1
Oct

MARCEL LAPIERRE 09 収穫現場レポート

マルセル 『自分が収穫した約40年間で生涯最高に素晴らしい葡萄の状態だった、』 とマルセルに言わしめた収穫だった。 2005年も記憶に残る素晴らしい年だった。 それを上回ることはないだろうと思っていた。 しかし今年はそれ以上のエクセプショネル・例外的な年となった。 私は収穫の初期と後半に3日間密着訪問した。 若者達が元気いっぱいによく働き、よく楽しむ、 この収穫期間はマルセルにとっても特別な日々だ。 収穫期間中は突発的な問題が次々と発生する。 プレス機が故障したり、各種機材が不足したり、人的トラブルであったり本当に続出する。 それらを何も無かったように解決して順調にことを運ぶのがマルセルの役割だ。今年はすべてがうまくいった。 満足そうだった。 47名で4チームの収穫グループを構成している。 それぞれの葡萄区画の熟度に合わせて収穫の順序決定していく。 過酷な労働の後の楽しい夕食と団欒のひと時 マルセルには1チームはプロ中のプロ軍団がいる。 普通の収穫人が一人300KG/日収穫するところを 800KG/日のスピードでしかも確実に良い葡萄だけを選果しながら行ってしまうポペット軍団と呼んでいる。 後は学生や若者を中心にした3チームだ。 朝、昼、晩食を共に過ごす合宿生活が約3週間続く。 朝、7時に共に朝食をとり、7時30分から12時30まで、昼食後13時:30から17:30まで収穫が続く。 仕事は体力的に実にキツイ仕事だ。 夕食と夕食後のひと時は歌ったり、踊ったりの楽しい時間を共にする。 収穫メンバーにはプロ級のミュージシャンがいる。 このひと時がなかったらやっていられない。 そして、この収穫で知り合ってカップルが毎年出来上がる。 実はマルセル自身も奥さんのマリーさんが収穫に来て知り合い結婚したのである。 大自然の中厳しい仕事を一緒にして、朝、昼、夜を共にすると情も伝わるものだ。 収穫―運搬―冷房(冷やし)-アル発酵―マセラッション(かもし)-プレスー最終アル発酵 収穫人は各自大バケツを持ちながら収穫した葡萄をバケツに入れいく。 一杯になると畑に設置してある小型プラスチック箱に移しかえる。 そして、そのケースを醸造所まで運んでいく。 温度が高い場合は、冷蔵庫に一晩冷やしておく。 大型の冷蔵トラックが醸造所に設置されている。 そして、翌日、除梗せず房ごとトロンコニック型の木樽発酵槽に入れられる。 セミ・マセラッションカルボニック方式で発酵させる。 発酵途中、つまりまだ残糖が残っている段階でプレスにかける。 半ワイン・ジュースをさらに発酵槽に戻しアル発酵を継続させる。 キュヴェーゾン(かもし)の期間は造ろうとするワインのスタイルによって違う。 娘カミーユがプレスを担当 2009年はマルセルの娘カミーユがプレス作業を担当。 カミーユは次々と運ばれてくる葡萄をチェックして糖度を測って記録する担当でもある。 木製のプレス機2台をフル回転で行っている。 ゆっくり時間をかけてやる作業である。 カミーユはソムリエでもあり、夏はビアリッツのレストランでソムリエとして研修をした。 長男のマチュは葡萄園から醸造所までブドウ運搬をしながら全体の流れを管理。 マチュは05、06、07、08、09と5年目の収穫だ。 既にマルセルが40年間で経験した最良の年と最悪の年を経験したことになる。なぜなら07、08の2年間は雨、雷・雹、湿気、ベト病と最悪の年だった。 05、09は例外的な最良の年だった。 身をもって後継者にやるべきことを共有しながら教えられたことはマルセルは大満足だ。 マチュにとっては掛け替えのない経験となった。 マリーさんは収穫現場の隊長だ!収穫人の葡萄園から葡萄園の移動や収穫状況をチェック 収穫人が葡萄園を移動する時はマルセルも駆けつけて、 収穫状況をチェックして、みんなを元気付ける。 2009年エクセプショナル・特別な収穫終了の雄叫び!! まるでジャンヌダルクのようだ! 厳しい仕事をやり遂げた、喜びだ!! マルセル・ラピエ-ル の ヌ-ヴォーには 彼らのエネルギーが 入っている!! Marcel Lapierreのワインの情報は、こちらまで: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

28
Sep

自然派の原点マルセルが2009年を語る。

~09年は07.08年とは対照的な年~ 07、08と湿気が多く厳しい年が続いた。 特に08はベト病で苦労した。 収穫中、もう醸造元をやめようか、と思うほど厳しい年の収穫だった。 普段の2倍の人を動員して2倍の日数をかけて厳しい選別作業を実行しながらの収穫だった。 厳しい年程醸造家の腕が光る。 選果を葡萄園での収穫時と醸造所での2段階で実に厳しくやったお陰で08は結果的に素晴らしいワインが出来上がった。 2009年はほぼ完ぺきな健全度の高い葡萄が8月の段階でできていた。 6月よりの晴天続きが乾燥ぎみで8月後半にはやや焼け始めたり、 葡萄粒内の水分が不足した葡萄房が目立ち始めた。 しかし、9月1日に恵みの雨が37ml降ってくれたおかげで素晴らしい葡萄になった。 選果作業が殆どいらない年だ。 しかし、一部の暑さで焼けた葡萄は取り除く必要があった。 ~2009のヌーヴォーのスタイルは?~ 完璧に健全な葡萄がとれた年しかできないエレガントなスタイルにするつもりだ! 逆に09の太陽を感じさせないエレガントなものに仕上げたい。 アルコール度数も抑えて本当に綺麗な果実味のみを封じこみたい。 最高の年しかできない典型的なエレガント!エレガント!なボジョレ・ヌーヴォーにしたい。 Marcel Lapiere のワインの情報は、こちらまで: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

22
Sep

理想的品質2009年マルセル・ラピエール・ヌヴォー収穫完了

~~~~ この満面の笑顔がすべてを語っている! ~~~~ 今やマルセル・ラピエール・ヌーヴォーを飲まずしてヌーヴォーを語れない時代になった! 自然派ワインを目指して30年 78年から自然な造りを目指した。色々失敗を繰り返し80年にジュル・ショヴェ先生に出会って開眼する。自然な造りを化学物質やワインをカモフラージするような妙なテクニックを使わず自然に美味しいワインを造る方法を伝授された。 地球に良く、造る人にも飲む人にも良く美味しいワイン造りの伝播に半生を掛けてきたムッシュ自然派マルセル・ラピエール。 この人のヌーヴォーを飲まずしてヌーヴォーを語れない。 一時、自然派ワインに批判的だったボジョレワイン委員会も今はマルセルに色んなこと聴きに来るようになった。 外国のワインジャーナリストが来ると委員会が『マルセル・ラピエールのところに行くべきだ。』と推薦、時には同行訪問までするようになった。もう、自然派の域を脱してボジョレの中心的存在の人物と云ってよい。 人にエネルギーと幸せをもたらすヌーヴォーだ! マルセル・ラピエールのワインの中には30年の自然栽培の土壌のパワーと太陽・宇宙のエネルギーを素直に受け入れる葡萄達のエネルギーが詰まっている。そして、何よりマルセルと奥さんのマリーの二人で築いてきた人間の情熱エネルギーが詰まっている。 数年前より長男のマチュも一緒に働いている。 そして、今年はソムリエ試験にパスした娘のカミーユも収穫、醸造に参加だ。ファミリーの幸せなパワーも詰まっている。今年はマルセル・ラピエールのヌーヴォーを飲まずにはいられない。 マルセルと奥さんのマリー

2
Sep

ボジョレ・ヌーヴォー2009年収穫開始!世紀の高品質!

~LAPALU - ラパリュがヌーヴォー・収穫完了!~ 8月27日 快晴の日 ラパリュは自然派のトップを切って収穫を開始、極左、ラパリュと収穫チーム ~ボジョレ地区で最も早熟のブイイ山の南に畑~ 今年は6月初旬より13mmしか雨が降っていない。世紀の年と云われた猛暑2003年の乾燥度を超える勢いだ。幸いにも冬に降った雨のお陰で地下の深いところには若干のストック水がある。 最終段階の葡萄が熟すのに水は大切な存在だ。 ラパリュは長年の自然栽培のお陰で根っこが地中深く入りこんでいる。しかも葡萄の樹齢が最も若くても60歳を超えている。 この程度の乾燥ではビクともしない。 順調に光合成がすすんで、糖度もアントシアン色素もバランスよく熟した。 ラパリュ 『2003年の同じ時期にアントシアン・色素1500だった。今年はもう1600までいっている。つまり03年以上だ。』 『これ以上待っても得るものはない。だから収穫を決意した。』 ジャンクロード・ラパリュの畑は、なだらかな丘の頂上にあり、朝から夕方まで一日中太陽が当たっている。しかも、ブイイ山のお陰で温暖な微気象がここには存在している。ボジョレ中で毎年、もっとも早くこの畑が熟す。 だから、ヌーヴォー向けにはいつもここの畑が使われる。 ~葡萄の健全度は完璧だ!今年は選別作業は必要ない。完璧な状態だ!~ ワインは収穫が終わるまでわからない。 とよく云われる。こんな健全で完璧な葡萄がとれたのは2005年以来だ。 毎年湿気で腐った葡萄をよく選別する必要がある。今年は殆どない。猛暑の影響で少し焼け気味の葡萄がある程度だ。 こんな完璧な葡萄はしばらく見たことがない。特に07.08はベト病でやられた葡萄が多く 選別が大変な年だった。 他のボジョレ地区では約1週間後に収穫が始まる。その間に何が起きるかわからない。 ラパリュは最高の葡萄を収穫完了した。 ~ボジョレ・ヌーヴォの原点はここだ!~ ジャンクロード・ラパリュは語る。 『もともとボジョレ・ヌーヴォの原点はこのブイイ山の南側のこの地区が元祖なんだ。最も早く葡萄が熟す早熟のこの地区が原点なんだよ。ボジョレ中で最も早くワインが仕上がるのがこの地区だからだ。 今でもよく覚えているよ、お爺ちゃんができたてのワインの樽を馬車に乗せて、ヴィル・フランシュの町や、リヨンの町のビストロに届けていたんだ。』 『その頃は解禁日なども決まっていなかったので、早くワインが仕上がったもの勝ちだったんだ。最も早く葡萄が熟す地の利は決定的に有利だったんだ。他の地区では仕上がるのが遅いので勝負にならなかったのだ。』 毎年、他の地区より収穫が1週間から10日ほど収穫が早い。 納得だ。 ~2009年ボジョレ・ヌーヴォー収穫情報・ラパリュNO2~ ~自然派の収穫はいったいどんな風に?~  体育会系合宿所のような感じ ドメーヌ・ラパリュの収穫をとうして、自然派の収穫がどんな風に行われるのかをリーポートしたい。 ラパリュは、今年22人の収穫人を集めた。半分ぐらいは前年も収穫したメンバーだ。ブルターニュ人、リヨンの学生、北フランスの若者などフランス中から集まってきた。約2週間ほど続く。毎年おばさんの家を借りて収穫人のための宿舎として提供している。朝、昼の食事はラパリュの奥さんが22人分用意する。奥さんにとって、この2週間は大変な作業だ。    自然な造りの為に初日の指導が重要 自然派は醸造中にSO2を添加しないので健全な葡萄のみを収穫籠に入れなければならない。 腐った葡萄が入ってしまうと雑菌が入ってワインがダメになってしまう。だから、収穫初日の指導が非常に大切な仕事となる。発酵中SO2を使用すれば殺菌されるのでこんな苦労をする必要はない。 でも、SO2を大量に使用すれば自然酵母も死んでしまう。自然酵母が土壌の本物風味を醸してくれる。だからジャンクロードは2倍の労力がかかるけど完璧な葡萄のみを収穫するように収穫人に指導する。本物の土壌風味のためだ。 収穫人は丸い籠を持ってひと房ひと房を壊さないように籠の中に入れる。 22人中、20人が収穫する役割、2人は収穫された葡萄をカジェットと呼ばれる底の薄いケースに葡萄を詰めてトラックまで運ぶ役割、ポルトゥールとよばれる仕事だ。 葡萄をいかに潰さないで完璧な状態で醸造元まで運ぶか?が非常に大切な作業となる。 ポルトゥールは経験者のベテランが担当する。全体の流れや スピードをみての判断が必要だ。 収穫の仕事は体力的に実に厳しい仕事だ!スクワット運動を一日に500回以上はやる! この姿勢から次の葡萄木までは立って移動しなければならない。 つまりスクワット運動の連続となる。 一日の後半になると疲れがたまってくる。 皆で歌ったり、ふざけたりして勇気付けないとやってられない。 これでチームの雰囲気が一挙に明るくなって打ち解ける。仕事はきついけど、楽しい2週間の合宿生活は 良い思い出になる。この収穫で知り合って結婚するカップルが 多いのである。 葡萄を切るのはセカトゥールと呼ばれる特殊なハサミだ。 慣れないと自分の指を切ってしまう。 さすがに、午後は腰が痛くて寸暇の休み時間は横になりたい。 初日が最もきつい。 3日目からは体が慣れてくる。 私も若い頃経験があるけど初日で逃げ出したくなるほどだった。 葡萄園から葡萄園までの移動は集団トラックだ。 朝、7時30~12時まで、14時から18時まで収穫は続く。 Tシャツに染みた汗を絞る。 一日の仕事が終わってトラックで宿舎まで帰る時は体は疲れているけど、 最高の気分だ。 自然の中での仕事は、何故か充実感がある。 帰りのトラックは歌を合唱だ! ラパリュ醸造所 醸造所では朝10時ごろまでは気温が14度ぐらいだった。 朝収穫した葡萄はそのままグラップ・アンティエール(房ごと)発酵繅に入れられる。 午後、気温が30度まであがった。 午後、収穫した葡萄は冷蔵部屋(13度)に入れて一晩冷やしてから、翌日発酵繅に入れる。 自然派のSO2無添加のワイン造りには大切な作業だ。 温度が高いまま発酵すれば一挙に雑菌が増殖してダメになってしまう。 一晩冷蔵室で 冷やす。  彼らの喜びがワインに入っている。大切な事だ! 今年のラパリュヌーヴォーは見逃せない!! 太古の昔、火山帯だった、ボジョレ地区の土壌。 ~天と地と人が葡萄を育ててくれる。~ 自然栽培された葡萄木の根がローズ色の花崗岩のエネルギーをワインの中に注入してくれる。 太陽や遠い宇宙の星の光を受け止めて、宇宙の光子エネルギーを光合成することで萄房や糖に変えてしまう健全な葉。 邪念のないジャンクロード・ラパリュが自然に天と地の送りものを、醸造でボジョレ・ヌヴォーに変えてくれる。 ラパリュ・ヌーヴォーはエネルギーが詰まっている。 Jean Claude Lapalu のワインの情報は、こちらまで: オリゾン Tel : 03-5565-5884 Fax : 03-35565-5886

22
Juil

ロックで磨いた腕をフルーリーで花を咲かすニコラ・テスタ

~ ピノノワ-ルの真髄を知り尽くしたニコラがガメを醸す ~ ジル・ジャイェで2年間修行した後、2000年にプリューレ・ロックに入社。1年間は天才フィリップ・パカレと2人でロックを造った。2001年からはパカレの後を引き継ぎ4年間、ロックを造った男である。パカレの後を見事にロック風味を成功させた。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、クロ・ド・ヴージョなどブルゴーニュの特級畑を醸した経験は実に大きい。 ロマネ・コンチオーナーでもあるアンリー・フレデリック・ロックと共に試飲した年代もの(まだ化学物質が栽培・醸造に使われていなかった時代)のブルゴーニュワインの味覚は体の芯まで覚えている。アンリー・フレデリック・ロックは大切な顧客が来ると惜しみなく年代ものブルゴーニュを開ける。そんな時はいつもニコラは呼ばれてソムリエ係を担当していた。当然パカレの造ったワインもよく飲んだ。体全体でピノの真髄を憶えている。そのニコラが今、ガメを醸している。 ~ 大草原の小さな家いやフル-リ-葡萄園の小さな醸造蔵 ~ フル-リ村から山手に入っていき、途中からは農道を右に曲がり、さらに小さな農道を左に曲がると写真の蔵が見える。毎回道を間違えてしまう。 今回は小さな看板がついていた。 ニコラとはロック時代からの付き合いだ。実に真面目でコツコツやるタイプ。若いのに人を包み込む大きさをも備えている。兎に角、人が良い。 お茶目なお笑いの雰囲気を持っており、醸造元仲間に愛されている。 ピンチはチャンス!! 2008年は雹にやられた。その影響もあって、今年も葡萄の数が極端に少ない。よく枝と葉をかき分けないと葡萄房がみえないほどである。 ニコラは逆にファイトを燃やしている。何故なら、濃縮された葡萄が収穫できそうだからだ。ピノ・ノワ-ル好きのニコラはこの地でピノッテのガメを造ろうとしている。 親友であり、兄貴分のラパルュが2005年に雹にやられた年は、残された少量の葡萄が濃縮して、まるでピノ・ノワ-ルかと間違うようなワインに仕上がったのをニコラは知っている。 ピンチはチャンスだ。 ピンチを逆手にとって自分の夢を実現しようとするニコラ。 BEAUJOLAIS NOUVEAU 2008年ボジョレ・ヌ-ヴォ- 爽やかで、フレッシュで、軽快な ワイン。グイグイいける果実味だ。 ヌ-ヴォ-も今時ロゼ代わりに 夏場に冷やして飲むと実に美味しい。 まさに、VIN DE L’ETE 夏ワインだ。 左のラベルは料理人 GERARDの特別ラベル ← AOC BEAUJOLAIS 2008年残った葡萄をかき集めて仕込んだワイン。ミネラル感もしっかりあり、真っ直ぐなワイン。これも夏に冷やして飲みたい。 ⇒ AOC BEAUJOLAIS VILLAGES ヴィラ-ジ08はミネラル感プラス軽いボリュ-ム感もあり、フレッシュな果実味、これもやや冷やして飲みたい。 ← AOC FLEURIE フル-リ2008 このワインこそニコラが、パッションでピンチをチャンスに変えたワインだ。ミネラル感が素晴らしい。限りなくピノに近いガメだ。お勧め! ⇒ AOC BROUILLY ブルイ ニコラの醸造はすべてブルイで行っている。ラパリュの隣の畑だ。ラパリュと共同で畑仕事を行っている。酸、ミネラル、果実味のバランス最高                    VDT GAMAY PLUS GAMAY  ガメ・プリュス・ガメ2005年 熱烈なピノ・ファンのニコラが醸すガメ ニコラの入魂の一本だ!         ネ-ミングもガメ+ガメ=ピノノワ-ルとでも云いたいのがよく解かる。 ブラインドで試飲すれば濃縮感、ミネラル感、酸を含んだ果実味があり、心地よいワインだ。              ニコラが初リリ-スしたフル-リ AOC FLEURIE 05 フル-リ- 瓶詰めしたけど、還元が強かったので、販売しないで現在まで寝かしておいたもの。約4000本そのまま残っているワイン。まさに、これこそブルゴ-ニュのクリュを思わせるピノだ。これは絶対にお見逃しなく! まだ、何処にも出荷されていない。近日中に出荷予定。 ~ 今、ボジョレで一番の幸せな二人 ~ ロック時代に知り合った2人に昨年ベビーが生まれた。 カロルは長年パリのカーヴ・オジェで働いていた。カーヴ・オジェの看板娘で大人気だった女性だ。 その彼女をニコラが略奪した感じだ。そんな2人に生まれたベービーはワイン天才のDNAを備えている。 テースティングの超エリートだ。 1歳3か月で既にブラインドで品種を当てる!? スセットの代わりにコルクをしゃぶる。 しかも、ワインの液面に触れていた方をしゃぶっている。 天変地異もなんのその!笑顔絶やさず 2008年は8月の収穫直前に雹が降ってフルーリーはほぼ全滅状態。 それでも、数少ない葡萄を収穫して最終的に例年の25%ぐらいはワインが出来た。 経済的にも、かなり厳しいにも関わらずこの2人はいつもニコニコしている。 根っからの楽天家カロルさんお陰だ。 何と今年の5月にも雹が降って被害にあった。 畑が真白になるくらい降った。 今年もまた50%ぐらい失いそうである。 それでも笑顔を絶やさない。 ~ ラパン(ウサギ)のヌイグルミとコルクが大好きなジュスティ-ヌ ~ パパのワイン美味しいよ!幸せが一杯詰っています!! Nicolas Testard のワインのお取り寄せはこちら: 株式会社オルヴォ TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : tanaka@orveaux.co.jp TOPページ

5
Juin

Christophe Pacalet*クリストッフ・パカレ、ボジョレーの期待の星!

パカレ・・・パカレ・・・パカレ・・・ 誰もが知っているこの名前・・・ でも皆さん、このクリストッフ・パカレ氏をご存知ですか・・・? そうです! 彼はあの有名なフィリップ・パカレの従兄弟なのです! しかも彼の叔父さんはあの偉大なマルセル・ラピエール氏! 優しくて大らかな雰囲気はまさに叔父さん譲りでしょうか?! 何でも一生懸命に答えてくれる、笑顔がプーさんのような素晴らしい方です! 彼は18歳のとき、高校卒業と共にリヨンで生化学の学校へ進学。しかし生化学の勉強はつまらない!と思い始め、料理の道へと転身。そして19歳から23歳の間、リヨンでシェフとして働き始めます!1998年までは、オフシーズン中(11月から4月)、カリブ海の島、アンティーユという島でシェフとして働き、5月から9月の間は、ラピエール氏の収穫を手伝いながら、ワイン醸造を学びます。(何てラッキーな・・・・!) この頃、ちょうどクリストフはアンティーユで自然派ワインを紹介し、売り始めます! 『皆自然派ワインを気に入ってくれて本当に嬉しかったな。そのころアンティーユでワインを購入してくれていたお客さんから『何故シルーブルやブルイィーは自然派で美味しいワインがないのか?』と聞かれ、私はハッとしたんだ。皆こういうワインを求めている。じゃあ自分で造るしかない!と思って自分のドメーヌを設立することを決心したんだ。ちょうどその頃私は今の奥さんと出会い、島へ戻るか、フランスに残るか迷っていたからちょうど良かったんだけどね!』 と言う事で1999年に彼のファーストヴィンテージが誕生しました! *** ここでちょっとした『ボジョレー・レッスン *** 『ボジョレー地区で最も綺麗な区画は Côte de Py の丘に在る区画なんだ。 そして平均45hL/Haの収穫量が最も美味しいボジョレー・ワインを生み出すんだ。でもここでは植え付け密度が10000株/Haの上、ガメイが昔のように売れないので、根を切りなさい!とINAOに言われるが、根を切ればブドウ木の競争率が低くなる。そうするとブドウの実が逆に増えてしまう。 矛盾していると思わないか?』 確かに・・・・ *** そしてブドウ品種について! *** 『ガメイ品種と最も相性の良い土壌は、まさにボジョレー地区の、やせている花崗岩質の土壌なんだ。 しかもガメイはつる植物なので硬い岩の上でも根を張れるんだ!』 *** ワイン造りについてはどうなのでしょう? *** 『私は自分で選んだ区画以外のブドウには興味がありません。樹齢が古く優良な区画を選び、健全で理想的なブドウを収穫するため、栽培者との間にぶどう栽培における仕様書を作成したうえで、契約をしています。どんなに天候が悪く、収穫量が低くなってしまっても、他のブドウは購入しないんだ。それだけ自分が選んだ畑のブドウが好きなんだ!』 と笑顔で教えてくれるクリストッフ! 『私は毎年同じ区画のブドウは同じ樽を使って醸造しています。その際、残糖が15gr/Lの時点でバリックへ移すと、天然酵母が再度元気になり、良い発酵が再スタートするのです。醸造の時、大樽を使用するほうが楽なのだが、バリックの方がより多くの味わいが引き出され、複雑なアロマに仕上がります。そして熟成中、木樽で寝かせると、オリがきれいに下に沈むのだが、ステンレスタンクを使用すると、タンク内で静電気が常に動くため、オリが舞ってしまうので私は使いません。ガス抜きはアルゴンガスという、希ガス(不活性元素)の中でも最も空気中に占める割合が大きいことで知られるガスで行っています。窒素よりアルゴンを使用したほうがアロマが飛びにくいと、ジュル・ショベ氏が発見したのです。そして仕上げに、樽の底部のみ粗いフィルターをかけて終了です!』 最高にナチュラルなワインを造ろうと手掛けているクロストフ。醸造中、色々と手を加えるのが苦手! 『私は色素やタンニンを抽出する事は全く考えていません。むしろタンニンの繊細さを引き出すことが重要だと思っています。』 *** 2008年ヴィンテージ *** 『冬がとても寒かったので、澄んだワインが出来ました! しかし4月には雹がかなり降り、通常の生産量の2/3が被害にあってしまった・・!』 AOC Beaujolais Villages 07  素晴畑はクリュ・ボージョレーの直ぐそばにある畑で収穫されたブドウ。 フルーティーで飲みやすく、酸味と糖分のバランスが綺麗な一品です! AOC Chiroubles 07 とても濃厚なのに飲みやすい! フルーティーで軽い後味が残り、完熟いちごを思わせるような、甘い香りが特徴的! AOC Chiroubles 08 去年に比べアルコール度数も低め(11.5度)なので、とても軽くて飲みやすいです。 果実身と天然ガスを保つ為、大樽で熟成したキュべです! AOC Côtes de Brouilly 07 なめらかで繊細。綺麗なタンニンが印象的です! AOC Moulin à Vent 07 3個の区画で収穫されたブドウ。土壌はとても古い花崗岩。 ボジョレーでも一番評判が言いキュベ。 綺麗な酸味としっかりとした骨格なワインです。 AOC Moulin à Vent 08 フィリップ・パカレのピジャージュの手法をさらに突っ込んで、濃厚さと深みを引き出した一品。 まろやかで蕩けるようなタンニンが美味しいです! クリストッフ・パカレのワインへの問い合わせは: BMO株式会社  TEL :03-5459-4243 までお願いします! 畑には長さ30cm, 直径7cm 当たりの巨大タンポポが!

13
Jan

自然派ワインの父 ジュール・ショヴェ

ワインという名にふさわしいワインを造ることに、一生を捧げた人 パリがドイツ軍の占領下にあった時、ロンドンで『私がフランスだ!』と云放ったあの偉大なるフランスのド・ゴ−ル大統領が毎日飲む日常ワインとしていたのが、ジュル・ショヴェ氏の造ったボジョレだった。偉人は偉人を知る。 ネオポ−ル氏 『ショヴェ博士は“ワインという名にふさわしいワインを造ること”に、一生を捧げた人です』 人間として、学者として、醸造家として多くの人に尊敬された人物の“人となり”を色んな本に書かれた文章や、記事を集めて、また人の話を聞いて連載をしたいと思います。 まず、第一回は1981年にインタヴュ−を受けた時の記事を抜粋して、そのまま載せたいと思います。ショ−ヴェ氏が亡くなったのは1989年、その約10年後にインタヴュ−のテ−プがショ−ヴェ氏の弟のところに送られてきた。スイスの醸造家でもありワイン研究家でもあるケセルリング氏とのインタヴュ−の生テ−プでした。そのテ−プを基に一冊の本が出版されました。その抜粋記事を数回に分けて掲載します。ショ−ヴェ氏の人となりが浮き彫りにされています。 〜ジュル・ショヴェ氏 と ケセルリング氏 との 対談 N°1〜 どうしてこの仕事を選んだか? ケセルリング氏 — ショヴェさん、どのようにして、この仕事を選んだのですか? ショヴェ氏 — 周りの環境と共に、自然にです。 ケセルリング氏 — あなたの父親……? ショヴェ氏 — そうです。私の曽祖父、祖父、父に渡ってです。 ケセルリング氏 — しかし、以前、ベルリンでワインの勉強をしたことは無いですよね…? ショヴェ氏 — いいえ、全く。後で… 後になってからです。当然、本来の学業(化学)を終了した後、この職業(醸造栽培者)を学び始めました。それから、ワインに興味を持ち、疑問を抱き始め… かなり深くまで研究するようになりました。 ケセルリング氏 — それは、天性? それとも、父親の死後からですか? ショヴェ氏 — いいえ、私がワインの幾つかの病気について疑問を持ち始めたのは、父が亡くなる前からです。知人達と資料を検討しても、根拠のある解答が得られなかったので、さらに深く研究は進みました。いろんな面を検討していくうちに、大変奥深くまで追求するようになりました。 ケセルリング氏 — しかし、バカロレア(高卒兼大学入学資格)終了後、更にワーバーグ氏のところで勉強したんですよね? ショヴェ氏 — そうです。バカロレアの後、独学しました。 ケセルリング氏 — どうして、ベルリンのワーバーグ氏のところへ行ったのですか? ショヴェ氏 — ああ、それはですね、以前、私はリヨン大学理学部の生化学研究室で勉強していました。そして、疑問に思った問題の解答を探究しようとした時、このリヨンの研究室に行ったんです。数年、ここにいましたが、どうも納得がいかず、不十分だったので、ベルリンへ行くことにしたんです。 ケセルリング氏 — それで、ベルリンでの研究課題は? ショヴェ氏 — ワインにおいて、鉄が存在する場合としない場合での微生物の成長の違いを知ることでした。ワインが鉄を含まなくなった時、ワインのミコデルマ細胞も増大しなくなることが観察されました。この時点で中断し、ここで、鉄の役割は何かと考えました。 ケセルリング氏 — その微生物の成長において…… ショヴェ氏 — そうです。つまり、この微生物は好気性であるため、そのエネルギーを活発にし成長させる、酸素伝導体の酵母に鉄が作用したという訳です。当時、ベルリン研究室では、鉄基、お呼吸色素について、かなり詳しく研究していたので、私は、さらに追求し続けました。 ケセルリング氏 — どんな種類の鉄ですか? ショヴェ氏 — ヘマチン鉄です。血液やヘモグロビンの中に見られる鉄です。これは、異常に複雑な鉄で、テトラピロール鉄(ピノール4基鉄)と呼ばれるもので、生きた生物や動物や植物の中に見られることから、自然界に一貫性が存在することを知りました。 研究について ケセルリング氏 — では、2番目の質問です…… 研究の準備についてですが… どんな準備をしたんですか? ショヴェ氏 — ともかく研究! 随分深く研究しました。研究室でも、当然、仕事でも… 生じる事を理解しようとしました。いいですか、これは研究なんです。準備と言われてもわかりません。ただ、非常に研究勉強したことだけはわかっていますが…それだけです… ケセルリング氏 — 多分少し、簡略かもしれませんが、これは、化学者のための要約紹介ですから、もう少し具体的にこの質問に答えて下されば… ショヴェ氏 — 私は、化学を沢山勉強しました。生態学も沢山勉強しました。物理学も、その他にも。あらゆる全ての科学に興味があったんです。 ケセルリング氏 — そうですね。当然、ワイン醸造学と言えば、いろんな全てのことが絡んできますからね… ショヴェ氏 — 科学すべてにです。 ケセルリング氏 — ちょっと、うわべをかじって… ショヴェ氏 — ちがいます… 上辺をなでることが、全部を知ることではありません。一般的基礎知識がなければいけません。ワイン醸造学を始めるには、多くのことを知らなければなりません。沢山のことを知る必要があると思いますが、わたしは、多くの知識が無かったので、大変勉強しなければなりませんでした。 ケセルリング氏 — しかし… わかりません… 全ての分野を勉強し準備する時間などありませんから、良く考えて選択する必要がありますね。 ショヴェ氏 — 良く研究しなければなりません。 ケセルリング氏 — そうは言っても、ともかく、その都度その都度選択して行かなければ。 ショヴェ氏 — ええ、その通りです。選択しました。醸造学を始めるのに、他の科学分野を沢山勉強しなければなりませんでした。それだけです。 何がそんなに魅了したか? ケセルリング氏 — わかりました。では、3番目の質問をしたいと思います。魅惑です… ショヴェ氏 — 《研究するにあたり、何がそんなに私を魅了したか?》と言う質問ですね。 ケセルリング氏 — 有触れた質問なので、私が言う前に見抜かれてしまいました。(笑)そんなに私的なことでなければ…  ショヴェ氏 — 研究… 何の研究でですか? ワインの研究ですか? ワインを説明するために行った研究ですか? わかりません。でもこれだけは確かです。私を魅惑したものは、ワインです。明確です!しかし、ワインの他に、とりわけ生物学に魅了されたようです。生物学はワインであり、ワインは生物学です。どちらでも好きなように取って下さい。しかし、私は、この2つを少し混同しました。ワインを醸造するためのワイン研究が、微生物学者の研究であることは確かです。生物学者の研究です。そして、これを理解したいならば、生物学を深く勉強する必要があります。それで、私は、生物学を勉強している内に、生物学に魅了されたんです。わかりますか? ケセルリング氏 — つまり、ショヴェさんは、仕事において、研究の関心が自然な興味につながり、嬉しく思ったんですね。 ショヴェ氏 — ええ、そう、そう、そうです。ワインが、私を生物学へ導いたと思います。 ケセルリング氏 — その逆ではないんですね…? ショヴェ氏 — いいえ、とんでもない!先ず最初に、ワインが私を生物学へ導き、それから、生物学をかなり詳しく研究するようになったんです。けれども、ワインから離れずにです。つまり、常にワインがそこにあることを見失わずに、生物学を勉強し続けました。そして、ワインを理解するために、学んだ事を使うようにしました。しかし、ここではっきり言えることは、私がまだまだワインをわかっていないと言うことです。 ケセルリング氏 — それは、決して到達しない目標だと思います。あえて考えようとは思いませんが… ショヴェ氏 — 確かに。まだまだ発見すべきことは沢山あります。 ケセルリング氏 — もっと大変複雑な… ショヴェ氏 — ええ、もちろん… ケセルリング氏 — 私にとって、生物学は、常に創造の表現です… ショヴェ氏 — その通りです。 ケセルリング氏 — 今朝、話したことですが、大宇宙の創造よりも遥かに複雑かもしれないと言うことですね。そして、同じ位… いや、さらに魅力的なのは、小宇宙かもしれないと言うこと… ショヴェ氏 — それは、もっと遥かに魅力的なものだよ… ケセルリング氏 — そして、もっともっと複雑な… ショヴェ氏 — つまり、ワインに戻ると、ワインは、この全ての単なる反映に過ぎないのです。しかし、生物学と微生物学を考えると、そこは無限です。 ケセルリング氏 — けれども、微生物学を話した時、ショヴェさんは、ここ数年前から、リンゴ乳酸に興味を持っていると言いました。 ショヴェ氏 — ええ、現在ね。ブレショ氏と共に、酵母に大変興味を持っています。特に、最初、空気の無いところでの酵母成長、嫌気状態の酵母成長に関心を持ちました。酵母をこのような状態にしたまでは良かったんですが、それから中断してしまいました。リンゴ乳酸醗酵に問題が生じたのです。もう、10年ほど足踏み状態で、まだ解決していません。明日直にでも、解決するような訳ではありません。 ケセルリング氏 — 今現在、リンゴ乳酸について、どの点にいるんですか? 要するに、今年の研究予定になりますか… ショヴェ氏 — ええ、現在、私達は有力な仮説を持っています。“細菌がリンゴ酸で作られ、糖では作られない”ことは、一般に言われています。私達は、間接的ですが、これを表すいろんな仮設を考えて来ました。こうなることは考えられていますが、これを証明する必要があります。証明することは、大変難しいです。去年ずっと試みましたが、実験は最後に至りませんでした。大変良く進行していたんですが、最後の段階で、無意識に知らずに、全部駄目にしてしまいました。また最初からやり直さなければなりません。要するに、一年を無駄にしたのです。 ケセルリング氏 — どうしてですか? ショヴェ氏 — 定められた物質を同位元素と一緒にしてみました。これによって当然、同位元素で、酢酸と乳酸物質の中に炭素が著しく見られることを考えていました。実験物ができた後、不注意にもこれらを冷蔵庫に入れてしまいました。寒さによって、染色物質と酒石酸が急増してしまい、放射線を調節することができなくなってしまったのです。これは、クワッシング(鎮圧)現象と言います。英語です。よって、また最初から始めなければなりません。一年無駄にしました。[トラクターの騒音] 日常の仕事は?特に秋はどんなことに集中していますか? ケセルリング氏 — では、4番目の質問に… ちょっと、これは… 毎日、どのように過していますか? ショヴェ氏 — …ですから、研究、研究に明け暮れています。(笑) ケセルリング氏 — 質問5… 秋の季節は? ショヴェ氏 — 収穫時期は選択です… もちろん、多くの時間が費やされ、言ってみれば、常に緊張の高まる不安な時期です。収穫されたブドウから、どんな性質のワインができるか全く分らないからです。いつも《どうなるか?》と言うことです。これは、非常に興味深いことです! まあ、あなたも同じ問題を持っていると思いますが… [聞き取り難い] ケセルリング氏 — できたての若いワインの判断、これは、常に昔と同じように思います。醸造栽培者のカーヴへ入る以外に方法はありませんよね? ショヴェ氏 — もちろん。つまり、新酒ができた時点で、できたての若いワインを判断しなければなりません。 ケセルリング氏 — この時、少しでも分析が役立ちますか? それとも、とりわけ臭覚ですか? ショヴェ氏 — ワインの構成を明確にするために分析します。失敗が無いように、ワインに糖やリンゴ酸やクエン酸などが含まれていないようにするためです。その後は、試飲するのみです。 ケセルリング氏 — とりわけ試飲ですね… ショヴェ氏 — いや、ひたすら試飲のみです! どんな風にワインテースティングをしますか? ケセルリング氏 — 読者の皆さんの為に…どのようにカーヴで試飲するのか説明して頂けますか? ショヴェ氏 — 私は、絶対にカーヴで試飲しません。外で、太陽の下で、つまり、日中に試飲します。 ケセルリング氏 — ショヴェさんが、どのように試飲の準備をするのか、多分、読者にとって興味深いことと思いますが… 私のアメリカの友人によると、ワインを試飲する前にビールを飲むのが、舌の準備に良いとのことですが… ショヴェ氏 — そうですね、考えられます。やったことが無いのでわかりませんが…でも、大いに考えられると思います… しかし、準備を良くしたいならば、食事の少し前に、つまり、食事に近くなった頃に、試飲するべきだと思います。何故か? それは、ちょうどこの頃に食欲が湧いて来て、感受性が高められるからです…そして、もっと良く準備したければ、この時、幾つかワインを試飲することです。これをデギュスタッション・ア・ブラン(空試飲)と言います。つまり、記憶に留めないで、単に感覚器にエンジンを掛けるための試飲です。当然、試飲前の感覚器は、休眠中です。ここで、分り易く例を取って比較する必要があります。陸上で100mを走る時、寝起きからいきなり走ることはしないでしょう。起きて、それからトレーニングを始めますよね… 同じ様に、試飲前もトレーニングする必要があります。 ケセルリング氏 — これは、恐らく、最初のワインの試飲に必ず戻ることだと思います。私の経験によると、試飲ワインの全体の中で、一般に、最初のワインは、うまく十分に判定されません。 ショヴェ氏 — そうですね。正確には、記憶に留めない試飲を幾つか行い、感覚器を呼び覚ましてから,本番の試飲を開始すべきです。又、他にも理由があります。つまり、全てのワインは、ワインの匂いがし、ワインの味がします。ですから、同じ香りを長い間嗅いでいると、疲れの現象が出てくることは、あなたも知っていると思います。つまり、香りが感じなくなることです。例えば、パン屋は、仕事場にいると、パンの匂いを感じなくなります。豚肉屋は、豚肉製品の匂いを感じなくなります。つまり、続けて5〜6本のワインを試飲すれば、ワインの香りがもう感じなくなると言うことです。しかし、ここにはもう疲れはありません。ワインのあらゆる微妙な違いを感じなくなった疲れとは違います。ワインの香りは消え、あなたが識別したいものだけが感知されます。従って、試飲の原則は、こんな風に考えられます。食事時に、昼間、外で、できれば、太陽の下で試飲することです。太陽の光が脳の下垂体に働きかけるからです。時々、この光で下垂体が食欲を刺激し、間接的にとても豊かな感受性をもたらすことがあるからです。このようなことは、全て明らかにされていることです。これが試飲における準備です。そして、できるだけ、ワイングラスを正確に選び、喫煙せずに、食べずに、話さずに、静寂の中で試飲すべきです。本当に、精神を集中させなければいけません。

16
Déc

ニコラ・テスタールへ10個の質問!

« ワインの香りと味は、テロワールの特徴と自然から生まれるアロマを尊重していなければ! » *何故ワイン造りに興味を持たれたのですか? 私はブルゴーニュ出身なんだ。そこで小さい頃からいつもブドウ畑で遊んでいた。そうしたら自然とブドウやワインに興味を持ち始めたんだ。学校を卒業した後、即行ブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を始め、その後ジル・ジャイエとも働いたし、プリウレ・ロックのもとでも自然派ワインを学んだよ。 *最も気を付けている栽培でのポイントは? 自然にもブドウ木にも負担を掛けない、優しい栽培が私の目標だ。当たり前の事かも知れないが、例えば殺虫剤や除草剤、化学肥料は絶対使用しない事!後、美味しい自然派ワインに重要なのは、健全で熟成したブドウを収穫する事。ブドウを一房づつ確かめられるように収穫は絶対に手摘み、そして選別は欠かせない作業だね! フルーリーの畑にて *最も気を付けている醸造・熟成でのこだわりは?  う〜ん、皆と同じように、まず亜硫酸は一切添加しない事。そして醸造も自然酵母での醸造。そして木樽、あるいはステンレスタンクで熟成させ、軽く、もしくは一切フィルターには掛けない事かな。自分のこだわりと言ったら、通常は最高12ヶ月間熟成させるガメイを、私はフルーリに関しては18ヶ月間熟成させている。そうすると、10年後にはピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインが楽しめるはずだよ! *ブドウ品種とテロワールの相性は? 畑の土壌は砂・粘土質なんだ。このテロワールの柔らかさが、ガメイに上品さと滑らかさを与えているんだよ。ボジョレーの地区では、区画により畑の土壌質が全く違うから、どのように土壌を上手く生かせるかがポイント。特にガメイは酸味が強い品種。繊細でエレガントなワインを造る為には、ビオ栽培、そしてテロワールを引き立たせなければいけないんだ。 発砲ワインを開けた瞬間! *ボジョレーの気候は? ボジョレーは大陸性気候なので、夏はローヌに似たような天気、そして冬は湿気が多いんだ。けれどもガメイの品種にとっては抜群に良い気候なんだ。 *2008年の気候はどうでしたか? 今年はミルディウーや、8月に大量に降った雹のせいで大変な被害にあったよ・・・87%も収穫量が減ってしまった・・・けれどもその後、収穫時期までは一滴も雨は降らなかった。特に9月4日から25日の間はとても良い天気で、ブドウの熟成度が1℃も上がったんだ。しかもドメーヌは丘の上なので、風が多く乾燥しやすいから、ブドウも乾くのが速い! *ニコラのワインの特徴は? シャルドネはシュナンに似ていて、がメイはまるでピノのようなワイン!友人ともプロの人でも、どんな状況でも楽しめる、喜びや楽しさを分かち合うための飲み物だよ。 *どんなお料理とお勧めしますか? 魚料理やお肉料理、又はアペタイザーに、もしくは楽しいひと時に飲むのがお勧め! *ニコラの趣味や目標は? 自然体のワインをありのまま尊重する事。そして自分の子供や他の人たちにも実のワイン、本当のワインの味を楽しんでもらう事かな。 奥さんのキャロルさんと、6ヶ月のジュスティンヌちゃん *今後の目標は? ビオ栽培へとの転進を完璧に終了させ、綺麗なバランスを保てるよう古い区画の手入れをもっとしたい。他にも、もし出来れば各区画のテロワールの本質を引き出す為、木タンクでいくつかのキュべを造ってみたいな。 パリに在る自然派ワインのお店、カーブ・オジェ*Cave Augéで働いてたキャロルさん。 ワインを開ける瞬間もやはりプロのようです! 愛犬のピノちゃん そしてお父さんとお母さんの笑顔を受け継いだ、愛くるしいジュスティンヌちゃんの3ショット! NICOLAS TESTARDのワインについてのお問い合わせは: オルヴォー(株) TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : tanaka@orveaux.co.jp NICOLAS TESTARDに関する記事はこちらから!

4
Nov

自然派ワインの伝道者:マルセル・ラピエール Marcel Lapierre

ボージョレ地区のモルゴン村と言ったら必ず出てくるこの名前: マルセル・ラピエール。一体何者だろう?といつも思っていた私は、この間やっと彼に会う機会が訪れました! 第一印象は・・・サンタクロース?!に似たおじいさん。優しい笑顔に純粋な目、意外とお茶目?!な面もあり、とても親しみやすいマルセルさん。 けれども彼 、実は凄い偉大な人。自然派ワインの世界では、誰もが尊敬し目標としている人物だ。 このドメーヌはマルセルさんのおじいちゃんが1900年に造り上げたもの。代々継がれていき、1973年にはすでに11haの畑を栽培していたマルセルさん。この時代(特に80年代)は、とりあえず量を増やそうという考えが広まっていました。その為、マルセルさんやマルセルが影響を受けたJules Chauvet*ジュル・ショヴェ氏の、『収穫量が少なく、化学物質をを使わず健全なブドウを育てよう』と言う考えは一般的に否定されていました。1981年からマルセルは本格的にビオディナミ栽培に切り替え、亜硫酸、人工酵母、化学肥料、除草剤など一切使用しなくなったのです。そして現在。今となり、彼の栽培・醸造方法は確かだったと誰もが声をそろえて主張する。彼は何年後かの地球の環境をもうすでに30年前から見渡していたんです。 このカーブに彼のワインが眠っているのです。 モルゴン07*Morgon 07 には一切亜硫酸を添加していないので、本当に自然中の自然なワインと仕上がっています。複雑感が漂ってくるアロマには、レグリスや赤フルーツ、お花の香りなども漂ってきます。そして何といってもテロワール(花崗岩質)の特徴がしっかりと強調されています。 モルゴン08*Morgon 08 まだマロラクティック発酵が終了していない段階のモルゴンを試飲。お味は・・・まだ酸味が強い!けれどもフルーツの味が口いっぱいに広がります。色もまだまだワインには遠いけれど、クレヨンで描いたようなパステル系な紫色がとても綺麗です。 これはブルゴーニュ地方で良く目にするトロンコニック樽です。この中でグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウのアルコール発酵が12日間の間行われます。 年により、アルコール発酵が終了する3-4日前に、こちらの格子で樽内のブドウを上から押し付けます。これを使うとブドウ果汁に色が付きやすくなるのです。 そして先ほどのブドウをプレス機に掛けます。マルセルのプレス機は昔から使っている木製のプレス機。 そしたら何と少し前までブドウだったのが、液体となって下から出てきます!これはまさに天然ブドウジュース!甘いフルーツの香りがたっぷりです! このタンクの中に今年のボジョレー・ヌーボーが詰まっているのです。ブドウの香りがたっぷり引き締まっています。 『今年は雨や雹が以上に多かった年だ。だから一つの房がまるまる綺麗だったブドウや完璧に熟成度が達したブドウの量がとても少なかった。去年に比べ、収穫量は全然少ないが収穫期間は去年の2倍も長かった(26日間)。今年のボジョレーの品質はブドウの選別にかかっていた。』 と少し悲しそうな顔で語るマルセルさん。『『けれども例年の2倍の時間と労力をかけて完璧なブドウのみを使用して造ったワインは絶品に仕上がるよ !』と最後は自信のある顔に戻ったマルセルさんでした。 Beaujolais の風景 マルセルさんの畑にて 奥さん、 マリーさんと オザミワールドの 杉野さん、 菅野さん、 土居さんと

3
Nov

若きボジョレーの星、ニコラ・テスタールさん − Nicolas Testard

地平線まで広がる大自然が魅力的なボジョレー地区。今日ここを尋ねて来た理由は、期待に溢れた若き醸造家が居ると聞いたからです。 そう、その人の名はNicolas Testard*ニコラ・テスタールさん。 まだ29歳、けれども経験はとても豊富。 小さい頃からブドウ畑で遊んでいた彼は、学校の卒業と共にブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を開始します。その後、2年間ジル・ジャイエと働き、2000年から2005年までプリウレ・ロックのもとで自然派ワインを学びます。 ニコラの情熱さと繊細さに魅力を感じたドメーヌ・デ・ラジャのオーナーは、是非ワイン造りを任したい!と彼にオファーをしたのです。その頃の土壌は、まだ化学物質や殺虫剤を使用していました。けれどもニコラが来たからには畑を浄化しなければならない。そこから彼は任された区画を少しづつビオ栽培の方向へ持っていきました。そして2008年。今年から彼は自分の畑を借り、自分のワインを造る決心をしたのです! 彼の醸造所のドアには、こんな看板が・・・ 『正面の家でよりここで飲んだ方がいいよ』 ニコラのワインは亜硫酸ゼロ。 体に優しく、自然に優しくがモットーです! 小さな醸造所の中は、結構オシャレなデコレーション。 天井には乾燥中の自然派ワインのボトルが沢山! そして壁には栓抜きのコレクションが飾られています! 形、素材、大きさなど色々あり、ニコラも結構こだわりを持っているそうです。 そして試飲開始!彼のトレードマークはこのウサギちゃん。どうして?と質問したところ、 『Les Lapins*レ・ラパン(=ウサギ)と言う区画があるからだよ。この区画には昔ウサギが沢山いたんだ。そして100歳のブドウの実を食べていたんだ。 』との事・・・ そのまんまでした・・・! アノニム07*Anonyme 07 シャルドネ100%、樹齢24年 土壌:粘土・砂質 Vin de Table のラベルには、造り手の名前も品種も書いてはいけないという規則があります。 そして『アノニム』とは『匿名』という意味。アハ〜ン、だからこの名前!と感心していると、ニヤッと微笑むニコラ・・・彼の遊び心がこのキュベの名に出ています。 この白ワインはとてもフレッシュ!シャルドネなのにシュナンのような滑らかな感覚。 キリッとした酸味が、最後に味を引き締めてくれます。 ボジョレー・ヴィラージュ 07*Beaujolais Villages 07 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 ここの土地は他の区画より水の量が豊富。そのお陰で化学栽培からビオロジック栽培の変化を一番スムーズに受け入れた区画です。このワインはとてもパワフル!香りも口当たりも、一瞬吸い込まれそうになるくらい複雑で豊かです。赤肉にとても合いそうな一品です。 フルーリー 06*Fleurie 06 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 フルーリーの畑は、どこにブドウの木があるの?!と思うくらい草がボーボーです。しかしこれにも訳があり、自然に草を生やす事でブドウの木によりミネラル感が伝わっていくのです。このキュベは18ヶ月間熟成されてある為、フルーツの香りがとても強調されています。 そしてもちろんミネラル感あり、爽やか感あり、ピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインです! ボジョレー・ヌーボー 08*Beaujolais Nouveau 08 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 飲んできました、今年のボジョレー・ヌーボー! 第一印象は・・・複雑なフルーツの香りにミネラル感たっぷりなワインと仕上がっています! 今年のボジョレーは亜硫酸の添加も一切無し! 天然酵母オンリーで造り上げたワインは、ナテュラル中でのナチュラルワインです。 そしてこのキュベの特徴というと、アルコール発酵が終了する前にプレス機に掛けているので、より甘さが強調されています。 今ボジョレーでは狩のシーズン!ニコラもお隣さんのラパリュー氏と獲物探しに出ていました。そして野ウサギをゲット! 他にも、いのししやヤマウズラ、キジなどもいるらしいです! そして愛犬のピノちゃんもブドウ畑の前でパシャ! ニコラ ニコラさんの妻、キャロルさん そしてキャロルさんの父 皆で夕日をバックに記念写真! キャロルさんはパリの自然派ワインの店、Cave Augé で働いていました!これぞまさに『類は友を呼ぶ』という感じですね・・・ オザミワールドの杉野さん、菅野さん、土居さんと。 家の前の景色がこんなに心安らぐ場所なのです。 最愛の奥さんと5ヶ月前に生まれたジュスティンヌちゃんと共に、 愛に溢れたワインをこれからも造って行ってくださいね! NICOLAS TESTARDのワインについてのお問い合わせは: オルヴォー(株) TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : tanaka@orveaux.co.jp

2
Sep

テール・ドーレ・ヌーヴォー/ハーモニー・ド・テロワール・ヌーヴォー08 – Terres Dorées

ボジョレの禅僧? ジャン ・ポール・ブランが造るヌーヴォー まさに葡萄園を歩く禅僧の風貌だ!どんな忙しい時でも焦っているところを見たことがない。 ヌーヴォーの出荷時期の11月初旬は毎年戦争のような忙しさだ!瓶詰機械とラベル貼り機械は昼夜稼働している時期がある。 特にアメリカや日本は空輸で、飛行機まで予約されているから遅れることは許されない。 出荷日の一日前になっても準備できてないことがある。 私も立ち会ったことがあるが、寝ずの作業となる。そんな時でも、ジャン・ポールは泰然としている。我々の方が焦ってきてしまう。まさに禅の高僧のような雰囲気だった。 先祖は母方も父方も代々葡萄栽培をやっていた。 代々このシャルネ村に住んでいた。この村一帯が葡萄園ばかりになったのはつい最近の事である。 酪農や他の作物との兼農だった。 葡萄園専門になったのはお父さんの頃だった。 そう、ボジョレ・ヌーヴォーがパリやアメリカなど外国にも出荷されはじめてからだった。その頃に、お父さんがドメーヌ・テール・ドーレを立ち上げた。 最初から有機栽培をしていた。だからこの畑には一切化学物資がはいったことがない。 土壌が生きている。だから、葡萄木に力がある。 ジャンポールの葡萄は美しく、力を感じる。

1
Sep

ゴエミヨで最優秀ヴィニョロンに選ばれたシリル・アロンゾが造る

今、ボジョレで最もホットな男シリル・アロンゾが造るアンセストラル・ヌーヴォー2008 渋みがわかる男 シリル・アロンゾ33歳、今確かな歩みを始めた。年齢からは想像できないくらい人生の紆余曲折を知っている男だ。風貌も40歳は超えているように見える。偶然にはこんな風貌にはならない。 お父さんは、ボジョレの名レストラン、ターブル・ド・シャントレを造り上げた人物だ。ワインとの出会いは子供のころからだ。ワイン学校、ソムリエ、ワイン屋、の仕事を経て20代前半でサヴォワに醸造元を設立。微発泡ワインで一世を風靡する。自然派ワインの世界で微発泡ワインブームに火を付けた男である。 仕事に熱中し過ぎて妻との別離、そして夢の醸造元の閉鎖をも余儀なくなってしまった。 故ジル・ショヴェの生き方に感動 失意の中で援助の手を差し伸べてくれたマルセル・ラ・ピエールと共同でボジョレに微発泡ロゼワインを造り大好評を得る。再スタートの契機となった。マルセル・ラピエールから故ジル・ショーヴェ(自然派の父)の存在を知る。ジル・ショヴェ氏が学者でもあり、醸造元兼ネゴシアンとしても活動していた事実を知るに到って、シリルは決意した。『ジル・ショヴェがやっていた自然派・本物ワインを育てるスタイルのネゴシアンを再生する!』荒れ果てて売れなくてぶどう園が減っていく故郷のボジョレを健全な方向へ再生させる事にエネルギーを集中させることだった。 2008年アロンゾ・ヌーヴォーは繊細なフィネスの年だ!!

29
Août

デコンブ・ヌ−ヴォ− – Descombes Nouveau

モルゴン村 “熊” デコンブ・ヌ−ヴォー 熊のような体格、シンプルで優しい心の持ち主ジョルジュ モルゴン村にはあのマルセル・ラピエ−ルがいる。そしてマルセルの薫陶を受けたジョルジュがいる。ボジョレのモルゴンを語るとき絶対に外せない男である。多くを語らない男である。もくもくとやるべき仕事をこなしていく。日本のサムライ的な心を持ち備えた人物である。葡萄園にいると熊が歩いているようだ。大きなわりには動きが軽ろやかで驚いてしまう。決めたことは、何があっても実行してしまう。どんな壁があろうともズッシリと前に進んでいってしまう。彼はあえて、自分のワインを自然派などと口に出したこともない。当たり前のごとくに自然栽培、自然醸造を実行している。 どんなリスクを負っても決めたことを着実に実行してしまう 『俺はただ当たり前の事をしているだけだよ。地球を汚すような行為はしたくないし、人の体に悪いような造りをしたくないだけだ!ここではお爺さんの頃から変わっていないだけさ!』 AOCの組織から嫌がらせが毎年のごとくきている。AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを何度も落とされかけている。 3年前も出荷直前におとされた。しかも全く理屈にならない理由をつけてだ。彼は絶対に引き下がらなかった。直談判に行って役人達を説得してきた。そんな事を力まず普通に実行してしまう。 熊をしっかり支えている奥さん“ジスレン”の存在は大きい

22
Août

ラフォ−レヌ−ヴォ−2008年 – Laforest Nouveau

ヴェレゾン(色付き)の金メダルはラフォ−レ・ヌ−ヴォの畑 なんて美しいんだろう!!感動!! ジャン・マ−ク・ラフォレのヌヴォ−用の畑はブイイの山の北側に位置するケンシエ村にある。 やはりブイィ山の近辺は特殊なミクロ・クロマが存在している。2008年のボジョレの畑状況は、何処も雹の被害にあったり、ベト病にやられている。しかし、ここだけは特別だ。 伊藤  『今の段階で葡萄の状態はどうだい?』 ラフォレ  『完璧だ!ベト病も少なく、色付きも順調だよ。一緒に畑に行こう!自分の目で確かめたらいい。』 ルノ−のトラックに乗って出発だ。 毎年、ヌ−ヴォ−用はラフォ−レ家の畑で最も早く熟すケンシエ村の畑を使っている。 ブイィの山とケンシエ村の間に位置している。ブイィの山がすぐ近くに感じる。 ラフォレ  『どうだい!素晴らしい葡萄の色だろう!』 ニッコリ笑顔のラフォレ。

21
Août

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年 – Lapalu Nouveau

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年-青い空と広がる葡萄園 コ−ト・ド・ブイィの山の南側に位置する畑 昨夜はリヨンの街に泊まった。 今朝は雲もあるが青空が多い良い天気だ。朝8時にリヨンから高速道路A6に乗り北に30キロほど走ったヴィルフランシュ・シュ−ル・ソ−ヌの北出口で降りて県道43号線をBEAUJEU方面に10分ほど行ったところにラパリュがあるST-ETIENNE-LA-VARENNE村がある。ブイイの山の南側に位置している。ボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑ではこのブイイの丘の周辺が最も早く葡萄が熟すと云われている。 ジャンクロ−ド  『毎年ここの畑が最も早く熟す。今年もヴェレ−ゾン(色づき)が最も早く始まっている。』 伊藤  『本当だ。モルゴンの方はまだこんなに色づいていなかった。』 ジャンクロ−ド  『それでも、去年より1週間から10日ほどヴェレ−ゾンが遅れている。だから今年の醸造はあまり時間がない。色んな事を想定して醸造シュミレ−ションを模索している。』 伊藤  『どんなことを考えているんだい?』   ジャンクロ−ド  『今年は“ピエド・キュ−ヴ”をやろうと思っている。つまり収穫の3日前に少量の葡萄を収穫して自生酵母を活発化して準備しておくつもりだ。特に日本向けは飛行機便まで決まっているので遅れるわけにはいかない。かといって人口酵母を加えるつもりはない。あくまでも自生酵母のみで発酵をやるつもりだ。』 家族の夢と希望が詰った新築したばかりの醸造所

20
Août

パカレ・ヌ-ヴォ−2008年夏の陣 – Pacalet Nouveau

8月中旬、アメリカから帰ってきたばかりのパカレとボジョレを訪問。2008年ヌ−ヴォ-の畑の状況確認と選別の為だ。毎年、モルゴン近辺のボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑で造っている。セルシエ村の畑が中心になっている。 朝、パリから7:30のTGVに乗って9:00時にはマコン駅に到着。1時間半でついてしまう。駅でレンタカ−を借りた。今日から3日間はボジョレに滞在して2008年ヌ−ヴォの途中状況を確認するためだ。初日は、フィリップ・パカレと一日をゆっくり過ごした。 今年のモルゴン、フル−リ近辺は雹の被害にあったところが多い。標高が高いところがやられていた。 そして、葡萄の色づきが遅れている。例年ならこの時期はほぼ黒い色の葡萄房が見られる頃なのにまだほんのり薄いピンク色と青い葡萄が殆どだ。収穫が遅れそうな感じだ。 伊藤  『8月の今の段階ではどうか?』 フィリップ  『まだ、今の段階では何ともいえない。ただヴェレ−ゾン(色づき)が遅れているのが現状だね』 伊藤  『7月は結構暑い日があったけど、8月に入って比較的に涼しい日が続いている、その影響はどうだろう?』 フィリップ  『まだこれからの天候の方が大切だ。それと、ピノ・ノワ−ルとガメ品種はそれほど太陽を必要としていないんだ。かえって、このくらい穏やかな太陽の方がガメらしいガメが出来上がるんだ。だから今年は期待できると思うよ。』 伊藤  『5月と8月に雹が降ったけどその影響は?』  フィリップ  『今年は選別の年だね。葡萄園の選別と収穫時の選果が大事な作業となる。これからの天候に期待だね。』

19
Août

ブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−2008夏便り−Braveliéres Nouveau

ブラブリエ−ルの樹齢100年のガメ−畑、8月13日撮影  今年はテロワ−ルの年になる。 2008年は、葡萄の色づきが遅れている。2007年に比べても1週間は遅れている。ヴェレ−ゾンと呼ばれている色づき、(葡萄の皮が色づくこと)が始まってから45日間程で収穫が始まる。2008年は収穫が9月中旬から9月25日頃になると予想されている。 ヌ−ヴォ−は出荷日が既に決まっている為に遅れることが許されない。アルコ−ル発酵やマロ発酵が順調に速やかに進むことが大切な年になりそうだ! 特に自然派は補糖もしないし、人工酵母も添加しないので順調に進んでくれることを祈るばかりだ。 2008年は夏の太陽が現在のところ例年より少ない。つまりテロワ−ルが表現しやすい年になりそうだ。 太陽が強い年は、葡萄が良く熟して果実味が主体のワインとなり、テロワ−ルをマスクしてしまうことが多い。2003年、2005年がそうだった。今年は果実味よりテロワ−ルが勝るワインになりそうだ。醸造元の畑と腕の違いが明確になる年になりそうだ。  今年のブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−は樹齢100年の葡萄を使用

5
Août

『ラパリュ・ヌーヴォー』 Lapalu Nouveau 今年も楽しみ!

「ジャン・クロード・ラパリュ」 ガメを知り尽くし、最高のボージョレを造る男だ。 彼のブドウ畑から最新情報が入った! さっそく現地情報をお伝えしよう。 今年も美味しいヌーヴォーを造ってくれそうだ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 2008年度は、5月の天候は良く、開花は6月8日から10日。 その後の天候は、フランス全体と同じく不順で雨が多く、ベト病の被害がでている。 と言っても、他と比べると被害は微少で、ぶどうは健全な状態である。 やはり、これは自然栽培により、多様な植物をぶどう畑に共生しており、その植物が、水分を吸収し、 ぶどうを健全な状態にてしてくれることと、風通しの良い、ラパリュの畑の強みであろう。 畑にたたずむジャン・クロ−ド  畑を耕している様子 ブドウ樹の間に、けしの花が咲いている。 これらの草々が、余分な水分を吸収してくれる ジャン・クロード自身は、「今からの天候が全てを決める」という。 2007年の悪天候のなか、類まれなる高品質のヌーヴォーを造ったラパリュだけに今年も期待できる。 また、本年度からは、新しく造った醸造所にてのワイン造りとなり、設備も充実、作業スペースも ゆとりがあり、収穫したぶどうを、冷蔵庫にて冷やしてからマセラシオン・カルボニックを行うなどの、 一層の果実味、凝縮度を持ったワインを造ること間違いなし。 新設した醸造所 昨年までは借り物の醸造所で醸造をしていたが、 今年から自分で造った新しい醸造所で醸造を始める。 自分のやりたいワイン造りが存分に出来るだろう! 新醸造所、初ヌーヴォーが楽しみだ!! 奥さんのブリジットとジャン・クロード