4
Oct

C‘est le Temps d’Apéro!                         今日は久々のCabernet Francカベルネフラン –no1

仕事が一段落した夕方、アペロタイムになった。 何か普段飲まないものをやりたかった。(avec Francois,Kisho,Miho) すぐCabernet Francカベルネ・フランが浮かんだ。 この品種で、近年、驚きの品質を造りあげているNicolas Réauニコラ・レオの顔が浮かんだ。 Clos des Treilles クロ・デ・トレイユ醸造のPompoisポンポワを開けた。 若き頃、プロ・ピアニストになろうと打ち込んでいた。ピアノを教えながらも、同時にワインにも興味を持って勉強していた。しばらくするとワインへのPassionが大きくなっていた。 私が初めてNicolasニコラに逢ったのは2000年9月だった。 カベルネ・フランのレジェンド、ナディ・フコーのところだった。ナディと熱烈なディスカッションをしていた。当時はよくクロ・ルジャールには出入りしているようだった。 それから色んな変化があって5年程前に試飲会で彼のワインを飲んで、飛跳ねるほど驚いた。 な、な、なんて繊細で、上品で、細かなタンニンでグンを抜いて美味しかった。 その記憶が今でもハッキリ覚えている。 ★Pompoisポンポワ2015★  タンニンの粒子の繊細さ、キメの細かさ、凄い!!偉大なカベルネ・フランだ! アペロで飲むには、チョットもったないない。 でも、ホントにおいしものは、何も食べなくても美味しい。     

1
Oct

大きなチャレンジャー、ビオディナミスト                     LAURENT HERLIN ローラン・エルラン

ロワール地方のブルグイユ地区に2mを超す大男のエルランが10年前にやって来た。元コンピュター技術者だったエルラン。自然が大好きで、自然と共に働きたかった。勿論、ワインが大好きだったエルランは2008年に人生を変えることを決断。そして2009年にロワールのBourgeuilに醸造所を設立。ローランは自然を汚すような仕事はしたくないという信念があった。当然、最初からビオディナミ農法を採用。 16年より、天候不良によって思うような収穫ができない年が続いている。 それでも、不屈チャレンジャー精神はめげることはない。 多くの近隣、フランス中の醸造元仲間が葡萄を送ってくれた。 何とか繋いでいる。 日本の精鋭な酒販店グループESPOAの皆さんと元気つけに訪問。   ワインは、造る人、紹介する人、飲む人がいないと存在が成り立たない。お互いの現場を知りあっていることは大切なこと。 どんな人が、どんな気持ちで、どんなところで造っているのか? ローランのワイン、カベルネ・フランだ。フラン独特の青さが全くない。スーット体入ってしまう。 違う業種からの参入なので、地元のトラディションの壁がない。醸造は殆どがセミ・マセラッション・カルボヌック醸造を採用。 なかなか、地元の醸造家が踏み切れないことを、スーッと実行している。こうして歴史は動いていく。 みんな、どれもトビッキリ美味しいワイン。カベルネ・フランのイメージが変わる!!   

1
Oct

ドミニック、ジュリアンのチャレンジャー精神                Vendange Tardive Aligoté -no6

ここでは毎年、新たな挑戦をしている 2018年は、まだ誰もやったことがない挑戦をします。 ここブルゴーニュで遅摘みの甘口ワインを造る。 しかも、アリゴテ品種で。 こんなに乾燥していて、腐った葡萄が皆無。健全な葡萄ばかりで量が多い。こんな特殊な年にしか できないことがある。 アリゴテ品種の区画を収穫中に突然に思いついた。特に健全な葡萄を収穫しないように収穫人に 指示をだした。 このまま熟度を上げて遅積みをやって甘口白ワインを造ろうと決意。流石のチャレンジャー! 楽しみが増えた。 ブルゴーニュの枠にとらわれない自由な発想が凄い!!流石のドラン!!   

1
Oct

ビオ・ディナミストDominique Derain                     ドミニック・ドラン流の醸造 -no5

ドミニック・ドランにとっては、ワイン造りは畑がすべて。 30年弱のビオディナミ農法で葡萄木達は屈強な体と深く地中に伸びた根っ子を持っている。 そんな屈強な葡萄木が育てた“葡萄”はそんじょそこら“葡萄”とは訳が違う。 根本的なエネルギーを持った“葡萄”は醸造所で妙なテクニックを必要としない。 収穫した葡萄を冷やすこともしない。 (自然派の人達がよくやる発酵槽に入れる前に葡萄を冷やす作業) 天と地のエネルギーの含有量がタップリ葡萄に詰まっている。 バクテリアに対しての抵抗力、葡萄自身の治癒能力が違う。    発酵槽の下に入る葡萄は除梗して、やや潰す。その上に除梗しない葡萄房を丸ごと入れる。 更にその上に除梗した葡萄を入れることもある。 下部の除梗・破砕したジュースが即発酵開始するので、二酸化炭素CO2を注入する必要もない。 勿論、SO2酸化防止剤などは入れる必要が全くない。全くの自然、無添加、発酵槽に入れるのは 葡萄のみ。 除梗も古木や上級Cuveなどは手で葡萄粒を茎からとる作業をしている。 (写真):丸い枠がついた網の上に葡萄をおいて葡萄を転がすと粒だけが下に落ちていく。 (手作業の除梗網) 酵母はそれぞれの畑に住んでいた自然な自生酵母のみで発酵。醸造・熟成中のSO2の添加はなし。    ★ピジャージ★ 発酵に葡萄をいれた初期の頃のピジャージは、葡萄を潰してジュース出させてアルコール発酵を促進させてくれます。 何千年も前から行われているピジャージという葡萄を足で潰す作業です。 日本の一般消費者の方がこれを見ると。 『口に入れるものを、なんと不清潔な、と思われるでしょう。』 これからアルコール発酵、そして樽熟成が行われます。 この長い熟成中に不純物やバクテリアも含めてオリと共に熟成樽の底に沈められていきます。 最終的、底に沈めらたオリを取り除いて、クリアで美味しい安全なワインに仕上ていきます。 このまま瓶詰する訳ではありません。   

1
Oct

二つの醸造所をやり繰りする大活躍のJulien ALTABERジュリアン・アルタベール -no4

ジュリアンは若き頃、ボーヌのワイン学校で勉強していて、何社かの醸造所で研修をやった。 でも、ジュリアンはビオ栽培の研修をしたかった。 2002年、ドミニック・ドランに電話した。研修を引き受けてくれた。 以後、ジュリアンはこのドメーヌに、16年もずっと居残っている。 2007年に自分独自のドメーヌ(醸造会社)を設立。Domaine Sextantドメーヌ・セクスタンである。 ジュリアンは自分のドメーヌをやりながらドミニック・ドゥラン醸造でも働いていた。 そして、1年前より、正式にドミニック・ドゥランが引退すると同時に、ドメーヌ・ドミニック・ドゥラン醸造の社長にも就任した。 つまりジュリアンは、今、二つのドメーヌ醸造所のトップを務めている。 ドミニック・ドゥランはコンセイユ(指導者)の形でドメーヌに残っている。 実質上は、毎日、変わらずに働いている。 ★ジュリアンの哲学★ 『私はブルゴーニュにいますが、グラン・ヴァンを造ろうとは思っていません。誠実、本物のワインを造ろうと努力しています。』 ブルゴーニュは、有名になって、売れていくとお金が動く。お金が動いて人間性が歪んでいく人が多い地方である。 そんな中に、いわゆる、農家としての栽培・醸造家に徹して、誠実にワインを造っている希少な ブルギニョンである。 私はまず、人間として大好きな人達である。 写真:ドミニックと娘    ジュリアンのお父さん(収穫中の料理シェフ)    二つのドメーヌの事務・出荷・総務担当のカロール   

1
Oct

ワインを造る為に生まれてきたドミニック・ドゥラン -no3

1955年、ブルギニョンの女性シモンヌさんが出産の為、Hospice de Beaune オスピス・ド・ボーヌに入院。 生まれたのがドミニックだった。 当時のオスピス・ド・ボーヌはまだ病院として使われていた。 ブルゴーニュの中心ボーヌのオスピス・ド・ボーヌで生を享けるとは、生まれた時からワインを造る 運命を持っていた。 ドミニックは云う 『何故だかわからないけど、私は小さい時からワイン造りをやると決めていた。』 今日は、ドミニックのお母さん、90歳のシモンヌさんに初めて会った。 収穫期の昼食に収穫人にまじって一緒に食べていた。 まだ、まだ元気で、話しかけると、素早く返答してくる。 ドミニックのワインの消費者の一人でもある。 お母さんを大切にしているドミニックの姿があった。   

1
Oct

La 29ème Vendange de Dominique Derain 2018 -no2

29年目の収穫のドミニック・ドラン。樽造り屋で5年修業、10年の醸造元での修業を経て、 1988年に葡萄園を買った。 最初の収穫は89年。最初から自然栽培。ブルゴーニュではヴィオディナミ農法のレジェンド。 気さくな性格なので、多くの若手醸造家が集まってくる。ここから羽ばたいた醸造家が多い。               

28
Sep

ブルゴーニュの神髄の表現に進化を続ける                Philippe Pacaletの18年収穫

フィリップ・パカレが無事に2018年の収穫を終えました。 稀にみる高品質の葡萄が収穫された。腐ったり、傷んだ葡萄が皆無。 選果する必要がない収穫だった。 品質と共に収穫量の方も満足のいくものでした。 フィリップは本来、あまり太陽の強い年は好きではない。 何故?ピノの果実味が濃縮し過ぎるとブルゴーニュの独特のテロワールが覆われてしまうこと になるから。 プリューレ・ロック時代から数えるともう28年間もブルゴーニュ・テロワールと関わって来た。 テロワールは不動ですが、気候事情はめまぐるしく変化している。 できる葡萄も毎年著しく違う。 ますます、醸造家の腕が問われる時代になってきた。 猛暑の日々が多かった18年、さあ、熟練の域に入ってきたフィリップがどう料理するか、楽しみだ。   

28
Sep

パリの和食レストラン Kanadé で Marc Pesnot                   マーク・ペノ

寿司シェフYujiro ユウジロウさんとJulienジュリアンのベストなコンビ。 デザイナー・アーティストから料理人になった感性豊かなユウジロウさん。 超人気ビストロを仕切っていたサーヴィスのプロ、ジュリアン。この二人の名コンビの新進気鋭の店Kanadé 「奏で」。 フランスの田舎に出張に出ていて、パリに帰ってきたら食べたいと思っていたものが揃っている。 どんな料理もとっても美味しい!  デザートも甘味を抑えあっさりしている。 その上、ジュリアンの心地よいサーヴィスでホットする。 そして、あのMarc Pesnotマーク・ペノのワインが飲める。 私にとっては、和食に自然なワイン、心地よい空間、こんな幸せな店はない。   

28
Sep

C’est le Temps d’Apéro! アペロの時間ですよ!           Pot d’Anne ポ・ダンヌ

CPV Paris オフィスでは、仕事が終わる頃になると、誰からともなく“Apéroタイム”の言葉が 聞こえてくる。 今日はこの二人、Kisho, Mihoとともに。 ★Pot d’Anne ポ・ダンヌ★ ラングドックPic St Loupピック・サンルーにあるBeauthoreyボートレイ醸造とAnne Paillet アンヌ・パイエさんとのコラボ。 ボートレイのサンソー品種をAnne Pailletアンヌ・パイェさんが醸したワイン。 50%セミ・マセラッション・カルボヌック醸造、50%除梗のトラディション醸造。 フルーツの爆発!果実味タップリでありながらサンソー品種独特の軽やかさ心地よい! グイグイ体に入っていく危険なワイン!! 女性的なやさしいニュアンスで、気さくで、陽気で、人懐っこい、誰からも愛されるアンヌの性格 そのもの!     

28
Sep

これ以上のパリは存在しないモンマルトルの丘にあるGrand 8グラン・ユイットゥにて

パリの全貌を見渡すマジックな場所、モンマルトルの丘で、トビッキリ美味しい料理とワインを、最高の仲間とやる幸せな夕べ。 その夜は、CPVの大阪スタッフ石川君夫妻が日本からやって来た。 ほぼ偶然に同時にその夜パリに来ていた自然派ワインを日本で紹介してくれている同志のメンバーと共に大好きなビストロ・グラン・ユイットにやって来た。 人生、美味しいものを、志が近い人達と一緒に飲み食べするひと時は最高だ。 店主のエミリーさんが薦めるワインと気合の入ったビストロ料理、なんて幸せなんだろう。 必ず魚介類メニューがあるのが嬉しい。クトーと呼ばれる長い貝のワイン蒸しに、私の大好きなValetteヴァレットのシャルドネは、もういきなりノックダウン。   ★Domaine Geschickt ドメーヌ・ゲシクト★ 白身魚にアルザスのGeshicktゲーシクト醸造のPhenixフェニックス 、ピノ・グリ品種を一か月 マセラッションにたもの。 ピュアーな果実味、キレイな酸、上品な舌触り、真っ直ぐなミネラル感、白身魚にバッチリでした。 ★Jean-Claude Lapalu ジャンクロード・ラパリュ★ そして、我らの友ジャンクロード・ラパリュが醸すガメー品種のTentationタンタシオンは 牛肉ステーキに合わせた。 食べた後は、モンマルトルの丘の上からパリの夜景を楽しめる。最高!!   

28
Sep

この夏、飲んだ最高のアペリティフ L’Ecume レキュム、 ビストロGrand 8にて

過ぎたこの夏に飲んだアペロで、ずっと記憶に残るワイン。 Sextantセクスタン醸造ジュリアン・アルタベールが造ったロゼ・微発泡ワイン。 ジュリアンの冗談めいた発想でできた組み合わせピノ・ノワールとアリゴテ品種で醸されたワイン。 アリゴテのキリットした酸、ほのかなピノ果実味、石灰質の潮っぽい旨味、胃は活発に動きだした。 流石のEmilieエミリーのお勧めアペロ! パリの象徴のモンマルトルの丘にあるBistro Grand 8グラン・ユイットゥにて。   

28
Sep

美しい丘 Cote du Py コート・デュ・ピィの魅力               (ボジョレ・モルゴン村)

元火山だった山も歳月が過ぎて風化してなだらかな丘になって我々にトビッキリ美味しいワインを プレゼントしてくれる。 360度の視界が開けている。ボジョレ中を見渡せる。遠くはアルプス山脈のモンブランも見える。   頂上には十字架が建てられている。あのマルセル・ラピエールもこよなく愛した丘である。   南はリヨン山、コート・ド・ブルイィ、反対側にはモルゴン村、その奥にフルーリの丘も見える。    土壌が他とは全く違う。つまり花崗岩ではなく火山岩が風化してできた黒い硬い石地元の人は シスト・ブルーと呼んでいる。 ボルカニット・グリという4億年前の岩石で覆われている。これが特別な風味、ミネラルをワインに 与えてくれる。 私は、試飲、試飲の連続で疲れた時は、ここに来て一休みして、地場のエネルギーを吸収すること にしている。 この丘は心地よい。物凄いエネルギーを感じる。日本ならきっと神社が建てられているだろう。   

26
Sep

レミー・デュフェートルの2018年ヌーヴォーは? -no2

何故か、レミーは、ヌーヴォーを大変に気合を入れて造っている。 繊細なスタイルにする為に、砂質土壌の深いところの区画の50歳の葡萄木を使っている。 そして、発酵槽は、高級なトロンコニック型の大樽を使用している。 ★ヌーヴォー2018年を利く★ レミーのヌーヴォー用の畑、土壌、造りは凄い。どんなに太陽が強い年でも、濃縮の年でも、女性的な柔らかいタッチの果実味に仕上げてしまう。これには驚くばかり。ラパリュでも17年は結構、ボリューム感のあるヌーヴォーだった。 レミーそれは、いつもと変わらず、やさしいスタイルだった。 18年は、まだ発酵中なのでハッキリした事は言えないが、かなりやさしい女性的なスタイルになりそうだった。 体が疲れている人、あまり飲めないけど、チョットだけ飲みたい人、レミーのヌーヴォーをお勧めです。 レミーの内面が液体に表現されているやさしさがあります。   

26
Sep

レミー・デュフェートル Rémi Dufaitre -no1

ブルイィの蔵元、天才的なヒラメキの持ち主   この収穫の時期、最も連絡とれない醸造家の一人。抜き打ち来ても殆どいない。 情報集めるのが最も難しい醸造家である。 ボジョレ滞在最終日に何とか連絡がついた。 収穫は、20名程で9月3日から13日に行われた。 収穫期は若い収穫人を醸造所内の施設で寝泊まり、食事もだしている。 料理人も雇っている。超忙しく収穫を管理している。 収穫現場はフローランスが担当。醸造所現場は幼い頃からの親友が担当。 レミーは全体を皆ながら指示をだしている。すぐどこかに消えてしまう。捕まらない。 強面の風貌とは別に、内面はナイ―ヴな繊細な精神の待ち主。 だからこそ、逆の強面の姿勢を崩さない。 レミーの心の支えになっている人がいる。毎日,逢っている。どうしても逢えない日は 電話ではなしている。 モルゴン村のジャン・フォワラールである。 小さい頃、両親を亡くしたレミーにとって心のお父さんである。 そして、心のお兄さんのような存在は、近所に住むジャンクロード・ラパリュである。 頻繁に行き来している仲である。 この二人はワイン造りに関しても、人生上の問題にしても大きな影響をレミーに残している。 彼らといる時のレミーの顔つきが全く違う。 どんな年でもこの顔のようなやさしいワインに仕上げてしまうヒラメキを持っている。