9
Avr

春の祭典・自然派大試飲会・ラ・ルミーズ*LA REMISE-NO2

★16年産のCOEUR DE COEUR!!最も感動した蔵は!! Jerome JOURET * ジェローム・ジュレ!! どこまでも優しいワイン 人間的にも素晴らしいジェローム。今回のこのルミーズ試飲会の主催者実行委員の一人でもある。 ジェロームの人間性はだれもが絶賛する。 . 真面目で実直で、浮ついたところが全くない。コツコツとやるべきことをこなしていく。 仲の良い夫婦。 二人の子供がいて、ほのぼのとした本当に暖かい家族4人がアルデッシュの風光明媚な田舎で暖かいワインを造っている。 ジェロームのワインには、この暖かさが入っている。 このブースにたどり着いたのは、午後の3時頃、体も舌もチョット疲れぎみの状態でテースティング。 口中に液体を入れた瞬間から、舌も体も癒されていくのが分かる。 どこまでもやさしくて、チョット潮っぽくて、フルーティー、しっかりミネラルが背骨を支えている。 ウーン、ここまで調和は…..凄い。 まさに“和”の世界の調和。繊細な和食に合わせたい、淡旨系。 ジェロームのワインで、“PAS A PAS”パ・ザ・パというワインがある。 “一歩一歩”の意。 ジェロームの人間なりがこの言葉に象徴されている。 また、ジェロームは多くの若手に影響を与えている。自然派を志す新人に惜しみなくすべてを伝授している。 ここで修業して独立した新人が素晴らしいワインを造っている。

27
Mar

Domaine de la Vieille Julienne ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ

Domaine de la Vieille julienneドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ パップのテロワールを精密に表現することに賭けているジャン・ポール! ジャン・ポール・ドーマンは、シャトー・ヌフ・ド・パップのテロワールを表現する為に多くの試作を繰り返した。 自然派の造りの除梗なしのグラップ・アンティエール(葡萄房丸ごと仕込み)も、セミ・マセラッション・カルボヌック醸造も、何年も試して、実験を繰り返した結果、ジャンポールは除梗することを選択した。 ジャンポールにとっては、除梗して、どこまでも繊細で上品に表現することが、ピュアーなシャトー・ヌフ・ド・パップのテロアワール表現だったのである。 今、自然派ワイン醸造家が進化しつつある。 その方向性の一つに、除梗する造りも含まれている。 近年、主要な自然派ワイン醸造の造りは、グラップ・アンティエール(葡萄房丸ごと仕込み)や、セミ・マセラッション・カルボヌック醸造が主流となっている。 この方法を洗練させて、薄めで果実味が全面に出ている葡萄ジュースのようなワインが典型的な自然派のスタイルとして確立されてきた。 最近、自然派醸造家の中でも、除梗する造りが少しずつ増えて来ている。 彼らがやっていることは、過去の普通のトラディション醸造ではない。 より洗練させた方法を生み出している。 濃厚さ、芳醇さを備えながらも、体に沁み渡っていくワインのスタイルである。 そう、ジャンポールのワインに似ているのである。 ここには、接ぎ木してない120歳を超える古木のヴィーニュ・フランセーズが多く生き残っている。

9
Mar

クロ・デ・グリオンのニコラ Nicolas Renaud des Clos des Grillons

クロ・デ・グリオンのニコラ Nicolas Renaud des Clos des Grillons 今週、パリでトップクラスの自然派ワインの試飲会が開催された。その中でも最近、腕をメキメキあげて途轍もなく美味しいワインを造りあげるているクロ・デ・グリオ*Clos des Grillonsのニコラ*Nicolasが大人気だった。 ニコラは今自然派醸造の主流である除梗をしないsemi-carbo醸造と除梗をして醸造するTraditionトラディション醸造の二つを方法を巧みに使う数少ない醸造家だ。 ニコラが造るとsemi-carboでもTraditionでも実に繊細で上品なタッチに仕上がる。 今、醸造界でこの二つの醸造を使いこなすのはニコラが第一人者だ。 ワインファンとして飲む方からすると、この二つの醸造方法の違いを明確に理解するには、ニコラのワインは貴重な存在だ。今、デンマーク、北欧、アメリカなどを中心に世界中から注目されている醸造家だ。彼の造るワインの中でもLES JASは特別に繊細で上品なワインだ。自然派ワインの枠を超えた偉大なワインだ

7
Mar

Domaine Richaud ドメーヌ・リショのクレールが日本に!Claire RICHAUD va venir au JAPON.

Domaine Richaud*ドメーヌ・リショーの次世代、マルセルの長女クレールが日本にやってエ来る。 ブルゴーニュのボーヌのワイン学校を出た後、マルセル・ラピエール醸造で自然なワイン造りを修業したクレール。 地元ケランヌ村のドメーヌに戻ってお父さんのマルセルについて働きだしてもう数年の月日が経った。 ケランヌのテロワールと向き合って、やっと土壌が分かってきた。 ここの土壌、気候風土とグルナッシュ品質の生かし方が見えてきた。 これからが楽しみな醸造家が誕生した。Claire Richaud*クレール・リショー。 自然派ワインのレジェンドである父マルセルのもと修業できるのは大変なチャンスであり、また大変なプレッシャーのあることだと思う。 マルセルのワインを飲んで、人生が変わった人が多い。 マルセルのワインはエモーションが伝わってくる。 ワインの真実の深味がある。 自然派とか、ビオとかの範疇を超えた真実がマルセルのワインにはある。 そんなワイン造りを引継ぎ、これからもずっと我々に楽しみを続けさせてくれるクレールがいる。 そんなクレールが来週、日本にやって来る、逢いに来てください。 3月9日は札幌 札幌試飲会 フレンチ・パンダにて。 夜はThe Meat Shop にてワインパーティー 11日は岩手の盛岡、(夜、盛岡グランドホテルにて 絆ワインパーティー) 12日 東京、恵比寿でBMO 20歳・感謝祭、夜はスカイツリー・ソラマチ・オザミ店にいます。 13日、東京、ホテル・モントレ銀座の試飲会   

30
Nov

Sylvain Bock au Garde Robe * ガード・ローブにシルヴァン・ボック!

今日は毎年恒例の、ガード・ローブでシルヴァン・ボックの試飲会! 私とエディットと、ちょうど通りかかったエージェントのシルヴィーとで暖かい空間でゆっくりと楽しい試飲会。 やっぱりこの木製のインテリア、お世話になったバーに腰を掛けるとホッとしてしまう私・・・懐かしい! 取りあえず2015年の白、そしてビン詰めされたばかりの赤をテスティング。 とても繊細で完璧主義者なシルヴァン。彼のワインにも、その真っすぐな性格が出ており欠点が無いキレイなジュ!! 白は、最高なシャルドネを12ヵ月間樽熟成して出来上がった『エキリブリスト2015』、そして残糖が少々残った『フォー・サン・ブラン2015』を持ってきてくれました。 一本目のワインは綺麗な酸味にしっかりとした骨格。彼ならではの上品さが溢れ出ており感動する一本!一晩掛けてゆっくりと飲みたいワイン! 二本目の白は、よりフルーティーでスカッとしていながら丸みもあるワイン。アペタイザーにポン!と気軽に飲める、ハッピーな白! 赤に関しては、スタイルの違う4本を試飲。 よりナチュールなワインが好きな人は、スミレの香りが漂う『ネック2015』をお勧め!ジューシーでグイグイいけるが、ビンテージの特徴としたガッチリなバディーもあり、とにかく飲みやすい! よりスパイシーでダークな香りが好きな人には『サック・ア・ロック2015』を是非!スーっと喉を通るまで、チョコレートや黒コショウ、皮の香りが混ざり複雑感抜群! ブレンドワインが好きな方には、グルナッシュ、メルロー、シラーの3つの品種が絶妙に混ざり合った『レ・グルロ2015』を試すべき!上品でフルーティーでいつでもどんな機会でも合うワイン! そして私のおすすめ、とてもエレガントなシラーを樽熟成させて造り上げた『ラフュ2015』。いつ飲んでも繊細で、小さな黒実のフルーツを完熟したかのような滑らかさ。これはちょっとしたイベントに取っておきたい一本!!

2
Nov

STC ont visité chez Marcel Richaud

Mr Yamada et son groupe STC sont venus chez Marcel Richaud ce septembre. C’est à son tour de se déplacer au Japon. C’est vraiment important d’ échanger l’ univers de chacun. Le vin a la capacité de réunir les gens en paix. この9月、山田さんはSTCのメンバーとマルセル ・リショー情報を訪問した。 今度はマルセルが日本までやって来た。 お互いが生きる小宇宙を知り合うことが本当に大切なことだ。 ワインは人々を結ぶつける能力を持っている。 山田さん率いる日本全国に広がるSTC小売店のメンバー 南ローヌの自然派の原点を造りあげた人 Marcel Richaud*マルセル・リショー。 ローヌ河の左岸は、マルセルのお蔭で自然派がいち早く定着した。 多くの醸造家がマルセルで修業したり、教えをうけて自然派ワインを造り始めた。 南ローヌの自然派の基礎を造りあげたレジェンドと云っても良い。 そのマルセルが今、日本に滞在中!! La famille Richaud. Thomas , Claire, Marcel. リショ家の次世代はこの二人。 トーマ、 クレール。 穏やかな性格の長男トーマ。 ボジョレ、モルゴンのラピール家で修業したクレールの醸造センスが楽しみだ。 リショさんのところに始めて訪問した時の事を今でもハッキリ覚えている。 もう長い付き合いだ。 南ローヌらしいスタイルのワインだ。 どんなに濃厚でも体に沁み渡っていく。 潮っぽいミネラル感と旨味タップリ。 明日から、リショの試飲ができます。 私の大好きなリショのワインを楽しんでください。 Marcel Richaud est rentré en France de son voyage au JAPON. マルセル・リショーさんがフランスに戻って来ました。 いっぱいの良き思い出と一緒に! 山田さん、BMOの皆さん、日本でマルセルに出会ったすべての人に感謝しています。 特に、ピオシュ、祥瑞、キャバレーでのひと時は格別だったようです。 有難うございました。 『Je suis rentré aujourd’hui J’ai vécu de jolis moments 』Marcel

9
Août

Le Clos des Grillons

これぞコルビエールの典型ワイン、100歳級を中心に古木のカリニャン品種80%、グルナッシュ品種が20%構成、ブトナックの典型テロワールの石灰質土壌、 日本ではカリニャンの典型を飲める機会は少ない。 CRUブトナックのテロワールの典型を試飲することも少ない。 グログロの自然派ワインではない。酒質があり、石灰質ミネラルからくる潮っぽい旨味があり、ザ・コルビエールのスタイルである。自然酵母のホワッとした複雑味も楽しめるワイン質。 これから秋の美味しい食べ物の合わせると素晴らしい。 お別れは、フランス式のビーズと呼ばれる左右に頬キッス。 皆、これも初めての体験。 地が変われば挨拶も現場式で。 Marie-Helene,マリー・エレーヌ、 Je te felicite d’arriver jusqu’a la. Les vins d e St Jean de la GINESTE est mangifique. On est sur meme bateau. On va jouer chaqu’un sa role. Comme Rugby.Bonne continuation. On t’attand mars prochaine au Japon. ここまでの品質を造り続けるとは素晴らしいことです。 私達は貴方の努力を大変評価しています。 私達は同じ船に乗っています。 ラグビーのように、それぞれが自分の役割を果たす ことが大切です。 お互いに努力し合いましょう。 Galarie de Photos , St Jean de la GINESTE サンジャン・ド・ラ・ジネスト写真集 葡萄園の横にmurの実。(野生クロイチゴ) 異常乾燥で多くの実が乾されていた。 残った実は、完熟で美味しかった。 葡萄園の横にアニスの香りがするfenouil野性ウイキョウが いっぱいありました。 おそらく故ドミニックが使っていたラグビーボールが飾られていた。 刺すような強烈な太陽光線を浴びて、光合成をして葡萄を育てている葉っぱ達。そして、収穫直前の健全な葡萄。 葡萄をガンガン食べていた犬。 試飲が終わるのをじっと待っていた犬。 最後に、私達のバスに向かって最後まで手を振ってくれていたマリー・エレーンの姿 今、一年間の最終段階。 宇宙の光を吸収して、水の援助も享けてポリフェノール、糖などワインになるための大切な要素を創っている最中。 太陽は強すぎても粗削りのポリフェノールになってしまう。 ゆっくりと時間をかけて熟してくれるのがいい。 糖が熟すのと、ポリフェノールが熟すのがピッタリと合ってくれるのが理想だが、そんな年は何十年に一度。 糖が強すぎたり、その逆か、普通はギャップがある。 ピッタリと合うように一年間の農作業の大切な節目、節目をくぐり抜けて、この季節がある。 幾つかの大切な節目を100%うまくいくことも殆どない。 だから、この時期には、醸造家は大体の目安はついている。 もうこの時期になると、栽培家は、何もできない。 いや、観察と話しかけることぐらいしかできない。 葡萄にエモーションが伝わっていく。 Parasol en Fouilles 葉っぱのパラソル この時期、ボルドー、ブルゴーニュでは葡萄に太陽をあてる為に葉っぱを取る作業をやる。ここ南仏では太陽光線が強過ぎて直接あたり過ぎると葡萄が焼けてしまう。 ゴブレット剪定することで、葉っぱのパラソルを作って葡萄を護っている。 ボルドー、ブルゴーニュのワイン理論がすべてには通じない。 ワイン造りの真実は、その場所、その人に寄って“真実”が存在している。 そこがワインの面白く、深いところ。 ゴブレット剪定の葉の影の中には、風も入り込みミクロ・クリマが存在する。適度の熱と爽やかな風に吹かれて上質なポリフェノールが造られる小宇宙なのである。 Vielle vignes古木と水不足、 今年は、北フランスは春から夏にかけてずっと、曇り空、雨が続き、天による被害が多かった。夏は冷夏である。 ここ8月中旬になって夏らしい日々になっている。 南仏はかなり暑い夏となっている。2か月間も雨が降っていない。 場所によっては、水道の配給制限が実施されているほどまで乾燥してきた。 葡萄園も乾燥している。 葡萄の最後の熟成には太陽と水が必要だ。水が欠けている。 水が極端に欠けてくると葡萄が熟すのをストップしてしまう。 太陽がさんさんと輝いても、葡萄が熟さなくなってしまう。 光合成には水は不可欠の存在。 南仏は今、そんな状態に近づいている。 ニコラが土を掘っても水分がない。 しかし、100歳級の古木の葡萄木は問題ない。地中深く根っ子伸びている。ロッシュ・メールと呼ばれる地下の岩盤まではいりこんでいる。地中深くに蓄水された水分を必要なだけ吸い上げることができる。 各地層のミネラル分と共に葡萄実に汲み上げられる。ミネラル感とフレッシュさが保たれる。 つまり、上品な、finesseフィネスを備えた優しいワインとなる。 […]

8
Août

Domaine Mouressipe 2016

Planete ? C’est Merlot 2016. まるで天体のようだ。メルロー2016年。 Mouressipe ムーレシップが16年産の収穫を始めました。 フランス中で今までに無かった天候の被害が多発した年だった。 ここ南仏のニームのムーレシップが収穫を始めました。 このニームでもたった2週間前に今までなかった突然に強烈な突風とピンポン玉の大きさの雹が荒れ狂った。電車が脱線。ピック・サンルーの数か所の区画は、収穫直面というのに全滅したところがある。 ムーレシップは、雹の被害を幸運にも逃れた。 しかし、5月より雨が降っていなく、極端な水不足の状況だ。 その上に、今年は強風ミストラルが吹き続き、葡萄実の果汁の水分まで飛ばしてしまうほどだった。よって、果汁が殆どない葡萄ができている。 本日収穫したメルローは、果汁が殆ど吹き飛んで皮と果肉にほんの僅かな果汁しかない超小粒の葡萄だった。 メルローはボルドーの品種だ。ここ南仏の過酷な乾燥と風にはなじめないのだろう。 乾燥のお蔭で、葡萄の病気はなく、腐った部分が全くない綺麗な葡萄だった。 メルローをグラップ・アンティエールのセミ・マセラッション・カルボニック醸造で醸す。 あまりにも、果汁が少ないく、ジュースが出てこないので 最初に足でピジャージしたけど殆ど果汁がでなかった。 チョット、様子をみてみるとの事。 カルボ発酵が始まったら1週間ほどでだして、絞ったほうが良いかもしれない。 それでも、ジュースは少なさそうだ。 風で濃縮した年は、酸も同時に濃縮しているので、濃縮感がありながら酸がキリットしたタイプになりそうだ。16年のメルローは面白いスタイルになるだろう。 ムーレシップのアランが最初に収穫してワインを造ったのは、2005年だ。今年は16年目になる。 アランは、最初の頃は、ラングロールのところで働きながら醸造を修業した。 今は家族のように付き合っている。 アランの造りは、ラングロールに限りなく近い。 定期的に逢っている、意見交換している。 だから、アランのワインには、ラングロールのニュアンスが常にある。 近年、ことに似てきてる。勿論、テロワールが違うので 違いはテロワールという事。 Tracassier トラカッシエルはグルナッシュ90%、ムールヴェードル10% トビッキリ美味しいよ! まだ、日本ではあまり知られてないけど、ムーレシップは凄いですよ!! 16年の経験も重ねて、最近の品質は目を見張るものがある。また違うスタードに入ってきた感がある。お見逃しなく!! Jeux de bulles ジュー・ドゥ・ビュル シャスラ品種から造る微発泡が美味しい。爽やかで美味しい。 ラベル上のメダルはギリシャ時代のもの。 ムーレシップの畑にある丘は、ギリシャ時代、ローマ時代にわったっての遺跡がある。 このメダルは畑から発掘された古代ギリシャ時代のもの。 ここの畑には古代ギリシャ時代のエネルギーが記憶されている。 16年前に自宅のガレージの中で造り初めたガレージワイン。 今年、立派な醸造所が完成した。すべて自分で建てた。 2016年はこの新醸造所で醸す。 収穫した葡萄を発酵槽に搬入するのは、ポンプを使わず フォークリストで葡萄の入ったケースを上げて、手で優しく 発酵槽に入れる。繊細なワインを造るには、上から重力で搬入する作業は、時間と労力がかかるけど必要不可欠な方法だ。ポンプを使うとどうしてもワインが粗くなって来る。 こんな大切な作業も、広くなってやりやすくなった。作業の一つ一つの精度が上がってくる。 今まで、やりたくてもできなかった作業ができるようになった。 ワインの美味しさは。こうした一つ一つの作業の精度の積み重ねなのだ。

4
Août

ワイン造りを初めて25年の歳月が、ROMANEAUXのエルヴェ・スオ

ワイン造りを初めて25年の歳月が、ROMANEAUXのエルヴェ・スオ 歌舞伎役者の“睨み”のような眼光をもっている。目に力がるエルヴェ・スオ。 出身はパリ、つまりパリジャンだった。妻のベアトリスの実家がある北ローヌにきた。 1990年にリヨンにてワイン醸造の勉強をしていた当時にフィリップ・パカレに巡りあった。フィリップ・パカレはビオ・ワイン機関で働いていた。知り合ってすぐにフィリップはPrieure Rhocプリューレ・ロックで畑らき出した。 フィリップに色々聞きながら91年より買い葡萄で少量の試作ワインを造り始めた。 フィリップはロックの仕事で忙しくなってきたので、エルヴェに助言した。 『近所のDard et Riboのルネ・ジャンのところへ研修すべきだ。』と勧められた。 92年にダール・エ・リボ醸造で一年間の研修をした。 93年より正式に自分のワインを造りだした。つまりエルヴェはルネ・ジャンの造りとフィリップ・パカレの二人のワイン造りの流れを継承している。 奥さんのベアトリスの家系は、サン・ジョゼフと北ローヌに畑を所有していた。 北ローヌの山間部に醸造所付きの小さな城をもっていた。 450から480mという標高の高いミクロ・クリマを備えている。 土壌は花崗岩、表面は花崗岩が風化してできた砂で覆われた土壌。標高の高さからキリットした酸、砂質の層から繊細なタッチがワインに表現されている。 最近のRomaneaux ロマノのワインはこの特殊なクリマを真っ直ぐに表現している。何段階もレベルが上がっている。 自然派の超美味の域に入ったROMANEAUXロマノのエルヴェ Romaneaux ロマノがあるArleboscアルルボスク村までは、エルミタージュより25kほどの距離。 日本の箱根のような温泉場へ行くような山間、谷、沢の景色を見ながらクネクネの山道を越えて行く。 まさかこの山間の先に葡萄園があるとは想像もつかないような風景を通り過ぎるとチョットした台地があって、そこに小さなアルルボスク村がある。 その村の入口にお城のような大農家の館がある。 そこがドメーヌ・ロマノである 今日は、日本のインポーターであるDIONYのメンバーとやって来た。 DIONY社は年に数回はフランスまでやって来る。 しかも毎回、メンバーを替えて、できるだけ多くのスタッフに現地経験を積んでもらおうとのことだろう。 一軒は百聞に如かずを実践している企業だ。 素晴らしい社風だ。 来仏したのはもう10日以上前、それにもかかわらずメンバーが皆元気だった。 今回は美人女性が二人メンバーに加わっていて明るい雰囲気。 各自がキッチリと役割が決まっている。通訳に専念する人、 運転と全体を観る人、醸造元の一言一言を筆記する人。 素晴らしいチームワーク。 折角現場で体感したこと、感動したことを帰って日本の皆さんに伝えたいとの意欲が凄い。 銘醸テロワールとHerve SOUHAUTエルヴェ・スオ ここアルデッシュ山間部はガメ品種が昔から主力だった。 ローヌ河右岸のアルデッシュ地方は、130年前までは、つまりフィロキセラ以前は葡萄が至る所で一面に栽培されていた。 フィロキセラ以後、復活せずに野生化してっしまった葡萄園が多い。その中でも、勇気をもって、葡萄栽培を続けていた農家が点在している。ただその葡萄をキッチリと醸造する人が今までいなかった。 だから、アルデッシュのワインの名前は誰も知らなかった。 標高の高く、熟すのも遅いので近所のエルタージやコルナスにようにアルコールが高い濃縮ワインにはならなかった。90年台からの濃縮ワイン至上主義の時代には忘れ去られていた北アルデッシュ山間部であった。 ところが、近年になって繊細、上品さが評価されるようになると、まさに最高のミクロ・クリマを備えている地方だったのである。ただ造り手がいなかった。 RomaneauxのHerve SOUHAUTエルヴェ・スオ登場は、偶然ではないだろう。 フィリップ・パカレとダール・エ・リボの造りの流れを継承したエルヴェは、この北アルデッシュ山間部の土壌の価値を世に知らしめる為に生まれてきたと云っていいだろう。テロワール(花崗岩、高い標高)、葡萄(ガメ)天、あとは人(エルヴェ)が揃えば、凄いことになる。ダイヤモンドも磨かなければただの石ころ。エルヴェはダイヤ原石の様なここの土壌に磨きをかける為にやって来た人だ。 この土地のもつ能力を引き出す役割を引き受けたエルヴェ。 エルヴェエは8h程、畑を借りている。この北アルデッシュ山間部には元貴族の後裔が小さな城と畑を持っている。このアルルボスク村にもそんな貴族の子孫が住んでいる。彼らも最初の頃はよそ者としてエルヴェのことを見ていたが、最近ではエルヴェのやっている事を認めている。畑所有者の方から自分の畑をエルヴェに任せにやって来る。エルヴェ『彼らはお金をとらない いんだ。』代償はできたワインを欲しいようだ。 ワインは予約で一杯で、やるものがなくて困っている様子。 アルデッシュにはこの地方独特のガメ品種が生存している。 葡萄房の粒が小さいのである。 上質なポリフェノールが期待できる。しかも、標高が高いために、最終の葡萄熟成がゆっくり である。上質のタンニン、果実味となる。 エルヴェのガメの繊細さは、ここに由来しているのである。この時期でまだ色付いていない。 美味しくなるには、色んな条件が必要になる。 熟成倉庫は実に大切な要素の一つ。 ロマノの館の地下は、花崗岩版を切り抜いた地下層になっていて、樽熟成には完璧な条件を備えている。 さあ、2015年産のテースティング。 ディオニのメンバーはその前に聞いておくべき 事をチェック。 エルヴェの言葉を一成さんが訳すと即、皆が ノートにとる。 Romaneaux Blanc 15 醸造所に一番近い畑 93年に植えたヴィオニエ品種とルーサンヌ品種、23歳となった。当時、エルヴェはDARD ET RIBOで修業していた。その合間の時間に植えた。ある日、ルネ・ジャンもやっていきて、花崗岩土壌を見てアドバイスした。 『ルーサンも植えた方が良いよ。』ルネ・ジャン。 エルヴェはヴィオニエのみ100%植える予定だった。 このルネ・ジャンの言葉で50%がルーサンヌになった。 ルネ・ジャンはルーサンヌのスペシャリストだ。マルサンはあまり好きではない。この土壌と450mという標高を考慮にして、ルーサンヌが適していると判断した。 23年の月日が過ぎて、それが証明されてきた。花崗岩の風化した砂質の土壌に深く根を張りその下の花崗岩盤の中にも根が到達してきた近年、このロマノの白はミネラル感と酸の調和の具合がドンピシャリで素晴らしい。ほどよい塩っぽさは、和食、刺身には完璧だ。 門の横にある大きな木の木陰で試飲を続けた。 適度の風が吹いて心地よい。 ROMANEAUXの15年産を試飲した。15年産は例年より濃縮感がある。 15年の太陽がこのアルデッシュ山間でも強かった。 でも、濃縮しても常に涼しさが残るのがエルヴェの造り。 上品さは変わらず。何ていう液体だ。 LA SOUTERONNE ラ・スートロンヌ 私はSouteronneスートロンヌが個人的に大好きだ。 60~80歳の古木の北アルデッシュのマサル方式のガメ品種。 これぞ。このアルデッシュ独特のガメを味わってほしい。 花崗岩の土壌。樹齢が古いので常に酸が伴っている。 除梗なしのグラパップ・アンティールでMC発酵。 勿論、自生酵母のみ。 Les Cessieux レ・セシユ1 5 奥さんのお祖父さんが開拓した畑、12年までは長期契約で貸していた畑を取り戻した。AC ST JOSEPHサン・ジョゼフの原点だった区画。今でこそ畑が増えたけど、ACに制定された当初は極少なかった。 レ・セシユは最初から存在していた区画。まさに“ザ・サン・ジョゼフ”と云って良い。この区画をエルヴェは長いこと待ちに待った。長期貸付契約が12年の終わって、畑を整備して3年目の作品だ。素晴らしい液体だ。 LES MARECOS のMICHEL、マレコスのミッシェル 70歳を超えて子供のような目の持ち主 また、近所の新しい畑のオーナーが是非エルヴェに醸造してほしいとの依頼。元建築会社、社長のミッシェルだ。 ミッシェルは7O歳を超えても子供のような輝いた目の持ち主。 一代で石造りの家を造る建築会社を造った人。現在は引退してけど、仕事が大好きミッシェルはじっとしてられない性格。 昔から大のワイン好き人間。 エルヴェの近所に家を構えて、エルヴェのワインを飲んで、その美味しさに驚愕。好奇心旺盛なミッシェルは葡萄園の開拓を決意した。畑を造ってエルヴェに醸造してもらいたかった。 家の周りにある斜面の林を開拓して畑を造っている。 ずっと、石と共に仕事をしてきたミッシェルにとって石を移動することはお茶の子さいさい。林の木を抜いて、石をどかして段々畑を造って、エルヴェの援助もあってマサル方式の葡萄を植えている。 […]

5
Juin

ローヌ河左岸に広がる南ローヌの雄大な葡萄園

ローヌ河左岸に広がる南ローヌの雄大な葡萄園。高速道路A7号線をオランジORANGEで下りて10分程でこの景色になる。私の大好きな景色だ。左に富士山の形をしたヴァントー山(標高1907m)、右手に歯の形をしたダンテル・ド・モンミライユ山(730m)があり。雄大な葡萄を見守るようにそびえている。あの山の麓には私の大好きな素晴らしい醸造家が多数存在している。今日は、フランスで最も早くからビオディナミ農法を始めた蔵を訪問する為にやって来た。 On descend auto route A7 a ORANGE. A 10 minutes, On retouve cette magnifique paysage que j’adore. Et il y a immense vignoble a live gauche de Rhone. On trouve Mont Ventoux a gauche, et Dentelles de Montmirail a droite. Elles protege de vignoble . il y a beaucoup de vignrons que j’aime dans ce coin . Je suis venue pour visiter un des vigneron le plus ancien biodynamiste de France. 南ローヌには多くの歴史を感じさせるローマ時代の遺跡が点在する。しかしこれは?時代が違う。 Il y beaucoup de ruines et monument historique romaine au Rhone sud. Mais, c’est qoui ? ces pierres ? Quelqu’un qui peut me repondre ? Pres de Vaison la Romaine. ヴァントー山 MONT VANTAUXの麓にある醸造元。 エロディーのお父さんはフランスで最も早く1967年よりビオ・ディナミ農法を葡萄に採用した人。 もう50年間もビオ・ディナミを実践した畑はフランスではここが最古。 どこまでも、素朴な味わいのスタイル。 ワインは農業であることを感じさせてくれるワインは少ない。 […]

14
Oct

La Dégustation « Les Toqués » * « レ・トケ »試飲会

今日は久しぶりに試飲会のレポートです。 2年間のブランクがあるので、ゆるーいコメントから始めますが、どうぞお許し下さい! Les Toquésの試飲会では、ローヌ地方の生産者が勢ぞろい。 今回の会場は、魚料理で有名な、 Macéo Restautant*マセオ・レストランの二階で行われました。 古くから建っているこのレストランは、オスマニアン・スタイルが魅力。 ゴージャスなインテリアで一度優雅な夕食を味わってみたいです! Macéo Restaurant 15, Rue des Petits-Champs, 75001 Paris Tel : 01 42 97 53 85 Métro : Pyramide / Palais Royal / Bourse / Les Halles La Ferme St Martin * ラ・フェルム・サン・マルタン 最初に試飲したのは、スゼットの村でワイン造りを受け継いだ、La Ferme St Martin* ラ・フェルム・サン・マルタンのThomas Jullien*トマ・ジュリアン。 お父さんのGuy*ギーさんもいたけれど、相変わらずのシャイ・ガイ。 今年の出来具合は? 『2012年・13年が暑いビンテージ。 2014年は爽やかなビンテージ。 2015年はバランスが良いビンテージだよ!』 Blanc 2014*白2014 (Clairette, Grenache Blanc, Roussanne) ルサンヌをマセラシオンした後、他の品種とブレンド。 熟成:2/3フードルで、1/3タンク。 ミネラル感◎・繊細で長く続く後味・フレッシュ! テラスでの一杯かな! La Gérine 2014*ラ・ジェリンヌ2014 (Grenache 50%, Cinsault 25%, Carignan 25%) カリニャンをマセラシオン・カルボニック。 飲みやすさ◎・フルーティー・ほんのりスパイシー。 友達との飲み会のお供に。 Les Estaillades 2014*レ・ゼスタイヤード2014 (Grenache 90%, Counoise 10%) シラーのようなスパイシーさ・クノワーズが出す野性感・でも口当たりはボリューミーで爽やかでビックリ◎ Les Terres Jaunes 2014 *レ・テール・ジョーヌ2014 (Grenache 80%, Syrah 20%) 繊細度◎・なめらか・より女性的。 ちょっと豪華なディナーに。 Beaume de Venise 2014 *ボーム・ド・ヴニーズ2014 (Grenache 85%, Syrah 15%) 熟成:1/2フードルで、1/2タンク。 まろやか・エレガント・14,5°もあるのに酸味がキリットあるので飲みやすい! これはお肉と一緒に是非!! Cave d’Estezargues*カーヴ・デステザルグ 続いては、いつも笑顔で出迎えてくれる、Cave d’Estezargues*カーヴ・デステザルグのDenis Deschamps […]

27
Mai

GREGORY・GUILLAUME * 地質学・鍾乳洞研究家からの転身、静かに燃えるグレゴリー・ギオム

新しい自然派醸造家が生まれやすい南アルデッシュ地方 南ローヌ河右岸のアルデッシュ地方が今面白い。ここには自然派の原点的存在のドメーヌ・マゼルのジェラールド・ウストリックがいる。若手への援助・アドバイスを含めて親身になって面倒を見てくれる。そしてもう一人、中堅的存在のレクラパスのジェローム・ジュレもいる。ジェロームは皆の兄貴的存在でより細かなアドバイスをしてくれる。この二人のお蔭でここアルデッシュ地方には新人醸造家か多く誕生している。  年に一度 “自然派ワインの真夏の祭典”アルデッシュ自然派ワインの大見本市と夕べを開催する。日中は試飲会、夕べは豚の丸焼きを分かち合い、朝まで、食べて飲んで歌って踊ってのお祭りを開催している。この祭典のお蔭でパリのワイン屋、ビストロ、世界中の自然派ワインバイヤーもやって来る。若手ワインの買い手も直ぐに見つかるシステムができている。 マルセル・ラピエール系の自然派ワイン造りを継承 そんな若手の中でも群を抜いて高品質なワインを造るのがこのグレゴリー・ギヨムである。研究者としての追及心や物事の分析能力がワイン造りに生かされている。グレゴリが初めて自然派ワインを飲んで感激したのは、自然ワインの軽快な果実味だった。まるでブドウジュースのようにグイグイ飲めてしまうワインに感動したのだった。グレゴリーは、マルセル・ラピエール系の自然派の造り、除梗をしない葡萄房(グラップアンチエール)をそのまま発酵槽に入れる、セミ・マセラッション・カルボ醸造の典型的な自然派のスタイルをそのまま継承したのである。グレゴリーは自分なりの工夫をして灼熱の南の太陽を上手に調整してより果実味があって、より軽快で葡萄ジュースのようにグイグイ入ってしまうビュバビリテー最高のワインを醸すことに情熱を燃やしている。   ジェローム・ジュレとの人生を変えた出会い シャンパーニュ地方出身のグレゴリーがここアルデッシュ地方にやって来たのは、この地方の古い石灰岩盤の下に鍾乳洞系の洞窟が多く存在しているからで、洞窟研究者として調査・研究にやって来たのである。ある時、鍾乳洞の中で醸造家ジェローム・ジュレに出会う。人間的にも素晴らしいグレゴリーとは即家族同様の付き合いを始めた。この地方の人達の飾らない純粋な人間的な付き合い方にシャンパーニュ地方のギヨムは感動した。そして、ジェローム・ジュレの造ったワインの美味しさに驚愕した。自分が今まで飲んでいたワインとは全く違う美味しさに驚いた。それと同時に興味がわいてきた。ジェロームにお願いして醸造元で働くことにした。もともと研究者だったグレゴリーは自然派のワイン造りにのめり込んでいった。 山奥に標高の高い畑を手に入れた。 11年にアルデッシュ地方の山奥にビオ栽培の畑をやらないかと提案があった。標高が300mと高い。軽快な酸を狙うグレゴリーには絶好の条件だった、即断した。ジェローム・ジュレのところで学んだことを自分なりに改良したいところが既に沢山あった。 グレゴリは、より果実味を強調させながら、同時に酸を落とすことなく、そこにピュアーなミネラル感、さらに軽めのアルコール度数でバランスをとることを追及したかった。標高が高いことは最高の条件だった。 入手した畑の更に標高の高いところには、120年前フィロキセラの害以前は葡萄園だった段々畑が放置されて野生化している。グレゴリーはその段々畑も将来的には復活させたい。数百年前はローヌでも銘醸地として知られていたアルデッシュ地方の幻の畑である。 馬による農作業を開始 ピュアーさをより表現するには、徹底した自然栽培をする必要がある。スカッとしたミネラル感と酸をワインにもたらしてくれる。自然派独特の透明感がワインに表現される。その為には根っ子が地中深く伸ばして石灰岩盤のミネラルと水分を葡萄にもたらしてくれる必要がある。グレゴリは土壌を最大限にイキイキさせるには、馬での農作業が不可欠と判断。トラクターの重量で畑の土が潰されることなくより活性化する。 先人達の仕事を受け継ぎ土壌の“力”をワインに グレゴリー『自分の直接の先祖ではないけど、村の先人達が、栽培が困難な山を開拓してテラスと呼ばれる段々畑を造ってくれた。農機具がない時代には大変な作業だった。一生をかけて開拓した畑に違いない。それを引き継げる私達は本当に幸せなことだと思う。』 段々畑の作業は手間暇がかかって引き継ぐ人がいなかった。グレゴリーは先人達の仕事に敬意を持って復活させている。   日本の酒販店グループ・ESPOAのメンバーがグレゴリー・ギヨムにやって来た! エスポア・グループは全国に約100店ほどの酒販店がある。ワインを中心に自然で美味しい食品など『人にも優しく、地球にも優しい商品を提供する』 熱心な酒販店の集まりだ。 無名でも本当に佳い商品、美味しい商品を売ることに努力する酒販店グループである。当然、無名の商品を売るには数倍の労力が必要だ。 しかし、無名の商品を売る為に、お客さんとの接点を大切にして、“信頼”を得るためにあらゆる方面から最大限の努力をしているグループである。 ⇚ グレゴリの醸造所。村の空き倉庫を改良して醸造している。規模の大小   有名・無名では判断しない。ワインの中身、本物度で取引を決める。 自分の目でチェックしてない醸造元は販売しない。 ワインに関しては、自分達で訪問して畑が生きているか? 造り手の人間としての人柄は?  醸造方法も妙なものを使っていないか? どこまで自然で、何故美味しいのか? ただ美味しくするために地球を汚していなか?などを確認して販売している。毎年、仲間の誰かがフランスにやって来る。もう20年間も買付ツアーが続きている。レポートを全仲間に配布している。 新ミレジムをチェックするエスポア・メンバー 自然派は毎年ワインのスタイルが変わる。 毎年、新ミレジムが完成する5月に訪問して今年のスタイルをチェックして仲間に伝える。 造る人と売る人が共に生きる 醸造元にとっても、自分のワインを実際に販売している人達の意見を聞けるし、 自分のワインがどんな風に評価・販売されているか?を知ることができて、 安心すると同時に“共に歩んでいる”という勇気・やる気が出てくる。   まだ、ビン詰前の樽熟成中のワインが試飲できる。まだマロ・ラクティック発酵が終わっていないワインがどんなものか?も経験できる。 数か月後にはこのワインが自店に入荷される。 プロのワインバイヤー達がするような体験を、ESPOAメンバーはやってしまっている。こんな酒販店グループが日本に存在していることに誇りを感じる。 パリのワイン屋でも、星付店のソムリエでも実際に訪問に来る人は少ない。 電話で注文すれば、翌日には店に配達される。わざわざ遠いフランスまで来る必要はない。でも本当に大切な“商売”の神髄を忘れてしまっているのではないだろうか? 自分の売っている商品の中身を熟知して、信頼できる商品を自信を持って販売している小売店が、どれだけいるだろうか? 安いもの、売れやすいもの、有名なものばかりに手を出して価格競争に追われた商売に巻き込まれることなく、自信を持って売れる商品を提供して、お客さんの“信頼”を得ることができ、仲間とも情報を提供しあえるESPOAは凄い。 右から、東京のみどり屋さん、福岡の ナカムラさん、山口のやまだ屋さん、小松のもりたかさん、皆、自分の街では、ワイン愛好家から絶対の信頼を得ている一番店の人達だ。 皆、忙しい時間を割いてこのツアーに参加している。それぞれの店の得意分野が違う。商圏も違う。 このグレゴリーの13年産のワインを飲んで意見や感想が全くちがう。 このツアーでは本音で話し合える。この点がこのツアーの最も価値のある部分だろう。 例えば、小松の森高さんは、グラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラッション・カルボニック醸造の自然派がやや苦手だった。でも福岡の中村さんは得意中の得意な分野。   L’EPICURIENエピキュリアンはグルナッシュ品種をセミ・マセラッション・カルボニック醸造で仕込んだ。 フレッシュで、果実味が全面に出ていて、葡萄ジュースのようなワイン。繊細なグレゴリーが工夫を重ねて、南でありながら軽快でグイグイ入ってしまう自然派の典型的なワインを造りあげた。 還元的な風味が苦手だった森高さん、そのイメージがずっと頭に残っていた。 でも、最近の若手醸造家は先輩たちの失敗を土台に新たにクリアーな自然派ワインを造り上げている。森高さんは、中村さんより今の消費者のグイグイ飲める癒し系ワインの人気の話を聞いて、もう一度、実際に造り手の醸造上の苦労を聞いて、自分で飲んでみてイメージを切り替えた。 森高さん『イヤー、ほんまにジュースのように体に入ってしまう。文句なしに美味しいね。』大切な気づきをした森高さん。 LOU FOROSE ルー・フォロゼ なんとアリカント品種とカベルネ・ソーヴィニョンを一緒にプレスしてジュースを混醸したロゼ。果実の爆発のように美味しい。 KOFOROBE コフォロベ メルローとシラーのグラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラッション・カルボニック醸造。メルローの爽やかさと、シラーの果実味、、石灰岩盤のミネラル感で体が癒されるような透明感がある。 テースティングの後は造り手と売り手の人間的な繋がりを深める懇親会     お互いを必要とするファミリー的関係 グレゴリーのいる南ローヌ・アルデッシュ地方は農協組合が経営不振でバタバタと倒産している。当然、栽培農家も大変な状況な中にある。 当たり前のワインが売れないのである。 除草剤、殺虫剤、化学肥料を最大限に使ってリスクを負わない楽なワイン造りをしてきたしっぺ返しが来ている。 土壌の微生物が死に絶えて、コンクリートのように固い畑から美味しいワインなどできる訳がない。美味しくなければ売れない。当たり前の話である。 農作業が何倍も大変な自然栽培、リスクのある自生酵母での発酵、S02(酸化防止剤)を抑えた自然派ワイン造りは決して楽な仕事ではない。 でも、除草剤や工業酵母のなかった60年前はすべての醸造家がやっていたワイン造りなのである。ロマネ・コンチもシャト・ムートンロッチルドもみな畑に住む自生酵母でワイン造りをしていたのである。 グレゴリ達は農業を当たり前のやり方に戻して、土壌の微生物を活性化させて、その微生物の一部である自生酵母のみで発酵させて、その土壌に由来した美味しさをワインに詰める造りをしただけなのである。 しかし、そんな造りは多大なリスクを伴っている。 一般のワイン造り手の何倍もの労力を必要としている。実に過酷な労働を伴う。キッチリ買ってくれるお客さんが必要だ。 だから、自分のワインをキッチリ評価してくれるESPOAの人達は、本当に大切なお客さんなのである。いや、お客さんを超えて共に生きる“ファミリー”のような存在なのである。 ESPOAの皆さんが、リスクを負いながら、無名の商品や売りにくいけど本物商品を敢えて販売する挑戦者の姿に似ている。 長い観点でみれば両者とも利にかなっている。心から応援したい。

25
Déc

自然派ワイン界のレジェンドRENE JEAN DARDがもうすぐ来日!

パリ在住のダール・エ・リボ・ファンが ガールド・ローブに大集合!     自然派ワインの業界で今、飛ぶ鳥を落とす勢いのパリのワインビストロ“ル・ガールド・ローブ”で自然派ワインのレジェンドとも云えるダール・エ・リボのルネ・ジャンを招いて試飲・ディナーを開催した。 ルネ・ジャンはちょん髷姿で登場、江戸時代の町医者“赤ひげ”を思わせる風貌だ。ここパリでもルネ・ジャンの人気は根強く深い。本当に1980年代から自然派ワインを造っているダール・エ・リボはまさにレジャンドと云ってよい。多くのファンに支持されている。 超人気のガールド・ローブはもう夕刻の6:30にはほぼ満員状態になる。100%自然派ワインのワインバーである。普段は簡単なつまみ、生ハムセット、チーズセット、ビオ野菜セット、田舎パン、クロック・ムッシュなどをつまみながらワインを飲むスタイル。   生ハムもチーズも当たり前のものではなく、それぞれが工夫されていて、どれも大変おいしい。ルーブル・リボリに位置していて、芸術家が多いマレ地区にも近い。夕方は仕事を終えたビジネスマンや女性同士でも気軽に一杯ひっかけにやって来る。 隣の人とも気軽に話せる和やかな雰囲気が店内に流れていて、実に心地よい。陽の気が充満している感じ。   今夜は店の奥に小さなテーブルを設けて7時から8時までの一時間だけ、すべてのお客さんへのフリーテースティングの時間を設けた。パリ中のダール・エ・リボのファンが集まって来た。ここでは今、売り出し中の3つのワインを試飲、説明。 最初にクローズ・エルミタージュの白、“K”カリエールを試飲。クローズ・エルミタージュ地区では白ワインといえばマルサンヌ品種90%以上が普通。でもルネ・ジャンはマルサンヌ品種はほとんど使わない。つまりルーサンヌ品種100%の白。 11年は遅熟の年だった。ゆっくり熟した分、色んな成分もよく熟すことができた。そしてきれいな酸が残った。ダール・エ・リボのワインの特徴である超軽い微発泡が酸と調和してより爽やかさを強調している。ウーン・・美味い。洗練度が高い。 赤はクローズ・エルミタージュのDES BATIES デ・バティ11年を試飲。ルネ・ジャンのお父さんが植えた60歳のシラー品種100%。花崗岩土壌からくるミネラル感がタップリ。やはり軽い微発泡があって酸を伴った果実味と合わさりフレッシュで心地よい。 サン・ジョゼフ赤11年。11年は遅熟の年で普段より軽め目のバランスで仕上がっている。透明感があって、果実味がフレッシュで気持ちよい。一般女性客がこのサン・ジョゼフを試飲して一言『軽いワインね』と評価するほどスーット入ってしまう。 ルネ・ジャンはちょっとショック。。。『13度近くアルコールはあるのに軽いとは?サン・ジョゼフだぜ!』とちょっと不満そう。   店頭試飲が終わり第二弾は、地下の特別サロンに降りて、コアなダール・エ・リボ ファンを16名だけ集めて食事と古いヴィンテージワインを楽しむコースだ。この会への参加申し込みは、出した瞬間に満員となったそうです。パリでもダール・エ・リボのファンは多い。 流石にフランスの自然派ワイン愛好家、質問も鋭いことを聞いてくる。 客『SO2の使用はどのくらい?』 ルネジャン『年よって違うよ。入れなくてもよい状況の時はゼロの年もある。普通は瓶詰時にちょっとだけ入れる。SO2を入れない事を目的にしている訳ではないんだ。目的は美味しいワインを造ることだよ。よく自然派の醸造家でSO2を入れない事を強調し過ぎる人達がいるけど、ちょっとおかしいと思っている。決して目的ではない。』 客 『あなたのワインはいつもガス(超微発泡)を感じると思うけど、これでいいですか?』 ルネジャン『それは普通です。これは先程の質問とも関係して いるんですど、私は醸造中一切SO2(酸化防止剤)を使わない。その代りにアルコール発酵で自然に生じたガス(CO2)を残すことにしているんです。何故ならガスは酸化防止剤の役割をしてくれるからです。』   このソワレの企画はガールド・ローブの店長ASAMI(メキシコ生まれのパリ育ち)だ。この9月から店長になって張り切っている。連日の超満員状態の繁盛ぶり。ルネ・ジャンが持参してくれたミレジム・ワインを次々と開けてくれた。 まずは黄金色の液体がグラスに注がれた。ウーン、色だけ見るとかなり年代が古そうだ。しかし香りはまだ若々しさを感じる。口の中にいれるとまだガスが僅かに残っている、それに綺麗な酸がプラスされて超爽やかな風味に覆われた。でもこの深みはただものではない。 。 。。。なっなんと!サン・ジョゼフ・白2000年だった。なんて爽やかさがこんな形で残っているんだろう。もう13年も過ぎているのにこの若々しさ!一同感激と驚き。ルネジャン『エルミタージュやサン・ジョゼフは本当は白ワインの方がポタンシエルがあるんだ。』 今夜は、当ガールド・ローブのオーナーが自らワインに合わせて料理を作ってくれた。このサン・ジョゼフには鯛のカルパッチョ、鯛の刺身風のもの。よくこんなに新鮮な鯛を見つけたものだ。まだ爽やかさタップリのサン・ジョゼフ白は鯛の白身の旨味に、熟成によって洗練されたミネラルの旨味に驚くほどピッタリだった。(赤いのは根野菜のベットラブの絞り汁)   次はエルミタージュ白05のマグナムが開けられた。ルーサンヌ品種。ルネ・ジャン『エルミタージュもよく赤ワインの事ばかり話題になるけど、本当は白の方が偉大なワインなんだ。特にルーサンヌが良く熟した年、まさにこの05なんかは世界に誇れる偉大な白なんだ。』 ホタテのカルパッチョ、軽く表面を焼いてある。力強さと爽やかさが共存するミネラリーなエルミタージュ05に料理の方が合わせてくれた感じ。   クローズ・エルミタージュ赤、04,06が出された。なんてクリアで透明感のあるミネラリーなワインなんだろう。濁りワイン・臭い自然派ワインの象徴だったダール・エ・リボの進化は自然派ワイン全体の進化と共有している。 前を歩いている人がいない世界、地平線をゼロの段階から切り開いてきたルネ・ジャンとフランソワ・リボの職人芸の含蓄した技、味わいには、何とも言えない深みを感じる。   ASAMIの完璧な温度管理とサービスでダール・エ・リボのワインの真価を楽しませてもらいました。 自然派ワインこそ提供するタイミングや温度で何十倍も美味しさを発揮する。ダール・エ・リボのパリ在住ファンも大喜び。   パリ在住の熱狂的ダール・エ・リボのファン     皆、大喜びでした。中にはどうしても現地に行きたくてダール・エ・リボ醸造まで訪問しているファンも何人かいました。造り手を前に古いヴィンテージを飲みながら楽しめるのはファンにとって最高の喜び。ルネ・ジャンも嬉しそうでした。 一番嬉しそうだったのは、企画者のASAMIだった。いつも店に来てくれるお客さんと大好きなルネ・ジャンを招いてのソワレは格別なひと時だった。この大成功のソワレの最後にポロっと嬉し涙を流したASAMIは幸せそうでした。 ルネ・ジャンはあまりこの様なソワレには参加することはない。大好きなASAMIの頼みとあっては断れなく今夜の会が成立。この会のお蔭で私も知らなかったダール・エ・リボを再発見した部分も多かった。素晴らしい一期一会でした。この二人に感謝!       自然派ワインは長期熟成にも問題なし!   今夜、飲んだワインの一部。イヤー!すべてがクリアで新鮮なタッチで飲めました。僅かなSO2(参加防止剤)しか入っていないのに、全く問題なく熟成しています。自然栽培からとれた葡萄自体のパワーがSO2を必要としていないのだろう。 このダール・エ・リボのルネ・ジャンが14年1月に日本に行きます! 日本中の各地でダーリ・エ・リボのテイスティング会を開催します。 お問い合わせは、野村ユニソン社(03-3538-6502)、CLUB PASSION DU VIN(03-5565-5880)まで!  

27
Mar

小松屋 訪問レポート第2弾! エステザルグ!!

自然派の激旨安ワインを量産するESTEZARGUEエステザルグ農協の原点は? 小松屋メンバーエステザルグ農協訪問 激旨安ワインの原点を知りたくて! エステザルグ農協はTAVEL地区とCH-NEUF DU PAPEに近い南ローヌに位置する。今、この南ローヌの農協は相次ぐ倒産で激変している地方だ。そんな世間の状況と逆行して優良経営を続けている数少ない農協だ。しかも自然な造りの量産に成功した優秀な技術力が持っている。 旨い!安い!自然!三拍子が揃っている 小松屋でもこのエステザルグ農協のワインは大切なヒット商品だ。比較的割高なワインが多い自然派ワインの中で安くて、美味くて、自然という3拍子揃ったワインを造る原点を見にやって来た。 雨あがり晴天に恵まれて気持ち良い朝の訪問だ。 空気も澄んでいる。 土壌・ミクロ・クリマはパップ級 CH-NEUF DU PAPEシャトー・ヌフ・ド・パップに近いエステザルグ村の土壌はガーレ・ルーレと呼ばれる 大きな丸石がごろごろ転がっている。正にパップと同じだ。名門パップ並みの素晴らしい土壌が備わっている。 葡萄木の樹齢も古く、根も深い! 特にグルナッシュ品種は樹齢も古いものが多く。 自然な栽培を昔から続けており根っ子が地中深く入り込んでいる。土壌も微生物などがイキイキしているのを感じる。元気な自生酵母が育っていることだろう。 こんな古木の葡萄木から搾った果汁は、力強く、果実味とミネラルを豊富に備えていることを予想できる。 名門のパップやタヴェルと比較しても決して劣ることはないミクロ・クリマを備えている。 今あるESTEZARGUEエステザルグ・ワインを造り上げた3人の男達 1-炎の探求心・ジャン・フランソワ・ニック エステザルグを現在ある自然派へ方向づけたのは、あのルシオン地方の自然派伝道師ジャン・フランソワ・ニック氏。 この写真は筆者が2001年に撮影したニック氏。エステザルグ農協で働いていた当時の貴重な写真だ。1989年にワイン学校を終えて当農協に就職。ここに来る前はマルセル・ラピエールがいた自然派の本拠地モルゴンにて醸造研修した。 マルセル達の自然派の造りに感動したジャン・フランソワ。 当然、研修した自然派の造りをエステザルグ醸造に取り入れた。 農協の醸造長といえども、雇われの身、栽培にも関わってくる自然醸造を実行するには組合員の同意が必要だった。組合員の農家達も最初は半信半疑だったけどジャン・フランソワの情熱に押し切られ少しずつ始まった。主要農家は10名という少数さが幸いした。普通この段階で農家の反対に合っていたら今のエステザルグは存在しなかった。ここからジャンフランソワの壮絶な試行錯誤が始まった。大量ワインの自然な造りは、まだ誰一人として挑戦してないからだ。研究・工夫・試作と安定するまで10年の歳月がかかった。 その後、ジャン・フランソワ・ニック氏は2002年よりスペイン国境ぞいのルシオン地方に畑を買い独立、今では南仏NO1の自然派と誰もが認めるFOULARDS ROUGEフラール・ルージュを立ち上げた。南仏自然派の発展に無くてはならない尊敬に価する人物だ。 途轍もなく美味しいワインを造れる人は、世の中にそう沢山いない。ジャン・フランソワのワインは繊細で細かくて上品なワインだ。そんなジャンフランソワを育てたのは間違いなくエステザルグの経験だろう。大量ワインを自然に造る至難な業を完成させる中で、多くの事を学んだ。 2-エドワード・ラフィット 現LE BOUT DE MONDEル・ブー・ド・モンド醸造の当主 エドワードはジャンフランソワと共にこのエステザルグ農協で自然な造りを実践してきた人物。ジャンフランソワ独立後は、このエドワードがこのエステザルグ農協の醸造長として4年間を務めた。   SO2の添加量もさらに減らし、栽培も農家と共になって自然栽培を増やし諸々の改良を続け、畑ごとの多くの新キューヴェを造りだした。2005年ジャンフランソワの後を追ってルシオン地方に畑を買ってLE BOUT DE MONDEル・ブー・ド・モンド醸造を 立ち上げた。素晴らしいワインをリリースしている。 3-ドニ・デシャン そして、今はドニ・デシャンがいる。やはり美味しいワインの裏には人物を通した物語が存在する。ドニもジャン・フランソワ・ニックとエドワードと共に長年一緒に探求してきた人物だ。優しい性格は栽培家からも絶対の信頼を勝ち得ている。業も一流だ。 エステザルグの主要な葡萄栽培農家達とさらに密なる関係を築いているドニ・デシャンDENIS DESCHAMPS。 自生酵母で発酵させる自然な造りには、健全な畑仕事が不可欠だ。ドニ・デシャンは二人の先輩のやって来た事をさらに深く栽培方面からも一層の完成度をあげて、激旨安ワインに磨きかけている。ドニの探求心と知識は一流だ。自然度をあげて揺るぎない自然派ワインを完成。 小松屋一行ESTEZARGUEエステザルグ醸造所内見学   小松屋の販売する自然派ワインの中でも 日常的に飲めるワインとして販売量も多く無くてはならない重要なアイテムがこのエステザルグには多い。 畑を見て歩き、エステザルグの歴史を聞き、醸造所をみてエステザルグの偉大さをさらに深く感じた。 価格が高くて美味しい自然派を造るより 価格が安く美味しい自然派を造る方がもっと難しい。 この巨大タンクのワイン醸造をSO2の添加なしで自生酵母で発酵させる“業”を持っているのは世界中でここエステザルグだけだ。 自然!旨い!安い!3拍子揃った貴重な ワインはここで醸造される。 この巨大タンクにバクテリアが発生したら。タンクごと捨てなければならない。 現在のように安定するまで、どれだけの犠牲があったのか? 想像を絶する犠牲と試行錯誤を重ねて、今の安定した世界唯一の業を造りあげたのだろう。 3人の男、そして10人の栽培家の勇気と決断、決して弛まない試行錯誤に拍手と感謝の念を送りたい。     今日は醸造長のドニ・デシャンに代わってオードさんが案内してくれた。 今週はフランス中の小学校が春バカンス、2人の子供を持つドニは子供たちとスキーに行っている。 いつも忙しい醸造長のドニは、この寒い時期しか家族サービスができない。 オードさんより 少数精鋭のエステザルグはこれだけの規模を醸造関連で4名、事務系2名、出荷1名、たった7人でこなしている。勿論、繁盛期は外部からの応援もあり、また 事務系人員も醸造を応援したり、その逆もありお互いが必要に応じて何でも仕事をこなすシステムになっている。これは経費削減となっているのだろう。 色々試飲した一部を紹介しよう DOMAINE DES BACCHANTES 10 ドメーヌ・ド・バカント シラー70%、グルナッシュ・ノワール20%、ムールヴェードル10% シラーの濃縮感ある濃厚な色合い、グルナッシュの豊かな果実味、ムールヴェードルが骨格を造っている。ミネラルからくる潮っぽい旨味、爽やかな酸もあり心地よいバランスととれたローヌらしい赤ワイン。 DOMAINE DE PERILLIERE 11ドメーヌ・デ・ペリエール 古木のシラー75%、古木のグルナッシュ・ノワール25% シラー75%のわりにローヴが中庸の濃度、ややスパイシーな果実味がシラーらしい。 古木からとれた葡萄を仕込んだ特徴である柔らかさや深みを感じさせてくれる自然な風味の赤ワイン。 自然派ワインファンのみならず確りした南仏ワイン好みの方にも愛されているワイン。 PERILLIERE COSTIERES DE NIME 11 ペリエール・コスティエール・ド・ニーム シラー65%、グルナッシュ・ノワール35% ラベルの漫画チックのように比較的軽やかなタッチの心地よい赤ワイン。気軽に飲んでほしい。 グルナディーン果実のようなフルーティーさがより自然派っぽい。グイグイ飲めるヤツだ!      GRANDES VIGNE BLANC 11グラン・ヴィーニュ 白 クラレット・ブラン80%、ブーブランク20% 数少ないエステザルグの貴重な白ワインだ。南ローヌの白ワイン独特の酸が穏やかなスタイル。日本酒のタッチに似ている。酸の代わりに石灰岩盤からくる潮っぽいミネラル感でしめている。サラット切れがよい。

20
Août

アルデッシュ(ローヌ地方)自然派ワイン夏の宴

アルデッシュ自然派ワイン祭り アルデッシュ地方はフランスで最も美しい地方の一つに挙げられる。ローヌ河の右岸に位置する。 アルデッシュと云えば、自然派ワイン大御所のMAZELマゼルのジェラールがいる。そして、中堅的存在になったDOMAINE LES CLAPASドメーヌ・レクラパスのジェロームがいる。第1回目の昨年はマゼルでやった。今年の第2回目はジェロームが中心になって、レ・クラパスの醸造元の敷地に巨大テントを張って夜の食事会の為に準備した。テースティングは青空のもと外で朝10:30から開催された。 自然派ワインが急増中 ジョセリヌ・マゼルとステファニ・レクラパス フランス中の地方で、自然派が急増している。自然派の新旧が一緒になって自然派を盛り上げている。もう自然派という言葉を使う必要がないほどに広まっている。このローヌ地方ではワイン農協がバタバタ倒産している。当たり前のワインが売れなくなっている。飲食するものに対するトレサビリテーへの関心がますます強くなっている。自然派が急増するのは理解できる。 自然派ワインの蔵元の明るさと親しみやすさ 元ワイン農協の農家が世代交代の時期に新世代の若者達が 自然派ワインを造りだす傾向がますます多くなってきている。しかもジェラールなど熟練者は惜しみなく若者への援助や技術指導をしている。こんな会での情報交換が新規の挑戦者や若者達に勇気と安心感を与えている。 アルデッシュ自然派祭に400から500人が集まった。 10時半から始まって、お昼は仕出し屋さん(ジェラールの村のレストラン)お昼は外にテーブルを出して20ヨーロの定食、ワインは勿論、出店ワイナリーの自然派ワイン100%。出店ワイナリーはアルデッシュ地方とオヴェルニュ地方の16社、、他の地方からも遊びに来ている醸造元をいれれば30社ほどの自然派ワイナリーが来ていた。 訪問者は私のような海外向けの輸出者・輸入者、フランス中のワイン屋、レストラン業者、愛好家、バカンスの時期だけにフランス中から集まってきました。 温度の27度前後の大変気持ちが良い気候だった。豚の丸焼きを5頭を一日中かけてじっくり炭焼き、炭も引き抜いた葡萄木を焼いて作ったもの。最高に美味しい風味がでる。田舎でなければできない祭だ。 このような自然派ワイン祭りはマルセル・ラピエールが20年前よりフランス革命日の7月14日に毎年開催されている。毎年500人近い人たちが集まってくる。この会は超有名になっている。私も毎年参加している。やはり5匹の豚を丸焼きにする。3日間かけて自然派に関わる人達が集まってくる。こんな自然派祭がこのアルデッシュで始まったことに無上の喜びを感じる。このアルデッシュにはジュル・ショヴェ先生の直弟子であるジャック・ネオポールも住んでいる。 ここで始まったのは偶然ではないだろう。 お昼を食べ終わってからは、木陰で昼寝をする人、延々と試飲を続ける人、醸造元同士で情報交換をする人、私は他の国へ輸出している人達と情報交換をした。癒し系ミュージックの演奏者も入って、南フランスしか聞けない蝉の声を聴きながらの昼寝は最高だ。 なんて心地よいひと時なんだろう!!時間が止まったようなひと時だった。世の喧騒から離れて、気の合った人達と大好きな自然派ワインを飲みながらの瞬間は格別なものだ。夜は巨大テントの中で大フィーバーだ。 こんな素晴らしい人達がいました。 MAZEL マゼルのジェラール・ウストリック 一見すると岡本太郎に似ているジェラールは本当に愛すべき性格の人物だ。純粋で真っ直ぐで、人情熱い暖かい性格だ。近所の若者達を惜しみなく援助している。畑まで与えて自然派ワイン造りを指導している。彼にはジャック・ネオポールが近所にいる。時々顔を出してくれるようだ。始めた当初はよく教えを受けていた。ジュル・ショヴェ仕込みの自然派ワインを知りたければ、このマゼルのワインは絶対にはずせない。自然派の原点と云って良い。 今日の祭を主催してくれたLES CLAPASレ・クラパスのジェローム・ジュレ 質実剛健、ジェロームに浮いたところが全くない。決めたこと着々とジックリと進めていくタイプの性格だ。自然派ワイン造りを始めた時も、いきなりSO2を添加しないような造りを恥じなかった。試作を何年もかけて実行して、自分が確信もてるようになってから世に出した。こんな実直な彼の性格が認められて、ヴィルヌフ・ベルグ村が所有する16世紀には有名だった山の段々畑、フィロキセラ害虫より野生化していた畑を再生するように村役場より依頼があり現在再生中である。5年前、フィリップ・ジャンボンと日本に来日した。当時はまだ初めてそう時間がたっていなかった。今はフランスでも外せない重要なポジション評価を得ている。 MAUPERTUIS モーペルチュイのジャン 今は幻となってしまったオヴェルニュ地方のドメーヌ・ペイラのメンバーだった人物だ。ペイラが人気絶頂の中、消滅せざるをえない状況となって、ジャンは自分独自の醸造元を打ち立てた。優しいタッチのワインの性格はペイラに似ている。ジャンの優しい性格がワインに反映されていて、自然派独特の優しい果実味とオヴェルニュ地方の優しい太陽らしい低アルコールの心地良さは他の地域では決して味わえないタッチである。今ではペイラ時代と同じくらい超人気ワイン蔵となってしまった。 ROLS ロール フランスの中心部オヴェルニュ地方からさらに南に下がってミロー橋の手前を大西洋側にちょっと移動したところにある。西南部地方にはいるアヴェイロンでは珍しい自然派ワイン。シャルドネ、シラー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー品種などが植えられている。赤は実に柔らかなタンニンとホワッとした優しさ、軽めのアルコールと心地よい酸がフレッシュで良い。 NICOLAS CARMARNS ニコラ・カルマラン 元パリで自然派ワインのビストロ経営していたニコラ。お祖父さんの実家がアヴェロン県にあった。オーリャックにも近く、フランスでは最も寒い地区の一つでもある。子供の頃から夏休みになるとお祖父さんの家に来て遊んでいた。お祖父さんから『この村には昔葡萄園がいっぱいあったんだ。』という話を聞いていた。自分でワインビストロを経営していて、自然派の醸造家との知り合いが増えた。フィリップ・パカレ、マルセル・ラピエール、エリック・プフェーリング(ラングロール)2007よりパリの生活を終わりしして、この地に移り、ワイン造りに専念している。除梗なしのセミ・MC醸造で完全自然派タイプ。 その他こんな醸造家が来ていました。 ムーレシップのアランとル・ブー・ド・モンドのエドワード グリオットのパトリック マス・リビアンのエレーヌ こんな人達も参加していました。 リヨンの石田さん 在仏日本人で自然派ワインを語る時、この人を外しては語れない存在。マルセル・ラピエールとは家族の付き合いをしていた。自然派醸造家に愛されている名シェフ。 パリのヴェール・ヴォレのソムリエのリョウさん夫妻 パリで自然派ワインを語らせたら右にでる人はいません。控えめで実直な人。多くのパリジャンに愛されている。 アルデッシュ真夏の夜の祭典 半日かけて焼き続けた豚5頭が食べごろに焼けてきました。ジェロームが先頭を切って豚の解体を始めました。皆待ちきれずテントの中では飲み会がはじまっている。 石田さんは毎年、ラピエールの自然派祭りの際、豚の解体を担当している。ほとんど食べている時間がない。今夜は飲んで食べる側に身を置いた。今夜はゆっくり飲みましょう! よく飲んで!よく食べて!よく楽しむ!自然派ワイン大好き人間400人が集まった。ワインは各醸造元が提供してくれた。みんな楽しく飲ん、食べて、最後は音楽が入ってダンスが始まった。自然派とは人生を楽しむことだ!ますます自然派が増えていく。地球にとっても、飲む人間にとっても幸せなことだ。

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Avr

エロディー・バルムとマルセル・リショーの新ビンテージ試飲!

今日は、3月末に来日する予定だったこの二人の2010年ビンテージ・ワインに付いて語ります! 2010年のローヌ地方のワインは、とても綺麗なバランス! マルセル曰く、『2010年はエレガントで繊細なビンテージ。綺麗な骨格で、フレッシュ感バッチリ!エレガントな年は、何年後かに飲むと更に上品になっているんだ。私はこのビンテージが大好きだ!口に含むとワインが踊ると言うか、とても良いハーモニーでハッピーな気分になる。私にとって、綺麗なワインは濃厚でタンニンが抽出しているワインではない。パワフルな部分は、抽出からではなく、テロワールから引き出されるものだ。私が目指しているワインはバランスが良く、飲みやすく、皆で楽しめるワイン!』さすがアセンブラージュの王! ではでは、アセンブラージュしたてのワインを試飲です! Terres d’Aigues*テール・デグ2010 グルナッシュ80%、ムルベードル20% オリーブ、グリオット、野イチゴなど、熟成されたブドウの香り。 豊富で濃厚な味わいにフレッシュ感が足され、タンニンの渋みもちょうど良い! 全然重くなく、丸みのある気持ち良いワインです。 Terres de Galets*テール・ドゥ・ガレ2010 グルナッシュ50%、カリニャン30%、シラー20% 樹齢30年 小さな石と、赤粘土質のテロワール 黒実フルーツのジャムを思い出させる、甘くて深い香り。 口に含むと、南仏のワインのように厚みがあり、ガリッグ(香草)の特徴が出ていてスパイシー!ミネラル感もタップリと感じられ、エレガントで繊細なワインです。 Cairanne Blanc *ケランヌ・ブラン2010 ルサンヌ、マルサンヌ、ビオニエ、グルナッシュ・ブラン、クレレット、ブルブラン 白い花と洋ナシの香りが綺麗に混ざり合い、表現豊かなワイン。 後味が長く残り、フルーティーで飲みやすい!アペタイザーにはピッタリです! Cairanne *ケランヌ2010 グルナッシュ46%、ムルベードル20%、シラー16%、カリニャン16%、クノワーズ2% 樹齢40年から70年 赤フルーツの濃厚な香りが漂うワイン。 厚みとボリューム感タップリで滑らかなタンニン!なおかつ酸味も効いていて爽やか! マルセルからのアドバイスは、『ちゃんとしたカーブだったら5年間保管出来るよ!』と。 5年後どのようにこのワインが化けているか、是非飲んでみたいです! Ebrescade*エブレスカード2009 各品種をバリックで熟成した後、アセンブラージュを終えフードルでの熟成。 とてもまろやかでボリューム感タップリ。 熟成された黒実のフルーツの甘さが口いっぱいに広がります。 トーストとスパイスの香ばしい香り、そしてフレッシュ感もあり、上品な一本。 2010年はより爽やか!ピュアなブドウの後味が長く残ります! 個人的には、トップ10に入る大好きなワインです!ちょっとセレブな時間を味わいたい時に飲んでいます! 続いて、エロディーのワインも試飲! 彼女も、朝アセンブラージュを行ったばっかり。 エロディーに2010年の特徴を聞いてみると・・・ 『今年も、過去10年間と同じパワフルさ。アルコール度数は15%なの・・・でも2009年より酸味がより強いので、フレッシュで飲みやすいよ。今年は、完璧な熟成度に達するまで時間が掛かったんだ。普段は9月の頭に収穫がスタートするんだけど、2010年は9月の20日から開始したんだ。前年に比べると遅いかもしれないけど、昔は9月の下旬から収穫時期が始まっていたんだよ。だから、早いと言うより、普通に戻ったと言った方が正しいのかも。でも、ブドウがゆっくりと熟成した分、バランスが良く爽やかさも感じるワインに仕上がったよ!2010年はバランスも良く、骨格もよく、綺麗なタンニンが味わえるよ。』と笑顔で話す彼女。 『でも開花時期に、グルナッシュのブドウにクーリュールが発生しちゃったんだ・・・その分収穫量が落ちてしまったの・・2009年の収穫量は少なかったけれど、今年も更に低くなっちゃった・・』とちょっと困った様子。。。 確かに、パリでは知らないカービストはいないほど人気なエロディー。御客さんは増えてもワインが少なくなってしまってどうしようと・・・ でもそんな問題も2011年からは解決!今年から畑の面積が、今ある8Haから13Haに拡大! 皆さん!彼女の2010年ワインをゲットするには早い者勝ちです! Vin de Pays de Vaucluse*ヴァン・ドゥ・ペイ・ド・ヴォークリューズ2010 カリニャン50% - 40年 グルナッシュ25% - 40年 メルロー25% - 8年 グルナッシュとメルローは同じタンクで醸造。カリニャンがフレッシュ感を与えている、綺麗なフルーティーなワイン。空気のように、スーっと喉を通っていき飲みやすい!エロディー・タッチが綺麗に出ている、女性的なワインです。 Côtes du Rhône*コート・デュ・ローヌ2010 グルナッシュ(80年)、シラー ラストーから北斜面にある、ビュイッソン村に位置しています。 深い部分は粘土質、そして表面は砂岩質(小さな粒が石灰で固まり、出来た堆積岩) 鮮やかな色合いからは、熟成された濃厚なフルーツとスパイスの香りが!ミネラル感が多いに感じられ、パワフルでありながら上品な骨格。とてもエレガントでフェミナンなワインです。 Rasteau*ラストー2010 グルナッシュとシラーのアセンブラージュワイン。 テロワールは粘土石灰質。 今回は、まだブレンドをしていなかったので、ラストーのグルナッシュだけを試飲。まだ残糖が残っていましたが、綺麗で甘いフルーツやレグリス、チョコレートの香りが!そしてまろやかなタンニンが印象的! Les Champs Libres, AOC Roaix*レ・シャン・リーブル、AOC ロエ2010 グルナッシュ70% ムルベードル20% シラー10% テロワールは、鉄分を含んだ赤い泥灰岩。表面には大きな石が。 2010年からアペラシオンを取得したこのワインは、野生的で繊細な香りが魅力的。 フレッシュ感あり、ミネラル感あり、とても綺麗なバランス。4年前に植えられたムルベードル、そして立体感を与えるために足したシラー。去年とは一味違うレ・シャン・リーブルをお楽しみに! エロディー 、そしてマルセルのワインについてのお問い合わせは、 こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

28
Mar

Cave AUGE でローヌ・ワインの試飲会!

3月26日、春のお日様が暖かく照らす中、カーブ・オジェで、ローヌ・ワインの試飲会が開かれました。 今回呼ばれた生産者は、トップ・レベルの方ばかり! 早速始めましょう! Cave Augé 116 Boulevard Haussmann 75008 Paris TEL : 01 45 22 16 97 Métro : St Augustin / Ménilmontant ***************************************************************** 最初は、誰もが知っているタベルの一流生産者、L’Anglore*ラングロールのEric et Marie Lo Pfifferling*エリックとマリーロ・ピファーリング。 2010年ビンテージの特徴は、パワフル、綺麗なバランス、そして酸味が利いている年です! 今年もとても少ない生産量・・・ このドメーヌのワインは、フランスでも早い者勝ちです! Sels d’argent*セル・ダルジャン2010 グルナッシュ・ブラン100% リンゴやピーチの香りがとても印象的。 熟成度、酸味、そしてフレッシュ感、全てが綺麗に調和されていて飲みやすい! アロマティックな、ミネラル・ワイン! Tavel *タベル2010 グルナッシュ70%、サンソー20%、クレレット、カリニャン 野イチゴの香り、そして相変わらず優しい口当たり。フィナーレはスパイシーでサッパリ! Chemin de la Brune* シュマン・ドゥ・ラ・ブリューヌ2010 グルナッシュ50%、サンソー、アラモン 直接プレスされたブドウを使用して出来上がった赤ワイン。 こしょうと赤フルーツのマッチ具合が最高。そしてボリューム感があり、後味が長い! 残糖が少々残っており、ビンの中で再発酵する可能性あり。夏にはちょうど良い、ちょっぴりスパークリング・ワインに変身するかも! Pierre Chaude*ピエール・ショード2010 グルナッシュ90%、クレレット10% さくらんぼやイチゴの香りが口いっぱいに広がります!飲みやすくてフレッシュ感タップリ!70年のブドウ木から吸収されたミネラル・・・ビュヴァビリテは100%です! Traverses*トラベルス2010 シラー70%、グルナッシュ30% よりアロマティックでパワフル!シラーの濃厚な香りと蕩けたタンニンが上品! Véjade*ベジャード2010 ムルベードル80%、グルナッシュ20% 熟成された濃厚な黒フルーツの香り。そして厚み感が溢れつつ、爽やかな口当たり。食事を取りながら、ゆっくりと味わいたいエレガントなワインです。 ****************************************************************** 次は、相変わらずお洒落なベアトリスと、存在感のある旦那様のエルベ・スオー氏 、Domaine Romaneaux Destezet*ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ。 2010年は酸味が綺麗でアエリアン(空気のような)ビンテージ! 2010年の白(ビオニエ、ルサンヌ)は、キリッとした酸味が印象的。アロマティックで華やかな香りが綺麗! St Joseph*サン・ジョゼフ(白)2010は、ピトゥーの隣の区画から収穫されたマルサンヌを使用。柑橘類のアロマが漂い、スーっと喉を通っていくサッパリとしたワイン。夏のアペタイザーには最高! La Souteronne*ラ・ストゥローヌ2010 ガメイ100% とても飲みやすく、爽やかなフルーティー・ワイン。 ミネラル感がタップリ! Syrah*シラー2010 こしょうやスパイスの香りと、シラー独特のアニマル感。 フレッシュなタンニンが魅力的! Ste Epine*サン・テピンヌ2010 シラー100% 古い花崗岩から収穫されたシラー。 とても上品で、エレガントなタンニン。お肉料理にはピッタリなワインです。 Merlot*メルロー2010 今年初めて造ったメルローのワイン。 飲みやすく、爽やかな喉越しと、しっかりとしたスパイシーな骨格。熟成されたフルーツの香りが長く残る一本。 ***************************************************************** いつものように、ゆったりとした雰囲気を出している、La Ferme St Martin*ラ・フェルム・サン・マルタンのGuy*ギーさん。今日は、息子のThomas*トマはドメーヌで畑作業。ワインは2本のみ。しかし、メチャ美味しい2本です! Les Estaillades (Ventoux) *レ・ゼスタイヤード(ヴァントゥー)2010 濃厚で熟成されたブドウの香り! 口に含むと、一瞬でフルーツの甘い実の味が広がります!パワフルで、なおかつフレッシュなので、癖になりそうな一本! Cuvée St Martin, Vieilles Vignes *キュべ・サン・マルタン、ヴィエイユ・ヴィーニュ2008 2008年は、最高な気候では無かったものの、エレガントで飲みやすい、フレッシュなワインが出来上がりました。とても滑らかで優しい味。ロマンティックな雰囲気が漂うワインです。 他にも、ミネラル感が強いFleur de Terroir*フルール・ド・テロワール(白)2009、フルーティーでジューシーなRose d Entrevon*ロゼ・ダントルボン2010、友達とグイグイ飲みたい、赤フルーツタップリのLa Gerine*ラ・ジェリンヌ2010、エレガントでシックなRomanis*ロマニス2010、最後はスパイシーてテロワールの複雑感が味わえるTerres […]

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Mar

確実性の男・ジェロームDOMAINE LES CLAPAS

南ローヌ・アルデシュ地区の確実性の男・ジェローム・ジュレ DOMAINE LES CLAPAS  ドメーヌ・レ・クラパス アルデッシュといえば自然派の大御所マゼル・やジル・アゾニがいる。自然派が育つ人的土壌が存在する。二人の大先輩の影響を享けて、今、アルデッシュを代表する自然派醸造家に成長しつつある確実性の男ジェローム。 何故、確実性の男か? ジェロームには浮いたところが一切ない。ここまで来るのに充分な準備と経験を己に架してきた。自分が確実に行けると思うまでは試行錯誤を繰り返し研究を続行する。ジェロームが動いた時は、確実に本当に美味しいワインがそこにある。安心してワインを飲むことができる。よく自然派醸造家にみる還元臭ビンビンとかやや酸化気味というようなことはない。自然派独特の果実味がたっぷり乗っていて、なおかつクリアーでしびれるほど美味しい。いつ飲んでも満足度の高いワインを造りだしてくれる。 6年間の修行時代を超えて積み重ねた現在 独立する前は、6年間のあいだコート・デュ・ローヌ、ボジョレー、ブルゴーニュ、ボルドーのいろんな産地で働き、生産者から現場で教わりながら経験を積んだ。自然派ワインに興味を抱くようになったのは、ローヌ地方南部を代表する二人の自然派ヴィニュロン、ジル・アゾーニと、マゼルのジェラルド・ウストリックに出会ったからである。 また、ボジョレのフィリップ・ジャンボンとも大の仲良しだ。それでも、一歩一歩しか進まない、(PAS A PASパ・ザ・パ)、その姿勢がそのままワインの名前になっている。 3月に入り剪定も最終段階のレクラパス PAS A PASに入るカリニャン レ・クラパスの醸造所に最も近い畑“ラブリ” 。ここにはカリニャン、グルナッシュの古木、34歳のカベルネ・ソーヴィニョンがある。区画の横のイビリ小川が流れていて、比較的遅熟の畑区画である。カリニャンとカベルネ・ソーヴィニョンはお父さんが植えた。グルナナッシュはお祖父さんが植えたものだ。先代達が残してくれた畑で、ジェロームは今、美味しいワインが醸せる。 剪定は樹液が上に登りだす頃が最もよい。 最近は収穫が終わるとすぐ剪定を初めてしまう醸造家が増えている。しかし、11月はまだ樹液が下に向かっている時期である。切り口から樹液と一緒に菌が根まで入りやすい。病気にかかりやすい。3月は右の写真のように樹液が登ってきている。この時期に剪定するのが最もよい。理想的だ。菌が内部に入る心配がない。 L`ABRI ラブリというここの畑区画が名前になっているワインがある。お父さんが1976年に植えた自慢のカベルネ・ソーヴィニョン100%を仕込んだワインだ。左がカベルネ・ソーヴィニョンの葡萄。 ジェロームのトラックでレクラパスの畑巡り 標高が高いフェスキエ区画 この区画はお父さんが1980年に開拓して植えたグルナッシュが植わっている。ここからはEN AVANT DOUTE アナヴァン・ドゥットという名のワインを醸している。 グルナッシュ100%のSO2なしの果実味豊かでグイグイ飲めてしまう感動的なワインだ。 この区画のグルナッシュに特別な感情を持っているジェロム、観察する目が違う。 ジェロームはこの区画が大好きだ。 何故なら、ここのグルナッシュが最も健全に完璧な葡萄が収穫される区画だからだ。 自分が狙っている自然な造りを思うように挑戦できる確実性の高い区画だ。 フィロキセラ以来中断していた歴史的テラス式葡萄園を復活させたジェローム COTEAU DE SAINT GIRAUD コトー・ド・サン・ジロ区画 村役場も歴史あるこの葡萄園の復活を模索していた。若いやる気のある醸造家を探していた。ジェロームが6年間の修行を終えて村に帰って来た時だった。ジェロームにとってまたとないチャンスに恵まれた。結局、ジェロームがこの歴史あるコトー・ド・サン・ジロ区画を栽培・醸造することになった。 ジェロームが多きな期待を寄せるメラニ区画とファントリー区画のシラー品種 この二つの区画は斜面続きで上下に隣り合わせになっている。最も風通しがよく、水分も土壌に蓄積されていて、どんなに乾燥した年でも酸を確保できる土壌だ。ジェロームはここにシラー品種を植えた。北ローヌと南ローヌの中間に位置しているアルデッシュでもここならシラーが素晴らしくなると確信した。 素晴らしく複雑性を備えた土壌 粘土石灰質土壌の20センチ地下には太古の昔、元海底だった頃の石灰岩盤の層があり、場所によっては貝類の化石が地表に転がっている。根っこは岩盤の割れ目に沿って地中深く伸びている。10メートル上下に歩くと土の色が全く変わってしまうほどバラエティーに富んだ土壌だ。 さあ、醸造所に戻ってテースティングだ。 なんと2009、2010と2年分のミレジムは発酵・熟成中だ! 2009年は非常に乾燥した年で4月から一切雨が降らなかった。だから非常に濃縮された葡萄が仕込まれた。自生酵母のみで発酵させる自然派の造りは、こんな乾燥年はアルコール発酵が大変ゆっくりだ。09がまだゆっくり発酵している。冬の寒い時期はアルコール発酵が止まってしまい、3月に入って発酵が再び始まってきた。 非常に危険を伴う醸造方法をあえてとっている。あくまで自生酵母と妙な人的テクニックを使って早く発酵を終わらせようとはしない。これが、自然派の人達の見えないところで大きなリスクをおいながら、自然を尊重してワイン造りをしている大切な事実だ。 ★ソーヴィニョン・ブラン10 92年に植えた若い木、10年は開花時期に霜にやられて50%しか収穫できなかった。6樽しかない。25HL/Hの収穫量、まだ発酵中で濁っているけど、キリットしまった酸が心地よい、旨味も乗っている。 ★シャルドネ1010年のシャルドネは6月の雹の為に壊滅的な被害を蒙った。たった1タル分しかなかった。まだ、残糖が多く甘い状態だった。収量が少なかった分濃縮感のあるスタイルに仕上がりそう。 ★ヴィオニエ10 これはかなり発酵がすすんでほぼ残糖が感じられなかった。南のヴィオニエ独特の過ぎた果実風味がなく実にスカットしたスタイルに仕上がっている。酸もヴィーフと言ってよいほどスカットしている。 ★ユニ・ブラン09 ほぼアルコール発酵が終わっていた。収量が少ない分、濃縮されているが、品種独特のスッキリ感がある心地よいスタイルだ。 ★シャルドネ09 まだ、わずかに残糖が残っている。今は発酵もストップしている状態。まだ一回もスーティラージをしていない。つまり、1年以上もシュール・リ状態である。その為か、かなりグラな脂質を感じさせている。その上、ミネラル感も素晴らしく締まりもある。仕上がりが楽しみなシャルドネだ。 ★カベルネ・ソヴィニョン10 CUVEE L`ABRIラブリ用のCSだ。樹齢34歳となりずっと自然栽培のおかげで根っ子も深く伸びていてミネラルも酸もバランスが良くなる頃合いだ。09は残念ながら揮発酸が発生してしまったから出荷はしない。 そのかわり10年は素晴らしい品質となっている。まだ熟成中ながら濃縮感と酸のバランスが抜群で爽やかな果実味のバランスとなっている。グイグイ飲めてしまうカベルネ・ソーヴィニョンとなるだろう。ジェロームも過去最高の品質だと思うと満足している。でも09年の失敗を踏まえての10年の成功といえるだろう。10年は除梗を一部実行している。グラップ・アンティエールの難しさを経験しているからの成功といえる。 ★PAS A PAS パ・ザ・パ09 やっと09のパ・ザ・パが4月にビン詰めされる予定だ。すでに品種間のアッサンブラージが済んでいた。アルコール度数11.50の上に果実味がたっぷりでグイグイ飲めてしまうザ・シゼンハのワインだ。 カリニャン、グルナッシュ、アリカントのアッサンブラージ。 アリカントのお蔭で色調は薄くはない。アタックでグルナッシュとアリカントの果実味が広がって、次にカリニャンの涼しい果実味と旨味、爽やかさが広がり、実に心地よいグイグイ・タイプのワインだ。 ★EN AVANT DOUTE アナヴァン・ドゥト 09 グルナッシュ100%、この蔵でも最も健全に葡萄が育つフェスキエ区画の畑の31歳のグルナッシュを仕込んだもの。果実味の濃縮感が素晴らしい。ミネラルからくる旨味がたっぷりである。心が躍るほど美味しい。全生産量が3000本しかない。売りに出せばすぐ完売となるだろう。 ★L`IBIE リビ 09 ラブリ区画の最も川に近いところに栽培されているメルロー80%、とシラー20%。03並みに乾燥した09ならではの濃縮感があるスタイルとなった。アルコール度も14度とレ・クラパスでは強いワインとなった。 その他、試作中のワインを色々テースティングした。 ★VENDANGE TARDIVE ヴァンダージ・タルディヴ06 ヴィオニエのボトリティスがも混じったもの。4年間アルコール発酵が続いているもの。70gの残糖で、SO2無添加の甘口ワイン。1樽しかない。 ★VIN DE PAILLE ヴァン・ド・パイユも試作中 など 家族を大切にしているジェローム 訪問中にお母さんがやって来た。 ジェロームの悩みは家族と過ごす時間をあまりとれないことだ。 自然派ワインの醸造と経営はなかなか難しい。 09年は2年間の発酵が続き出荷できない。 失敗にしないように最善を尽くすと家族との時間がとれない。 2人の娘がいる。今日は上の女の子の10歳の誕生日だった。 奥さんもシンプルで自然な気持ちの良い人だ。 幸せな家族を守っているジェロームの自然派を応援したい。 3年前に親友のフィリップ・ジャンボンと日本にやって来た。 オザミ・ブラッセリーでのひと時 日本のワインファンと接して本当に嬉しそうなジェロームでした。 心からお勧めできる人物であり。 心が和む美味しいワインです。 日本での問い合わせ先 野村ユニソン社   東京都中央区銀座1-10-19銀座一ビル7階  03-3538-7854 1-PAS A PAS パ・ザ・パ 2-EN AVANT DOUTE アナヴァン・ドゥト 3-L`ABRI ラブリ 4-LA […]