〜ワイン職人集団がパリに集合〜 12月8日、ワイン・職人集団UNION DES GENS DE METIERの醸造家24者がパリに結集した。 普段は2年に一回のボルドー・ヴィネクスポの時に開催する。 今年は2008年の醸造が終わってホッとしたこの時期にパリに開催。 パリに住む我々には助かる企画だ。 このグループは今話題の自然派グループが発生する前から存在する老舗のグループだ。 メンバーのディディエ・ダグノ氏が先月不運の事故で世を去り、 息子のルイ・バンジャマンを仲間に紹介する意味も含まれた試飲会だった。 パリのプロフェッショナル向けの試飲会だった。 多くの若手醸造家も勉強の為に試飲しに参加していた。 これだけの本物中の本物がパリに集まることは少ない。 サント・オーギュスタン広場のナショナル会館で開催 JACQUES SELOSSE*ジャック・セロス シャンパーニュの東洋思想家 シャンパーニュで本物の職人と云えばジャック・セロスだ 。 人気のあるブースでなかなか近付けない。 隙を見てなんとか試飲できた。 シャンパンと云うより発砲した白ワインというイメージだ。 舌にあたる感触が柔らかい。すべてが溶けている。 シャンパンとは言い難い飲み物だ。まさに白ワインだ。 ジャックは一時期、自然派グループの会長まで務めていた。 彼の話は、古典中国の老荘思想の哲学の影響をうけているのでは?と思うほどの理論を持っている。尊敬すべき人物の一人だ。 CLOS ROUGEARD*クロ・ルジャール SAUMUR CHAMPIGNY ロワールの帝王 クロ・ルジャールのナディ・フコーだ。 絶妙のカベルネ・フランを醸し出す国宝級の男だ。 ロワールでフコー・ファミリーといえば水戸黄門的存在だ。 ボルドーのグランクリュの醸造長達が勉強に訪問するほどだ。 彼とは20年来の付き合いだ。お互いにまだ髪の毛は真っ黒だった頃からだ。 今日はLE BOURG 2005年を試飲した。 素晴らしく溶けたタンニンと柔らかなミネラルが特徴だ。全くカベルネ・フランの固さがない。 PHILIPPE ALLIET*フィリップ・アリエ CHINON 練った超職人技の持ち主 カベルネ・フランを造らせればフコー ・ファミリーと甲乙を競う間柄。 本当は大の仲良しだ。共同で樽を買ったり、ナディ・フコーとは良き相談相手だ。 私とこのアリエ夫妻との付き合いもほぼ20年来の付き合いだ。 アリエのカベルネ・フランはよりミネラル風味があり、果実味もより濃縮感がある。しかし、よく云われるフランのベジェタルは全くない。タンニンのキメ・粒子の細やかさ、天下逸品だ。 熟成するとグラン・ヴァンの風格を備えたワインになる。 来年、2009年1月に日本訪問決定! 東京・銀座パッション・ド・ヴァン事務にで試飲会開催予定! DOMAINE PLAGEOLES*ドメーヌ・プラジョル SUD-OUEST GAILLAC 栽培の天才・葡萄園が品種の博物館 彼は『LA MAIN VERTE*ラ・マン・ヴェルト』の持ち主だ。 ラ・マン・ヴェルトとは直訳すれば “緑の手”つまり彼が植物を触ると死にかけていた植物が生き返ってしまう。そのような人のことを、『あの人は緑の手を持っている』とフランスでは表現する。 西南部地方というマイナーの地域にいながら、絶滅しかけている品種を再生栽培している。 フィロキセラより絶滅しかけていた品種を復活させた。しかもその品種でワインを造っている。まるで、葡萄品種の博物館だ。 最初に飲んだモーザック品種の発砲ワインが爽やかで素晴らしかった。 LOUIS BENJAMIN DAGUENEAU*ルイ・バンジャマン・ダグノー ディディエ・ダグノの後継者 すでに、3年前よりお父さんのディディエと一緒にワイン造りをやっていた。 26歳、大人しい性格で物事を慎重にコツコツやっていくタイプの青年だ。 ミティクなお父さんの後は大変だが彼ならきっと素晴らしワインを造ってくれるだろう。 2008年は彼が造った。 今日は正式には試飲リストに入っていないが、そっと私のグラスに初めて自分一人で造った2008年産を注いでくれた。 『私が造った2008年産です。まだ樽で寝ているのを抜きとってきました。ムッシュ・イトウの意見を聞かせてください。』 08年は雹で60%もやられて大変な年、素晴らしいワインになっていました。 TREVALLON MR DURRBACH*トレヴァロンのデュールバク氏 南のカベルネ・ソーヴィニョンの帝王 CS品種は本来、南の太陽で育つのが最も幸せなんだ。 パワフルさがあっても強すぎないワインがトレヴァロンだ。 実に風光明媚な場所に葡萄園がある。 フランス人の憧れの地、プロヴァンスだ。 デュールバク氏の気さくで優しい人格が多くの人を 魅了している。 MAS JULLIEN*マス・ジュリアン LANGUEDOC ラングドックの影の大スター。 一時期、メディアに騒がれて大変有名になったことがあった。ある時を境に一切のメディアをシャットアウトにした。自分の心が舞い上がっていくのを感じたからだ。 『もっと地に足をつけた仕事をしないとまともなワインはできない。』 と当時のジュリアンは私に言ったことがある。 『価格についても、映画を観る価格よりワインの価格を上げるのは良くないことだ。』とも言っていた。 10年前に比べると濃縮から上品なワインへと変化している。 PASCAL DELBECK*パスカル・デルベック ST EMILION LALANDE DE POMEROL 右岸葡萄の修道僧 彼とも25年来の知り合いだ。元シャトー・オーゾン、ベレールの醸造長を長年やっていた人物だ。 私も6年間、ボルドーに住んでいた。 当時、ポムロルで醸造修行をしている時に知り合ったのが最初だ。ポムロルの元村長さんに紹介してもらった。彼の奥さんがペトリュスで働いていたのを覚えている。 右のワインはボルドー赤品種、6種類を使って仕込んだワイン、CS,CF,メルロー、カルムネール、マルベック、プティ・ヴェルドだ。 楽しんでいますね!パスカルさん。 〜会場のむかえでサント・オーギュスタン教会が微笑んでいた〜