉の偉大なる力 葡萄の葉っぱ偉大だ。雨風や雹に打たれながらも宇宙の光を享けて、光合成をやりながら葡萄房や果肉、糖などを造りあげてしまう。光をプロテインに変えてしまう。収穫直前の今もセッセと糖を高めて今年最後の務めを果たしている。 マルセル・ラピエールの直弟子 アロンゾはマルセル・ラピエールの直弟子でもある。サヴォワ地方での醸造所を閉めてボジョレに帰ってきたアロンゾに独立を勧めて会社設立まで絶大な援助をマルセルから得た。ワイン造りはマルセル仕込みの自然派だ。その上にアロンゾ独特のアイデアを足して独自のスタイルを編み出した。 アロンゾの醸造は超自然派。収穫された葡萄を除梗せずに発酵槽に入れる。勿論、葡萄園で育った自生酵母のみでの発酵。 SO2酸化防止剤も使用しない。コンクリート槽を使用。アロンゾのワインは果実味主体のスーと入ってしまうタイプ。 葡萄を発酵槽に入れる時も葡萄房を傷めてしまうポンプは使用しない。発酵槽の上までベルトコンベアーで上げて重力で落とし込む。 今年のヌーヴォーは軽めで果実味が心地良いグイグイいける本来の典型的なボジョレ・ヌーヴォーのスタイルとなるでしょう。ガメラーの皆さん各種のアロンゾ・ヌーヴォーをお見逃しなく。

1
Nov

ガメイの究極への挑戦者 ジャン・クロード・ラパリュ

詳細な部分へも常に気を配りガメ品種の究極を追及するジャンクロード・ラパリュにとって2012年は心理的にも、収穫量にとっても厳しい年だった。量は50%を切っていた。冬の剪定時より極小の収穫を狙って短く剪定する為に、収穫減はより大きかったが品質は保たれた。 ラパリュ、収穫された葡萄を食べてみると、フェノリック熟度(タンニン・色素)はきれいに濃縮されている。十分な品質であることを確認するジャンクロード。ミルランデール化した小粒の葡萄房が多いから、かなり濃縮度のある果汁が絞れそうだ。 ラパリュでは12年は収穫量も少ないことから、収穫も少人精鋭の収穫を素早く行った。ラパリュはいつもどこよりも早く葡萄が熟すので、自然派醸造家の中では開始が最も早い。9月15日に開始して20日には既に終わっていた。 ラパリュでは通常の収穫が終わった後、約数週間後にキューヴェ・ランド・メルル用の葡萄を収穫する。11月5日、醸造元仲間が集まって醸造所の横にある畑を収穫。ジャンクロードは多くの若手醸造家に慕われている。ラパリュ一家のような仲間達が手伝いにくる。 Cuvee Le Rang du Merleキューヴェ・ラン・ド・メルル、ガメ品種の究極を追及するジャンクロード・ラパリュは超完熟した葡萄を毎年収穫して、時にはバニュルスのような風味になる年もある。ガメ品種の可能性を色んな方向から試しているラパリュ。 ラパリュの篤い人望! 多くの若手醸造家が集まってくる 最も近い醸造元、ラパンのニコラ・テスタ兄弟も収穫の手伝いにやって来ていた。日本からオザミ東京の田中さんがボジョレ登場。ジュラ地方、ブルゴーニュ、ボジョレと訪問中。田中さんはオザミ発祥当時からの最古参の一人。2年一回フランスを訪問して醸造元巡りをやる。オザミ・スタッフのワインに対する愛情は深いものがある。 ラパリュ収穫のポーズ・休憩は興味深い。若手醸造家が造ったワインを持ち寄って試飲会のようだ。それを皆でコメントしたり、醸造の話になる。皆にとって良い情報交換になる。 ラパリュの暖かい人柄を慕って多くの若者がやって来る。これからワイン造りを始めたい若者、初めて3年目の人などラパリュのワインに感動して仲間入りする人達が多い。 木製垂直式プレス機で絞り中 醸造所ではラパリュが2週間前に収穫して、除梗しないMC発酵をしていた葡萄をジャンクロード自慢の木製垂直式プレス機で圧搾している最中だ。2年前に、念願の100年前の圧搾機を手に入れた。ワインの品格・フィネスが一段と上がった。 絞った後の葡萄 この木製垂直式プレス機は重力で上から無理なくゆっくり圧力がかかる。だから、やさしく上品なジュースが絞れる。絞った後の葡萄の皮が破れていない。つまり皮から汗のごとく流れ出たジュースだからフィネスが備わっている。 2012年搾りたてのヌーヴォーを利く。 搾りたてのワインのことを“パラディ”という。まだ糖度を含んでいるのでやや甘さもあってフルーティーで実に心地よい。この時期になると、近所の人達もこのパラディを飲みたくて人が集まってくる。田中さんも12年のヌーヴォーを日本人で最も早くテースティング。 果汁の濃縮感がたっぷりでいて、フルーティさ抜群。まだ半分は葡萄ジュースなので当たり前。この今の時期しか飲めないパラディ!難し年だったけど、やっとここまで漕ぎ着けた、という感じでホットしているジャンクロード。 オザミの田中さんは、地震いらい2年間は無我夢中でオザミの仕事に集中して頑張ってきた。やっと落ち着いてきたところ。オザミにとってワインは生命線だ。オザミの原点を見つめ直したくての来仏だ。挑戦し続けるラパリュに感動の田中さん。 この二人は共通点がある。どちらも頑張り屋、人当たりが柔らかい、プロフェッショナリズムをもって仕事に打ち込んでいる。そして、多くのファンを持っている二人。本気で頑張っている人同士しか分からない接点がある。 醸造期間中のボジョレの風物詩、いやボジョレ文化! 醸造家をめざす若者、中堅的存在になってきたンニコラ・テスタなどジャンクロード・ラパリュを中心に集まった自然派コニュティー。ラパリュのワインを飲みながらのワイン談義。ジャンクロードも楽しそうだ。 ボジョレといえばシャクトリー(生ハム類)!ボジョレでは生ハムの事を“最良の野菜だ”と言い切る文化がある。何種類もの生ハムを薄切りするジャンクロード。 これで何時間でも飲み続けるのが、ボジョレの文化だ。時には朝まで延々と続く。 夜になると、どこからともなく人がジャンクロードの醸造所に集まってくる。深夜でもゆっくりプレスは続くのを皆知っている。、今年の“パラディ”を皆飲みたいのだろう。ジャンクロードも一人でプレス作業するより仲間がいた方が楽しい。 これもプレス時期のボジョレの風物誌といえる。 ジャンクロード・ラパリュのカメ醸造への挑戦 ガメ品種の可能性を極限まで追求するチャレンジャーのラパリュは数年前よりアランフォ・カメの中での発酵を挑戦している。発酵中から陶器の土をとうして酸素と交流している。カメ醸造ワインは明らかに違った顔を見せてくれる。6カメほど醸造している。 ピノ・ノワールのカメ醸造 2012年はジャンクロードは新たな挑戦を始めた。何とピノ・ノワールを2カメで除梗なしのMC発酵を始めた。ラパリュの造るピノ、さてどんなバランスになるのか本当に楽しみだ。 カメ内での醸造は陶器をとうして蒸発するワイン量が半端ではない。それだけで、このカメ醸造を諦めた醸造家もいるほどだ。カメ醸造のワインは大変魅力的だ。柔らかく、ソフトで芯がしっかりしている。すべてを包み込んでしまう暖かさを備えている。 ジャンクロードもほろ酔いの佳い気分! 夜も更けてきたて、酔いも回ってきたけどプレスはまだ続く。時々、人が交代で舞台のような古式圧搾機の上に乗って手動式のハンドルを回す。あまり強くやってはいけない。ゆっくり、ゆっくりだ。 収穫が始めっていらい連日の徹夜で疲れているジャンクロードは、酔いと疲れが合わさって、ほろ酔い気分! 1時を過ぎても、仲間達は帰ろうとしない。ジャンクロードも調子が出てきた。次々とワインボトルのコルクが開けられた。こうなると朝までの危険な予感。しかし、なんと居心地がよいのだろう。ジャンクロード・ラパリュのワインの心地良さに似ている。 奥さんが心配して迎えに来た。この二人の2人3客でここまでやってきた。奥さんも実際に畑に出て農作業をやっている。この難しかった2012年を乗り越えて頑張ってほしい。 この2人の仕事のお陰でどれだけの人が癒されているか、計り知れない。 この二人にエールを送りたい。

30
Oct

モルゴンのクマGEORGES DESCOMBES ジョルジュ・デコンブ

モルゴンの熊ことジョルジュ・デコンブが12年の収穫を無事終了。春先の寒波、、3回に渡る雹、色んなことがあった12年でしたが、最終的には、この笑顔を見てください。細かく葡萄を観察して徹底した農作業を実行したお陰で素晴らしい葡萄を収穫できた。 デコンブの収穫はボージョレ中の誰よりも遅い9月20日より開始し。デコンブの村名の畑はすべて標高が高い丘の上にある。12年の天候の特徴の一つとして比較的に標高の高い処が好条件だった。低地の平らな区画が最も被害が多かった。ここレニエの葡萄は驚くほどの完璧な葡萄が多かった。 開花時期は3週間ぐらいかかって長期間かかった。その間に雨も降ったりで結実不良もありミルランデール化した葡萄が多く収穫された。小粒が多い葡萄房だ。皮の面積と比較して果汁が少ないので濃縮されたワインが出来上がる。欠点は量が少なくなること。しかし品質は高い。 初日のミーティング 9月20日早朝6:30に30名が集合。収穫を始める前のミーティング。今年の葡萄の特殊性を強調、選果の注意点を細かに説明する。絶対に熟していない葡萄を収穫してはいけない事を強調。収穫人の半分は毎年来ているベテラン、それでも今年は特別な選果眼が必要である。その他、3週間ほどの共同生活などの注意点や、ルールなどを説明。 さあ!朝日の出る前から収穫開始! 7時には葡萄園に到着。まだ日の出前だ。レニエ地区から収穫開始。5度と涼しい。収穫には最適な気温だ。 済んだ日しか見えないスイス国境のアルプスの山々、真ん中の一番高い山がモンブラン山だ。何とすがすがしい朝だろう!まさに収穫日よりだ。この地方ではモンブランが見えると数日後に天候が崩れると云われている。 望遠でモンブラン山を撮る。奥のアルプスの手前にある山・台地がジュラの山々だ。フランス中央山脈とスイスアルプスの真ん中で両方から押されて隆起したジュラ地方も見える。何て美しいのだろ!感激の瞬間。 レニエの畑の登る朝日は美しい。 しばらくすると、朝日が葡萄園に登った。絶景だ。モルゴンの熊・ヌヌーンの愛称で呼ばれているジョルジュ、二男のケビンと朝日を背に打ち合わせ中。冷やっとしてどこまでも済んだ空気を暖めるように浮かんできた朝日。 収穫初日の緊張感、シーンとした葡萄園にカチッ、カチィと葡萄を切る鋏の音が響く。 朝日が出ると一挙に温度が2度ほどは上がったんではないか、と思うほど暖かい感触が体に伝わってきた。収穫初日の緊張感の中、静かに収穫が進んで行った。 それにしても美しい。葡萄園に浮かぶ日の出。すべてを包み込んで育んでくれる偉大な太陽。宇宙、太陽、葡萄、人が一体になる瞬間。 収穫初日の教育・指示が超重要! 初日の収穫は大変重要だ。収穫人への教育・指示の徹底が一年間の仕事を左右してしまうほどの重要度を含んでいる。収穫人が傷んだ葡萄や熟していない葡萄を収穫してしまえば、台無しになってしまう。ジョルジュ・デコンブは指示の為に葡萄園を歩き回っていた。 熟した葡萄のみを選別収穫 収穫人一人一人に摘み取るか否か?の判断基準を教育・指示するデコンブ。特に今年は開花がゆっくり3週間もかかったので初期に開花したものと3週間後に開花したものの葡萄の熟度が極端にちがう。濃縮度が高いデコンブのワインはここの指示を徹底しているからだ。 2重、3重の選別・検品作業で天と地ほどの差がでる! 収穫された葡萄を再度徹底チェックする息子のケビン。初日の収穫時の大切な仕事は、この段階で収穫人への徹底教育・指示だ。特に自然派は発酵槽に酸化防止剤を混入しないので傷んだ葡萄があると雑菌が繁殖してお酢になってしまうからだ。手間暇が3倍かかるけど、この方法をとる以外に自然派ワインは完成しない。 常に現場を把握しておくデコンブ 自分自身も実際に収穫してみるデコンブ。自分が指示したとうりに収穫を実際にやってみる。収穫のスピードや リズムがどの程度で進んでいくかを自分の体で体感してみる。デコンブは徹底した現場主義だ。だから濃縮・繊細なワインができる。 ホットするポーズ・休憩 早朝7時から始まった収穫、10時にポーズ休憩がはいる。3時間も中腰で収穫すると腰がたまらなく硬直してくる。特に初日はまだ体が慣れていないからだ。3日が過ぎると体が慣れてくる。体が慣れるまでの3日間は、もう逃げ出したくなるほキツイ。 朝からワインもでる。コーヒー、チーズ、パン、ソーセージなどが用意されている。朝からワインをグイグイ飲む人もいる。まだ、初日で収穫人同士がお互いを知らないので会話もまだ弾まない。 美しい景色の葡萄園でのこのポーズ休憩時のコミュニケーションも楽しい。自然の中でのカスクルット(軽食)が格別美味しい。腰が疲れてくると、このポーズを待ちこがれる。15分ぐらいの休みだけど、本当に癒される。また頑張ろう、という気持になる。 レニエ地区の最も早熟な60歳の区画は約3時間半で終わった。次の区画への移動だ。移動はトラックの荷台に椅子を積んで、まるで軍隊に移動のよだうだ。収穫時の農道はこんなトラックで結構込み合っている。この時期に風物詩といえる。 12年、デコンブを象徴するような葡萄。ミルランデール化した小粒の葡萄。当然、量は例年の50%ほどになってしまう。でも品質は適度の濃縮感もあって、果実味が素晴らしいグイグイワインになるだろう。しかし収穫量が半分という経営的には厳しい年になるだろう。 デコンブでも醸造所内に収穫人が寝泊まりできる施設を備えている。2週間の合宿生活が始まる。30人分の食事を造る奥さんのジスレンの仕事が超重要。 宿舎での雰囲気を明るく楽しく保つように心掛けるのもジスレンの仕事。 ジョルジュとジスレンの連携仕事が光る2週間。

29
Oct

ボジョレ・モルゴン村の新星 Damien COQUELET ダミアン・コクレ

自然派新世代が!時代は動く! ボジョレ・MORGONモルゴン村の新星・ダミアン・コクレ、甘いマスクで恐ろしく透明感のあるスカットしたガメ・ワインを醸す。ガメ大好き人間ガメラー待望の新人登場。自然派ワインのメッカ・モルゴンは新世代がうごめいている。時代は動く。 ダミアン・コクレは、モルゴンの最良の丘 »コート・ド・ピ »に3,5ヘクタールを栽培している。しかも畑がマルセル・ラピエール家とジャン・フォワラールの隣に位置している最適なミクロクリマを備えている。 ダミアン・コクレ、2012年の収穫が9月20日より5日間行われた。ダミアンにとっても12年は厳しい年だった。春の寒波、開花時の悪天候、その後の湿気、雹とボジョレ中が天から与えられた条件をダミアンも経験した。でもダミアンは闘った。 ライダー仲間が応援に! ダミアンの収穫には幼馴染の友人達が応援に駆けつけてくれる。男気があって親分肌のダミアンには多くの仲間がいる。ダミアンの趣味はオートバイだ。ライダー仲間の結束は強い。しかも、多彩な能力を持った友人が多い。ラベルのデザインも友人だ。営業も手伝ってくれる。 出来うる限りの仕事を実行、素晴らしい品質の葡萄を収穫! ダミアン・コクレは今年の2012年は実質上3年目になる。3年目にして試練を味わった。難しい年ながら出来うるすべてを尽くして闘った。お陰で健全な葡萄が収穫できた。品質はかなり高いワインになるだろう。しかし、収穫量は例年の50%と少ない。 ダミアンを応援したい!頑張れ! ダミアン・コクレのように始めたばかりの若者には2012年の収穫減は経営的には実に厳しい年となる。新人にはワイン・ストックもないし、金銭的蓄積もない。何とかダミアンのような自然派の次世代を担う若が育ってほしい。応援しなければならない。 収穫量は半分ながら品質を上げるべく、選果作業、不健全な粒を丹念に切り落としているダミアン・コクレ。手間暇は3倍かかるけどこの方法しか美味しい自然派を造る事ができない。 小粒の房でミルランデール化した典型的な2012年の葡萄房。素晴らしい濃縮感と 酸を含んだ果肉と果汁を持っている。ダミアン独特の透明感とスーっと入ってしまう心地良いワインが生まれそうだ。 自生酵母もダミアンを応援 ダミアン・コクレの自然栽培の畑。昆虫、微生物、野生酵母が生き生きしていそうな畑だ。この斜面、風向き、湿気、太陽光線の当たり具合など、この微気象に合った自生酵母が天文学的数値ほど生息している。その自生酵母がこの地独特の風味を造り上げてくれる。 自生酵母こそがテロワールをワインに投射してくれる! 自然栽培された畑の葡萄の皮に多くの健全な自生酵母が付いている。約30種類ほどの野生酵母だ。この微生物達がこの地独特のワインの風味を醸してくれる。低アルコールでしか働かない酵母達から発酵が始まって、バトンタッチ・リレーのようにして受け継がれてワインができる。特に初期に働く酵母が超重要。 本物の美味しさの為に、困難な道を この自生酵母がイキイキ生きているダミアンの畑を今収穫している。90%の普通の醸造家は、こ葡萄を発酵槽に入れる時、ここでドシャーとSO2酸化防止剤を大量に投入。元気な自生酵母は全滅する。何という抹殺行為。そのあと人工酵母を投入する。ダミアンは自生酵母のみで醸造。S02無添加はリスクを伴うけど、本物の美味しさを表現したい。ドーピングのような手段は使いたくない。 既にダミアンと自生酵母達は会話を開始している。ダミアンはこの酵母付き葡萄をどのように醸造所に運んで、どんな方法で発酵槽に入れるか、シュミレーションはできている。自然酵母を傷めないようにイキイキしたままで働いてもらう方法を考えている。 12年産はグイグイ典型ヌーヴォータイプ 日本のガメ好きの皆さん。ダミアン・コクレのワインを是非試してみてください。11月の第3木曜日のダミアン・ヌーヴォー12年もダミアンのようにイキイキしたワインに仕上がると思います。若手に頑張ってほしい!応援したい。

28
Sep

ボジョレーの収穫は今が真っ最中 Marcel LAPIERRE マルセル・ラピエール

2012年こそ自然派ワインの『違いが明確』になる年 100年に一度の収穫量が少ない年 2012年は100年に一度と云ってもよい難しい年になった。 89歳のお爺さんが云っていた。 『こんなに葡萄が少ない葡萄園を見るのは初めてだ!』 ビオ栽培、ノンビオ栽培関係なく厳しい栽培の年だった。 どこも収穫量が極端に少ない。例年の30%~50%の収穫量となった。 1-2月の寒波マイナス18度を記録した。 2-発芽後の春先にも-5度の寒波でやられた。(量が少ない最大の原因) 3-開花時の悪天候による結実不良、 4-その上に5月から8月までの雨曇りによる湿気からくる病気の大発生、 5-その間に、数度にわたる雷をともなった雹の被害。 6-8月後半の3日間の極度な猛暑による葡萄が焦げる被害。 12年は天がボジョレに与えたハードルは実に高いものだった。そんな受難な年だからこそ自然派醸造家達はエネルギーとパッションを集中して畑仕事に費やした労力は普段の年の10倍。 2012年こそ自然派ワインの『違いが明確』になる年はないだろう。彼らは決して諦めない。 MARCEL LAPIERREマルセル・ラピエール家のVENDANGE収穫 困難な年だからこそ、このエネルギー! ワインは、天、地、人のサンフォニーだ! 地は動かない46億年の地球の変遷を経て現在の畑の土壌がある。 モルゴンには元火山地帯だったころ生成された花崗岩が主体になっている。 花崗岩はワインにミネラルとエネルギーを与えてくれる。 天は毎年動く。今年は厳しい天候だった。葡萄栽培には、それぞれの葡萄成長の重要な時期がある。今年はすべての重要な時期に天は厳しい状況を与えてきた。 それでも、宇宙のエネルギーを受けて葡萄が今年も育った。でも少量の葡萄だった。 人は天が与える条件をすべて享けいれて栽培作業をするしかない。 時として不条理な、あまりにも厳しい状況もすべて、100%を享けいれる。 文句や愚痴を言っても何も解決しない。時として天は09年のように最高の条件を 与えてくれる。でも今年は、ボジョレ、特に北ボジョレの農民に何かを伝えようとしているかのように過酷な条件を与え続けた年だった。 人の笑顔にはエネルギーがある! 普通ならとても、笑っていられるような状況ではない。でもここラピエール家では 笑顔ですべてを吹き飛ばすエネルギーで溢れている。 ラピエール家の収穫には、毎年やって来る若者が60%ほどいる。 お互いが良く知っている。2~3週間は昼夜を共にする合宿生活を経験している。 まるで遠い家族のような存在の関係だ。 この中には、セミプロのような音楽家が何人かいる。体力的にはかなりハードな仕事を終えた夜は、夕食のあとの食堂が時にはフェスティバル会場に変身する。 収穫の畑でも常に笑顔が絶えない明るい雰囲気が漂っている。 冗談を言って笑わせる人、歌を唄って盛り上げてくれる人、芸人が多く実に明るい笑顔が溢れている。この笑顔にはエネルギーがある。このエネルギーがワインの中に入っていくは疑いのないことだ。実に大切なことだ。 12年は選別が超重要な年 ラピエール家の収穫は究極の厳しい選別収穫を実現 マチュは“選定粒摘み”を決意 12年は葡萄木に存在する葡萄の数が少ない上に、状態の悪いものも多く混じっている。美味しいワインを造るには健全な葡萄のみを発酵槽に入れることが条件。 当然、良い葡萄のみを選別すること。しかし、今年の場合は葡萄の数が僅かな事が問題である。マチュは“選定粒摘み”を決意した。 葡萄房の悪い部分の粒を切り落とす作業を収穫人に徹底させた。 普通の収穫の4倍のスピードが遅くなる作業を決意したのである。 採算より品質を重視! 品質の為に採算を顧みない決意だ。さすがマルセル・ラピエールの長男だ。 何と収穫人全員が一つ一つの葡萄を丁寧に傷んだ粒を切り落とす作業を実施。 気の遠くなる作業だ。その上、収穫人に白と黒の籠を準備して白に完ぺきな葡萄を入れて 黒にやや傷んだ葡萄でも悪い部分を切り落とした葡萄を入れることを指示。 マチュは醸造家として人智を尽くして対応 2012年、天からの厳しい条件を与えられたマチュは、 迷わず、自分の出来うる最高の手段を選んだ。 当然なことながら、2012年産のマルセル・ラピエール ワインは極小のビンテージとなる。世界中のファンから 取り合いになるだろう。 マチュ曰く、 『マルセルやお爺さんが書き残した毎年の醸造記録が残っている。難しい年に先祖がやったことや、心の持ち方などが記録されている。今年はこれらの記録が本当に参考になった。』 ワイン造りは一生に40回ぐらいしかできない。先祖のこうした記録は宝物だ。マルセルと共に造っている。 LAPIERRE FAMILLE ラピエール家のファミリーは一致団結で12年収穫 前右が長男のマチュ、前左が二女のアンヌ、後ろ右がお母さんのマリー、後ろ左が長女のカミーユ。 マルセルが亡くなって3年目の収穫。醸造責任を一手に引き受ける長男マチュ、マチュを側面から支える長女カミュ。 マルセルがいなくなった10年、11年産はマチュの工夫による醸造が冴えた。ワインの品質は先代を上回るとの世界からの好評だ。 世界的自然派ブームもあり、10年も11年も瓶詰して販売すると同時に売り切れとなってしまった。 12年産は壮絶な取り合い合戦となるだろう。 マチュ 自然派の父、マルセル・ラピエールの後を継ぐプレッシャーをおいながら、見事にに自分のスタイルを造り上げつつある。12年産、醸造を指揮するマチュ。脳はフル回転だ。 カミーユ 繊細な感性の持ち主。ソムリエの修行をして資格を持っている。醸造に興味を持ち、今年からボーヌのワイン学校に通う。ロマネ・コンチのオーナーの娘とボーヌのアパート暮らしをしながら一緒に醸造の勉強。 末っ子のアンヌ 1年間のオーストラリア滞在から最近、帰ってきた オーストラリアで醸造所でも働いたとのこと。まだ、修行の旅を続けたい様子。 マルセルの葬式の時、弔辞を読んだオベルノワ氏から 『ラピエール家の星』と呼ばれたアンヌ。 お母さんのマリーと収穫現場での収穫人の管理などを勉強中。 ラピエール家の大黒柱、マリーさん 自然派の父・マルセル・ラピエールと共に自然派を支えてきたマリー。 パワフルでいつも元気なマリー。ここの収穫がこんなに笑顔が絶えない 素晴らしい雰囲気は、このマリーのお陰。 収穫人に対する人間的な暖かい接し方が、皆から慕われている。

26
Oct

パカレ・ラピエール家の2011年ヌーヴォー・アッサンブラージュ

マルセルが生存中から続く ボジョレー・ヌーヴォーのアッサンブラージュ 兼 情報交換 フィリップ・パカレ、クリストフ・パカレ、マリー・ラピエール、マチュ・ラピエールその他多くの関係者が集まってヌーヴォーや今年のワインを持ち寄ってテースティング。2011年ヌーヴォーのアッサンブラージの比率を決定する大切な機会となる。 マルセルが居ない今、両家の男で年長さんはフィリップ・パカレとなった。 マルセルが生存中も一家が集まって一緒にアッサブラージをやりながら色んなことを話し合う日を設けたものだった。この時期に2回行われた。1回目はプレスが終わってアルコール発酵が終わった段階、2回目はすべての熟成も終わって瓶詰直前のアッサンブラージの時期だ。 2009年10月 パカレ、マルセル、マチュ 2011年ヌーヴォーを決定する最終段階のテースティング

18
Oct

自然派ワインの源流 LAPIERRE ラピエール家2011年収穫

ラピエール家全員が一致団結の収穫 今年はマルセルがいなくなって初めてのラピエール家の収穫だ。今年も元気な若者達の収穫人が集まりました。半分以上の人たちが去年も来た人達。32人で約3週間は朝昼晩、寝食を共にする合宿生活が続いた。パワー全開。  今年はラピエール家の家族全員で臨む収穫となった。末っ子のアンヌも最初から最後まで収穫に参加だ。大学を今年卒業した。お母さんのマリーと一緒に葡萄園で収穫人と共に行動している。マリーは明るい性格のアンヌに、自分の担当の“収穫管理”の仕事を伝授しようとしている。美人で人気者のアンヌ(左) 自信を持って収穫をはじめたマチュ・ラピエール 収穫開始―葡萄の状態観察―戦略決定―戦略見直し 開花のムラからきている葡萄の熟度の差が同じ畑区画でも見られた。しかしヴイエイユ・ヴィーニュ(古木)やモルゴンの優良畑の葡萄熟度はベストの状態だった。マチュは収穫人を50名に増やして最初に古木や優良畑を一挙に収穫することを決意した。酸が欠けてくるのを避けるためだった。古木の収穫した葡萄をチェックすると酸は大丈夫だった。開花のムラからくる熟してない葡萄も見られた。2回に分けて収穫をすることを決意した。1回目は熟した葡萄のみ収穫、数日後に2回目の収穫を実行した。経費は余分にかかったけど開花のムラをより有効に生かすことができた。ブラボー!マチュ! ほぼ完ぺきに熟した葡萄 収穫も中盤となりもう迷いはない!次々と葡萄が運び込まれてくる。    収穫する人は籠を持ちながら、採った葡萄は籠にいれて進む。 時々、カミーユは登って発酵状況を観察する。 厳しい収穫・醸造の仕事の後は楽しい団欒の夕食がある。 半分ぐらいは毎年来ている。もう20年もずっと来ているベテランもいる。 今夜はカナダから毎年参加の女性ソムリエのイザベルが誕生日だ。 イザベルは去年も来ていた。 もう皆の家族の一員だ。 皆から祝ってもらって大喜びだ。 LAPIERRE家の収穫にはミュージシャンも参加している。食事の後は生演奏で踊りを楽しむ。特にサンバの本場ブラジルから毎年参加しているメンバーがいる。誰かがギターを弾き出せば、即興でそれぞれのミュージシャンが合わせて演奏会になる ほぼ毎晩、お祭り騒ぎだ。乗ると朝4時ごろまでやっている。翌朝、7時にはもう収穫の仕事が始まる。若いから皆タフだ。収穫にはこの元気と喜びが何より大切だ。最近フランスでは、この合宿のような伝統のスタイルの収穫風景が失われつつある。残念なことだ。

13
Oct

ボジョレのR・コンティJEAN-CLAUD LAPALUジャン・クロード・ラパリュ 2011年収穫

 ボジョレでここまで繊細に葡萄・醸造の世話をしているところを私は知らない。すべての段階で細部に渡って気配りをTOPの状態で作業している。一つ一つの作業を見ただけでも“ウーン”と唸ってしまう。理にかなっている。それだけでも尊敬の念を持ってしまう。 年齢的にも一通りの経験を積んだ。暑い年も、大雨が続いた年も、雹でやられて一年の仕事が全滅した年も経験した。  人格的にも非常にバランスのとれた人物である。ジャンクロードが、文句や批判を云っているのを聞いたことがない。 サッパリしたスポーツマンタイプのいい男だ。  若い頃、パリの消防士として特殊部隊に所属していた時に、体を極限まで鍛えたらしい。『その時の筋肉がいまでも葡萄つくりに役立っているよ。』とジャンクロード。  Jean Claude LAPALUの葡萄は毎年どこよりも早く熟す。ブイイ山の南東に位置して特殊なミクロクリマがある。 いつも自然派では最も早く収穫するのに最も濃縮感のあるワインに仕上がるのもジャンクロードの特徴だ。  今年も自然派では最速8月26日に収穫を始めた。既に十分熟している、これ以上待つ必要はない、と判断。腐った葡萄は皆無だった。素晴らしく健全な葡萄を収穫できた。 風光明媚な絶景を見ながらの収穫   今日はコート・ド・ブルイ地区のブルイ山の斜面にある風光明媚な畑。左奥ニレニエ地区の丘、真ん中から右にフルーリ、モルゴンの葡萄園の丘が見渡せる。ここは100歳の古木多くある。生産量が極端に少ない。  ジャンクロード・ラパリュは自分自ら葡萄園に入り収穫をやる。一緒にやらないと大切なことを見落とすからだ。 区画ごとに葡萄の状態が微妙に違う。それらをチェックしておく必要もある。  また収穫時の温度なども実際に葡萄園にいないと判断できないことが沢山ある。自然な造りはSO2(殺菌・酸化防止剤)を添加しないので収穫時の温度は大切だ。  収穫人が疲れてくると、熟していない葡萄を入れてまったり、葉っぱが入ったり仕事が雑になりがちになる。 要注意だ。 ジャンクロードは時々考え込んでいるときがある。一年間育ててきた結果がすべてこの日の収穫で決まってしまう。  最後のこの瞬間を間違えると一年間の仕事がすべて台無しになってしまうからだ。    ジャンクロード・ラパリュのワインはガメ品種とは思えない繊細さ、上品さ、フィネスを備えている。作業の一つ一つの心遣いの積み重ねがそのフィネスを生み出す。その一つに葡萄運搬用のケースだ。底が薄いので葡萄が潰れることが絶対にない。ここまで細心にやっているところは少ない。  この小単位での運搬作業だけでも2、3人必要になる。人件費をかけても実行。目に見えない大切な真実。 この元気・陽気なエネルギーがワインの中に! 収穫時の“喜び”は超重要ポイント!

7
Oct

究極の超自然派 PHILIPPE JAMBON フィリップ・ジャンボン 2011年収穫

栽培も、醸造も、自然を極める! 自然派仲間の中でも“そこまでやるか?”と云われるほど極を行っている自然派の造り手だ。 畑に草を生やしてより良い葡萄を栽培する為に20%分の葡萄木を抜いてしまったり、自分の思うような味わいになるまで樽熟成を5年も7年も続けたり、醸造学の先生達が見たら腰を抜かしてしまうような事をやりきっているフィリップ・ジャンボンだ。 自分の理想に真っ直ぐ進むジャンボンだ。 彼の思いに濁りが全くない。お金、名声など彼にはとっては屁のような存在。 09、10の2年間は全く収穫が無かった。不運にも雹で壊滅的打撃を受けた。2年間の収入がゼロである。普通の神経なら気が狂いそうになる。でもジャンボンは動かない。自分の理想は絶対に曲げない。収穫が無かった畑を今年も黙って畑作業を続けてきた。 今日は収穫の真最中、夕方に訪問。3年ぶりの収穫だ。やはりジャンボンも人の子、笑顔がでる。収穫した葡萄の糖度を図っていた。今年の葡萄はどうですか?『ジュースがこんなに色が濃いのは初めてだよ。マチュリテー・フェノリック(ポリフェノールの熟度)が高いのだろう。』 『今年は葡萄の量も品質もかなり高いよ。』こんなに嬉しそうなフィリップを見るのは久々だ。こんなに嬉しそうなフィリップを見ていると、こちらのほうまで嬉しくなってきた。ジュースを一緒に試飲した。ドロップキャンディ―のような果実味と爽やかさが口中に広がった。旨い! ジャンボンの畑は葡萄、雑草、昆虫たちの住む小宇宙 PHILIPPE JAMBONの畑は葡萄、雑草、微生物、昆虫たちの住む小宇宙だ!まるで草と葡萄が会話を楽しんでいるようだ。微生物、ミミズが葡萄木の成長を助ける土壌を活性化してくれる。葡萄木が日陰で陽だまりを作り微生物達を助ける。小宇宙の自然相互援助システムがある。 ジャンボンの葡萄園は不思議なエネルギーが充満している。イルージョンの畑では収穫を待つシャルドネを最後までセッセと宇宙の光を集めて光合成をフル回転させながら葡萄にエネルギーを与え続ける葉っぱ達がいる。一年最後の仕事に力を振り絞って働いている。 この畑にいると、本当に宇宙から草、微生物まですべてが繋がっていてその多様なものが寄り集まって1房の葡萄を作っていることを実感する。 ジャンボンの畑には野生のサラダが一杯とれる。タネを蒔いていないのにバラエティーに富んだ草、花、サラダが生きている。訪問する度に食事用のサラダをフィリップの子供達と葡萄園に採りに行く。美人の奥さんカトリーヌがドレッシッグと美味しい料理を作って待っている。 フィリップ・ジャンボンは毎年子供と家族全員で収穫をやる日を設けている。フィリップの理想の中に家族も含まれている。自然派の極の人にありがちな奇人変人では決してないところがフィリップの凄いところだと思う。これには勿論カトリーヌの理解が絶大だ!『家には子供が4人いるようなものよ。』とニコっと笑う、明るいカトリーヌがいる。 フィリップ・ジャンボンは典型的なマルセル・ラピエールの薫陶をえた自然派醸造家だ。グランプアンチエール(除梗なしの房丸ごと)発酵槽の中に入れる。勿論自生酵母のみで発酵。だから葡萄の健全度は超重要、ケースは絶対葡萄が潰れない底の浅いもの使用。勿論、SO2(殺菌・酸化防止剤)完全無添加、自生酵母のみ。 PHILIPPE JAMBOMのところには熱狂的ファンが遠方かやってくる。今日も自然派ワインを広めた一人クリストフ・ピケボワッソンのお兄さんピエールがロワールからやって来た。ワインを直買いに来たのだ。予約したはずのワインがなくなる原因はこのような人が多いからだ。 友が来るとブラインド飲み会をやらずにはいられないのがフィリップだ。ボトルを袋に詰めて次々と出してきた。3本ほど開けたところで、フィリップのお爺さんとお婆さんが収穫状況を見にやってきた。これで完璧に飲み会になってしまった。まだ仕事がいっぱい残っているのに。 2年間収穫のないフィリップを先輩達が心配している。フィリップも尊敬しているゴネさんがフィリップに提案した。ゴネさんはもう結構高年齢だ。何十年も最初からビオ栽培だ。ゴネさん『俺は疲れたから君が俺の畑でとれた葡萄で造ってくれないか?』 ル・トランシュがもうじき出る。 7年間も熟成したバタイユが今年末までには出てきそうだ。自分が納得する品質になるまでは絶対に出荷しない。2005年だ。濃厚な色、グルナッシュを思わせるほどスパイシー、ミネラルの旨味、プイサン力強い。フィリップ『30年は自信もって熟成できるよ』7年の歳月かかった。

20
Mai

Christophe Pacaletも驚きビンテージ!今年の収穫は8月に?!

今年のフランスの春は・・・暑い暑い! 3月下旬から最高な気候が続き、4月は『100年ぶりの暑さ』とも言われました! そして5月・・少々風が冷たくなったりもしましたが、平均的には温かい! 現在の問題は、取り合えず水が無い・・・ 自由地下水の程度は、もうすでに7月と同じ状態・・・ そんな中、ブドウ木はどんどんと生長し、剪定が終わったと思ったら休む暇も無く畑の耕し、株の間の鋤き起こし、摘芽・・・ 生産者は皆畑作業に追われる毎日です! ロワール地方の、リュノッテの畑。鋤き起こし(デカバイヨナージュ)が終わった直後の畑。 フサフサです!土壌が生きている証拠です! これが、リュノッテの隣の人の畑です。 ここでは、除草剤や殺虫剤を撒き散らしています。 土壌は硬く、緑も無く・・・ 畑が泣いているようで、何か寂しい雰囲気です。 ということで、温かい気候のおかげで、ブドウ木はグングンと伸びています! 今の時点で、もう花が咲き始めています! 通常は、6月当りに花が出始めるので、今年は15日も成長が早いのです! 開花が始まってから90日から100日後に収穫がスタートします。 ですので今年はもしかしたら8月の中旬にはブドウが出来るかもしれません! 『13年もワインを造っているが、こんなに早くブドウを収穫するのは初めてかも!最近は、9月から10月に収穫を行う事が基準になっているけれども、昔はもっと早かったんだよ。1850年には、8月の上旬に収穫をしていたんだよ!』 と説明をしてくれるクリストッフ。 そんな彼の畑の写真では、しっかりと花がもう見当ります。 今年のブドウのクアリティーはどう?と聞いたところ: 『今の所キレイだよ! 問題と言えば・・・水が少々足りないくらいかな。 今の時期に雨がちょっと降ってくれれば完璧なんだ。 そうすれば、ブドウもより生長しやすくなる。 普段は、樹液が水をブドウに送ってくれるんだ。でも 水が足りないと、樹液は根っこの方に水を送ってしまう。そうすると実が成長しなく、収穫量が少なくなってしまう。 後は雹が降らないことを祈るだけだね。』 拡大するとこんな感じです。 今年はじゃあ美味しいブドウが出来るんだ!と聞いたところ: 『ちょっと前、開花期が始まったときに、雨が降ったんだ。 ちょうどこの時期に雨が降ると、ブドウは{miassé*ミアッセ}状態になるんだ。どう意味かと言うと、様々な大きさなブドウが生るって事なんだ。イコール、綺麗なブドウが出来るって事!』じゃあ良かった良かった~! もうこんなに葉っぱも付き、元気一杯なクリストッフのブドウ! 今年は収穫時期も早いため、ボジョレ・ヌーボーもゆっくりと時間を掛けて造れる!とちょっと安心気味なクリストッフ。 しかし、ワイン生産者は、ブドウが樽に入っていない限り落ち着けません。 樽にブドウが入り、発酵が上手く行くまでは油断出来ません。 8月まで、気候が見方になってくれるよう祈るしかないです! 美味しいワインを造ってくれている皆様! 2011年も勝手ながら期待しています! Christophe Pacalet のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

4
Mai

ボジョレー地方で、Beaujoloise*ボジョロワーズの試飲会!

今日は、久しぶりのボジョレー地区へと出張です! 今回はクリストッフ・パカレ氏がボジョレーの仲間と主催する、ボジョレーワインのフェアーです! 『ボジョレーチック』な2010年ビンテージがズラリ! Christophe Pacalet*クリストッフ・パカレ曰く、『2010年はフルーティーで飲みやすく、まさにボジョレーピッタリの年だよ!』 天気も良いし、ボジョレーのブドウ木にはもうすでに小さな芽が沢山! 今年の4月は通常より温かく、ブドウ木の成長も15日間早まっています。 そんな楽しい試飲会の写真を是非どうぞ! Cyril Alonso*シリル・アロンゾ / PUR*ピュール とても優しくて真面目なシリル。 彼のワインは、どれを飲んでもとてもピュアでエレガント! Montagne Hard*モンターニュ・ハード08 石灰質のテロワール+フルーティーな味わい+まろやか感 Côte de Py*コート・ド・ピ10 花崗岩のテロワール+ミネラル感+スパイス感 Amène*アーメン09 赤い粘土質のテロワール+フレッシュ感+長い後味 特にスミレやボタン、アニスの香りが印象的! Très Vieilles Vignes*トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ10 1904年に植えたブドウ木+ミネラルと酸の最高なバランス+ボリューム感+上品さ =シリルが大好きな一本! Arnaud Combier*アルノー・コンビエ 彼のワインは、毎回言いますがミネラル感と透明感が強い! Marie, Mathieu et Camille Lapierre*マリー、マチュ、カミーユ・ラピエール いつも大きな笑顔で出迎えてくれるマリー、そして真面目でシャイなマチュとカミーユ。この温かいファミリィーが生み出すワインからは、綺麗な色合いと華やかな香りが! 2010年はフルーツをそのまま齧っているようなジューシーさ!手作りパテと召し上がれ! Raisins Gaulois*レザン・ゴロワ10 フルーツ+サッパリ感=雅にちょっぴり大人向けのブドウジュース! Château Cambon*シャトーカンボン ロゼ10=ミネラル感タップリでサッパリした飲みやすさ 赤10=エレガントでイチゴの香り! Le Cambon*ル・カンボン フードル(大樽)での醸造=スパイシーでパワフル! Morgon (N) *モルゴン (N)10 SO2はゼロ!!のこのワイン=上品+なめらか+フレッシュ+ピュアなフルーツ! Nicolas et Carole Testard*ニコラとキャロル・テスタール 二人はいつもラブラブで羨ましいほど! 今は3歳になるジュスティヌちゃんも関わり、更にハッピーな家族です! Beaujolais Blanc*ボジョレ・ブラン10 まだアルコール発酵は終了していませんが、とてもパワフルで豊富な口当たり! Pink Rabbit*ピンク・ラビット09 飲みやすい+ミネラル感タップリ Beaujolais Villages*ボジョレ・ビラージュ 08=フレッシュ+真っ直ぐな酸味+ピノのような風味! 09=通常より10ヶ月も長く熟成=パワフルでしっかりとした味わい+長い後味 Brouilly*ブルイー 08=綺麗な骨格+最高なバランス+赤フルーツがタップリ! 09=より熟成されたフルーツ+豊富な味わい Fleurie*フルーリー08 50%フルーリー+50%ボジョレ・ビラージュ10=繊細で梅の香りが漂う超レアなワイン! Philippe Valette*フィリップ・バレット 今回一番印象に残っているワイン!全てが綺麗で最高なバランス!口に広がる酸味と甘みと、長く続く後味は忘れられないです! Macon Villages*マコン・ビラージュ10 リンゴや柑橘類の香り+豊富でありながらフレッシュな味わい+ミネラル感+今年はノン・フィルターのみ=カキにピッタリなワイン! Macon Chaintré*マコン・シャントレ07 樽の香り+スパイスの風味+真っ直ぐな酸味+熟成されたフルーツ Viré Clessé*ヴィレ・クレッセ07 豊富で複雑な骨格+ハチミツ+コショウ! 今はムスクやきのこ、アーモンドの香りがしますが、何と4-5年経つと、お花の香りに大変身します! Pouilly Fuissé*プイイ・フュイッセ07 キリッとする酸味+樽の香り+濃厚なフルーツの味わい=最高なバランス! Clos Reyssié*クロ・レッシエ03 白いトリュフやオレンジのアロマ+まろやかさ+ミネラル感+爆発するような香り=リンゴを思い出す長い後味! Mr Nolly Pouilly Fuissé*ミスター・ノリ、プイイ・フュイッセ01 口いっぱいに広がるパワフルなフルーツとテロワールの味+目が覚める酸味+上品さ=今回一番飲んだワイン! Jean Claude Lapalu*ジャン・クロード・ラパリュ いつでもセクシーで男前なジャン・クロード。しかもメチャ優しいし、ワインは美味しいし、惚れてしまいます! Tentation*タンタシオン10 サクランボや野いちごの香り+綺麗な骨格+繊細なタンニン=グイグイ飲んでしまうアペタイザー・ワイン! Beaujolais Villages*ボジョレ・ビラージュ10 ミントのようなフレッシュ感+熟成されたブドウ+ミネラル感=最高なビュヴァビリテ! Brouilly*ブルイー10 上品でありながら野生的な香り+サッパリ感+エレガント=フレッシュ感タップリなワイン。 […]

24
Déc

2010年クリスマス直前のPHILIPPE PACALETの一日

フランスのよくある習慣 フランス企業や組織では、クリスマスの直前のこの時期に夕食会を催す。この一年間一緒に働いてきた従業員やその家族と大切なお客さんを招いてテーブルを囲んで“この一年間の労”を話し合いながら楽しむ会である。日本風に云えば“忘年会”なようなものです。 12月21日、フィリップ・パカレ醸造所でも、家族とそれに近い人達が集まってテーブルを囲んだ。 ワインは人が造る! 私も参加してパカレ一家と親睦を深めました。 ワインを本当に理解する為には、そこに働く人達と接する事は大切なことなのです。PHILIPPE PACALETワインの、あの独特な美味しさの中には、彼らの気持ち、感情、心、が反映されているからです。几帳面な人、大雑把な人、明るい人、色んなタイプの人がそれぞれの役割を演じ、発揮してくれて2010年のワインが出来上がっています。決してフィップ・パカレ一人でできるものではありません。だからフィリップは一緒に働く人達を本当に大切にしている。 しかし、最も重要であるのはトップであるフィリップの人間としての資質であることには間違いない。今、フィリップは4児の父、長男と長女は思春期を迎えている。下の双子の男子の二人はまだ小学生であり周りを走り周っている。 フランスでは男である主人も子育てには多くの場面で積極的に参加している。だからフィリップも忙しいワイン造りの合間に、子供の送り迎えもやっているし、子供のパリ観光にも時々やってくる。父親としての役をフルに演じている時期でもある。そんな段階にあるフィリップの心情がワインにも少なからず影響を与えているのは間違いない。 今日はロック時代からずっとパカレを慕ってついてきているメンバーもいた。収穫時期とか大事な作業がある時は必ず応援にやってくる人達です。 今日は奥さんのモニカが気合一番のブラジル料理を作ってくれた。ブラジル人のモニカさんが現地から持参したアリコ・ノワールを使っての特別な料理でした。 FAEIGOADAというカーニバルの時にサンバ踊りを踊る前に家族皆で食べる料理だとのことでした。美味しかったです。 アペリティと生ガキに ドメーヌ・ロマノのエルベ・スオが98年に パカレの指導のもとに醸造したアルデッシュの白(ルーサンヌ・マルサンヌ)とパカレのシャブリを合わせた。抜群の相性でした。 ロック時代のクロ・ゴワイヨット90まだ元気で力強かったです。 ボーヌのプルミエ・クリュ・レ・シュアシュ2006年、太陽を感じました。グルナッシュのようなスパイシーさを備えていました。 モルゴンのジャン・フォワラールも美味しかったです。他多数。 進化を続けるフィリップ・パカレ ここ数年のパカレワインは益々心を揺さぶられるワインになってきている! プリューレ・ロックを卒業して、醸造所を立ち上げて10年が経った。当初はヤドカリのように数か所の場所を借りて醸造、熟成をやっていた。5年前にボーヌの街に独自の醸造所を買い取って、ワイン造りにどっしり腰を据えてできるようになった。この時期からフィリップのワインはグンを抜いて数段レベルアップしてきているのを感じる。 人の10倍、脳が動いているフィリップ 物理学者的な研究心が強いフィリップにとって仕事場のアトリエが落ち着いただけで、醸造所のシェやカーヴが毎年の実験室になっている。毎年、天候条件の違う葡萄が醸造所に入ってくる。その葡萄の持ってるポテンシャルを優しく、その年らしいピノ風味を醸し出すには?そしてロック時代より蓄積してきたブルゴーニュのそれぞれのテロワール・土壌を引き出すための一つ一つの作業の精密度が一段とレベルアップしているのを感じる。 ワイン造りの大切な発見を次々と見出している。 ピノ果実味とミネラル感の絶妙なバランスを狙う! 天才パカレのワインは大進化の真っ最中である。 ブルゴ-ニュワインの新しくて古い味覚、つまり1930年から1950年台のブルゴ-ニュでみられたレトロな“ピノ風味とミネラル感(土壌)”の絶妙なバランスがパカレのお陰で復活しつつある。 微生物科学者ジュル・ショ-ヴェ博士の元で書生として数年間勉強したフィリップ・パカレは、ジュル・ショ-ヴェ先生の影響を多く受けている。その後、物理学を学んだフィリップにとって、微生物の働きの神秘と自分の施す作業の精度がもたらす 味覚中のピノ果実味とミネラル感の間連にホントに細かいレベルで多くのことを発見してる。ここ数年のパカレブルゴーニュの精度は磨きがかかっている。 年代とテロワールについて パカレは時々ジュル ・ショーヴェ博士の話をする。 パカレ 『ジュル・ショーヴェ先生はよく云っていたんだ、“醸造家はみんな1945年のようなワインを造りたい!と云う、それは間違いだよ。”と私によく云っていました。』 『だから、その延長で今では、世間の醸造家は果汁を濃縮させたりする作業をしてしまってテロワール(ミネラル感)を失ってしまうんだ。最悪はオスモ(濃縮機)を使ってしまうことだよ。』とパカレは云う。 『濃縮すれば45年のようになると勘違いしている。特に、ピノはそんな単純なものではないんだ!本当にもっと繊細なものなんだ。』 『例えば、最近の年代で云えば、 “2008年はGRAND BOURGOGNE”グラン・ブルゴーニュ” “2009年はGRAND MILLESIME”グラン・ミレジム”と云える。 08の方がブルゴーニュらしいテロワールが表現されているんだ。09年は天気が良くて葡萄も完璧に熟した。濃縮感もあって素晴らしく美味しい。 でも天候の良さがテロワールを隠してしまっているんだ。勿論、時間が経っていけばミネラルが出てくるけど。ブルゴーニュらしいミネラルが出ているのは08なんだ!』 パカレの2008年は、ホントに昔の繊細なピノ・ノワールの復活と云ってよい 素晴らしいグラン・ブルゴーニュのスタイルだと思います。 瓶詰はすべて手詰です。 本日は09年の一部を瓶詰していました。 ここでは、一本一本すべて手で詰めています。そして手作業でコルクを栓しています。 機械は使いません。 素晴らしい一日でした。感謝! PHILIPPE PACALETのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

29
Nov

秋のプイィ・フィッセ、ソリュトル

今はもう秋・誰もいない葡萄園・ソリュトル村、 プイィ・フィッセ村 11月の初旬、ボジョレに行った帰りにマコンからTGVにて パリまで移動する予定だ。マコンからパリまで1時間半という早さだ。醸造元での試飲が長引いて、予定のTGVに乗り遅れてしまった。マコンTGVの駅から10分でここプイィ・フィッセまで来れる。黄葉を見にやって来た。 実に美しい!ほんの1か月半前は収穫で賑わっていた葡萄園が今は人影も見えない静寂の世界が広がっている。 プイィ・フイッセ村 シャルドネの木々が今年の仕事を終えて休息のひと時を過ごしている。 樹液を根に戻し大地に囲まれて、来年の為に鋭気を 養う。

8
Nov

TERRE DOREE-ジャンポ-ル ブランヌ-ヴォ-2010

南ボジョレの孤高の自然派・ジャンポール・ブラン ハーモニー・ド・テロワール、 ドメーヌ・テール・ドレー 大都市リヨンに最も近い南ボジョレの村、シャルネ村に位置している。 ボジョレの自然派の殆んどはモルゴン、フルーリを中心に北ボジョレに多くいる。南ボジョレとしては、ジャンポ-ル・ブランしかいない。孤軍奮闘している。土壌的にも全く異なっている。北ボジョレでは花崗岩が主体、ここでは石灰質土壌である。しかも土も岩盤も黄金色に近い黄色である。 ここでジャンポールはガメイ種、シャルドネ、ピノ・ノワールを栽培している。醸造方法も南ボジョレのようなグラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラシオン・カルボニックをやらない。 ジャンポール『ここの石灰質土壌ではグラップ・アンティエールは合わないんだ。だからすべて除梗しているんだ。ブルゴーニュ・トラディションの醸造方法をとっているんだ。』 確かにジャンポールのガメイの風味は北のそれとは全く違う。南だけど標高が高い為に、よりフレッシュさを残しタンニンのスタイルも確立したバランスになっている。 黄金色の土壌 醸造所のドメーヌの名はテール・ドレー、直訳すると黄金色の土壌。この村の建物はこの土地の岩盤を切り取って造ったもの。だから村の建物全体が黄金色に輝いている。 ジャンポールのワインは他のボジョレとは全く違うスタイルを持っている。この黄色の石灰質土壌からのミネラルがブルゴーニュを思わせる風味も備えている。 ここのシャルドネやピノ・ノワールには熱狂的ファンがいる。そして価格的にも手頃で値ごろ感がある。 ←醸造所   試飲用サロン→ ハーモニー・ド・テロワール、ジャンポール・ブラン・ヌーヴォー2010年 今年も元気一杯なジタン家族が集まりました。毎年同じ家族一同がこの収穫の為に来ています。もうベテランの人も何人かいるのでジャンポールも安心して任す事ができます。 2010年の葡萄は酸を中心に果実味が周りを包んでいる感じになるだろう。 この南ボジョレでも冷夏の為に、収穫が例年より遅れて行なわれました。収穫日の9月最終週は天気に恵まれて、非常に良いコンディションの中で実施されました。葡萄も待ったお陰でよく熟していました。それでも、2010年はフレッシュな酸が中心になります。補糖をしてない為、アルコ-ル度も低めでグイグイいけるヌ-ヴォ-らしい典型的なスタイルになるでしょう。 モザイク的頭脳を持ち、あらゆる種類のワインを造っているスーパー醸造家 お父さんの代からビオ栽培をやっている。だから葡萄の樹は本当に元気が良い。収穫された葡萄自身に活力がある。土壌には微生物が活き活きしている。畑に住む自生酵母も元気がある。だから、当然自生酵母のみで醗酵させている。当然、SO2も収穫時には添加しない。 そこの土壌独特の風味を醸してくれるのは自生酵母だから、大切にしている。今ジャンポールは北ボジョレにも畑を持っている。モルゴン、ブルイィ、北ローヌにも畑を持っている。コート・ロティのワインも造っている。ジャンポールの好奇心はやまない。 ワインもロゼ微発泡ワイン(ガメイ種)、メトッド・シャンプノワ(シャルドネ)、貴腐ワイン(シャルドネ)、ヴァンダンジュ・タルディヴ(シャルドネ)色んな土壌から収穫した葡萄を色んな方法で醸造してしまう。 まるで料理人が色んな素材を使って調理してしまうように。 赤、白、ロゼ、発泡酒、デザートワインまで、あらゆる種類のワインを一人で造ってしまうスーパー醸造家である。 何よりもこんな「ふかふかな」畑で育った葡萄を使って、 ジャンポ-ルが料理したワインは実に美味しい。そして価格も安いから嬉しい。 除梗した造りで醸したユニークなボジョレ・ヌーヴォーを 試してみてください。グイグイいってしまいますよ。 Harmonie des Terroirs のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp Jean Paul Brun のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 株式会社ウェスト・エンド・ジャパン TEL : 04-2628-2597

5
Nov

シリル アロンゾのピュア-ヌ-ヴォ-

天才的アイデアの頭脳を持つアロンゾのピュア・ヌーヴォー 2010も次々と新しいヒラメキで行動を展開する異才 今までは自社葡萄園を持たず、醸造所もそれぞれの醸造元の一角を借りて、色んなアペラシオンのワインを次々と生み出しているアロンゾです。そんなアロンゾが出荷する2010年ピュア・ヌーヴォーはその名のように実にピュアに仕上がりました。比較的、薄めのヌーヴォーが多い2010年の中でも、しっかりした構成を持っているスタイルに仕上がりました。ご期待ください。 シリル・アロンゾのほとばしるヒラメキがいっぱい詰ったヌーヴォーです。ヒラメキが必要な方是非ピュア・ヌーヴォーをお試しください。 葡萄栽培が難しかった2010年でした。しかしアロンゾが選んだ葡萄はきっちり熟成して、健全な状態で収穫されました。 2009年ほどではないけど、そこそこの濃縮度を備えています。 ヴィルフランシュの街に自然派ワイン小売店“P・U・R”を開店 ボジョレー地区で最も大きな街といえばヴィルフランシュの街である。その街にワイン小売店を昨年開店した。シリル・アロンゾは若い時、スイスの有名ワイン専門店で働いていたことがある。一般消費者と直接に触れて、近いところにいる事の重要さを良く知っている。自分達や自然派の仲間が造るワインを販売しながら、愛好家達の生の声を常に聞いていたかったのです。 自分のアイデアでネ-ミング、デザインしたワインをお客が接した時のリアクションを確かめたかったのです。 例えば、フランスのシャンソン歌手のエディット・ピアフが歌った、“ラ・ヴィ・アン・ロ-ズ”をシャレで“ラ・ヴィ・アン・ルージュ”とネーミングしたボジョレーワインを出荷し大人気でした。 いよいよ、2010年はヴィルフランシュの街に醸造所を設置しました。 今年はまだ試作段階の醸造しかしていませんが、その試作が実に素晴らしかった。ほんの僅かな量しか造っていない為今年は、まだ日本出荷は出来ませんでした。来年はご期待ください! 何と来年から、フランス初の自然派ワイン学校を設立いたします。 アイデアが次々と湧いてきてしまう、アロンゾのピュア・ヌーヴォーを是非お試しください! Cyril Alonso のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: ディオニー株式会社 TEL : 03-5778-0170 FAX : 03-5778-0278 www.diony.com