18
Nov

シャイで可愛い,アルザスのローラン・バルツ氏訪問!

~フランスで最も有機栽培が多いと言われているアルザス~ ここ数年、フランス全国では有機栽培をプッシュするムーブメントが起こっています。少しずつですけれども、ブドウ畑を有機栽培に転換する醸造家も増えてきています。 しかしこの用にブドウを育てている生産者は、全国に4%にしか足していません・・・しかし!ここアルザスでは、なんとブドウ栽培面積14 000Ha中、10%ものブドウ園がビオ栽培で育てられているのです!! こんな綺麗な空気に囲まれてワインを造っているLaurent Barth*ローラン・バルツ氏。 彼を一言でいうと・・・とてもシャイ! でも落ち着いている笑顔がとてもキュート! 恥ずかしそうにワインを紹介してくれる彼に、私はちょっぴり母性本能を擽られちゃいました・・・ そんな彼は、私のありがちな質問にも笑顔で応じてくれました・・・ ありがとうです! この地方の天候は? この地方では谷が多く、畑の周りにはヴォージュ山が立っているので、雨から守られているんだよ。年間でも550mm しか降らないだ。なのでどちらかと言うと、乾燥している季節の方が多いかな。 ブドウの熟成度はどうやって分かるの? そうだね、3つポイントがあるんだ。 1:ブドウの種を見て、ちゃんと茶色く、苦味が付いていること。 2:ブドウ木の枝を見て、しっかりと色が付いていること。 3:ブドウの皮に色が綺麗に付いていること。 でも一番良いのは毎日味見して、最高に美味しいときに収穫することだね! ローランにとって、テロワールとブドウ品種の一番良い相性は? う~ん・・・ ゲヴュルツトラミネールには石灰質の土壌、そしてリースリングには花崗岩!この町、Benwhir * ベンウイールでは、15種類ものテロワールが混ざっているんだ。 そして畑も小さな区画に何個にも別れている。僕も、3.70Ha の畑を所得しているが、28個の区画に別れている・・・しかも花崗岩、粘土石灰、マルヌや泥土と、様々なテロワールでブドウを育てられるので、勉強にもなるし、本当に楽しいんだ! 最後に、ローランは何故ワインを造ろうとしたの? 僕の父も、ずっとブドウを育てていたんだ。 でも父は全ての収穫を協同組合に売っていた。 その間、僕は4年間ブルゴーニュでワインの勉強をした後、イランやインド、アフリカやオーストラリアなど世界中を飛び回って醸造や畑作業に付いて学んできた。 その後、1999年に僕が父のドメーヌを継いだんだけれども、5年間の間協同組合に売り続けたんだ。 その間に畑作業をがんばり、区画も綺麗にして、ビオ栽培へと転換したんだ。 今は耕作は当たり前、コンポスト(堆肥)もビオディナミに従って作っているんだよ。 ここで畑見学をしている途中、あり得ないくらい甘く、あり得ないくらい綺麗な香りがするブドウを発見・・・! これぞアルザスにしか見つからないブドウ品種:Muscat O’ttonel*ミュスカ・オトネル! アルザスでももう殆ど見当たらず、わずか2%しか存在しない・・・こんなに美味しいのにもったいない! するとローランが 『栽培するにはとても難しい品種なんだ。完璧なコンディションでなければ、実を生らさない。僕も、3年に1度収穫できるか出来ないか、本当に低い可能性を信じていなければ絶対に無理だよ。』 ~そして醸造所に戻って試飲開始!~ ローランのラベルはとてもシンプル! でも良く見ると・・・葉っぱの絵は全て文字で描かれているのです! アルファベットやアラブ語、他にも分からない国の文字で、 « L’Esprit du Vin »* « ワイン・スピリッツ »と書かれています。 これはローランが仕事で回った国の文字を使って、今まで出会って来た人たちへのメッセージなんですって! 結構ロマンチスト~!! 今回テスティングしたキュベは全て2008年ヴィンテージ! 2008年は酸味が強く、キリッとした味のワインと仕上がっています! Pinot Gris*ピノ・グリ 地質:粘土石灰質 樹齢:8年と55年のブドウ木 残糖:15-18 gr ピノ・グリはアルコール度数が早く上がってしまうため、糖分・酸味・熟成度のバランスが最も最高な時に収穫しなければいけないのです。しかしそのタイミングを察知するのが難しい。 Pinot Noir*ピノ・ノワール 地質:粘土石灰質・砂岩・水晶 樹齢:30年 ピノ・ノワールは日に当たりにくくても一番熟成しやすい品種。ですので収穫時期はいつも一番!2回もの厳しい選別をした後、14日間のマセラシオンを終え、2008年は初めてフィルターを掛けず仕上げたそうです。 味は・・・繊細でフレッシュ!レグリスやさくらんぼの香りが強いです!とても飲みやすく、食欲をそそるバランス抜群なワイン! Pinot d’Alsace*ピノ・ダルザス 地質:泥土・砂質 樹齢:35~40年 大樽で熟成されたこのキュべはとにかく丸みがあり、トロリとしています。甘みが残っていながらもさわやか感があり、美味しい~! Pinot Noir « M »*ピノ・ノワール « M » 地質:粘土石灰質 樹齢:35年 « M »とはMackrainの頭文字・・これは区画の名前なんです! 繊細なタンニンと、まろやかなミネラル感、そしてスパイシーさがこのキュベの特徴です! Sylvaner*シルヴァネール 地質:泥土質 キリッとした酸味と、白い花の心地よい香りがあなたを別世界へと連れて行ってくれます・・・ Racines Métisses*ラシンヌ・メティス 砂質のテロワールで収穫されたリースリングと、ピノ・ダルザス、シルヴァネール、ミュスカ、ピノ・グリをブレンドした一品。とにかくしっかりとした酸味がワインに生き生きさとフレッシュ感を与えています。 Riesling*リースリング 残糖9 gr残っているこのワインは、口に含んだ瞬間強い酸味で目が覚め、その後サッパリとしたフルーツの香りが漂い、最後には甘さが残るという、なんとも感覚たくさんな一品です。 Riesling Vieilles Vignes*リースリング・ヴィエイユ・ヴィーニュ 地質:花崗岩・泥土質 残糖:5 gr グイグイといけてしまう、とても飲みやすいワイン!ミネラル感抜群、そして甘さと酸味のバランスも最高! Muscat d’Alsace*ミュスカ・ダルザス 地質:石灰・マルヌ・泥土質 樹齢:35~40年 とても華やかで気持ちが落ち着く香り・・・しかし飲んでみると結構しっかりしています!このギャップに少しビックリ・・! Gewurztraminer Grand Cru Mackrain*ゲヴュルツトラミネール・グラン・クリュ・マックレイン 地質:泥土・石灰質 […]

21
Sep

*アルザス * おとぎ話のような町 *

フランスで20年間生活している私・・・ しかしアルザス地方はまだ1回しか訪れた事の無い私・・・・ 以前行った時は、10年前のクリスマス・シーズン。 アルザスの町、ストラスブルグでは、世界でもトップを争うクリスマス市場が有名! 今回はお客様を連れて真夏のアルザスをブラブラしてきました! とにかくマンションなんて一つも見当たらず、 一戸建ての家が次々と並び、とても綺麗な印象! しかもこの自然に包まれたような雰囲気は、 本当に歩いているだけでリフレッシュさ満点! お家は全てとてもカラフル! 赤だ!!と思ったら次の家は黄色、ブルーの屋根や、緑の窓 皆思わず『可愛い~ !!!おとぎばなしの中みた~い!』 と思わす興奮してしまいました・・・ 皆色様々な花壇を飾っており、より華やかに! そしてまさに『ここどこ?!』と疑ってしまうようなデコレーションがここに! そう、それは店の看板! しかし!! これは昔ながらの看板! しかもまた言ってしまいますが、可愛すぎる・・・・ 魔女の宅急便をつい思い出してしまいました・・・! ここでアンドレ・オステルタッグさんとお食事! アルザス地方の名料理をお腹いっぱいに食べて満足している私・・ 豚の頭のパテを食べた後、エスカルゴも頂き、最後にはアルザスといったら持って来い!のシュクルットをペロリ~! シュクルットとは、キャベツを煮たものに、ソーセージ2本、豚肉一切れ、分厚いハムが一切れ、後・・・ とりあえず、ボリューム沢山の伝統的料理です! Le Pressoir de Bacchus 50, Route des vin – 67650 Blienschwiller Tél: 03 88 92 43 01 お腹もパンパンになり、さぁ帰ろう~!という所で目にしたのは・・・・?! 何故ここに?!と思う人も沢山いると思います! それは・・・何と『自由の女神』!!! 道路のど真ん中に堂々と建っているではないですか・・・! 何故?と思った私は、調べました。 実は、このアルザスの町、コルマールで、『自由の女神』を造った彫刻家、フレデリック・オーギュスト・バルトルディーは生まれ育ったそうです!

7
Sep

大らかさ&パワフルさナンバー1!アルザスのブリュノー・シュラー

今日は伊藤さんも大好きな、ブリュノー・シュラーさんに会いに行きました! ピンポーンとドアを鳴らすと、おじいちゃんが最初に登場! おじいちゃんといっても、まだまだ元気! 畑仕事を今でも続けている、タフで笑顔が眩しいジェラールさんです! 300年前から建っているこの家・・・今にも崩れそうで怖い! 今度からここを大工事するとか・・・ 勿体無いけど、必要かもしれません・・・・! そしてすぐにテスティング開始! 今回は全てブラインドで行われた試飲会。 しかしジョーク好きなブリュノーから出されたワインは、全部分かりにくいキュベばっかり・・・ それもそのはず、オールド・ヴィンテージしか出さないのですから・・・! まずはピノ・ブラン、1989年ヴィンテージ! ワインの色も少し緑のヴェールが掛かり、とりあえず古い! スパイシーで丸みがあり、15年以上経っているというのに力強さはまだまだ残っていて凄い! 皆で写真の撮り合いっこ!皆さんとても明るくてお喋り好き! 続いてはゲヴュルツトラミネール1991年。 とても花やかでフレッシュ!柑橘類のフルーツのアロマは体の力が抜けてしまいそうなくらいの美味しさ。。。しかし!口に含むと案外セックでミネラル感が爆発! 10人以上の女性に囲まれながらも、負けずに男性人も飲んでいました! そしてそして!! ゲヴュルツトラミネール・ビルヅストックレ・ヴァンダンジュ・タルディーブ1985年!濃い色、そしてフルーツゼリーのアロマ・・・ 20年以上の月日が流れているのに、ビックリするほどのパワフルさ! 長年眠っていた味が、一気に広がるような感じです! 山田さん、 « 両手に花 »で嬉しそう~! 他にも様々なワインを試飲! リースリング・グラン・クリュは甘いフルーツの香りが印象的、 2002年のリースリングはジャスミンティーのアロマが漂い、 ピノ・グリーは酸味が強くて目が覚める感じ、 そしてピノ・グリ・オンクル・レオンはまろやかでミネラル感がたっぷり! 男性2人の3ショット! 話しを聞いて、 飲んで、 そしてまた飲んで・・・・ 二人とも強いです! そして畑へブドウを見にゾロゾロと行進! アルザスはとても可愛い町!とにかくカラフルで、全ての家に赤やピンク系のお花が飾られています! 気温が低い地方なだけに、心は暖まるように色とりどりなのでしょうか・・・? そしてこれがブリュノーの住んでいる町、ユスラン・レ・シャトーの紋章です。 3本のタワーは、山のてっぺんにある、イタリア製のお城を、 ブドウはワインを、 そしてハートは皆さんの心の優しさを表しているのでしょうか・・・?! 畑に到着! 先ずはブリュノーの元で5年働いている鏡さんの説明を聞きながら、少しだけつまみ食い・・・! やっぱり除草剤を一切使用した事の無い土壌から出来上がるブドウは、甘くてプリップリしていて美味しい~! ここで皆さん! ウイヤージュとはご存知ですか?ウイヤージュとは、補酒をする事です。 醸造中、ワインは樽の中に保存され、木を通してですが、つねに空気と触れ合っています。そのため、補酒を定期的に行わなければ、ワインは少しでも酸化してしまう可能性が高いのです。 しかし! ブリュノーはウイヤージュをしないキュベがあると言うのです!飲んでみたら、確かに酸化していらず、寧ろ美味しい! どうしてまずくならないの?!と聞いたら、あのヤンチャな笑顔で 『100%健全なブドウだったら大丈夫なんだ!』という答えが返ってきました! ごもっともです・・・! 楽しくて、元気一杯で、ワインが大好きなみなさん大集合! そしてそろそろお腹がすいたな~と今度はジェラールの奥さんが経営している、家庭料理専門の可愛いオベルジュへとレッツ・ゴー。 ここではお客さん用の部屋もあるので、皆さんもアルザスに遊びに来たら、是非ここで温かいご飯を食べ、休んで行ってください! おまけに、奥さんの手作りジャムが試食出きるかも・・・! ジェラールの奥さんと娘さん。ブリュノーにそっくり! スターターには、最もフランスらしい健康的なサラダ! ソーセージやトマト、卵など、栄養たっぷり! そしてアルザスならではの豚のお肉とお芋の付け合せ! 一枚だけでもお腹がパンパンになってしまう大きさ・・・ しかもおかわりもまだまだ沢山ありました・・・! 最後にはもちろん手作りデザート! 今が旬のミラベル・タルトです! もちろんワインはシュラーのピノ・ノワール・・・・最高に合います! 彼のピノは、アルザスの中でもピカイチです!幸せになれる一品です! ブリュノー・シュラーのワインのお取り寄せはこちらから: 株式会社エスポア TEL : 06-6384-3319 FAX : 06-6386-0248 MAIL : jssesaka@vega.ocn.ne.jp

1
Sep

繊細でインテリ派醸造家:アルザス地方のドメーヌ・アンドレ・オステルタグ*Domaine André Ostertag

お日様の暑い日差しが肌に焼きつく中、私は今日アルザス地方、アンドレ・オステルタグ氏 の醸造所を覗いてきました! アルザス、コルマールの町 に住んでいるアンドレ。とにかくとても可愛くて色が溢れでている町です! とりあえず‘綺麗で清潔’が彼のモットー。 いつも綺麗にしておかないと気がすまない完璧主義者のアンドレ。 確かに醸造所はピカピカに光り、何一つ無駄な物が見当たらなくサッパリとした場所です! フルーツを全面的に表しているワインはステンレスタンクで、そして複雑感をより引き出したいワインは木樽で醸造しています。 そして畑へレッツ・ゴー! アルザスは、フランスの中でも、土壌がとても複雑で有名。 例えば同じ区画でも、4種類以上の石がゴロゴロと転がっていたり・・・ なぜかと言うと、昔、ドイツとの国境に見当たる一つの山が崩れ、地下に潜まれた様々な土壌の種類が表面に上がり、ゴッチャ混ぜになってしまったとか・・ ですので、同じ区画に砂利や白亜、石灰や水晶などが沢山! そしてこの地方で造られたワインは、同じ品種でもテロワールの違いが全く違う味を生み出すので、ビックリするほど楽しいです! この地方では色んな面白い山が見当たります。 例えばハイセンバーグ(Heinssenberg)= 暑い山 標高260m、南方面に立っている事からこの名前になったそうです。 ムッシュバーグ(Muchberg)=シトー会修道土達の山 これは、この山奥にシトー会修道土達が住んでいる教会がある事から名乗られたそうです。この山には不思議なパワーが感じられるとか。。。! アンガースバーグ(Ungersberg)=アルザスの富士山! 嵐が来ると、この山のお陰で、嵐は左右に分かれ、畑(特にフローノルヅとムッシュバーグ)には一切害を与えないのです! アルザスではブドウ木が高い・・・! ですので、他の地方に比べたら収穫中の腰の負担は避けそうです・・・・!(笑) そしてとにかく区画の数が半端なく多い・・・! 例えば、アンドレは5つの村に、120個の区画を栽培しています! 移動だけで大変そうです・・・! そしてブドウを一口パくっ・・・ あま~い!美味しい~! 今年の出来は ?と聞くと 『2008年は特にフレッシュでまろやか!出来は特にいいと思うよ!』 と満足な笑顔で語るアンドレ! それではテスティングをしてみましょう! 試飲室はとてもオシャレでシック! 棚にはアンドレの綺麗なボトルが並べられ、壁には奥さんの絵がズラリと飾られています! アンドレさんのラベルは、殆んど奥さんの作品が使われています!何か素敵ではないですか・・・? さて問題です! このラベルは一体どの絵でしょう・・?! Vielles Vignes de Sylvaner*ヴィエイユ・ヴィーニュ・ド・シルバネール2008 土壌:粘土質 樹齢:60年 とてもまろやかでトロリとした感覚! 花の香りがありえないぐらいフォワーンと漂ってくるのですが、 口に含むとあんがいセックで美味しい~! 何故このワインはこんなに丸みがあるのかと聞いたところ、 マロラクティック発酵、そしてシルバネールの品種が、この特徴を出しているそうです! Pinot Blanc 2008*ピノ・ブラン2008 品種:全てピノなのですが、ピノ・オクセロワ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ド・ブルゴーニュなど、ピノの勢ぞろいです! 土壌:粘土石灰質・花崗岩質 とても繊細でフレッシュ!しかも飲みやすいので、女性の方にはお勧めです! Clos Mathis 2007*クロ・マティス2007 品種:リースリング 土壌:水晶と砂質 甘い白い花の香りとは逆に、とてもミネラルで酸味がスカっとする口当たり。リースリングの畑はいつでも日が当たっているため、毎年一番先に熟されます。しかもの区画は風通しがいいため、とても爽やかなワインが出来上がります! Fronholz Riesling 2007*フロ-ノルズ・リースリング2007 土壌:水晶 とにかくアロマがとても複雑・・・! 花の香り、熟成されたフルーツのアロマ、そしてミネラル感抜群のワインです。 Muenchberg Riesling 2007*ミュエンシュバーグ・リースリング2007 土壌:火山岩が含まれた白亜質 樹齢:20~70年 とてもパワフルでまろやかなワイン。 特に甘さと酸味のバランスが最高!そして何といっても、火山岩を特徴とした土壌が、ブドウに大きな力を与えて、より力強いワインと出来上がっています! Pinot Gris Barrique 2007*ピノ・グリ・バリック2007 土壌:粘土石灰質・シスト質・砂利質(3つの区画から収穫されたブドウ) スパイシーでとても複雑な味わい!掘れば掘るほど様々なアロマが湧き出てきます・・・!特に梨のような香りがグ~~! この『複雑感』がまさにアンドレが捜し求めていた特徴! そしてこの『シスト質』の土壌は、この地方では結構珍しい! A360P 2007*A360P 2007 土壌:砂岩、石灰、そして火山の溶岩が固まって出来た石 何故A360P?それはこの区画のナンバーがA360Pだったから・・・ とりあえず香りにしても味わいにしても、とても奥が深いと感じるワイン・・そして繊細!このワインはアンドレの性格がとても良く出ています、特に繊細な部分は彼そのもの! Gewurztraminer Vignoble d’E 2008*ゲヴュルツトラミネール・ヴィニョーブル・ドゥ2008 土壌:砂利が含まれた粘土質 樹齢:25-30年 バラの香りが漂ってくるこのワイン・・・しかし口に含むとスパイシー!50Grも糖分が残っているのに、とてもスムーズに飲めるこのワイン。秘密は・・・この酸味に隠されていました! この綺麗な酸味と、甘さのバランスが、美味しい貴腐ワインを造る鍵となるのです! Muenchberg Vendanges Tardives 2007*ミュエンシュバーグ・ヴァンダンジュ・タルディブ2007 とても飲みやすく、軽い感じが特徴的なワイン。100Grの残糖も甘すぎず、とても綺麗でサッパリとしたな味!そしてマンゴやパッション・フルーツ、エキゾティック・フルーツの香りは、もう美味しすぎてたまらないです!特に女の子は絶対にはまってしまう味です! Fronholtz SGN 2007*フローノルヅSGN 2007 土壌:水晶が含まれた粘土質 これはとても不思議なワインです! 第一に、この2007年の出来は、今まででも一番と言えるほどの特別な出来!とにかく選果を何回も行い、とびっきり綺麗なブドウしか使用していない!アンドレも初めてこんなに選果を行ったと言うほど! そして何といっても、この不思議な味が凄い・・!一回飲んだら忘れられません・・・!口に含んだ瞬間は、エキゾティック・フルーツの味。それがだんだんと変わり、次にはハチミツのトロ~っとした感じ。そしてそして!最後に残る味・・・コレは何としょっぱい!土壌のミネラルが、後味にプア~と爆発するくらい感じられるこの塩の味・・ 塩キャラメルのような、ワインでは初めて体験した感覚です! アンドレのワインは、とにかく繊細で綺麗な味が特徴的。 『ワインには人が出る』といいますが、アンドレのワインは彼の誠実さ、繊細さ、そして何よりも彼の今まで経験して来た全てがこもっているような感じがします。 […]

24
Oct

アルザスの新星、Laurent BARTH*ローラン・バルツに拍手!

  2007年7月。世界放浪のワイン旅から帰って9年、苦労を重ねた自身のワインの初リリースから4年、純粋でシャイな眼をしたLaurent Barth*ローラン・バルツは、旅の日々を思いつつ、ワイン造りに没頭する日々を送っていた。 ところが、7月20日、突然、畑に大量の雹が降り、大きな被害を受ける。2007年は特にぶどうの生育も順調で、期待も大きかった上、独立の為に借り入れした資金繰りにもようやく目処が付いてきた矢先だったのに・・・。 彼が生まれたのはアルザスのワイン産地の中心となるコルマールから北に数kmのベンヴィール村(Bennwihr)。祖父や父の代はぶどうだけでなく麦や果実なども作る複合農業で、父の代には収穫したぶどうは協同組合に売っていた。 そんな中、生まれたときからぶどう栽培を間近に見ながら育ったローランは、将来家を継ぐことには何の迷いもなかった。ただ、世界を見たいという若い好奇心が彼を旅立たせることになる。 世界を回るワイン修行の始まりはレバノン。ディジョン大学で醸造学を学んでいた頃、始めて飲んだレバノンワインに感動し、ボルドーやシャンパーニュ、ボジョレーでの研修を終えると、レバノンへ旅立つ。その後、南アフリカ、アメリカ、インド、オーストラリアと回る中であらゆるスタイルのワインに出会い、経験を積む。本来、旅好きだったこともあって、楽しかったこの時期の様々な出会いは彼にとっての貴重な財産になった。そして、1998年、突然の父の死で、跡を継ぐべくアルザスへ戻る。   村に戻ったローランは、2003年までの5年間、たったひとりで、育てたぶどうを組合に売りながら生産者元詰めを目指した。自分の畑に手を入れ、借り入れをしてカーブを作り、機材を揃え、「ビオロジック」農業を目指した。ひたすら努力の日々だった。周りの先輩や友人、兄弟たちに支えられながら、とにかく頑張った。そしてエコセールの認定を受けるなど、準備期間をおいて、2004年、ついに初ヴィンテージをリリース。高度な醸造学と世界での幅広いワイン造りの経験から行き着いたナチュラルでピュアな自然派ワインだ。テロワールを大切に「この土地らしい個性を生かしたワイン」を造りたい・・・。そんなひたすらな思いが実を結び、年々着実に、その評価は上がっていった。マスコミにも取り上げられ、専門誌でも高得点を得るようになった。2007年にはコンポストなど、少しずつビオディナミの手法も取り入れ始め、3〜4年かけてビオディナミに移行していくプランも始めたところだった。   そんなさなかの、突然の雹。畑全面積3.7haの90%が被害にあった。目の前が真っ暗になった。しかし、何とかしなければ・・・。すぐにビオ仲間に頼み込み、今年だけという約束で2区画の畑を借り、7月から自分自身で手を入れ、収穫をした。ほかにも相互援助システムを利用して収穫を手伝い、できる限りのぶどうを入手した。品質の良いものが手に入るとなれば購入もした。思いのほか、費用がかかった。それなのに、ぶどうの個性も味わいも自分の畑のものとは違うため、醸造過程全てに最心の注意を払い、細かな調整をしなくてはならなかった。眠れない毎日が続いた。落ち込み、悩み、働き続けた半年だった。 そして1年。彼の2007年ヴィンテージは、例年とは確かに微妙に違う。畑別に醸造したものもあるため、自分自身の畑のぶどうだけで造る例年よりワインの種類も多い。しかし、どのワインもそれぞれにバランスよく、素晴らしい出来に仕上がった。ローランの性格を表すように、素直でピュアなワインたちである。よくやった!ローランに拍手! 「自然派のワインはとにかく、手間がかかる。でも、化学物質を使って造るワインと違って、思いが伝わる。頑張れば必ず答を出してくれる。だから、パッションが大切なんだ」これが試飲をしてみて、なるほどと実感したこと。   「今年も収穫量は例年より30%は少ないし、ワイン造りはいつだって大変だけど、去年のことを思えば、今年は楽なものだよ。それより、まだまだやりたいことが山積み!最近30アールの素晴らしい斜面にある区画を新たに買ったんだけど、そのうち10アールはこれからリースリングを植える予定だし、他の畑でもいろいろ改良することがあるし、楽しみなことばかりだよ!」 ローラン・バルツ、40歳。静かで優しい外観とは裏腹に今も、そしてこれからも熱くワインを造り続けるパッションの人である。 *ローラン・バルツのワインについてのお問い合わせは・・・ ㈱イーストライン 愛知県春日井市大泉寺町大池下443-147 TEL0568-82-1524 FAX0568‐82‐1524 HP://tokoseika-group.jp/index.html 尚、11月17日に東京・ロイヤルパークホテルで開催されるSOPEXAのアルザスワイン試飲展示会にも出展いたします。ご来場の節はぜひ、試飲してみてください。