26
Juil

PASSIONの人、大園弘さん

ほぼ2週間の長いフランス、スペイン滞在。 最後にアルザスのワイン見本市に参加。 日本に帰国する日の朝、AMMERSCHEWIHRアメルシュヴィルの畑をバックに朝コーヒーを飲みながら、2週間の旅に思いを馳せて整理に集中する大園さん。 数年前に独立してインポーターAVENIRアヴニール社を設立した大園さん。 積極的に醸造元を日本に招待して、日本中をイベントで駆け回ったり、日本の業務店さんを 引き連れてフランスを駆け巡ったりと、活動的に動き周っている。 意外と知られていないけど、大園さんは90年代にボルドー大学醸造学部の一年講座を卒業している。 単に自然派ワインを知っているだけではない。 ボルドーワインも一般の醸造も学び、ワイン全体のアカディミックな知識を身につけている。 その上で、いや、だからこそ自然派ワインのピュアーな魅力にみせられてしまった人。 しなやかな思想とソフトな性格を持ち合わせ、サンバのリズムのように尽きることなく永遠に続くような粘り強さも備えている。妙に構えるところがないので人に違和感を感じさせることなく近づいていける特技を持っている。 自然派ワインの事、一般ワインのこと、深いところで理解している。 ★これから自然派ワインを始めたい人、もっと詳しく知りたい人へ、★ この人に連絡すれば、皆さんの興味の度合に合わせて広く、深くアドバイスができる貴重な人です。 豊富な経験、知識を持ちながらいつも謙虚さを忘れない“優しさ”を備えています。気軽にご相談してみてくだい。  アルザスにて。

23
Juil

それぞれの思いを持ってここアルザスに集まった!!

ALSACEワイン見本市Les Vins Liberes レ・ヴァン・リベレ-NO5 各国のワインバイヤー、欧州中の著名ワイン屋、ワイン愛好家、ビストロ経営者、ソムリエ、造り手、アルザス・ワインへの期待度は大きい。 それぞれの思いを満足させてくれるワイン見本市だった。 クリスチャン・ビネールChristien Binnerをはじめアルザス醸造家達の献身的なサーヴィス、組織運営には感動した。 19:00時からは中庭でアペリティフ大会。 生バンドが演奏する中で、集まった人達がそれぞれ交流する大切な時間。 21:00時から地下の大広間で400人程の大宴会。 アルザスで今話題の1星レストラ「ラルシュミーユ」L’ALCHEMILLEのジェローム・ジェグルJérôme Jaegleシェフがスタッフを連れて腕を振るってくれた。 そして、サーヴィスはアルザスの醸造家全員が担当して我々にサーヴィスしてくれた。 これも初めての試のみ。 普通,参加者が長い列をつくって何時間も待つのが通例。 流石!アルザスは組織のチームワークが違う!! 宴会中も世界各地からの参加者同志の活発な交流を行なわれた。 お互いに本物ワインを販売する立場同志、本当に有意義な意見交換が行われた。 人が集まればエネルギーが生成される。全うなワインを中心に人と人がどんどん繋がっていく。 健全なワインは世を変えていくエネルギーに満ちている。 人をも変えていく。 今、フランス中のどこかで毎週末こんな自然派ワイン試飲会が開催されている。 最後は必ずディスコになる。 毎日、畑で頑張る醸造家もたまには発散する。 朝、5:00まで続いたとのこと。 夜もふけた。私は早目に。 有難う。 Merci pour Manifique soirée!! Merci Jérôme!! Merci les vignerons Alsacienes !!

23
Juil

J’aime ALSACE!! アルザスが大好きだ!!

ALSACEワイン見本市Les Vins Libérés レ・ヴァン・リベレ-NO4 何故? Pourquoi? 1-醸造家の個性が強い。しかし、必要な時にはお互いに協力しあう柔軟性をもっている。   今回のこの見本市のように。 Chaque Vigneron alsacien a une personnalité très différente. Mais, ils sont capables de s’unir lord de la nécessité comme cette foire. 2-土壌の種類が豊富である。シスト土壌、石灰、花崗岩、砂岩、など他の地域ではないバリエテがある。   Les terroirs sont tres variés: Schiste,calcaire,granite,grès , 3-ワインもそれぞれの人と土壌が掛け合わされて大変個性が強い。   Les vins ont aussi une personnalité très différente et une particularité remarquable par chaque terroir et vigneron.

22
Juil

アイデアが光る初のブース取り方・タイプ別ブース!

ALSACEワイン見本市Les Vins Libérés レ・ヴァン・リベレ-NO2 . 7月16日にアルザス、クリスティアン・ビネールの蔵でALSACEワイン見本市が行われた。 面白かったのは、ブースの取り方。 普通は、醸造元ごとにブースを設置する。 今回はワインのタイプ別にブースが設置されていた。 つまり、 *グイグイ体に入る軽快タイプ *マセラッションをやったタイプ *テロワールがしっかりしたタイプ *赤葡萄を仕込んだワイン *発泡ものワイン *新人ばかりを集めたタイプ などワインのタイプ別にブースが設置されていた。 各醸造元の家族が分散して各ブースに立っていた。 多分、前もってそれぞれのワインの説明する内容をお互いに予習しておいたのでしょう。 ふつうの質問にはキッチリと答えていた。 飲む側からすると、よく知った醸造家達のワインをタイプ別に同時比較しながら飲めるのが実に面白かった。 特に発泡,微発泡ばかりを集めたブースは同時に泡を比較しながら飲めて面白かった。 アルザスの発泡ワインのスカットしたミネラリーな美味しさはシャンパーニュにはないものだ。 シスト土壌、花崗岩のミネラルを微発泡に仕込んだ時の美味しさは抜群だ!! 酸とミネラルの出方が素晴らしい!! *Obi WiNE KenoBull ,Geschickt オビ・ワイン・ケノビュルは凄い! (ゲシクト) *A Chacun sa bulle ・Eric KAMM ア・シャッカン・サ・ビュルもスカット美味しい!!(エリック・カム) もう一つ、面白かったのは赤ワインばかりにブース アルザスのピノノワールは造り手によってかなり違うので同時比較できるのは嬉しかった。 一つだけ驚愕のピノを発見!! エッ!これアルザスのピノ?! 今回は、この一本と巡り逢えただけで,超満足。 あらためて皆さんにご紹介する時期があると思います。 やあー!!アルザスは面白い!!これからだな、と感じた。

22
Juil

★アルザスに大きな進化が始まっている★

ALSACEワイン見本市 Les Vins Libérés レ・ヴァン・リベレ-NO1 7月16日、日本ではフェスティ・ヴァンが行われた日に、フランスのアルザスでは若手自然派ワイングループが中心になって真夏の大試飲会が開催された。 アルザス自然派ワインが今大きく変わろうとしている。 地殻変動と云っていい進化が進んでいる。 古い皮を脱ぎ捨てて新しいカタチが形成されつつある。 新旧が一体となって動いているのが良い。 若手が新しいアイデアを出して、先輩の醸造家達が後押しをして進化している。 実に健全な方向で進んでいる。 流石、ドイツに近い北フランスのアルザス人の組織力は違う。 ここでも、新人醸造家が驚くような高品質のワインを初リリースが造りあげるような人達が誕生している。 素晴らしい自然派ワイン見本市だった。

7
Juin

Famille Kamm  trois generation カム家3 世代 NO.8

エリックは数カ月前に長男ロマンをもうけた。 すべてがこれからだ!という意気込みがエリックにある。 エリックの従兄は日本人女性と結婚して同じ村でパティシエ(ケーキ屋)をやっている。 日本には昔から大変興味を持っている。 エスポアとの付き合いは昨年から始まったばかり。 エスポアグループとして初めての訪問となった。 いい交流ができた。     両者にとっても、楽しみでハッピーな関係が築けそうだ。 日本のアルザスファンにまた、新しいアルザス、Eric Kammを楽しんで頂きたい。 美味しいよ!!

7
Juin

テースティング Eric Kamm –NO7

Grand cru Frankstein グランクリュ・フランクシュタイン Riesling リースリング エリック・カム自慢のグランクリュ畑。 自生酵母のみ、SO2添加ゼロ。 花崗岩質。花崗岩が風化して砂状になった土壌。 グレープフルーツ系のキリットした酸と果実味、その上にミネラル感があってクッキリとした凹凸感がある白ワイン。 流石グランクリュのリースリング。 QV . g ポワン・ジェ ゲヴェルツトラミネエール品種 自生酵母のみ、SO2添加ゼロ。 1週間のマセラッション・カルボニック醸造。 10か月の樽熟成。 ロゼでもない、オレンジワインでもないロゼ色とオレンジ色の中間色。 花崗岩土壌のミネラル感タップリで、ほのかなタンニンとバラ風味の果実風味が心地よい。 ★Pinot Noir 2016 ピノ・ノワール 自生酵母のみ、SO2添加ゼロ 3週間のカモシしたタンク、4日間のみのタンク、2種類をブレンド 樽熟10か月。 花崗岩土壌、ピノ風味豊か、花崗岩土壌のスカットしたミネラル感があり、涼しいタイプのピノ。 ★MARC マール 自家製のポットスティル蒸留器で造ったゲヴェルツトラミネエールのマール。 ゲベルツトラミネールの果実風味が残っており限りなくワインに近いマールって感じ。 イヤー、このマールは本当に美味しい。チョット、一緒に葉巻をやりたい。

7
Juin

テースティング Eric Kamm –NO6

蔵に戻るとお父さんがテースティングの準備をして待っていてくれた。息子が4年前より自然派ワインを造り出したことに、一言も口を出さずに全面的に協力しているお父さん。 ★A Chacun Sa Bulle ア・シャッカン・サ・ビュル2016(Petillant Nature 微発泡酒) ピノ・グリ品種 リースリング品種 自生酵母のみ。So2添加ゼロ。 花崗岩からくるキリットしたミネラル感、花崗岩質で育つリースリングのグレープフルーツ系の爽やかな酸、ピノ・グリの控えめな果実味が細かな泡と素晴らしい調和。 グット冷やし最高!!    ★Auxerrois Nature オクセロワ・ナチュール 2016 自生酵母のみ、So2添加ゼロ。 砂岩土壌で育ったオクセロワール品種。 シャルドネの従兄品種といわれている。 酸も比較的に穏やかで、すべてが優しく飛びぬけたものがない柔らかさを備えている。 繊細な和食にピッタリ。 ★Terre de Volcan テール・ド・ヴォルカン 2014 アルザス一体が火山地帯だった頃の火山灰が固まった土壌。 ピノ・グリ品種 自生酵母のみ、SO2添加ゼロ 樽発酵、樽熟成18カ月。 やや燻製香があり、酸とミネラル感がハッキリしている。 魚介類の焼き物の合いそう。

7
Juin

酒販店グループESPOAのメンバーと共に、 Eric kamm エリック・カム醸造- NO5

今年も素晴らしいメンバーがやって来た。 皆、それぞれのやり方で、それぞれの街でコツコツと本物ワインを広めている販売最前線の人達だ。 有名、無名、大小関係なく、一所懸命に本物ワインを紹介している。 売れる土壌を造りあげる為に、現場の情報を収集にやって来た。 よくあるインポーターの招待旅行ではない。 自分で経費を払って、中にはお店を10日間も閉めてやって来たメンバーもいる。 気合の入れ方が違う。 アルザスの畑を自分の足で歩き。 急斜面、花崗岩が風化して砂状になった土壌に触れ、太陽の当たり方、風の流れなど、葡萄園のミクロクリマ(微気象)を自分の体で感じている。今年はすでに乾燥が始まっている。 このアルザスの葡萄たちはこの美しい街並みが歴史の中で壊されたり、再生したりしてきた歴史を知っている。 そんな環境を通して今のアルザスワインがある。アルザス人はこの歴史を決して忘れていない。 彼らと接しているとこのアルザスの歴史が伝わってくる。

1
Juin

Eric KAMM エリック・カムは4年前より自然な造りに挑戦

アルザスには有名な古参BIO栽培の大家が多い。 自然派のグループとは一線を引いているBIO栽培家が多い。 古いビオ栽培家ほど自然派の造りを必要以上に拒否をする人が多かった。 ALSACEの進化 若手醸造家グループがこの壁を打ち破っている。 若い世代は、BIO栽培家と自然な造りをする人達が一緒に活動している。 お互いの情報交換をしたり、共同で試飲会を開催している。 素晴らしいことだ。 BIO栽培家達も躊躇なく自然な造りをトライするようなってきた。 時代の進化を感じる。 エリックは自生酵母のみで、SO2を添加しない造りに4年前から挑戦している。 最初は慎重にやっていた。 自然な造りのワインの美味しさに自分自身が驚いている。 畑に精魂を傾けていたお蔭でポテンシャルのある葡萄が収穫できるようになった。 健全な葡萄には、健全な自然酵母が着いており、他のものを混入する必要は全くない。 果汁にエネルギーがあるのでSO2の添加もしなくても大丈夫。 もうエリックは確信を持って、この自然な造りに取り組んでいる。 区画別に醸造できるように、小さなステンレスの発酵槽が多い。 古樽を使った発酵、熟成も行っている。

1
Juin

『ワインの深味は根っ子の深さに比例』 Eric kamm

エリックは葡萄木の根っ子が横に伸びてくるのをすべて切り落としてしまう、 やり過ぎるのでは、と思うほど迷わずにスパッと切り落としている。 これがエリックの性格。 エリックの土壌は花崗岩が風化して砂状になったものと、僅かに粘土質が混じっているのみ。 深いところは花崗岩の石ころの層になっている。 だから、水捌けが大変よく、根っ子が深く伸びやすい。 エリックにとって草も味方 畑には一列ごとに草をはやしている。ビオに替えてから色んな種類の草が生えるようになった。 草の中には空気中のチッソを取り入れて土壌に還元してくれる役割を担ってくれるものがある。。 草を生やす列を一年ごとに変化させている。

1
Juin

ビシッと優しいエリック・カムEric Kamm

ドメーヌ・カムは代々何世代に渡って続いてきた歴史がある。 エリックは2005年より継いでいる。 引き継いだ年の最初からBIO栽培をやっている。 何故? 『自分の健康にも、飲む人にも、地球の為に必要なことだから。』 エリックは自分のワインで多くの人達に“喜び”を分かち合いたかった。 エリックの性格はスカッと明確さがある。 アルザス人らしいゲルマン系の頑固さを備えている。 決めたことは、ビシッと実行するタイプ。 その中にも、周りに気を遣う細やかさ、優しさも備えている。 たったの6.5ヘクタールの畑を庭師のように丹念に育てている。 すべて自分自身でやっている。 自分の畑を自分の手でやる細やかさは、大会社の従業員がやる仕事とは程遠いものがある。 育つ葡萄にエモーションが備わっている。 比較にならないほどの差があるのは当たり前。 畑は30区画に分かれている。 グランクリュの畑Franksteinフランクシュタインを中心に花崗岩土壌が多い。 隣村には火山岩、シスト土壌の畑もある。

1
Juin

アルザス期待の新人エリック・カムEric Kamm

ワインの魂は土壌の中に! ミミズは大切なボランティアな耕作協力者! エリックは歩くごとに草を手で掘り起こして確認している 草の下は湿気があり微生物が生息している。 その中にミミズも沢山いる。ミミズが土壌の中を耕してくれている。 まるで、ミミズ達に挨拶をしているようだ。 エリックにとって、ミミズは大切な従業員もしくはボランティア協力者。 住みやすくしてやるだけで数人分の耕作仕事をしてくれる。

7
Mar

アルザスのGeschicktゲシクト醸造が日本にやって来る!!

DOMAINE FREDERIC ET ARNAUD GESCHICKT, Ils vont venir au JAPON. 今、アルザスで最も安定感のある蔵の一つゲシクト醸造のフレデリック、次世代のアルノーが日本にやって来る。 フレデリックはビオ・ディナミック協会組織のトップを務めている。 アルノーは、現在アルザスで元気な若い醸造家組織の中心人物の一人でもある。 今、アルザスではゲシクトが面白い。 フレデリックの栽培理論の深さは凄い。 アルザスには、いち早くビオ・ディナミ栽培をはじめた理論家の大御所が多い。 それらの理論を学び、尊重しながら更に実践から進化させた栽培理論を構築しているフレデリック。 そのフレデリックの甥にあたるアルノーは、フレデリックを尊敬しながらも、特に醸造ではよりテロワールを活かす為の自然な造りの試作を次々とトライしている。今、アルザスのゲシクトが面白い!! そんな二人が日本にやって来る。是非、逢いに来てください!! 3月9日は札幌に行きます。13:00札幌試飲会(円山屋) , 夜は愛好家と懇親会予定(円山屋) 10日は』福岡、12:00 自然派ワイン試飲会、(モントレイ・ラスール福岡にて)、夜は中州のワインバーで懇親会 11日東京、夜、ビストロ アンクゥ イベントに 12日東京、恵比寿でBMO 20歳・感謝祭、夜はスカイツリー・ソラマチ・オザミ店にいます。 13日は東京で逢えます。ホテル・モントレ銀座にて自然派ワイン試飲会 こんなワインが飲めますよ。 アルザスのテロワールにのめり込む二人。  

5
Fév

今、ALSACE アルザスが面白い!BMO山田さん編

日本中をワイン販売拡大の為に走り周っている山田さん。 5月のとある日、日本から素晴らしい友人、山田恭路さん、聖子の二人とアルザスにやって来た。朝、パリ東駅から6:55分の一番TGV(新幹線)でアルザスのコルマールを目指した。 普段、日本でもほぼ毎日の如くに移動している山田さんは朝からハイテンション。 TGVに乗ったと途端に日本に電話を入れて仕事をかたずけている。 一昔前の、エコノミック・アニマルと云われた日本ビジネスマンを超えた動きをやっている山田さん。 一か月前に、私は日本に出張した。その時、私は『山田さん、今アルザスが面白いよ!』というと、即、一か月後にはアルザスに吹っ飛んできた山田さんの行動力は凄い。今、日本で最も自然派ワインを市民化、しようと努力している人が、この山田さんだ。 山田さん『自然派ワインを一部の愛好家の世界だけで終わらせてはいけない。もっと、普通の人達にも飲んでもらいたい!』といつも言っている。日本には良い本物商品を販売する質販スーパーがある。山田さんは日本中の質販グループのお店と酒販店を走り周って、自然派ワインの普及の為に販売指導を行っている凄い人。 ワイン、特に自然派ワインを店の棚に品揃えしただけでは、絶対に売れていかない。この山田さんの指導を受けると少しづづ売れだしていく。努力次第では3年かかればその地域ナンバーワンの自然派ワイン販売店になる。 GESCHICKTゲシクト醸造  9:30頃、コルマールに到着。タクシーでGESCHICKTゲシクト醸造を目指した。 GESCHIKTゲシクト醸造があるAmmerschwihrアメルシュヴィル村に到着 アメルシュヴィル村は第二次世界大戦中に空襲で95%ほど壊された街。現在ある街は、再興した住人が生活しやすいように設計されている。 醸造家が多い街なので、収穫時にトラクターなどが出入りしやすいように、醸造所の家の前は広々とした広場になっている。 今日訪問のGESCHICKTゲシクト醸造の前は噴水付の広場になっていて、トラクターなどがバックしなくてもグルッと周って方向転換できるように設計されている。流石、アルザス人。 二人が笑顔で迎えてくれた。 右が当主のフレデリック・ゲシクト*FREDERIC GESCHICKT。左が次世代のアルノー*ARNAUD。 フレデリックはビオ・ディナミ機関のデメテールの副プレジダンを務めている。 GESCHICKTゲシクトに着いてまず、挨拶のお茶がわりに地下に降りて大樽熟成中の15年産を飲もうということでカーヴへ。 醸造所に入ると右側に、地下に降りる扉がある。 アルザスでは多くの蔵が大樽に発酵・熟成をやるのが伝統である。中には先祖代々使っている100年以上も使っている大樽も存在する。 “ミネラリーゼ” ゲシクト醸造では殆どのワインはこのフードルと呼ばれる大樽だるで年間は熟成することになっている。 フレデリック『ここのワインは一年間、この大樽で過ごすことになる。何故なら、一年間かけて葡萄園で育った葡萄をワインに変身して秋、冬、春、夏と同じサイクルをこの樽の中で育てることが大切なんだ。』 『ワイン造りは急いだり、焦ってはいけない。時間がかかるんだ。この一年の天体のサイクルをとうして、ワインとして自覚して、慣れていくんだ。』 私はこの作業をミネラリーゼと呼んでいる。経験豊富なフレデリックの言葉には含蓄がある。 土壌からワインの液体の中に入ったミネラルが、液体に慣れて溶け込んでいく時間が必要なんだろう。フレデリックの云う事は、哲学的で、かつ自然の理に適っている。 蔵に歴史あり、ゲシクト醸造は最初は今の当主フレデリックのお兄さんのクリストフが継いでいた。残念ながら、クリストフさんが若くてなくなり、弟だったフデレリックが継ぐことになった。そして、次世代としてアルノーが2013年より参入した。 尊敬するお兄さんの息子がアルノーである。このアルノーが現在アルザスで起きている若手グループの主要メンバーでもある。ビオディナミ農法の熟練フレデリックのもとで、その熟練技を学びながら、自然派ワインの造りを導入して新風を持ち込んだアルノーは、沢山のアイデアがある。毎年色んな試作ワインを造って研究中である。フレデリックもアルノーの才能を認めて一緒になって将来のゲシクトを組み立てている。 そして、もう一人、強力なメンバーがいる。Aurélie*オレリーである。アルノーの奥さんでもあるオレリーは正式にゲシクト醸造の株主となって宣伝・営業を担当している。このオレリーもALSACE若手グループの主要な活動メンバーの一人である。新旧が一緒になって新しいアルザスを模索している。 だから、今、アルザスは面白い! ゲシクトが面白い!! 今回の訪問時は残念ながらオレーはバルセロナへ出張中で不在だった。 今回は、アルノーの新作を試飲。ピノ・オクセール品種⅔とピノ・グリ品種⅓のマリアージしたワインだ。 土壌の上部を花崗岩が覆っていて、その下に石灰質がある。石灰の旨味ミネラルと真っ直ぐな花崗岩ミネラルをマリアージさせて両者のいいところを表現している。なんて優しくバランスとれたワインだ。まだ熟成中なのに素晴らしくバランスがとれている。この新キューヴェはまだ名前も決まっていないようだ。全体的に15産は果実味豊かでバランスが凄い。山田さんも驚きの高品質。 人気蔵のGESHIKT醸造には、訪問客が多い。私達がいる間にも訪問客が増えてきた。 醸造家の卵、レストランのシェフ、Christian Binner*クリスチャン・ビネールの働いている女性、皆で記念撮影。 ワインのすべては葡萄園で造られる。葡萄園に足を入れずワインを語れない。ゲシクト醸造のテロワールはAmmerschwihrアメルシュヴィル村の丘の下部と上部の部分に分かれている。それとグランクリュKaeffkopfカエフコッフ内にある。 土壌の人フレデリックは山田さんに一緒に歩くことを勧めた。実際に歩かないとテロワールの事はわかりにくい。 地表に近い土壌、地下層の土壌、土の深さ、斜面の傾度、方向など自分の足で歩くとよくわかる。24年間もこのテロワールを見てきたフレデリックの話しを聞きながら散歩した。 ゲシクトの畑は野花が咲いて美しい。村の下部は粘土混じりの砂・石灰質土壌。今年は水分が多いので草花を伸ばしている。草花は土壌に住む昆虫や微生物を護ってくれたり、草花の根っ子が土壌を耕してくれる。ミミズも元気に土壌を耕してくれている。 アルザスの偉大なテロワールを真っ直ぐに表現する二人。 1998年よりビオデイナミ農法を採用したフレデリック。若き後継者のアルノーもアルザスの偉大なテロワール探究の道に情熱を燃やす。    テロワールと葡萄木が仲良く過ごせるように環境を整えるのが二人の仕事。根っ子が地中深く伸びてテロワールから多くのミネラル分を葡萄実に吸い上げられるように 土壌を活性化させている。 草も花も葡萄木もイキイキしているのを肌で感じる。 宇宙の光を一身に浴びて、光合成を繰り返してエネルギーを蓄える葡萄の葉。 最終的には宇宙のエネルギー光を葡萄果実に蓄えて、ワインの中に入っていく。 葉が光合成をしやすいように環境を整えるフレデリックとアルノ。    ゲシクトの葡萄園は、野花畑でもある。気持ちがほっとする空間である。 一般の醸造元では、葡萄園の草は敵である。ゲシクト醸造では大切な仲間である。自然に土壌バランスを整えてくれる味方なのだ。     景の葡萄園。グランクリュ畑のKaeffkopfカエフコッフの丘を目の前に左にはフォレー・ノワールと呼ばれている小高い山を越えるともうそこはドイツ。 こんなに美しい景色を見ながら育った葡萄達が、発酵を経てワインとなり場所と時を超えて日本までこの景色、エネルギーを移動できる。 何て素晴らしいことなんだろう。 山田さん、聖子さんも感動の瞬間。 平らな部分の石灰土壌から丘の上部の区画、標高250m~300 mになると花崗岩質の土壌に変化している。 石灰土壌と花崗岩土壌が交差しているテロワールもある。同じ石灰土壌でも風によって運ばれてきて堆積した石灰土壌もあり、アルザスのテロワールの複雑さはブルゴーニュ以上である。 ほんの数メートル移動するともう全く違ってくる。 ゲシクトのフレデリックはそんな興味深いテロワールを小区画別に徹底的に探究してきた。    まずは土壌を自然のリズムで調和をとること、それによる区画ごとの特性を限りなく純粋に表現したかった。 エレガントで穏やかでありながら、確りとミネラルが表現されている。山田さんもフレデリックの話しを聞きながら感動の連続だった。 これは冷静で厳格なフレデリックの性格、人柄だからできたのではないだろうか。 葡萄を観察して、僅かな変化も見逃さない感性が現在のゲシクトの品格あるテロワールワインを造りあげたのだろう。 フレデリックのお蔭でアルザスの偉大なるテロワールを発見させて頂いた。心から感謝すると共に、こんなワインを日本の皆さんへ紹介できることを光栄に思う。 お昼に近くなって来た。ペットナットを開けてアペロをやった。ムスカ品種を使って醸した自然微発泡のペットナットは爽やかでアペロには最高! 特に、その葡萄が育った葡萄園でやる一杯は格別だ。 CREMANT D’ALSACE Double ZERO, クレマン・ダルザス、ドゥーブル・ゼロ 貴重な葡萄園散策を終えて醸造所に戻ると、アルノーが奥から大事そうに抱えて持ってきたボトル、そうゲシクト醸造が自ら手作業で丹念に造った自慢のクレマン(発泡酒)だ。超人気のクレマンである。スカッとして旨味もあってとびっきり美味しい発泡ワイン。 SO2添加ゼロ、2次発酵の補糖もゼロ。ダブル・ゼロのクレマン、Double ZEROである。    土壌は粘土・砂・石灰質、花崗岩も混ざっている。 50歳のピノ・ブラン品種50%、30歳のシャルドネ50% を収穫後のプレス機内でゆっくりと混プレスして、大樽(フードル内で混醸造した白ワイン。そのまま大樽で一年間シュール・リ熟成。 翌年の秋に収穫した糖度タップリの葡萄ジュース(ピノ・ブラン、シャルドネ)を足してビン内2次発酵をする。この段階で砂糖の混入はしないゼロ。これで名前がダブル・ゼロ(Double ZERO)。 ビン内2次発酵・熟成に一年間、デゴルジュマンもすべて自分であやる。  これがあれば、もうシャンパーニュはいらない。と思う程美味しいクレマンである。ガンガン飲んでもSO2ゼロだから翌日スッキリ。 6 Pieds sur Terres シス・ピエ・シュール・テール 醸造所の庭で収穫時の昼食で食べるようなアルザス名産の軽食を頂きながらの試飲となった。 このワインが最もこの醸造元の名を話題にしたキューヴェ。 アイデアが良い。この蔵で栽培している6種類の葡萄を均等に⅙づつの割合に使ったワイン。土壌はも6種類の区画のものを仕込んだもの。 品種は、リースリング、ゲベルツトラミネール、ムスカ、ピノ・オクセロワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン。 Ammerschwihrアメルシュヴィル村の丘の下の部分の区画のテロワール。砂混じりの粘土、風で運ばれてきた堆積石灰質、石英石など小石混じり、花崗岩も混じっている。つまり、アメルシュヴィル村のテロワールをすべて内蔵している、ザ・アメルシュヴィルのテロワールを表現したかったワイン。どこまでもやさしく、上品な酸、繊細でキメの細かい液体。石灰土壌からくる潮っぽい旨味。和食、京都料理に合わせたいワインだ。    プレス内で混プレス、フードル(大樽)にて自生酵母のみで発酵、そのままシュール・リで18カ月熟成。オリの旨味が溶け込んでいる。醸造中は一切SO2は混入しない。 私はPARISの和食店、YUZUにて何回も和食に合わせている。   Grand cru Kaefferkopf グランクリュ カエッフェコッフ ゲヴェルツトラミネール60%、リースリング30%、ピノ・グリ10% プレス機内で一緒に混プレス、フードルにて自生酵母のみで混醸造・発酵、そのまま一年間シュール・リ熟成。 グランクリュ区画内で石灰質と花崗岩が風化して砂状が混ざっている土壌。 ゲヴェルツトラミネールのスパイシーさ心地よい。でも60%もゲヴェルツトラミネールとは思えないワイン質、品種より土壌の方が全面に出ている。 […]

5
Fév

今、ALSACE アルザスが面白い!

今、ALSACE アルザスが面白い! 今、アルザスが面白い。アルザスに地殻変動が起きている。元々、アルザスはビオ栽培に熱心な醸造元多い。ビオ栽培の大所が何人もいる。一昔前は、ビオ栽培家と自然派ワイン醸造家とは敬遠の仲だった。 ここにきて世代がガラリと変わってきた。 次世代の若者達はビオ栽培、自然な造りを融合した発想を持っている。 自然な造りとは、まず第一に自生酵母のみで発酵醸造すること。第二、収穫直後の発酵タンクへのSO2の添加を止めること。(自生酵母が死んでしまうから)。この2点だけでも立派な自然派ワインなのである 元々、ビオ栽培は農薬を使う栽培家より3倍のリスクと時間をかけて農作業をしている。そのお蔭で土壌に微生物が生き生きと育っている。その元気な微生物の一部が自生酵母なのである。その自生酵母こそがワインの最も大切な風味をワインの中に醸しだしてくれるのである。特に発酵の初期に働く少数の酵母達が超大切なのである。 アルザスの若者達は自然発生的に意見交換、共同試飲会などを開催する若手グループを造っている。 これからのアルザスが面白い! アルザスの葡萄園、街並みが風景は美しい。そして、アルザスの名物と云えば、コウノトリである。 PARISからアルザスへはパリ東駅からのフランス新幹線(TGV)にて2時間でストラスブール、二時間半でコルマールに着く。最近、アルザスに来る頻度が増えている。アルザスが段々近く感じるようになった。 いつも朝一番のTGVに乗る。私はパリ南東のヴァンセーヌの森近辺に住んでいるのでパリ北にある東駅はチョット不便。 一番の6:55分に乗るには5時半には起きていくことになる。これに乗れば9:00にはストラスブールに着く。 9:30にはコルマールに着く。行く醸造元によって下りる駅を変えている。両駅ともレンタカー事務所があり便利である。午前中に一軒、訪問できる。 ストラスブールの駅は建物全体をドームで覆っている。コルマール駅は古風な東京駅に似たレンガ色。

31
Août

アルザスの修道僧 ドメーヌ・アンドレ・オステルタグ*Domaine André Ostertag

<ドメ―ヌの歴史> オステルタグ家は、ライン河に沿ったアルザス地方で長い歴史を持つ一族で、ドメ―ヌは、1966年に設立。 現在は、2代目André Ostertag – アンドレ・オステルタグ氏が経営しています。ドメ―ヌ名にもなっている、苗字オステルタグは、昔の言葉で「パックの日(復活祭)」を意味し、復活祭にちなんだ羊が家紋であり、ドメ―ヌのロゴにもなっています。 <アルザス地方> アルザス地方のぶどう畑は、220キロに渡り、ヴォージュ山脈にそって南北に広がっています。昔は、この地域は、ドイツの黒い森までつながる、一つの大きな山だったのですが、それが長い年月を経て、陥没、侵食して、そこにライン河が流れるようになり、この複雑で多様性のある地形と土壌を造り出したのです。 アルザスには、7つのぶどう品種、そして、この複雑な地形、土壌があり、そこで辛口から甘口まで多様性に富んだワイン造りをしているのです。 <オステルタッグのカーヴとぶどう栽培> オステルタッグのカーヴは、ストラスブルグの南の村、エピフィグに所在し、現在所有のぶどう畑面積は、14ha。 全部で5つの村(Epfig,Nothalten,Itterswiller,Ribeauville,Albe)の100の小さな区画で構成されています。 栽培品種は、シルヴァネール15%、ピノ・グリ20%、ピノ・ノワール5%、リースリング30%、ゲヴェルツトラミネール18%、ミュスカ2%、ピノ・ブラン10%。ぶどうの樹齢は最高77年と非常に古く、地中深く入り込んだ根が土中のミネラル分を吸収します。1996年より部分的に、そして1998年より全区画で、ビオディナミ農法を実践し、テロワールの特徴を最大限発揮するようにしています。 <2代目当主 アンドレ・オステルタッグ> 2010年現在51歳。緻密で自然なワイン造りを行うアルティザン(職人)でありながら、創造的な要素も取れ入れる、アーティスト(芸術家)でもある。前世は日本人では無かったのかと思わせるほど、立ち振る舞い、食の好み、考え方が日本人的であり、見た目「禅僧」のようでもある。 ビオディナミの本質を日々突き詰め、ぶどう畑、カーヴ、そして造る人間のエネルギーまでもが、ワインに繋がっていくという。アンドレの趣味は詩。20世紀前半のフランス詩人「ポール・エリュアール」の作品が好きだそうだ。芸術家の奥さんの絵と合わせた詩集なども発刊している。奥さんは、ぶどうの樹をモチーフにした絵を描き、アンドレは、その絵に詩を寄せている。 <3つのカテゴリー> オステルタッグはワインを3つのカテゴリーに分けています。 「Vin de Fruit(果実のワイン)」 ぶどうの果実味が前面にでたワイン。通常に収穫し、6~9カ月熟成。 若いうち、5年以内に飲むワイン。 ボトルの色、ラベルの色調は、植物をイメージした緑色。 ラベルには、ぶどう品種名がメインで記載される。 「Vin de Pierre(石のワイン)」 テロワールの味わいが強いワイン。その区画の深い底にある岩盤質の特徴が前面に出ているワイン。 収穫は遅め、11~18カ月熟成。熟成ワイン(10年~20年)。 熟成度の応じて、その場その場で楽しめる。 ワインのボトルは、暗い色で、ラベルはクリスティーヌ夫人の描いたぶどうの株をイメージしたもの。 テロワ―ルの名前を大きく表示、ぶどう品種名は小さく表示。 「Vin de Temps(時のワイン)」 ヴァンダンジュ・タルディヴとセレクション・グラン・ノーブル。 これは、収穫までの時間(Temps)もかかるが、その年の気候(Temps)にも左右される。 年によっては、粒ごとの手摘み収穫もある。9~12カ月の熟成。長期熟成(20年~50年)。 高い糖度によって、長期間(Temps)の熟成ができる。 ワインの色合いと熟成状態が分かるように透明瓶にビン詰め。 ○Vieille Vigne Sylvaner 2009 平均樹齢50年。(33年~75年)粘土石灰質土壌。 アルザス料理にも使用される、日常楽しむテーブルワイン。  青リンゴのような酸味、マスカットのような果実味など、ミネラル感もあり、バランスの良いワイン。2009年はトロピカルなニュアンスも。 ○Pinot Blanc Barrique 2009(バレルティスティング) 樽発酵、樽熟成。(新樽5%)味わいはリッチで、やさしい丸みのある味わい。 くるみや、はしばみのようなナッツ香も感じられる。 ○Pinot Gris Barrique 2007 平均樹齢35年。樽発酵、樽熟成(新樽20%) しっかりとした凝縮度と酸を併せ持つ。 2007年は、ゆっくりと熟度が上がったため、アルコールの強さも感じられるが、全体のバランスが取れている。スズキなどの白身の魚、ヒラメのムニエルなどに相性が良い。 ○Pinot Noir d’E 2009 粘土と石ころの混ざる土壌の区画と泥土質の区画。1部樽熟成(樽25%、ステンレスタンク75%) 12日間のマセレーション。リモンタージュではなく、デルスタージュにて、ぶどうに優しく、ぶどうの旨みを抽出する。2009年は熟度が高く、カシスやサクランボのような赤い果実や黒い果実のニュアンスが強い。繊細でバランスの取れた味わい。 ○Riesling Vignobles d’E 2008 総面積3ha。砂質と石ころの混ざる区画と、砂質と粘土の混ざる区画の二つの区画。 マスカットや、青リンゴのキャンディーのようなアロマ、口中では、シトロンの様な柑橘系の綺麗な酸を感じる。2008年は、通常年より長期熟成も可能な素晴らしいミレジムである。 ○Clos Matis 2007 この区画は、オステルタッグの栽培責任者、ユベール・マティス氏が所有する区画。 オステルタッグが造るワインの区画では、一番南に位置し、石壁で囲まれた0.6haのリボ―ヴィレ村の南東向きの険しい斜面に段々畑になって広がっています。 土壌は、花崗岩で、平均樹齢35年。 日照量が多いものの、斜面を吹きぬける涼しい風によって、熟度がありながら、 酸とフィネスを合わせ持つワインを造り出します。 クロマティスは、気品の良い、長期熟成向きのクオリティーの高いリースリングを生み出します。若いうちは、その良さを隠していますが、熟成によって、上質の酸、タンニン、ミネラル感を保ちつつ、高貴な味わいを表現してくれます。 ○Fronholtz Reisling 2007 石英、白い砂、粘土、泥灰土の混ざる土壌。 クリスタルような透明感、繊細さを感じるワイン。 口中で涼しくやわらかい。 そして、最後に強いミネラル感を感じる。 月のように、時として冷たく、時として熱さを感じさせる。 ○Heissenberg Riesling 2007 ハイセンベルグとは、「熱い山の意味」。 他の区画より、やや高温のミクロクリマからくる。 Nothalten村に位置する真南向き急斜面。土壌はヴォージュ山脈のローズ色の砂岩。平均樹齢35年。 フロンホルツとは対照的な、太陽の炎のような熱さを持ったワインを造り出す。 味わいは、はちみつのような甘さ、柑橘系の酸、ミネラル感が強い。 脂質もしっかりとして、余韻も長い。 ○Muncheberg Riesling 2008 ヴォージュ山脈のロゼ色の砂岩に、火山岩の堆積層や石灰質土壌の地層が組み合わさった土壌。 ミュンシュベルグとは、「修道士の丘」と呼ばれ、12世紀から、彼らによってぶどうが栽培されてきた。 砂岩から来る、女性らしさ、火山岩から来る男性的なニュアンスを併せ持つ。 平均樹齢50年。(最高樹齢70年) いぶしたような、火打石のような香り。 また、白い花、ぶどうの花の香り。 アタックは、柔らかく、やさしく、余韻に口中がしびれるような強さ、ミネラル感を感じる。長期熟成型ワイン。 ○Gewurztraminer Vignobles D’E 2008 バラやライチ、白い花の香りなどとてもアロマティック。 アタックは柔らかく、繊細で、後味に心地よい果実味が残る。 残糖50グラム/リットル。 遅摘みで熟度のあがったゲヴュルツをセレクションして収穫、 ぶどうを丸ごと、ゆっくりと時間をかけプレスし、タンクで発酵させる。 ゲヴェルツに関しては、長い熟成はさせず、その果実味を残したままビン詰めする。 残糖があるため、オリ引きを2回行い、2回目の低温により清澄作業のとき、若干量の SO2を添加する。 <オステルタッグのぶどう畑> FRONHOLZ フロンホルツ 所有面積:3.3Ha Epfigの丘の腹部から頂部に広がる南西向きの斜面に立地。 日照量が多く、通気性の良い区画。 土壌は、水晶、白い砂、粘土や泥灰土など。 植樹されているぶどうは、リースリング、ミュスカ、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネール、シルヴァネール。 水はけのよい白い砂質土壌には、リースリングを、軽い粘土質土壌の区画には、ゲヴェルツトラミネール、重い粘土質土壌区画には、ピノ・ノワール、ミュスカを植えている。 このフロンホルツのワインは、爽やかな酸味とミネラル感の富み、熟成とともに上品なアロマが現れてくる。 […]