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LE VIN DE MES AMIS ル・ヴァン・ド・メザミ試飲会
南フランスのモンペリエの街でVINI SUDヴィニ・シュードという大試飲会が開始されている。二日目の2月23日はVINI SUD会場ではなく、モンペリエ郊外CASTELNAU LE LEZで自然派ワイン試飲会“LE VIN DE MES AMIS”に参加。 主催はミネルヴォワのスローフード協会の会長でもある女性シャルロット・セナさんだ。シャルロットはジャン・バティスト・セナ醸造元の奥さんでもある。日本へも一度行ったことがある。天才的な飛んだ性格のジャン・バティストを後ろからそっと支えている良妻賢母の典型的な心が大きな女性だ。3人の子供の母でもある。私との付き合いも10年を超えた。残念ながら日本向け輸出はあまり伸びていないのが心苦しい。彼らのワインに合う日本業者をうまくマリアージさせてあげていない。ちょっと心が痛い。でも逢うとニコと穏やかな笑顔で迎えてくれる。 シャルロット・セナ この試飲会は過去3年間、MAUGUIO村で行われていた。グループ名はLES VIGNERONS DE VINUM NOSTRUMレ・ヴィニョロン・ド・ヴィニュム・ノストラムと呼んでいた。今回から名もLE VIN DES AMISと改めて試飲会場も醸造所兼リラックス・ホテル経営のDOMAINE DE VERCHANTドメーヌ・ヴェルシャンに移動。 約50社の自然派醸造元がフランス中から集まった。マルセル・ラピエールやジャン・フォワラールなど古参自然派からカトリーヌ・ブルトンやティエリー・プゼラなど中堅、そして、その後に続くマキシム・マニョン、クリストフ・パカレ、フィリップ・ヴァレットなども参加。多数の新人自然派も参加。 **出展ワインの紹介** *天才肌の凝り性JEAN― BAPTISTE SENAT ジャン・バティスト・セナ パリジャンの彼がお爺さんが所有していた葡萄園を引き継いでから、もう10年以上が過ぎた。平地にあった畑を売って、敢えて困難な山の斜面の畑を開拓した。自然な栽培の効果がやっとワインに出てきた。醸造方法も試行錯誤の結果やっと自分のスタイルが確立してきた感じだ。 1-ARBALETE アルバレット09赤 軽めの綺麗なルビーに果実味が濃縮されている。実に心地よい果実味だ。爽やかな赤の中にセナ独特のミネラルもしっかり存在している。ここが単なる軽いワインと違う、自然栽培のお陰。グイグイ飲めてしまう。 2-MAIS OU EST DONC ORNCAR メ・ウ・エ・ドンク・オルニカール09 赤 グルナッシュ、ムールヴェードル、サンソーなど 南の品種を除梗なしでマセラッションカルボで造った果実味の爆発だ。黒オリーブの風味やムールヴェードルの心地よい軽めタンニ ンがこのワインのオリジナルなところだ。グイグイ飲めてしまう! 3-LA NINE ラ・ニーヌ08 赤 ローヴもやや濃目だ。タンニンは柔らかい。濃縮感のある果実味。 旨味も乗っている。荒さは全く感じられない。このへんが今までとは違う上品さだ。軽い樽風味も感じられる。 4-BOIS DES MERVEILLES ボワ・ド・メイヴェイユ 08 このワインがジャン・バティストが精魂込めて、造り続けているワインだ。 この乾燥したミネルヴォワの山斜面で、水分を必要とするムールヴェードル品種にかける彼のことを人は、“マゾシスト”では?と云う。その困難な事に挑戦して10年、2008年産は今までとは、全く違う。濃すぎたタンニンに粗さがみられたのが、優しいミネラル感が全体を柔らかく感じさせている。ただ濃いワインは卒業だ。細かいタンニンを味わってほしい。 SENATの日本での問合せは、CPV 03-5565-5880 竹下 *南仏コルビエールでボジョレを造ると、云って南下したMAXIME MAGNONマキシム・マニョン 愛される人柄、柔和は人当たり、人の良さは並みはずれている。その風貌からは想像もできない意志の強さを持っている。過酷な自然環境のコルビエールでよそ者がワイン造りをやるのは、簡単なことではない。そんなマキシムも昨年、一児の父になった。ワインも09年産は彼の目指す果実味豊富なボジョレ・ブルゴーニュタイプのワインにグット近づいた。彼も風雪10年の歳月が流れ、10年間の自然栽培のお陰で根っこが地中深く伸び。素晴らしい酸とミネラル感がワインにフレッシュさを与えてくれるようにになった。 ボジョレを超えてブルゴーニュに近いフィネスを備える域に達してきた。コルビエールに移った当時から応援している私にとって、彼の成功は心から嬉しいことである。 1―LA DEMARRANTE ラ・デマラント09 赤 まさにボジョレのような明るい美しいルビー色、赤い果実の風味が心地よい。やさしいタンニン、まるで果物をそのまま食べているようだ。ゴクンゴクン飲めてしまう。 特に09はマキシムが狙ったとうりの軽快フルーティーなワインに仕上がった。 2-ROZETA ロゼッタ 09 赤 09の構成はカリニャン70%、サンソー、グルナッシュ。粘土石灰質土壌の畑からとられた葡萄を仕込んだワイン。さらに果実味が濃縮されている。色合いは同じくボジョレのような明るい紫、カリニャンの涼しさが全面にでている。サンソーの薄い色合いがより爽やかさを増したニュアンスを与えている。グルナッシュの果実味はもう果実のシャワーだ。 09は今までで最高の出来ではないだろうか!これは絶対に買いです。 3-CAMPAGNES カンパニェス 09 赤 ほぼカリニャン100%、何故ほぼと云うと100年の古木がある畑、昔は他の品種も 混植されていた。だからサンソー品種も白葡萄のテレ品種も若干混ざっている。それが微妙な隠し味にもなっている。明るい紫色、サクランボ風味、カリニャンからくる涼しさホントに エレガントで驚いてしまう。シスト土壌からくるミネラルの閉まりがなければまさにピノノワールだ。 4-LA BEGOU ラベグ 09 白 55歳のグルナッシュ・グリ品種100%、シスト土壌からくるシマリが南の白ワインに見られるアマタレがない。ミネラル感が実に心地よい。昆布ダシのような旨味が乗っている。 寿司、刺身にあうだろう。600Lの中古の樽で発酵、ややノワゼット風味も心地よい。柔らかなタッチだ。 *ELIAN DAROS エリアン・ダロス 懐かし顔を見つけた。サンドリーヌだ。彼女はつい最近まで我々と一緒に働いていた。去年の秋よりエリアンと生活をする決意をした。今は西南部ぼマルモンドに住んでいる。醸造元の伴侶としての生活をしている。ヴィニョロンとして慣れてきたところだろう。つい最近まで“パリ以外の処では私は生活できないわ!”と云っていたが、女性は恋をすると変わるものだ。 今日、エリアンは体調を崩して、ちょっと遅れてくるらしい。 1-ABOURIOU アブリュウ08 超人気キューヴェだ。先日のボルドーのビストロでも気ワインとして活躍していた。アブリュウは絶滅しかけている品種だ。それをエリアンが復活させて、単品品種名で出荷している。 もう果実がたっぷり!爽やかなタンニンと果実マリアージした感じ。 グイグイ飲んで、あっという間に一本を飲みほしてしまいそうなワイン。 2-COCUMONT コクモン08 メルロー50%、カベルネ・40%シラー10%、中庸の濃厚さ、自然派独特のホワとした色合い、この価格で上品な果実味、メルローカベルネのニュアンスが口中に広がって、タンニンがまろやか、旨味が全体を覆う。 エリアン・ダロスの畑はビオディダミ栽培 樽熟の名手 3-CHANTE COUCOU シャント・クク07 メルロ55%、カベルネ・ソービニヨン20%マルベック20%、シラー5%、アルザス地方のドメーヌ・ジント・フムブレヒトで5年間ワイン造りの修行をしたエルアンは、ビオ栽培による健全な葡萄を育てる重要性を学んだ。ここでは黒葡萄を育て樽熟をこのキュヴェより行ってえいる。色合いは中庸の濃さ、ホワッとした温かみのあるルビー色、上品でほのかな 樽香、色合いよりも濃縮感を感じる果実味、ビオ栽培からくる根が深く伸びているところからくるミネラル感が腰を支えている。柔らかい果実味と香ばしさが心地よい。 4-CLOS BAQUEYクロ・バケイ06 だんだん試飲会場も混んできた。サンドリーヌのブースは人気だかで人が集まってきた。なかなか近付けない。色合いにややオレンジがかった熟成のニュアンスがあり,期待がそそる。香ばしく心地よい樽香、アタックより濃縮感が口中を覆う、柔らかいタンニンと深みあるボディー、そしてしっかりミネラルが腰を支えている。グランヴァンだ!!自然派中の正統派、普段、自然派嫌いの人達に飲んでほしい。 午後になって試飲会場が段々こんできた。自然派の人気は凄いものがある。会場は熱気を増してきた *マチュ・ラピエールとクリストフ・パカレのブース超人気 3週間前に一緒に日本中を旅したクリストフ・パカレとマチュ・ラピエール を見つけた。この2人のブースは物凄い人気で人が一杯でなかなかブースに近づけない。 伊藤『クリストフ!時差ボケは終わったかい?』 クリストフ『やっと戻ったよ!日本から戻った時は3日間は死んでいたよ!』 伊藤『今日は何か俺の知らないものがあるの?』クリストフ『あるよ!これだよ!09のFLEURIEフルーリだよ、まだ熟成中のワインを持参したよ!もうじきビン詰するよ。』 FLEURIEフルーリ09 色合いからして濃縮感がる、さすが世紀の年09だ!果実の爆発だ。まさにバナナの香りだ。これぞ正真正銘の土壌からくるバナナ風味だ。自生酵母しか使用してない。香り付け酵母は使っていない。なんて美味しいガメだ。これは皆に飲んでほしいワインだ! *LIMOUXリムのDomaine des Hautes Terresドメーヌ・デ・オット・テール 夢多き男、少年時代からワイン造りをしたかった。二男のジルはその権利はなかった。一旦は他の仕事をしながら、お金を貯めては畑を購入、ということを長い間繰り返し少しずつ畑を増やしていった。リムの山の上の雑木林を購入して自分で木を抜いて耕して葡萄園を造った。そして、最後にお爺さんが持っていた畑と醸造所を手にいれてドメーヌ・デ・テール・オットを立ち上げた。決して自分の夢を諦めることはなかった。 1-LOUIS LIMOUX BLANC SEC ルイ・ リム・ブラン・辛口 08 […]